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【LIVE REPORT】LiVSが魅せた同曲3連発&CARRY LOOSE「にんげん」カバー、2023年を締めくくる中野heavy sick ZEROワンマン

StoryWriter

6人組アイドルグループ”LiVS”が2023年12月27日(水)、2023年ラストとなるワンマンライブ〈LiVS大忘年会〜Thanks for 2023〜〉を東京・中野heavy sick ZEROにて開催した。

LiVSは、WACK代表・渡辺淳之介の弟子であるSuzukiが立ち上げたALL INc.が手がけるアイドルグループ。アイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」の合格者6名――コンニチハクリニック、マナツサマー、ランルウ、スズカステラ、コチャキンTV、ユニセックスによって結成され、”人間最高”をコンセプトに活動をスタート。8月13日(日)の中野heavy sick zeroでのワンマンライブをもってデビューを果たした。

デビュー以降、東名阪ツアー〈Hi-Hi Show Tour〉や定期ライブに加え、X(Twitter)の投稿を”いいね”すると“言い値”で楽しめるライブ〈いいねde言い値LiVE〉、約4時間に及ぶ長時間ライブ〈LiVS史上1番長いライブ〉、パフォーマンス中メンバーが踏んでこねたうどんを最後に会場全員ですするライブ〈うどんFES〉など、ユニークなアイデアとともにライブを重ねてきた。10月21日にはWACKとNiEWが開催した文化祭イベント〈TAMATAMA FESTIVAL〉のWACKなりの文化祭校庭ステージでもライブを行った。

そんな激動の4ヶ月半を経て行われた本公演は、LiVSにとっての2023年ラストライブ。活動を応援してくれた感謝の意味を込めチケット代は無料、LiVSグッズを着用するとドリンク代も幹事のLiVSが負担するという忘年会&感謝祭的イベントとなった。また、数量限定で終演後の楽屋でプチ忘年会&記念撮影などの特典がついた31,500円の超最高チケットも用意された。2023年の大晦日から元旦にかけては『LiVS新メンバーオーディション』の開催も発表されており、ライブ直前には同会場にて候補者全員との全員面接も実施された。

同日のライブの様子をレポートする。


LiVS、2023年ラストライブ

中野heavy sick ZEROは、LiVSの初ライブ会場だ。

客席に80人も入ったら満員になる小さなハコだが、WACK渡辺淳之介が初めて手がけたアイドルグループBiSが初ワンマンを行った場所でもある。BiSの初ワンマン以降、渡辺はBiSHをはじめ、新グループを立ち上げた際、ほとんどの初ワンマンをこの会場で行っている。それにあやかり、LiVSもこの会場を願掛け的な場所として選んだのは間違いない。

思い返してみれば、LiVSの初ワンマンは緊張感で溢れていた。メンバー6人はもちろんのこと、目撃者(※ファンの呼称)たちも緊張していた。メンバーも目撃者たちもぎこちないライブだったなと思う。それがどうだろう。1曲目「EGO」が始まった途端、まるで別グループかと思うくらい熱気に溢れ、メンバーは自信に満ちた顔でパフォーマンスを行い始めた。目撃者たちは全力でコールをしたり、目撃者同士でサークルを作りながら声を出したりしている。この4ヶ月ライブを重ねることで、信頼関係を築いてきたのだろう。平日の夜にもかかわらず、会場は目撃者たちでいっぱいだ。

©伊藤洸太

今だから言えるが、初ワンマン時、LiVSの楽曲を聴いて、あまり自分好みではないかもしれないと感じた。その考えも、今回で一転した。それはメンバーたちがライブで歌い続ける中で楽曲への理解や歌の伝え方を模索していったこと、目撃者たちがコールを入れて盛り上がることで、楽曲のよさがより引き出されたからだろう。コチャキンTVの安定したヴォーカルが軸となっていることで、ヴォーカルのバランスが取れている部分も大きい。

©伊藤洸太

また、LiVSはCARRY LOOSEの「にんげん」をカバーした。CARRY LOOSEは、WACKのアイドルグループで、メジャーデビューを目指し共同生活を生配信し続けていたが、残念ながら達成することができず2020年10月31日をもって解散している。そんなCARRY LOOSEに救われたというマナツサマーがMCで語ったのが以下の言葉だ。

「個人的な話になってしまうんですけど、私はCARRY LOOSEが本当に本当に大好きでした。辛かった時や苦しかった時の私を支えてくれたのは、あの時のCARRY LOOSEとCARRY LOOSEの音楽です。だから今こうして「にんげん」をLiVSとしてカバーできていることを本当に誇りに思います。そして先日、CARRY LOOSEの元メンバーのユメカ・ナウカナ?さんから「大切な曲を生かしてくれてありがとう。LiVSにもっとこれからたくさん歌ってほしいです」って言っていただきました。私がCARRY LOOSEに救われたように、LiVSが披露する「にんげん」が誰かの生きる意味になれたらいいなと思います。たくさんの愛を込めて」

技術的な面で現LiVSメンバーたちによるクオリティは追いついていないし、CARRY LOOSEの当時を思い出して感傷的な気持ちになって聴こえている部分は大きいけれど、マナツサマーやメンバーたちの気持ちが乗っていることは十分に伝わってくるカバーだった。

本編が終わってアンコールが起こる中、プロデューサーのSuzukiが登場すると、「ライブは今日で最後なんですけど、LiVS、2023年まだまだやります。年末に新メンバーオーディションを生配信で行いたいと思ってます。今日、このライブの中に合宿に参加するメンバーが2人来てくださってるみたい。ちょっと2人来てもらってもいいですか?」と、突如候補生の2名をステージにあげ、彼女たちの合宿の仮名が「カメンライバー」と「ガケップチ」ということを明らかにした。そして2人は、突如、意気込みを語ることに。

左から、ガケップチ、カメンライバー、Suzuki©伊藤洸太

カメンライバー「はじめまして。今回のオーディションのためにライバーをお休みして、覚悟を持って参加しに来ました。ライバーは社会貢献の情報発信のために始めたんですけど、配信を通して歌とかトークをしてる時に、リスナーさんに「すごい元気出る」とか「明日も頑張れそう」とか言ってもらえて、それがすごい嬉しくて。誰かの生きる希望とかになれたらすごく嬉しいなと思って。今度は配信の画面の中だけじゃなくて、実際にステージで、直接皆さんに笑顔とか元気を届けて明日も頑張るぞって思ってもらえたら嬉しいなって思ってます。ダンスが超苦手で、人生初めてダンスをやって超苦戦してるんですけど、本番までに間に合うように頑張ります。へっぽこダンスかもしれないしれないんですけど、生放送みなさん応援よろしくお願いします!」

ガケップチ「こんにちは。先ほど名前いただきました。ガケップチです。2次審査の時にけん玉をやったから、「ケンダマ」とかになるかと思ったんですけど、「ガケップチ」めっちゃかっこよくないですか? 気に入ってます! 私本日、初めてライブ見させていただいたんですけど、ランルウさんの顔めっちゃ好きです。合宿を通じて、私は受かるための通過点というより、ほんとにパフォーマンスをやって、今日いらっしゃる方も見てくださる方いると思うんですけど、「ガケップチ、めっちゃいいじゃん!」と思ってもらえるようなパフォーマンスしたいと思って今準備しているので、ぜひガケップチのこと見てもらえると嬉しいです。よろしくお願いします」

Suzukiは、「2024年もLiVS。もっともっと大きくなって駆け抜けていこうと思ってるので、今日は楽しんで。来年もよろしくお願いします!」と語り、候補生とステージを後にした。

アンコールに登場した6人は、WACKの伝統である同じ曲の連発をオマージュし、「RとC」の三連発を行い、1人ずつ今年を振り返り挨拶をした。

左から、ランルウ、スズカス・テラ、コチャキンTV、コンニチハクリニック、マナツサマー、ユニセックス©伊藤洸太

ランルウ「実は、私はこの場所にはずっと後悔があって。デビューライブの時にマイクの持ち方すら分からず全然声が入ってなかったり、いっぱい練習したはずなのに緊張して振りも歌詞も飛ばしちゃったりして。まだまだだったんですけど、今は違います。パフォーマンスはまだまだこれからなんですけど、この4か月を通して一緒にここまで走ってくれる皆さんがいることが、前回のデビューライブと大きく違うなって思っています。ここに皆さんが今いてくれることは、信じられないぐらい、感謝してもしきれないぐらい本当に嬉しいことなので、改めて感謝をさせてください。(マイクを通さずに)いつもありがとうございます! 大好きです! 2024年もよろしくお願いします!」

スズカス・テラ「本日は大忘年会、お越しくださりありがとうございます。2023年8月に中野heavy sick ZEROでデビューして、ライブを重ねてきました。この4ヶ月は今までにないぐらい人生の中で濃くて楽しくて幸せでした。自分にはLiVSしかないから、LiVSと目撃者のみんなとの未来だけを信じてこれからも頑張っていきます。2024年は下北沢シャングリラを筆頭にいっぱい大きいステージ立ちたいので、LiVSを信じて応援してくださると嬉しいです。本日はありがとうございました」

コチャキンTV「一昨年に、自分が中学生ぐらいからやってたアイドルをやめて全然つまらない人生だったんですけど、その中でちょっと楽しいといえば、活動する気もないアイドルオーディションを受けて、その結果で一喜一憂することぐらいで。その中でも私の中ではWACKのアイドルがかっこよくて、ずっと憧れの存在でした。1回諦めたけど、できることならああいうかっこいいアイドルに人生で1度はなりたいって思ってた時に、このLiVSのアイドルオーディションを見つけて。応募した時は全然辞退する気で応募したんですけど、2次面接で自分の気持ちを言葉で伝えた時に、やっぱり私はアイドルになりたいって思って合宿にも参加しました。それでこうしてLiVSの一員になって、最高の目撃者に出会って。2023年始まった時は想像できなかったぐらい楽しいし、幸せです。ここにいる目撃者はもちろん、一緒に活動してくれる、こんな面白めなメンバーやスタッフの人たちには本当に感謝してもしきれないです。本当にありがとうございます。2024年もこの感謝の気持ちを忘れずに、今ここにいる人たちが想像もできないぐらい素敵な景色を見せられるように頑張っていくので、これからもよろしくお願いします」

コンニチハクリニック「本日は大忘年会、ご来場いただきありがとうございます。知ってる方もいると思うんですけど、5月のオーディションまで、私は女優をやっていて。でも、女優やってると言っても、女優(ニート)みたいな生活をずっとしていて。ちょうどこの前のクリスマスの日に、1年前の自分から手紙が届いたんですよ。その手紙の中に、「私は今毎日不安だけど、まだ女優してますか? 幸せですか?」って書いてあって。まさか1年前は、私がアイドルをして、こうやってここに立ってるとか想像もつかなかったんですけど、今本当に毎日幸せで、1年前の自分に胸を張って幸せって言えます。ほんとにここから見える景色が大好きなので、天国にもし行っても、天国のみんなに「私はこんな景色見たんだよ」って自慢していきたいと思います。2024年もよろしくお願いします。皆さん大好きです! ありがとうございました」

マナツサマー「5月にオーディションを受けて、メンバーと出会って、8月にここでお披露目をしてから4ヶ月。毎回ステージに立ってライブを心から楽しいって思えることが当たり前だとは1回も思ったことないです。お披露目してからの4か月間は楽しいことだけじゃなかったし、思い通りに行かなくて1人でいっぱい泣いたし、メンバーみんなと一緒に悔しい思いもたくさんしてきました。それも経験で思い出だって、ちょっとは前向きな自分に変われたのは、今日来てくれている皆さんに出会ってからです。今年、何回もMCで伝えたと思うけど、LiVSのことを見つけてくれて本当にありがとうございました。今いるみんなのこと1人ずつ私覚えてるんですけど、今いるみんなと作るライブが1番大切で大好きで。マナツサマーが1番なくしたくないものです。2024年はもっといっぱいの人たちが入る箱で、満員のところで、みんなにもキラキラした景色が見せられるようにもっと頑張るから、約束するから、来年も一緒にいてほしいです。2023年、マナツサマーになることができてとても楽しかったです。来年もよろしくお願いします」

ユニセックス「2023年にLiVSが生まれて、それと同時に私もユニセックスとしてここに生まれました。今までの短い人生の中でも幸せだなって思ったことは何回かあったけど、こんなに恵まれた環境で、こんなに幸せだって思うことって普通じゃないし、こんなところに立てるような人間じゃないって何度も諦めたけど、今ここに立てているのでめちゃくちゃ幸せです。今までで1番生きてるって感じがして、そういうコンセプトのグループに入れたこともほんとに幸せだし、この意味わかんない6人でやってるのがすごい楽しい。こんな個性的な人たちと、普通に生きてたら出会うこともなかったし、もしかしたら今生きてなかったかもしれない。きっと今来てくれてる目撃者のみんなもいろんな思いを日々背負って生きてると思うんですけど、そんな中で私たちの音楽が少しでも人生の役にたったらってずっと思って活動続けていきたいです。来年も2024年もLiVSとユニセックスは変化して進化し続けるので、来年もまた会えたら嬉しいです」

©伊藤洸太

涙を流すメンバーもいつつ、MCを終えると、コチャキンTVが、2023年ラストに披露する「ONE」についてを語った。

「2023年LiVS始まりの年。たくさんライブをさせていただきました。たくさん魂を込めて表現してきました。そんな1年を締めくくる、私たち本当に最後の曲です。この曲は、私たちも参加した、落ちたらアイドルの夢を諦めなければいけないというラストチャンスプロジェクトで落ちてしまった候補生から、合宿の後に送られてきた手紙から誕生した曲です。「人生で1番頑張ったけど報われなかった。でもそれは他の大勢の人も同じ。アイドルの夢は絶たれてしまったけど、スタッフから最高の愛をもらいました。そして他の候補生からは最高の絆をもらいました。ほんとにありがとうございました」。そう記されてました。「ONE」という曲は、そんな落ちてしまった候補生の思いが綴られた曲です。どんなに頑張っても報われない。過去への後悔は誰でも持ってると思います。でも、こうやってLiVSのライブに来てる時は、そんな思いを全部忘れて、明日からも強く生きようって思えるような、そんな存在に私たちはなりたいです。全身人霊で表現する曲を聞いて、あなたが明日からももっともっとずっと進んでいこうって背中を押せるきっかけになれますように。聞いてください」

6人は想いを込めて「ONE」を歌い、2023年のLiVSのライブは終了した。

初ワンマンとはまるで別グループかのようなライブで、本当に会場は熱気に満ちていた。メンバーの表情もよかった。もちろん技術的にはまだまだで、ピッチがズレるメンバーが多かったり、ステージが狭いこともあるがダンスも向上の余地だらけだ。逆にいえば、伸びしろしかない状態。だからこそ、2024年のLiVSはいくらでも変化・進化の余地がある。年末のオーディションで新メンバーが加入するのかも含め、LiVSの活動はまだまだ未知の状態だ。

また、プロデューサーのSuzukiをはじめ、マネージャーの笹川、クリエイティブや企画を手伝うスタッフたちも皆10〜20代と若いのもLiVSの強いところだ。アイドル戦国時代なんて名前があったのもすでに10年近く前の話。その当時のシーンとは違う新しい感性を持った彼らが、当時のことをリスペクトしつつ、試行錯誤している姿はとても素晴らしいなと思う。メンバー、スタッフともに、熱狂を生み出していってほしいと心から期待している。

最後に「人間、最高!」という言葉とともに、メンバーと目撃者たちで撮った記念写真が、このライブの充実度を物語っている。そんな、2023年を締めくくるLiVSのラストライブとなった。

©伊藤洸太

デビュー時のLiVS

2023年12月27日ライブ後のLiVS

取材&文:西澤裕郎
写真:伊藤洸太

『LiVS大忘年会〜Thanks for 2023〜』
2023年12月27日(水)@中野heavy sick ZERO
セットリスト
1. EGO
2. Colorful
3. 秘密の公園
4. Shooting star
5. Preserved
6. Shall Weeeee Dance???
7. BiRTHDAY!!
8. Dear My Honey
9. MUSiC
10. にんげん
11. Yummy(新曲)
12. LIVE FOREVER LOVE FOREVER(新曲)
EN1. RとC
EN2. RとC
EN3. RとC
EN4. ONE


■ライブ情報

LiVS新年1発目のライブ
〈FiRST STEPS LiVE 2024〉️
2024年1月7日(日)@中野heavy sick ZERO
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

〈Pizza LiVS Tokyo Tour〉️
LiVSなりの解散ライブ
2024年1月13日(土)@中野heavysick ZERO
LiVSなりの再結成ライブ
2024年1月21日(日)@中野heavysick ZERO
LiVS presents:マッチングライブ
2024年1月27日(土)@下北沢@MOSAiC
ALL RiGHT LiVE
2024年2月4日(日)@渋谷CLUB CRAWL
バレンタインイベント
2024年2月10日(土)@渋谷CLUB CRAWL
final LiVS史上一番暑いライブ
2024年2月24日(土)@下北沢MOSAiC
️チケット代金
・最高チケット 10,000円
・人間チケット 3,000円
https://t.livepocket.jp/t/pizza_livs_tokyo_tour

LiVS X(Twitter) https://twitter.com/LiVS_idol

 

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