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StoryWriter

日常の中にお気に入りのものがあると、ふと目にした瞬間、優しい気持ち、幸せな気持ちになれたりする。

突然ですが、ここで、お気に入りのキッチン用品を紹介させていただきたい。

まずひとつは「ミルクパン」。

ミルクパンと言っても、ミルクでも、パンでもない。

世の中に、ミルクを温める目的でつくられたお鍋(ミルクパン)があることはなんとなく知っていたが、このガラスのお鍋がお店に飾られていて、一目惚れ。

お店の方に聞くと、イタリアのKnindustrie というキッチンブランドのものらしい。3カ月悩んだ結果、やっぱりどうしても欲しくなり、買うことにした。

家に帰り、直火オッケーなガラスのアイテムは初めてなので、ドキドキしながら火をつける。

すると、なんとまあ。水がぽこぽこ沸騰してる姿のかわいいこと。

火を強くすると、

「ぽこっ、ぽこっ。ぽこぽこ……ボコボコヴォコォオオオ!!!!」

と、なかなか主張を強くしてくるところも、かわいい。

名前の通り、ミルクを温めるのはもちろん、ゆで卵を作ってる時の姿がなんとも愛おしくて、ここ最近ゆで卵を作りすぎてしまっている(ちょっと野菜を茹でる時も食材が見えて楽しい)。

ふたつめは「竹のおたま」。

フライパンを買いに行ったお店にちょこんと置かれていて、「このフォルムかわいいなぁ」とレジに持って行ったら、

「大人気の商品で、ひとつひとつ手作りのため、予約制となりまして、只今半年待ちになります」

と、知らないうちに見本品をレジに持って行ってしまっていた私。半年は待てないと、泣く泣く飽きらめることに。

しかし、三日後。

違うお店に入ったとき、買うことを諦めたおたまが「私はここだよー、ここにいるよー」と、目をウルウルさせてこちらを向いてるではありませんか(私の頭の中の妄想です)。

近くにいた店員さんに思わず

「これも半年待ちですか!?」

と、鼻息荒く質問すると

ニッコリしながら「先日入荷して、ラストの1個になります」と。

「これは買うしかない!」と勝手に運命を感じて、買ってしまった。

作っているのは、高知県の山奥で炭焼きの傍ら、竹細工制作を行う下本一歩(しももとかずほ)さん。竹の王子とも呼ばれているらしい。

「竹の節を活かしたデザインは1日に3個しか作ることができない手間のかかる作業」という記事を見つけ、改めて大切に使おうと心に誓う。

そして最後は、京都にある金網つじさんの「セラミック付き焼き網」。

パンやお餅を直火でこんがり焼き上げるもので、ウィンナーソーセージや厚揚げ、野菜なども美味しく焼くことができる優れもの!

ずっと気になっていたけど、なかなか直接見ることができずに悩んでいたが、先日「銀座手仕事直売所」というイベントに行った時にたまたま売られていて、大興奮。

1933年創業の京金網の専門店で売られていて、昔ながらの技法で編み上げる、職人さんの手仕事で作られているらしい。

実際に使ってみると、パンをトーストしたときとはまた違う、香ばしい香りがなんともいえない。

調べると、セラミックの遠赤効果で、中まで火が入りやすく、ふっくらと美味しく焼くことができる。とのこと。

ほう、どおりで美味しいわけだ。

ちなみに「銀座手仕事直売所は、今年で開催15回目。全国の作家さん、クラフトマン、職人さん、デザイナーさんが銀座に大集合している。

京金網の他にも「茶こし」「コーヒードリッパー」「とうふすくい」など、気になる商品がたくさん!

器を作った方と直接お話ができたり、目の前でカゴのカバンを編んでいたり、包丁を削っていたり。

とても面白いイベントで、去年初参加したらとても興味深く、今年も行ったら、こんな素敵な出会いがありました。

ネットでぽちぽち買うのも便利だけど、お店の方と直接お話を聞いて買った道具の方が、使うたびにそのときのお店の方の笑顔や会話を思い出して、より大切にできる気がする。

明日はなにを焼こうかな。

岡田ロビン翔子(おかだ・ろびん・しょうこ)

1993年生まれ。2006年から2018年8月2日の解散まで、チャオ ベッラ チンクエッティ(THEポッシボーから改名)のリーダーとして活動。 頭の回転の良さからくるトーク力には定評があった。解散後はラジオDJを中心に、MC、モデル、自身のアコースティックライブ「ロン喫茶」など、マルチに活動中。 様々なジャンルに興味を持ち、多方面にアンテナを張りめぐらせ、スキルアップのために努力を欠かさない向上心の持ち主。

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