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TEAM SHACHIと松隈ケンタが語る、グループの可能性が広がった新作EP制作秘話

StoryWriter

名古屋発で活動する秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈の4人からなるガールズユニット、TEAM SHACHI。2018年10月22日に前身グループ・チームしゃちほことしての活動を終了し、TEAM SHACHIとして再スタートを切った彼女たちは、2022年8月にプライベートレーベル「ワクワクレコーズ」を立ち上げ、楽曲のクリエイティブなどもメンバーも参加しながら活動を続けている。

そんなTEAM SHACHIの最新作となる2nd EP『AWAiTiNG BEAR』は、BiSHの楽曲プロデュースをはじめ様々な楽曲を手掛ける松隈ケンタが、4曲すべてのサウンドプロデュースを務めている。どのようにして2者がタッグを組むこととなったのか、楽曲に込められた想いやレコーディングでのエピソードなど、松隈ケンタ率いる音楽クリエイターチームSCRAMBLESが運営するレコーディングスタジオにて、和気藹々と対談を行った。

取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希


名古屋と福岡は、若干微妙な距離感がある?

――取材前の様子から、松隈さんとメンバーですごく馴染んでいるのが伝わってきました。

松隈:ちょっとずつ馴染んできたね。

咲良:最初の打ち合わせはリモートだったんですよ。

松隈:今回の話自体は1年以上前からあって。BiSHが解散するというのが発表されたのを聞きつけるやいなや、事務所の方から連絡があって(笑)。

メンバー:早い早い(笑)。

松隈:ぜひ曲を作ってください、と。で、1回か2回かリモートで喋ったよね。

大黒:直接お会いしたのは、レコーディングが初めてで。

坂本:そのあと大分のフェス(2023年4月30日に大分・城島高原パーク ウッドパワースタジアムで開催された「春のスターダストスペシャルライブ in 城島高原2023」)を見に来てくださって。

秋本:そのままステージに上がってもらって、その日にEPの発表をしたんですよ。

坂本:松隈さんが横から見てくださっていたので、「来てください松隈さん!」って。

――もともと登場する予定はなかったんですか?

松隈:予定にはなかったです(笑)。そんな感じでちょっとずつ仲良くなっていきましたね。

――松隈さんは、もともとTEAM SHACHIにどんな印象を持っていましたか?

松隈:実は7年くらい前、うちのチーム(SCRAMBLES)の若手クリエイターがRed Hono Blue Nappies(秋本と咲良のユニット)の「翼を授けてグローリア」に関わってたんですよ。知らんかったでしょ?

秋本&咲良:えー! 知らなかったです?!

松隈:その時、レコーディングはうちのスタジオでやってないもんね。直接会ったこともなかったから話せなかったけど、名古屋と福岡って若干微妙な距離感があると思っていて。(※松隈は福岡出身)

メンバー:えー!

松隈:東京、大阪とあって、3番目の都市が名古屋でしょ? でも福岡の人は第3都市は福岡だと思ってるの(笑)。実際は名古屋やと思うけど、ちょっと敵対意識持ってるんだよね。

咲良:私たちは、有名ミュージシャンのライブで名古屋飛ばしをされる側で、福岡ではライブがあったりするから、確かにトントンかもしれないですね。

松隈:トントン(笑)。例えば、福岡から大阪や東京に進学とか働きにいく人はおるけど、名古屋に行った人ってほとんどおらんのよね。

大黒:名古屋の人は上京して東京や大阪に行っても戻ってくる人が多いみたいです。

松隈:それ福岡も一緒! やけん、お互い、混じり合う前に戻っちゃってる(笑)。野球も中日とホークスもリーグが違うからあまり戦わないでしょ? 結婚したり付き合ったりする相性の悪い県ランキングが福岡と名古屋らしい。

メンバー:えー!(笑)

秋本:そういうのあるんだ。バトっちゃうのかな?

――今回実際松隈さんと関わってみて、メンバーはどう感じました?

大黒:1番身近な後輩ちゃん(ばってん少女隊)が福岡を拠点にしているのもあって、私たち自体も福岡が大好きなんです。福岡で配信したりもしていたので、勝手に近い感じに思っていて。逆に一方的に好きだったから片想いだったというか……(笑)。

松隈:ごめん、いきなり名古屋のこと言ってしまって! 俺も名古屋大好きですから(笑)。

改名して自主性を持つスタンスで活動してきたので、久しぶりな感覚で楽しかった

左から、坂本遥奈、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫

――メンバーは、松隈さんの作る楽曲に関してどんなイメージを持っていましたか?

大黒:ハル(坂本遥奈)が元々松隈さんの楽曲が大好きで。

坂本:松隈さんの作る曲が全部大好きで聴いていたので、1年くらい前に今回のお話を聞いたとき、本当に嬉しかったです。びっくりした。

秋本:ご褒美だ!って言ってたもんね(笑)。

坂本:レコーディング風景とかメイキングも見ていたから、ご本人登場だ!って。

咲良:リモートでも「本人だ!」って言ってたし、レコーディングでお会いしたときも「本物だ!」って(笑)。

坂本:松隈さんがカップラーメンを食べてて。カップ麺も食べるんだって。

松隈:食べる食べる(笑)。普通、逆だけどね。こっちがご本人だって言う側だから。

坂本:ファンとしても好きだったので、すごく嬉しかったです。

松隈ケンタ

――ちなみに、特に松隈さんの楽曲で好きな曲をあげるとしたら?

坂本:本当に全部好きなんですけど、BiSHさんの「ウォント」とか「Marionette」が好きです。「ウォント」が1番好きかもしれない。

 

松隈:割とマニアック系だね。嬉しい。たくさん聞いてくれてるのがわかるね。

――じゃあ今回のEPは本当に嬉しいタッグですね。

坂本:本当に嬉しいですね。私たちはグループの方向性として、メンバーで話し合ってやっていこうって活動をしてきていて。どちらかというとメンバーで周りを引っ張る側でもあるので、今回松隈さんが打ち合わせのときからすごく引っ張っていってくださったので、ついていきたいなって本当に思いました。

咲良:ディレクションとかレコーディングの時とかすごい引き出してくれたよね。

秋本:知らない自分に会えるレコーディングでした。

――今おっしゃってたみたいに、普段は4人で話し合って物事を進めていくことが多いんですか。

秋本:基本そうですね。あと、チーフマネージャーと一緒に、こう思うんだけど、どう思う?って頻繁に話して。

咲良:話し合いながら、いいところを見つけていくというか。

坂本:受け身タイプとか、いろんなタイプがいるけど、メンバーの中で表情でわかるんです。言いたいことあるなって。それはちゃんと逃さないように聞いて、1番いいのは何かなって話し合うようにしています。

――そしたら、今回の松隈さんプロデュースはいつもとだいぶスタイルが違うんですね。

咲良:前身グループが「チームしゃちほこ」って名前だったんですけど、その時は用意していただいたものを自分たちがチャレンジしていく形だったんです。改名してから、こういう自主性を持とうってスタンスに変わったので、ちょっと久しぶりな感覚はあったかもしれない。乗っかりに行くみたいなスタイルというか。すごく楽しかったです。

好きなお弁当屋さんへのラブレターをもとに生まれた「あなたのトリコ~究極の愛~」

――松隈さんはオファーを受けて、楽曲はどのように着手していったんでしょう。

松隈:最初は、メンバーのことは考えずに作り始めました。曲を聴いちゃうと固定概念が入ってきちゃうから、あえて触れないようにしていて。もちろんいただいた資料とかは見るし、代表曲も聞くけど、フラットに考えるんです。誰がどんな声で、どんなキャラか、会うまで俺は知らないようにしていて。レコーディングでみんなと会ったときに、メンバーの良さがはみ出してくるので、そこでいいところを拾い集めるっていうのが僕のスタイルなんです。そこはいい意味でいつも通りというか。TEAM SHACHIだからこうかな?ってイメージはあまり持たなかったですね。あと、さっき本人たちが言っていたけど、ちゃんと話し合いを何回もするわけですよ。僕もメンバーと事前に打ち合わせることって、あまりなくて。こんな歌がいい、こんな歌がいい、とか色々言われたから、凄い子たちやなと思って。メンバーの意見も入れたりできたのは今回、僕も面白かったです。

――ちなみにメンバーからは、どんな曲作ってほしいってリクエストをしたんですか?

大黒:私たちの大好きなお弁当屋さんがあるんです。普段は、それぞれ個性がバラバラで、好きなものも、聞いてる音楽もバラバラなんですけど、唯一同じマインドで、同じレベルで好きなお弁当屋さんがあって。その曲を作りたいです!って言って作っていただいたのが、「あなたのトリコ~究極の愛~」なんですけど……。

(スタッフがお弁当を実際に用意)

秋本:こちらのお弁当になります!

一同:(拍手)

松隈:本物や!

大黒:事前に私たちからのお弁当へのラブレターを松隈さんに送らせていただいて。

松隈:びっくりしたよ。ほんとに好きなんだなと思って。

一同:あははは。

咲良:それぞれ書いたので他のメンバーが何書いてるか知らないんですよ。

松隈:でも、本当に同じ熱量だった。

大黒:愛が溢れちゃいました。

坂本:で、このお弁当が蒲田でしか買えないんです。

咲良:そう、それがまたいいんですよ! ちょっと手を伸ばさないと手に入らない、会えないっていうのが、また好きな気持ちを増幅させるというか。

秋本:東京来るモチベーションだよね。

松隈:シンプルに最初これをパッと見た時は、歌詞のイメージとかワードにしようと思ったんだけど、もう本当ただメッセージが書いてあって。

一同:あはははは。

――この曲を、お弁当屋さんに届けてあげたほうがいいんじゃないですか。

秋本:実際に届けました!

大黒:その愛が届いて、MVに映させていただけたんです。

 

――ものすごい熱い話ですね。

松隈:弁当の曲って今まであまり作った人いないと思うよ。この曲に関しては、お弁当屋さんのテーマソングでもないけんね(笑)。

大黒:ラブレター書くほど好きなお弁当って、普通はなかなかないですよね。

坂本:レコーディングもこんなに頬下がらないことある?ってぐらいずっとニヤニヤしながら歌っちゃって。松隈さんとも大爆笑しながら(笑)。

咲良:松隈さんも「自由にやって」って(笑)。

松隈:メロディ作っちゃってもいいよってね(笑)。

秋本:松隈さんはデモからすごかったんだよね。感情がすごい乗ってました。

松隈:君らの想いが乗り移っちゃって! 何重にも俺の声が重なってる(笑)。1回仮歌のときに「カリカリ」って表現を使ったら、「カリッとしてないんですよ。シナシナでお願いします!」って連絡があって。

秋本:「ジューシーなブルース」のところですよね。

松隈:「ジューシーなブルース」は俺も気に入ってるのよ!

秋本:めっちゃいい歌詞!

松隈:最高です(笑)!

――メンバーは、松隈さんのディレクションで印象に残っていることはありますか?

秋本:私はこういう声なので、今までかわいい歌い方とか丁寧な歌い方を求められることが多かったんですけど、松隈さんは楽曲に合わせて「もっと強く! もっと大げさに! 雑でいいから!」って感じで、新しい私を求めてくれて。過去12年間のレコーディングの中で一番体力を使いました。

松隈:結構歌ってもらったもんね。

秋本:「勲章」って曲はレコーディングブースの照明を消して、ここはライヴ会場で今から落ちサビいきますっ!って、全部私に合わせて作ってくださって。そういうのも初めてだったのでびっくりしました。そこまでやってもらえてうれしかったです。

――自分の今まで見えなかった一面みたいなものも出せた?

秋本:自分こういう歌い方するんだ!?ってなったし、既に披露させていただいている「君にぴったりな歌」はファンの方からも「全然違う帆華ちゃんが見れてうれしい」って声をたくさんいただきました。

松隈:かわいい声だから、そこを押し出すのももちろんいいんだけど、逆にかっこつけたものを出すと、よりかわいさが出るなと思ったんです。熱い感じとか、声をガラガラにして。編集をしていても、一番ほのちゃんがいろいろな表情になりましたね。

咲良:これだけずっと活動をしていると、新しい一面を見ることってなくなってきたりするんですけど、完成を聴いたときに「あ! 違う! 帆華…!」って思ったよね。

大黒:うん、思った。

坂本:どこにそれ閉まってたのー! 今までなんで隠してたのー!って。そう思ったくらい衝撃でした。

秋本:私もびっくり。強く歌える人がグループの中にいっぱいいるので、私は逆に全然違う声をちょうだいって言われていたので、強い歌にも挑戦することができてうれしかったです。

松隈:自分で決め込んじゃってると、そういうふうになっちゃうじゃん。ここはほのちゃんパートだな、ここ菜緒ちゃんパートだって決まっちゃうから。

咲良:普段は仮歌ができた時に、自分のパートはここかなって予想できたりするんですけど、今回は全然予想できなかったです。

松隈:まさかそこ私になる!? っていうところもあったでしょ(笑)。

坂本:ありました、ありました(笑)。

「Bメロの女王」誕生、トイレから生まれた楽曲?!

――みなさんが山を張っていたのと違ったという話が出たんですけど、どういう基準で歌割は決めているんでしょう?

松隈:「君にぴったりな歌」で、ゆずちゃんがBメロを結構歌ってると思うんですけど、僕は“Bメロの女王”が好きなんですよ。野球で言うと、3番打者。だいたい4番が目立つんだけど、1個前の重要なポジションで。

秋本:サビ前ですね!

松隈:やっぱりここが大事なの。そこはゆずちゃんがいいなと思って。そこからサビにバンっと切り替わって、なおちゃんとかほのちゃんとかがガンっとくる。そしてサビの後半でははるちゃんが出てくるんですよ。この切り替わりがすごく重要で。僕の曲が好む歌声というか、ロックな声をしているので一番ハマりがよかった。そこに対してのみんなの使い方って感じかな。

坂本:おもしろい!

――大黒さんは「Bメロの女王」って言われてどうですか?

大黒:めちゃくちゃうれしいです(笑)!

――「君にぴったりな歌」の「君」は、誰のことを指していんでしょう?

松隈:僕が作ってるから、君たちだと思ってますけどね、TEAM SHACHI。

秋本:やったー! この曲、ファンのみなさんから「きみぴた」って呼ばれてます(笑)。

大黒:冷えピタみたい(笑)。

咲良:タイトルが想像つかない略し方だよね(笑)。

松隈:TEAM SHACHIって結構歴が長いので、最初にそれがテーマとしてあったんですよ。グループ名も変わったりしているし、転換していかなければいけないってことで僕も呼んでいただいているので、新しいシャチの曲になったらいいなと一番思ったんですね。「あなたのトリコ~究極の愛~」が明るくておバカソングなので、ちょっとクールでピリッとしたサウンドにしたいなと思って。ヒリヒリした焦燥感というか、そういうのはこの曲に入れましたね。

 

――上モノもオーケストラっぽい感じのアレンジというか。

松隈:そう、ストリングスが入っていて。Aメロの歌い方は、みんな自信があるんだかないんだか分からない感じを表現しています。やる気はあるんだけど、不安がある。それが共存している感じに仕上げたいなっていうのがありましたね。

――この曲に対してレコーディングとかで印象に残っていることはありますか?

秋本:シャチは前向きな歌や明るい曲が多くて、リアルな感じのトーンで歌う曲があまりなかったんです。この曲は歌詞もストレートだし、気持ちが入りました。それこそ歴が長いからこそ、いろいろなシーンをレコーディングの中で思い出して。自分の活動を振り返りながら歌いました。

――他のみなさんはそういう感触はありました?

坂本:「AWAiTiNG BEAR」の収録曲4曲の中で「あなたのトリコ~究極の愛~」と「アサガオ」は具体的にこういう曲がほしいですってお伝えしたんですけど、「勲章」と「君にぴったりな歌」は松隈さんが私たちの現状だったりを踏まえて作ってくださって。改名してから、チームしゃちほこの頃の自分たちと比べてしまったり、1から知ってもらうのがすごく難しいことなんだなと直面したことも全部さらけ出してお話しさせていただいたので、そういう感覚を汲み取ってくださったからこそ生まれた曲だし、歌詞だなと思って。より気持ちが入りました。

松隈:「勲章」も似たようなテーマではあるんですけど、もうちょっと前向きで。今まで歩いてきた12年に思い出がたくさんあると思うんだけど、それが全て勲章だよっていうイメージですよね。4人と、スタッフさん、ファンのみなさんも含めて、誇りましょうというような曲にしましたね。

――この曲はピアノから始まって来ますけど、対比みたいな部分はあるんですか?

松隈:音で言うと、「アサガオ」「あなたのトリコ~究極の愛~」と「勲章」「君にぴったりな歌」は対比をつけたかなという感じですね。結構ゴリゴリな曲を作る方だけど、あえてそこは逆にいってますね。TEAM SHACHIっぽい側で4曲作りました。

――「勲章」に関してレコーディングの時の思い出に残っていることはありますか?

秋本:「勲章」が先程話した照明を消して歌った曲で。私たちの今まで全部見てきてくださったかのような歌詞で、今までの12年間を認めてもらえたような歌詞なんです。ライヴで歌ったら、また感情がすごい入るんだろうなと。松隈ケンタさんとタッグが組めて、この上なく光栄でうれしく思います、はやくライヴがしたい! ライヴで歌いたい曲です。

 

――松隈さんは最初は過去のことをあまり考えずに始めたと言っていたじゃないですか。それにも関わらず、彼女たちの想いがそこまでわかるというのはすごいですね。

松隈:曲とかライヴビデオはあまり見なかったという意味で、彼女たちが歩んできた話とかストーリーはかなり見ましたね。直接みなさんに想いとか聞いたし。それをここの曲と歌詞に落とし込んだ感じです。だからハマったなと思いました、4人の歌を録ったとき。これは一番手応えがあるというかね、「あーいい曲できたな」っていう感じがしました。

――「アサガオ」はメンバーからのどんなリクエストがあったんでしょう?

松隈:盛り上がった曲がほしいというシンプルな感じだったよね?

坂本:私たちはライヴグループって言ってもらえることも多くて。楽しい楽曲とか、尖った楽曲とか、かっこいいに振り切った曲とか、いろいろなジャンルを歌わせてもらっているんですけど、セットリストを組むときに欲しいなって場所に欲しい曲をお願いしました。フェスだったり、みんなが分かりやすく一緒に踊れるような楽しい盛り上がる曲が欲しいですとお願いしました。

秋本:世界観を作り込んだような重厚な曲が多かったので、ある意味、ちょっと軽く聴けるではないんですけど、ライヴの中で間に入れられる曲がほしくて。

坂本:何も考えずに楽しい! でもすごくいいこと言ってる!みたいな曲が欲しいって。

 

松隈:今メモを見たら、誰が言ったかは知らんけど、「ミディアム、乗りやすい、「beautifulさ」ぐらいなテンポ、お花摘み」って書いてある(笑)。

秋本:お花摘み……? そこから「アサガオ」が来たんですか!

松隈:たぶんそうじゃない? これは会議のときのメモやけん。「お花摘み」ってなんやろうね。

秋本:トイレの話?

大黒:あ、トイレの話したよね。「NGある?」って言われたとき。

秋本:待って! おトイレから来たこと? やだー(笑)。

松隈:じゃあ、この曲と関係ないワードだったんや(笑)。

咲良:これからお手洗い行く時、「アサガオ」って言います(笑)。

一同:(笑)

秋本:でも、そのメモがなかったら、あの「アサガオ」の歌詞は産まれなかった。

坂本:すごい! めっちゃおもしろい!

松隈:俺も今思い出しましたね(笑)。曲が生まれるってそういうくだらないことから生まれるんですよ。

咲良:こんないい歌がそんなところから(笑)。

大黒:振り付けは、ハルがつくってくれたんですよ。なので、より思い入れの深い曲になりました!

咲良:ライヴでは欠かせない曲になりそうだよね。

今までの歴史を肯定するような節目になる作品

――今作は、TEAM SHACHIにとってどんな未来に繋がる作品になったと思いますか?

坂本:可能性が広がったよね。さっきも話したように、メンバーの知らなかった一面を松隈さんのおかげでたくさん知れたので。これからほのちゃんはかっこいいとかわいいを駆使して歌っていくんだろうなと思ったり、いろいろな引き出しがみんなにできたと思います。いろいろなことにもっと挑戦できそうだなってすごく思っています。

大黒:私たち自身もプライベートレーベルで活動をはじめて、今回「勲章」みたいに今までの歴史を肯定するような節目になる曲が生まれて。ファンの方にとっても節目になる曲をいただけたと思っています。ターニングポイントになりそうなEPだなと思います。

秋本:プライベートレーベルの名前が「ワクワクレコーズ」って言うんですけど、松隈さんに全曲作っていただけるなんて、私たち自身考えたこともなくて。このワクワクを本当にちゃんと届けられていると思うし、自主レーベル名とともにさらに大きくなれるんじゃないかなと。私たちのワクワクも詰まったEPになったと思います。

咲良:私自身もともと大好きだったというのもそうなんですけど、松隈さんを知っている方だったり、タフ民(ファンの名称)以外の方にも聴いてもらえるきっかけになる一枚だなとすごく思っていて。「君にぴったりな歌」は過去に出会ったことある方とか、今どうしているのかなって思い出す歌詞とかも多い曲になっています。今まで私たちに関わってくれたことがある方もそうだし、これから出会いたい方、たくさんの方に入ってもらえるきっかけになるEPだなと思います。より今後が楽しみです。

――最後に松隈さんからメンバーに激励の言葉をいただけますか。

松隈:夏に城島高原のイベント〈城島高原アンダーザスクリーム2023〉に出てもらうので、まずは一緒にめちゃくちゃ盛り上げてほしいですね。ライヴも春に観せてもらったんですけど、すごく元気がもらえるんですよ。さっきのワクワクだったり、ドキドキするようなものをファンだけじゃなくて、これからファンになる人たちにもたくさん届けていってほしいです。歴が長いのでいい意味で落ち着いている部分もあるなと思っているので、初々しさも残しつつ、ベテラン感というか、大物感をつけていってほしいなと思っていますね。

一同:がんばります!

松隈:僕個人としても、今回4曲やらせてもらったのは大きくて。1曲だけだと、どうしても曲を渡して終わりですってくらいの感覚になっちゃうんだけど、次はこうしようとか、そういう積み重ねができたので、今回のEPが売れて、またアルバムとか作りたいよね。

メンバー:えー! お願いしたいです!

松隈:ぜひ、また呼んでください!


■リリース情報

TEAM SHACHI『AWAiTiNG BEAR』
2023年6月28日リリース
収録曲:
1. あなたのトリコ~究極の愛~
2. 君にぴったりな歌
3. アサガオ
4. 勲章
5. あなたのトリコ〜究極の愛〜(Off Vocal Ver.)
6. 君にぴったりな歌(Off Vocal Ver.)
7. アサガオ(Off Vocal Ver.)
8. 勲章(Off Vocal Ver.)

■ライヴ情報

〈城島高原アンダーザスクリーム2023〉
2023年8月26日(前夜祭)、27日(本祭)
場所:大分県・城島高原パーク
出演:
前夜祭:BAD KNee / TEAM SHACHI(スペシャルコラボステージのみ) / ばってん少女隊(スペシャルコラボステージのみ) / 「チャレンジオーディションGO!GO!GO!2023」アーティスト

本祭:Buzz72+ /175R / TEAM SHACHI / ばってん少女隊 / ダイノジ / PIGGS / SUPER★DRAGON / POPPiNG EMO / The コットンクラブ / Hack the Ceremony

アンスク公式サイト
https://scrambles.jp/under-the-scream2023/

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