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【GANG PARADE 短期集中連載】Vol.2 キャ・ノン「今のギャンパレの最高地点を見せたい」

StoryWriter

GANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2024年1月28日(日)、東京・日比谷公園大音楽堂でワンマンライブ「天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音」を開催する。

ギャンパレにとって、2019年以来4年8カ月ぶりとなる日比谷野音でのワンマン。当時はメジャーデビュー、そしてナルハワールドのお披露目ライブということも含め、今も語り継がれるターニングポイントとなるワンマンとなった。そんなギャンパレと縁の深い野音に現体制の13人が立つことを記念し、StoryWriterでは当時の野音ワンマン時、まだメンバーではなかった5人へのソロインタビューを掲載していく。(12月16日よりチケット一般発売が開始!

第2回は、キャ・ノン。2021年3月のWACK合宿オーディションで合格し、PARADISESで活動をスタート、2022年1月1日よりGANG PARADEとしての活動を始めた彼女は、もともとギャンパレの音楽や活動をウォッチしており、野音へも人一倍強い憧れを持っていたメンバーでもある。今回、どのような想いで野音に向かうのか。話を訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


変わることも大事だけど、同じ形で続けることによって変わるものもある

ーーリリースイベントのトークイベントで、音楽をめちゃめちゃ細かいところまで聴いている話が印象的だったんですけど、普段からいろいろな音楽を聴いているんですか?

音楽はよく聴きますね。新しい音楽を見つけるのも好きです。

ーー新しい音楽は、ストリーミングなどでディグっていく?

友だちと、Apple Musicで自分の気に入った曲を入れるプレイリストを1個だけ共有して、お互いいい曲を入れて教え合うみたいなことを高校時代からやっていて。そういうので、ちょっとずつ知っていくみたいな感じです。

ーー好きになる音楽の傾向とか共通点はどういうものでしょう?

共通点はそんなにない感じがするんですけど、バンドが結構好きですね。人から教えてもらったりするのが好きなんです。自分じゃ見つけられないものを知れたりするので。

ーー最近好きになって聴いている音楽とかあります?

最近SACOYANSさんっていうバンドが好きです。九州のバンドなんですけど、めっちゃいいですね!

ーーそういう意味では、ギャンパレを知ったのも音楽入りだった部分はあるんですか?

ギャンパレは、最初見たとき、めちゃめちゃ曲がいいなと思いましたね。自分が知ったときは「Beyond the Mountain」がリリースされたあたりで、その時期の曲がいまでもめっちゃ好きです。当時はリリイベに行く度に聴いていて、めっちゃかっこいいって思っていましたね。

ーー今は自分がギャンパレのメンバーとして歌っているわけですけど、自分の歌だと思えるようになりましたか?

ずっと、どっちもあるというか。自分がGANG PARADEのメンバーとして、当時かっこいいと思っていた音楽を歌えることがすごくうれしい気持ちはずっとあります。

ーーキャ・ノンさんが加入したときは、ギャンパレがGO TO THE BEDSとPARADISESに分裂していました。再結成して今、13人体制の形がしっかりできた印象があるんですけど、キャ・ノンさん的には現状のギャンパレをどういうふうに捉えていますか?

私は13人の中でいうと新しいメンバー寄りなんですけど、前からいるメンバーは1年以上同じ形でグループが続いたことがなかったらしくて。2023年の合宿で新メンバーが誰も入らなかったから、いまは13人のまま1年以上グループを続けることができているんですけど、去年よりもいい形になってきている感じがします。変わることも大事だけど、同じ形で続けることによって変わるものもあるんだな、ということが分かりましたね。

ーー同じメンバーでやっているからこそ変わったのは、どういう部分だと思いますか?

新しくメンバーが入ると、また1から作っていく工程があると思うんですけど、同じメンバーだからこそできることがどんどん増えている状態だなって感じがしていて。このメンバーでいることに対して慣れていくことで、リハーサルや練習1つにしても伝わりやすくなっているなというのは思いますね。

WACKイズムとはまた別の、人が真似したくなる振り付けを考えるのは難しかった

ーーそんな中、ギャンパレのキャリアの短いメンバー6人で新グループKiSS KiSSが結成されたのも2023年のトピックでした。どんなことを思いながらスタートを切ったんでしょう。

ギャンパレとの両立に対する不安は一切なくて。KiSS KiSSをやることによって、どっちのグループにもいいものが入ってきたらいいなと思って始めました。ライブの仕方も別物だから、いろいろなアイドルさんの動画を観て勉強したり、こういう部分はギャンパレに活かせそう、これはKiSS KiSSに活かせそうみたいなことは多くあるなと思っています。

ーー0から作っていく作業は、大変だと思いますが、楽しさもあるんじゃないですか?

大変と楽しい、両方ありますね。13人いたら1人1人との関わりがめちゃめちゃ濃くなることはそんなにないんですけど、6人で活動するようになって、こういうふうにしたいみたいな話を1人ずつから聞けるのはすごくいいなと思っています。

ーーKiSS KiSSのメンバーとコミュニケーションもしっかりとれている?

無駄話も多いんですけど、こんなふうにライブしているとか、自分たちもこうなっていきたいね、みたいなことは話したりしていますね。

ーーKiSS KiSSは「かわいい」をテーマのひとつにしていますよね。抽象的な質問ですけど、キャ・ノンさんにとってのかわいいってどういうものでしょう?

えーなんだろう…… むず(笑)!

ーーかわいいって曖昧な言葉で、人それぞれに定義があると思うので、思いつくものを聞かせてもらえたら嬉しいなと。

別のグループのライブ映像を観て、かわいいアイドルさんって本当にかわいいをすごく追求しているんだなと思って。表情1つにしても、ファンの人に送る視線にしても、喋り方とかも、全部どうしたらかわいく見えるのかっていうのを研究しているんだなと勉強になって。

ーーキャ・ノンさんもステージに立つとき、自分の中のかわいいを出すわけですよね?

曲中は、どういう顔の方がよりアイドルらしいかなってことは考えたりしますね。あと動きとか。

ーーKiSS KiSSは、作詞や振り付けもメンバーでやっているんですよね。キャ・ノンさんがKiSS KiSSの中で創作した注目ポイントを教えてもらえますか?

私は、「いないいないばー」って曲のサビの振り付けをメインで考えさせてもらっているんですけど、その曲は、TikTokだったり、人が真似しやすい振り付けを意識していて。ただ、WACKイズムとはまた別の、人が真似したくなる振り付けを考えるのって難しかったんですよ。TikTokで踊ってる人を見て、なぜSNSで人は踊りたくなるのか?が私は分からなくて。でも、TikTokをいっぱい見ていくうちに、上半身だけで完成されているものがいいんだなとかわかってきたので、サビの振り付けを考えるときは座って考えて、顔の周りだけでどうやったら完成させられるか考えて作りました。そこから足のステップとかもつけていって。そういう作業をしていったから、今までとちょっと作り方が違うというか。だから結構自信があります(笑)。

 

ーー上半身の踊りを作ったあと下半身の踊りをくっつけて、うまく合体できるものなんですね!?

がっちゃんこしました(笑)! 今踊っていても、最初そういう入りだったってあまり思わないですね。こうやって考える方法もあるんだって勉強になりました。

ずっと野音の予定がある日でいたい

ーーキャ・ノンさんにとって野音はどういう場所なんでしょう。

ギャンパレが野音ワンマンをやった当時、すごく勢いがあったじゃないですか? でも、野音に至るまでの間でグループの形がめっちゃ変わっていたのも見ていて。私は7人時代のギャンパレがすごく好きだったんですよ。だから、メンバーが増えたときは7人時代に取り残された遊び人みたいな心情で。どんどん変わって売れていくギャンパレがあまり見れなかったというか、すごいキラキラしていて遠いもののような感じがしていたんです。でも、あのGANG PARADEの野音ワンマンって、今観てもすごくかっこよくて。今だったら憧れだったり、かっこいいなって目線で見れるけど、当時は嫉妬というか、GANG PARADEが変わっていっちゃうことに対しての寂しさが結構あった感じでしたね。いまは、ギャンパレで野音に立つことが決まって、実際に立てるってなったことが素直にすごくうれしいです。

ーー「7人時代に取り残された遊び人みたいな心情」というのはどういう感覚だったんでしょう?

自分が観にいったWACK EXHiBiTiON(※2017年4月2日に神奈川・横浜赤レンガ倉庫イベント広場で開催)のライブで、(カミヤ)サキさんとアヤ(・エイトプリンス)さんがトレードになったんですけど、それだけでも驚いたのに、そのあと毎年グループに新メンバーが入るなんて思ってなくて。私は、7人でバチバチみたいなのが好きだったんですよ。みんなで戦っていく感じから変わっちゃったから、ちょっとなあみたいに、だるい遊び人だったんです(笑)。

ーーたしかにあのときのギャンパレは激動でしたからね。

色がすごく濃かったじゃないですか。良くも悪くもあくが強い感じだったけど。インディーズのバンドを観てたのに、急にメジャー路線に行っちゃったみたいな気持ちになったというか(笑)。

ーーそうしたストーリーとは別に、野音という会場自体にも憧れはある?

私自身、野音に対してすごく憧れがあって。チームしゃちほこさんの野音を観てから、ずっと野音に立ちたいと思っていたんです。自分が最初に目標というか憧れた場所で。ずっと、「どこに立ちたいですか?」って訊かれたら「野音です」って答えてきたんです。

ーー本当に念願の場所なんですね。

念願です。あっという間に野音の日が来ちゃいそうで怖いなというか、どう迎えたらいいんだろうって。

ーーまだどうやって立とうか気持ちが定まっていない?

そうかもしれない。その日をどうやって自分の中で迎えようかなっていうのが、あまり定まってないというか。最後まで定まらないかもしれないんですけど、一番いい姿で立ちたいなっていうのは思いますね。ずっと野音の予定がある日でいたい。

変わっていくよさと変わらないよさの両方があったらいい

ーーさっき話に出たみたいに取り残された自分から、変わりゆくGANG PARADEを受け止め、ギャンパレのメンバーとして野音を迎えられそうですか?

自分がGANG PARADEになったことによって、受け入れられてなかった部分も受け入れたいというより、今のGANG PARADEをそのときよりももっと好きになりたいし、好きになってもらいたいと思っていて。いまのギャンパレは当時とは全く別の形じゃないですか? 続けてきてくれたメンバーがいるからこそ、そのときの闘志はある。もちろん、同じマインドの人もいると思うんですよ。取り残されマインドの人も(笑)。でも、新たな気持ちで好きになってもらえたらなっていうのは思いますね。

ーー変化という意味ではギャンパレの楽曲の作曲陣も変わってきているわけですが、ギャンパレにおける楽曲の変化はどういうふうに受け止めているんでしょう。

当時のギャンパレの曲はいまも残っているじゃないですか。この先もずっと歌い続けていけるものだし、今どんどん曲が変わっていることで、幅がどんどん広がっていていいなと思うんです。自分の好きなものがずっと側にあるというか、いつでも自分たちで歌える場所にあるというのがすごくうれしいですね。

ーー楽曲もロック調だけでなく、トラップを取り入れたり、フューチャーベースだったり、いまっぽいトラックも増えてきましたが、歌っている感覚もアップデートしていかないとという感覚もあるんでしょうか?

アップデートしなきゃいけないなって思います。友だちとカラオケに行ったとき、みんな全然知らない曲を歌うんですよ。そこから怖くてカラオケに行けてなくて(笑)。ただ、最近の曲が分からず何を歌えばいいか分からないみたいになってはいけないと思って。最近ちゃんみなさんを聴くようになりました(笑)。アップデートしなきゃいけないけど、ずっと変わらないでいてくれる人がいることも最高だなとも思いますね。純粋に、いろいろな曲ができることもすごくうれしいし、ギャンパレ自体も少しずつ変わっていっているなって思うし、変わっていくよさと変わらないよさの両方があったらいいなと思いますね。

ーー13人いる中でキャ・ノンさんの強み、個性はどういうところにあると思いますか?

マネージャーさんから、「キャ・ノンはフラットな人だから、喋る内容もそのまま受け取ってもらえる」って話をされて。それで秋ツアー「TRICK OR SMILE TOUR」はMCを月ノちゃん(月ノウサギ)と交互にやらせてもらったんです。抜きん出てできるものがないからこそ、MCでちゃんと伝えられたらなと毎公演思ってやっていたので、そこは頑張りたいところです。

ーー自分の想いを言葉でちゃんと伝えようとした秋ツアーだった?

そうですね。ツアーに何公演も来てくれる人もいれば、1公演だけの人もいて。そういう人たちに対して、次も行きたくなるきっかけとして1つでもなれたらいいじゃないですか。ライブがよかっただけじゃなく、MCがよかったも、それに入ったらいいなって思っていて。どうしたら来てよかったと思ってもらえるか、遊び人のことを考えるツアーでしたね。

ーー日比谷野音は思い入れが人一倍強い場所だと思うんですけど、どんなライブにしたいと思いますか?

今のギャンパレの最高地点を見せたいなと思います。そこを通過地点として、さらに進んでいけるようなライブにしたい。ギャンパレって、めっちゃ長く活動を続けているグループじゃないですか? だから、すでに知ってくれている人だったり、そのとき好きだった人、新しく知ってくれた人、野音だから行こうみたいな人も結構来てくれると思うんですよ。そういう人たちに「今のギャンパレ、めちゃめちゃいいじゃん!」って思ってもらいたいし、悔いのない日にしたいですね。

ーー野音以降、2024年、2025年の展望はありますか?

いつか、ワンマンライブがオルスタ(オールスタンディング)になるのが楽しみで。ライブが好きだから、ライブをたくさんできたらいいなって思います。今年もめちゃめちゃライブさせてもらったんですけど、全部すごく楽しくて。野音を超えて、野音以上の日をどんどん作っていきたいなってすごく思いますね。


◼︎ライブ情報

天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音
2024年1月28日(日)@日比谷野外音楽堂
open/start 16:00/17:00 ※全席指定
[問] KM MUSIC 045-201-9999
チケット料金:
『通常チケット』 指定席 ¥5,500(税込)
※当公演は全て電子チケットとなります。
※未就学児童入場不可
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=E7150021

GANG PARADE オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/

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