GANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2024年1月28日(日)、東京・日比谷公園大音楽堂でワンマンライブ「天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音」を開催する。
ギャンパレにとって、2019年以来4年8カ月ぶりとなる日比谷野音でのワンマン。当時はメジャーデビュー、そしてナルハワールドのお披露目ライブということも含め今も語り継がれるターニングポイントとなるワンマンとなった。そんなギャンパレと縁の深い野音に現体制の13人が立つことを記念し、StoryWriterでは当時の野音ワンマン時、まだメンバーではなかった5人へのソロインタビューを掲載していく。(12月16日よりチケット一般発売が開始!)
第3回は、チャンベイビー。2021年3月のWACK合宿オーディションで合格し、GO TO THE BEDSで活動をスタート、2022年1月1日よりGANG PARADEとしての活動を始めた彼女は2023年、TikTok動画のバズをきっかけに、SNSでも広い注目を浴びるようになった。そんなチャンベイビーはどのような想いで野音に向かうのか。話を訊いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ
ギャンパレの中で、自分がライブ以外で頑張れるところがあるのが嬉しい
ーー2023年は、SNSの注目をきっかけに、チャンベイビーさん個人としてもフィーチャーされる機会が増えた年になりました。ご自身ではどのように感じていますか?
ギャンパレの活動をしていく中で、例えばマイカさんだったらダンスという武器があるじゃないですか? それまで私は「グループのためにこれができます!」みたいなものがなかったので、言葉にできる強みができたのがすごくうれしいなと思います。
ーーいろいろな人がチャンベイビーを見つけてくれた感覚?
きっかけはひらパー(GANG PARADEが2023年5月6日に開催した、大阪・ひらかたパークとのコラボイベント「ENJOY HIRAKATA PARADE」)で、お客さんが撮ってくれた動画が運良くすごく再生されたんです。SNSのフォロワーがグッと増えて、最初はなんでだろう?と思っていたんですよ。TikTokで、その動画をみつけて。そこからTikTokのフォロワーとかがぐんと増えていったんです。
ーーそのときはどういうふうに思いました?
SNSすげー!って思いました(笑)。TikTokもみるみるうちにすごい増えていって。
ーー普段ライブに来る遊び人たちとはまた違う人たちが見てくれている?
たぶん違う人たちです。TikTokって男女の割合とか何歳の人が見てるとかわかるんですけど、リリイベもTikTokを見て来ましたって人が結構いて。うれしいなって思います。
ーーTikTokで動画がバズったことによって、ギャンパレ内における自分の出し方で変わった部分はあります?
出し方が変わったとかはないですけど、SNSで私頑張る!って思えるようになりました。ギャンパレの中で、自分がライブ以外で頑張れるところがあるのが嬉しいんです。
ーー13人いると自分の役割みたいなものを探すのは大変ですもんね。
難しいし、ギャンパレのためになることってなんだろう?とずっと考えていて。ちょっとでも曲を知ってもらったり、「SNSを見てライブ来ました」って言ってもらえると、グループに貢献できてるのかなと思えてうれしいです。
ーーチャンベイビーさんが加入した2021年3月は、ギャンパレがGO TO THE BEDSとPARADISESに分裂していたじゃないですか。2022年元日にギャンパレが再始動して、今、13人体制の形ができあがったのかなと思うんですけど、GANG PARADEの現状をどのように捉えていますか?
この前の秋ツアー「TRICK OR SMILE TOUR」が、再始動後、体制が変わらないまま同じ規模をまわらせて頂いた初めてのツアーだったんですよ。新しいGANG PARADEを見せていくというところから始まり、13人で新しいものを見せてきたから、次はそれを固めていく時期なのかなと思っています。
ーー野音も、固めていくための1つのライブというイメージ?
13人で立つ一番大きなライブだし、1月はめでたい月。1年が始まるムードが漂っている時期だから、13人のGANG PARADEを見てワクワクしてもらえるライブになったらいいなと思います。それがさらに固まってGANG PARADEとして形になっていると思ってもらえたらうれしいですね。
ーーちなみにGANG PARADEにとって野音はどんな場所というイメージがある?
ノンとかはギャンパレ好きだったから、野音がこういうライブだったとか知っているし、ナスもそうだと思うんですけど、そのとき、私はどこにいたんだろう(笑)。下手したら日本にいなかった可能性もあって。GANG PARADEと野音が繋がってるみたいなことはなんとなく分かっていたけど、見てないし、詳しくそのときのことを知らなくて。今日も朝電車の中で「LAST」の映像を観てたんですけど、何も知らないからこそ、よりワクワクしているかもしれない。理由はないですけど、ギャンパレの野音のイメージが強いのは、なんとなく分かるというか。みんなから話を聞いてたっていうのもあるけど。
ーー衣装も印象的だからですかね。
なんですかね? 印象はすごく強いです。
ーー今回の野音はタイトルに「祭り」という言葉が入っています。ギャンパレはみんなの遊び場感がすごく強いと思うんですけど、遊び人たちと一緒に盛り上がっている感はあるんじゃないですか。
野音って、お祭りみたいな感じがして。前回の野音について私はあまり知らないけど、今回は音楽祭って感じで違ったお祭りになると思っていて。さっきも言った、めでたい感じもあるし、この前のトークイベントで質問してみたら、前回の野音に行ってない人がほとんどだったから、また新しい人たちがたくさん来てくれると思うんです。だから、もっとお祭りムードになると思うし、来てくれたお客さんがニコニコしてくれるんじゃないかと思って、めっちゃ楽しみです。
ーーカ能セイさんは、すでにドキドキしてるって言ってました。
はやい(笑)! 心臓もたないです、2ヶ月間も。
ギャンパレは家族感がある。KiSS KiSSは、学校のにぎやかさみたいな感じ
ーーKiSS KiSSの話も訊きたいんですけど、ギャンパレのキャリアの短いメンバーたちで新グループを始めたことで、何かギャンパレに影響が返ってきたことはありますか。
めっちゃ正直なことを言うと、歌うのが楽しくなりました。ギャンパレは13人いるから、歌割り的にはKiSS KiSSの方が歌える時間が多いんです。昔、マネージャーさんに「踊ってるときとかライブ中はすごく楽しそうだけど、歌ってるとき楽しくなさそう」って言われたことがあって。それをどこかで引きずっていたんですよ。KiSS KiSSでワンマンツアーを回っているときに、歌うのってすごく楽しいかもと思って。そこからギャンパレでも歌うの楽しい!って思えてるかもしれないですね。
ーー別に自分ではそんなつもりなかったわけですよね?
そもそもライブ自体が楽しかったから、歌ってるときに楽しくないと思っていたつもりはないんです。でもそう言われたり、KiSS KiSSとして歌うのがより楽しくなったってことは、無意識下になにかしらは思ってたのかもしれないです(笑)。
ーーKiSS KiSSとギャンパレでは、雰囲気はだいぶ違う?
違うっちゃ違うんですけど、共通してライブが楽しいなと思うし、どっちのグループもすごく好きだなって思いますね。どっちも同じくにぎやかです(笑)。ギャンパレは家族感がある。KiSS KiSSは、学校のにぎやかさみたいな感じ。
ーーカ能セイさんが、チャンベイビーさんはギャンパレの中では赤ちゃんだけど、KiSS KiSSの中ではちゃんと先輩感があるって言ってましたよ。
そうなんですかね。そんなつもりはあまりなかったです(笑)。
ーー先輩感というか、ここはこうだよっていうふうにちゃんと声をかけてくれるって。
ギャンパレで言えないわけではないんですけど、シンプルに人数少ないから意見を出すことは増えたかもしれないですね。
ーーしかも、ダンスや歌詞などもメンバーでゼロから作っていったんですもんね。
振り付けも初めてやってみて、考えなきゃいけないことが増えたことで、逆に気づく部分があったりして。ギャンパレで人に任せちゃってた部分があったなというのは気づきです。そういう意味ではしっかりしなきゃっていう感じはあるかもしれないです。
ーー前のソロインタビューのときに、矢沢あいさんが好きって話してくれましたが、クリエイティヴなものへの興味があるからこそ、ゼロから作っていくというのはやりがいを感じてるのかなと思うんです。
たしかに、そうかも。KiSS KiSSのアルバムの中で2曲振り付け考えているんですけど、どっちも自分の描きたい世界観、理想みたいなものから生まれていて。今言われて初めて思ったけど、好きかもしれないです。あと、SNSで自分のやりたいものを作るのがすごく好き。TikTokの動画を撮る前に想像するんですよ。どういうものを撮りたいか。こういう場所であのお洋服を着て動画を撮りにいこうとか、自分の中にある好きな映画とか映像作品とか絵とかイラストのイメージがあって、それっぽいものを自分で作るのはすごく好きです。
ーー何か好きな作品物を思い浮かべることが多い?
多いです。何かを参考にすることもあれば、自分の本当に理想像だけで想像して、それっぽいものを撮るのが好きです。
ーー自分の作りたいものの何か共通点ってありますか。
矢沢あいさんの作品とか、ちょっとレトロなものに影響は受けているかなと思います。
ーーそういう意味で、今日のネイルが左右別々というのは、こだわりの部分?
片方はリボンで、もう片方がクリスマスなんですけど、クリスマスが大好きなんですよ。クリスマスっぽいネイルがしたくて、でもちょっとダークっぽいクリスマスがテーマです。
ーーダークだと黒とか暗い色にしがちですけど、白をベースに赤を入れているのが面白いですね。
ちょっと毒っけがあるものが好きなんです。赤はクリスマスを連想させるけど、ちょっと雪に滲んでる血みたいな。でも、こっちはかわいい。かわいさの中にある毒みたいなのが好き。
ーーKiSS KiSSでは、そういう部分も作品に落とし込めそうですか?
毒は自分だけでいいと思っていて。KiSS KiSSはかわいいを全開でやっていく中で、自分がちょっと個性的だったらいいなと思います。普通にかわいい子たちが5人もいるから、自分はその中で個性的かわいいであったらいいなって。ギャンパレの中では、個性的かわいいでいようみたいなものはないですね。
野音に立つことによって、漠然と立ちたいと思っている大きなステージがより現実味が沸くんじゃないかな
ーーギャンパレの中ではどういうキャラクターでありたい?
ギャンパレでは、本当に素の状態というか。人が見て笑ってくれたらいいなって(笑)。コミカルであったらいいなと思っています。前回のインタビューで言った気がするんですけど、マイペースな気持ちになってもらえたらいいなって思いますね。
ーーかわいさの中にも毒っけがあるという点で言うと、GO TO THE BEDSに入りたいと言ってたのもその片鱗があったのかなと。衣装もちょっとダークというか曲も重い感じでしたし。
そこは直感とかだったのかな。WACKについて何も知らなかったからっていうのもあるかも。怖いもの知らずだったかもしれないです(笑)。
ーーGO TO THE BEDS時代にキャリアの長い先輩たちと一緒に活動してコミュニケーションしたことは今に活きているんじゃないですか?
そこに関しては、逆にギャンパレになってから仲良くなった感じはあって。それこそGのときは自分をあまり出さずにというか、キャリアの長いお姉さんたちについていけるように頑張ろうみたいな感じでやっていて。今なら言えることも、当時だったら絶対言えてなかっただろうし、ちょっと自分を隠してた部分はあって。不思議なんですけど、ギャンパレになってからの方がなんでも言えるようになったし近くなれたかなというのはあります。
ーーそれは人数が増えたからというのもあるんですかね?
自分を出せるようになったなと思うきっかけは、メイかも。ギャンパレが再始動して、同世代が今までいなくて。ノンも同世代で同期なんですけど、ちょっとお姉さんだから(笑)。ノンには頼って甘えている部分があるけど、メイは学校で言うとたぶん同級生ぐらいの感じです。
ーー趣味も合う?
そこは別に合わないんです(笑)。メイは『NANA』とかは読んだことなくて、貸したことあったくらい。好きな漫画が一緒というわけでもないし、趣味が一緒っていうわけでもないんですけど。何かが似てるのかもしれないですね。
ーー2024年、野音以降のギャンパレとして思い描いていることはありますか?
今は、野音に向けて頑張ろうって気持ちです。野音に立ったら、もっと欲深くなれるんじゃないかなと思っていて。その欲が少しでも現実に近づいた実感が湧いたらいいなって。自分の考えもちょっと変わって、大きいところでやることだけが夢じゃないなと思っている部分もあるんです。ただ、大きいステージ立てたときの景色って忘れないと思うんですよ。だから、もっと大きいところに立ちたいなと思うし、野音に立つことによって、漠然と立ちたいと思っている大きなステージがより現実味が沸くんじゃないかなって思っています。
ーー口に出さずとも、自分の中でこういう場所に立ちたいなみたいなのはある?
それはあります。でも同時に、ライブが本当に好き。ツアーでライブハウスを回るなかで、大きい場所でやることだけが全てじゃないことに気づいて。ありきたりな言葉にはなっちゃうんですけど、遊び人といる時間がすごく好きだなって。遊び人と一緒にライブしている時間が自分にとって楽しいと思うから、その時間ができるだけ多く続いてほしい、みたいな気持ちが大きくなったかもしれないです。
ーー遊び人たちって、すごく温かいですよね。トークイベントの司会をさせていただいたとき、現場の雰囲気ですごく感じました。
本当にそう思います。
ーーTikTokでの目標はありますか?
フォロワー10万人……いや、本当はもっといきたい! 100万人って言っておきます!
◼︎ライブ情報
天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音
2024年1月28日(日)@日比谷野外音楽堂
open/start 16:00/17:00 ※全席指定
[問] KM MUSIC 045-201-9999
チケット料金:
『通常チケット』 指定席 ¥5,500(税込)
※当公演は全て電子チケットとなります。
※未就学児童入場不可
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=E7150021
GANG PARADE オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/