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【現地レポ】WACK初のロンドン公演で地元ファンたちが大熱狂、3組が熱いライブ繰り広げる 来年3月にはGANG PARADEもUK上陸へ

StoryWriter

BiSHや豆柴の大群などを手がける音楽プロダクションWACKが現地時間2023年11月16日(木)、初の海外公演〈WACK in the UK〉を、英国ロンドンのライブハウスThe Underworldにて開催した。

イギリスらしい小雨が降る中、開場3時間前には会場の前に20名近い現地ファンたちが集まり開場を待っていた。日本人はほとんどおらず、海外のファンであろう10数人が嬉しそうに英語で語り合っている。開場に訪れた300人を超える観客の約8割5分以上は日本人以外ばかり。初めての海外公演、しかもWACKによる自主興行とは思えない光景が目の前に広がっていた。

開場したあとも長蛇の物販列が途切れず、開演時間15分押しでスタート。現在ロンドンに在住しているWACK代表の渡辺淳之介が登場し英語で挨拶をすると、ロンドンのWACKスレイブ(※WACKファンの総称)たちは大盛り上がり。渡辺はすべて英語で挨拶をしていたが、話し方の雰囲気や間の取り方は日本での光景と近しくフレンドリーだ。

トップバッターを飾ったASP「I love UK!」

そんな渡辺のバトンを受け1番手として登場したのは、ASP。グループはじまりの楽曲「拝啓 ロックスター様」で初海外公演の狼煙を挙げると、未音源化曲「Tokyo Sky Blues」、マキシム(The Prodigy)が提供した原曲をもとに制作された「TOXiC iNVASiON」とデジタル調の低音が身体に響く楽曲を立て続けに披露。現地のファンたちも歓声とともに手をあげて大盛り上がりを見せた。ユメカ・ナウカナ?が英語で自己紹介をし、勢いそのままに「NO REASON」「Why don’t you KiLL me??」、シングル曲「I HATE U」と続け、リオンタウンが「Next song is kiss song!!」と曲紹介をすると「Blueberry Gum」へ。日本から駆けつけたならず者(※ASPファンの総称)のミックスも加わり、さらなる熱気を生んだ。

全員が英語で自己紹介をすると、チッチチチーチーチーが「ASP、海外でパフォーマンスするのは初めてです。この初めての時間、Let’s enjoy this time together!」と投げかけ、2024年1月17日発売予定のシングル曲「Heaven’s Seven」をパフォーマンスした。「ITSUMO KOKOKARA」「M」と続け、ナ前ナ以が「日本の外にもこうやってライブをしてくれる人がいるのはうれしいことです。この体験は特別なことなので、また一緒にライブできるようにがんばります。I love UK!」と、最後はメジャーデビューシングル曲「Hyper Cracker」を全力でパフォーマンスし、ステージを後にした。

観客をパフォーマンスで魅了したAiNATOAOI

しばらくの転換時間を経て、2番手としてパフォーマンスを行ったのは、AiNATOAOI。本公演のためにアイナ・ジ・エンドとダンサー兼モデルのアオイヤマダによって結成されたスペシャルユニットだ。転換時から「アイナー!」とファンが名前を連呼するなど期待値が高まる中で暗転すると、ステージ横のドアから、真っ赤なスーツに身を包んだ2人がサプライズ登場。「Red:birthmark」が流れ始めると、アイナが観客たちを掴む歌声を聴かせ、アオイはメリハリのある妖艶なダンスを踊り、2人の表現が絡み合う。2人は曲の途中でパフォーマンスをしながら客席を突っ切り、ステージ上に辿り着くと、ステージいっぱい歌い、踊り、その魅力をさらに発揮させた。同曲を歌い終わると、2人はスーツの襟を頭に被り、アンビエントなサウンドとともに、低気圧をテーマにした朗読と歌唱で観客を魅了した。

一度ステージをさがったと思ったら、ビッグサイズのショッピングカートのかごにアオイが入り、それをアイナが押して登場。アオイは拡声器で、「私はぞうきんのようになりたい」と日本語と英語で叫び、「ZOKINGDOG」へ。スーツを脱ぎ、スパンコールのようにキラキラした衣装を身に纏った2人は、非常に魅惑的だ。一瞬の目も離せないアーティスティックなパフォーマンスをしてみせた。同曲を歌い終えると、アオイが無音の中で神妙な表情とともに服を脱ぎ始める。その服の紐であやとりをしだしたと思ったら、それをアイナに手渡し、「きえないで」へ。アオイの消え入りそうな圧巻のダンスと、アイナのアカペラの歌唱が交わり、最後まで観客たちを魅了し、鳴り止まぬ拍手の中でパフォーマンスを完遂した。

ハッピーバイブスでトリを務めたExWHYZ

アーティスティックなAiNATOAOIからのバトンを受け、初の海外ツアーのトリを務めたのは、ExWHYZ。mahoの「Let’s enjoy!」という投げかけをきっかけに自己紹介ラップ「6WHYZ」で幕を開けると、可愛らしさとポップさを持ち合わせた楽曲「FIRST STEP」、2023年に誕生した疾走感のあるロック曲「NOT SORRY」で楽曲たちで客席を熱くした。一転、しっとりしたR&B曲「Walk this way」で会場をクラブノリに染め上げ、彼女たちのライヴスキルの高さをのっけから証明してみせた。

yu-kiが英語で「楽しんでる? いっしょに楽しもう!」と投げかけると、メンバー1人ずつが英語で自己紹介。mikinaが「What’s up?」とマスター(※ExWHYZファンの総称)に問いかけると、ものすごい歓声で返答が起こった。しかし英語での発言を噛んではにかんだり、自分の名前を言い忘れていることをmahoに突っ込まれるなど、mikina節を炸裂。会場のマスターたちの笑いを誘った。

ライブ後半は「xANADU-BLAZE」「Des Speeching」でライブハウスをクラブ化させると、「Obsession」は英語詞で歌うという現地仕様に。マスターは更なる盛り上がりを見せた。そして、マスターたちの大きな手拍子とともに「ANSWER」をパフォーマンス。メンバーからいまの気分を尋ねられたnowは「ベリベリホット!」と元気よく語り会場を和ませると、最新曲「As you wish」を感情いっぱいに披露。続けて、ExWHYZの定番楽曲「Shall We」「STAY WITH Me」でハッピーなバイブスを生み出し、ライブは幕を閉じた。

3組がパフォーマンスを終えると、渡辺淳之介が再び登場。観客たちに向けて、愛情を込めて「You are great!」と嬉しそうに伝えた後、「WACK is FUCK!」と叫ぶと客席から笑いと歓声が起こった。そして、出演メンバー全員を再び呼び込み、渡辺から重要発表が行われた。早くも来年3月27日に、2ndロンドンパフォーマンスを開催することを伝えると、観客たちからは心からの歓声が沸き起こった。そして出演者は、ASP、GANG PARADE、KISS KISSであることも発表された。GANG PARADEの名前が口にされたときの歓声の大きさから、現地ファンたちの熱い想いが溢れ出ているようだった。

渡辺と出演者全員、さらに会場に訪れたファンたちとともに集合写真を撮影し、渡辺の「来年を楽しみにしてます!」という挨拶とともに、WACK初の海外公演は大成功のうちに幕を閉じた。

初めてにして、これだけの現地のファンが訪れたことは大成功だったといえよう。また、自分たちの手で現地ライブハウスの選定から英語での交渉、イベント開催まで行ったことは、この先のWACKの新しい道を作っていくうえで重要な1日となったといえる。この先のWACKの一挙手一投足からも目が離せなさそうだ。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太


WACK in the UK
2023年11月16日(木)

セットリスト
ASP
1. 拝啓 ロックスター様
2. Tokyo Sky Blues
3. TOXiC iNVASiON
4. NO REASON
5. Why don’t you KiLL me??
6. I HATE U
7. Blueberry Gum
8. Heaven’s Seven
9. ITSUMO KOKOKARA
10. M
11. Hyper Cracker

AiNATOAOI
1. Red:birthmark
2. 曲名未定
3. ZOKINGDOG
4. きえないで

ExWHYZ
1. 6WHYZ
2. FIRST STEP
3. NOT SORRY
4. Walk this way
5. xANADU
6. BLAZE
7. Des Speeching
8. Obsession [English ver.]
9. ANSWER
10. As you wish
11. Shall We
12. STAY WITH Me

 

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