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【LiVS】連載INTERVIEW──Vol.2 スズカス・テラが語る、7年間の引きこもり生活を経て辿り着いたアイドルとしての居場所

StoryWriter

WACK代表・渡辺淳之介の弟子であるSuzukiが立ち上げたALL INc.が手がける、6人組アイドルグループ”LiVS”。アイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」の合格者6名――コンニチハクリニック、マナツサマー、ランルウ、スズカス・テラ、コチャキンTV、ユニセックスによって結成され、”人間最高”をコンセプトに活動をスタート。8月13日(日)の中野heavy sick zeroでのワンマンライブをもってデビューを果たした。

約4ヶ月半に渡り6人で活動してきたLiVSだが、2023年12月30日(土)より2泊3日の合宿オーディションを開催。9名の候補生が参加し、エリザベスCVが合格、「ミニ・マルコ」として加入し、2024年より7人体制での活動をスタートさせた。

StoryWriterでは、LiVSメンバーへのソロ・インタビュー連載を敢行。それぞれのメンバーがどのような人生を経てLiVSのメンバーとなったのか、そしてLiVSとしてどのような未来を目指しているのか辿っていく。連載第2回目は、7年間の引きこもり時期を経てLiVSとしての活動へと足を踏み入れたスズカス・テラのロングインタビューをお届けする。

取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希


いじっているとは思っていたけど、いじめではないと思って我慢していた

──いきなりですが、スズカス・テラ(以下、スズカス)さんが、どういう人生を辿ってきたか順を追って伺わせてください。出身はどちらですか?

長野県の長野市です。

──小さい頃は、どんな性格だったんでしょう。

結構明るかった気がします。友だちはいないけど普通に明るい子みたいな(笑)。鈍感すぎて、自分に誰一人友だちがいないことも気づかず学校でも毎日はしゃいでました。

──友だちがいないっていうことを、いつ自覚したんですか?

中学の頃、同じクラスの子と仲良くなって、「本当に友だちいなかったよね」って言われて気づきました(笑)。その子は唯一ちょっとだけ仲良くしてくれた子なんですけど、「小学校の頃、いじめられてたよね?」って言われて。

──思い返してみて、あの時、いじめられていのかもと思うことはありますか?

あります。体育でバスケの授業があって、一人一回絶対ボールをとらなきゃいけないルールだったんですけど、私が運動神経悪くて1回も取れなくて。連帯責任でチーム全体が怒られるんです。同じチームの子から毎回、体育館倉庫でいろいろ責められていました。

──そのときは別にいじめられているとは思っていなかった?

ボールを取れていない自分が悪いと思って受け入れてました。つらかったけど、自分が悪いなと思っていました。

──小学校から一緒に登下校する人とかはいましたか?

いた時期と、いない時期があって。いたとしても、ランドセルに石を入れられるんですよ。それで嫌になって、一緒に帰らなくなっちゃいました。

──さすがに、それはやりすぎですよね。

いじっているんだろうなとは思っていたけど、いじめではないと思って我慢していました。

──ご家族は仲が良かったんですか?

小学校の時は普通の仲良い家庭でした。中2になって自分が引きこもってからは、私が反抗するようになっちゃって、仲が悪くなりました。今はいいですけど。

──勉強はできましたか?

全然できなかったです。運動神経も悪いし、勉強もできなかったです。

マネージャー笹川:中2から引きこもってたから、学校で習う勉強をしていないんですよ。前聞いたけど、十二支、言える?

子、丑、寅、辰、巳、卯、辰……いのしし、うさぎ……。

──順番がバラバラですね(笑)。趣味というか、好きなものはありましたか?

小さい頃からアイドルが好きでした! AKB48が流行っていて、私は板野友美さんが好きで。アイドルだけど前髪がなかったり、そういうのが格好いいなって。メンバーみんな前髪があったけど、ギャルっぽくてかわいかったんです。

──ライブやコンサートは行ったりは?

引きこもっていたとき、唯一外に出るのがアイドルのライブだったんです。

1日の3分の2は寝ていた引きこもり時期

──中学で一気に人生が変わったわけですが、いつから学校は行かなくなったんですか?

中2になった瞬間、一切学校に行かなくなりました。

──それはさっき言ってた、いじめられていたことを認識したことがきっかけ?

中1の頃はめっちゃ楽しかったんです。友だちもいて、毎日めちゃくちゃ充実してて。中2になった瞬間、クラス替えで一気にメンバーが変わって。小学校の頃のメンバーもいたので、全部嫌になってしまって。それきっかけですべてのことが嫌になって何もしなくなりました。中1が楽しすぎた分、楽しくなくなっちゃうんだろうなとか考えすぎて全部が嫌になりました。

──急に学校に行かなくなって、ご家族はどんな反応だった?

布団を引きずり出されて、服を引っ張り出されて、無理やり行けって感じだけど、行かないみたいな。それでめっちゃ喧嘩して、仲が悪くなりました。

──学校に行かなくなったことによって、気持ち的には楽になった?

いや、その時期が一番嫌でした。毎日登下校の声が聴こえてくるのが本当に憂鬱で。子どもの声や、楽しそうにしてる姿を見て、毎日憂鬱になっていました。自分、何やってるんだろう……って。学校にも行ってないし、勉強もしてないしみたいな。

──家では、どうやって過ごしていたんですか?

寝るか、スマホでアイドルの動画を観るかYouTubeでずっと何か観てる感じでした。起きてると嫌になっちゃうから、3分の2は寝てましたね。

──3分の2は寝て、3分の1はスマホを見ている生活。

スマホでアイドルの子のSNSを見るみたいな生活をずっとしていました。そのときはお風呂もろくに入ってなくて(笑)。親も途中から諦めたみたいで、何も言われなくなりました。

──誰からも何も言われないのも不安じゃありませんでしたか?

私の未来、どうなるんだろう……とは思っていました。このまま孤独死するんだろうなって(笑)。家族が死んじゃった後も引きこもっているんだろうなと思ったので。

──さっき言っていたみたいに、アイドルのライブとかでは外に出ていたんですよね?

ライブに行くために、その1週間だけはちゃんとするみたいな感じで。生活してる!って感じでした。朝早く起きて、夜ちゃんと寝て、ライブの準備をしていたんです。

──初めて観に行ったライブは覚えてますか?

ハロプロのリリースイベントに行った記憶があります。中2のときかな。地元のタワレコでモーニング娘。の握手会みたいなのがあって、それに行ったんです。

──好きなアイドルと会う瞬間はどういう気持ちだったんでしょう。

そこに同じ学校の人はいないし、私もちゃんとした格好で会いに行ってるから、その瞬間だけはすごく楽しかったです。アイドルの子もキラキラ輝いていてかわいかったし、神を見るみたいな感じでした。生きる世界が違う人を見に行っている感じでした。

──その楽しい時間を経て家に帰ったとき、気持ちの差が生まれそうですが、そのギャップはどのように埋めていたんでしょう?

そこは、埋めるとかはなかったです。アイドルに会うときは別人でみたいな気持ちでいれたし、その日だけはめっちゃハイになっていたので。

──ペース的にはどれくらいの頻度で行っていたんですか?

数ヶ月に1回くらいかな。あまりに外に出ないので、両親もさすがに親も行っていいよって言ってくれて。

引きこもりから脱却したきっかけ

──引きこもりから脱却するきっかけはあったんでしょうか?

オーディションを受ける1年前にアルバイトを始めて。ずっとアイドルになりたかったんですけど、未来はわからないし、アイドルになれるかわからないからお金を貯めないとと思って。ふいにハイになって応募して、そのまま面接に行ったら受かって、ずっと働いてました。ベビーカステラ屋さんのバイトなんですけど、バイトの人もやさしくしてくれて。

──人と関わらない日常から、環境が変わったことで気持ちの変化はあった?

「自分、まともかも!」ってちょっと思いました。そこから1年以上働き続けられたので、ずっと引きこもってたわりにすごくね?って自分のこと思ってました(笑)。

──最終的に、引きこもり期間はどれくらいだったんですか?

13歳から20歳まで引きこもっていたので、7年ちょうどですね。

──さっき言ったみたいに、7年間ほとんど寝てスマホを見るみたいな生活だった?

です! 本当に何もしてなかったです。たまにティッシュ配りのバイトに行くみたいな生活でした(笑)。アルバイトを始めてからは、ちゃんと毎日お風呂に入って、メイクをして、仕事してみたいな感じで、普通の人間のルーティンをしていました。

──初めてオーディションを受けたのは、何歳くらいの頃ですか?

16歳ぐらいだったと思います。ただ、面接に受かっても、なにか違うかもと思ったらバックレたりしていて。引きこもっているときにWACKさんを好きになって。そこからは、WACKさんのオーディションだけは毎回応募していました。

──WACKは何がきっかけで好きになったんですか?

大森靖子さんがBiSの「primal.」を歌っている動画を観て、この曲いいなと思って知ってから、どんどんWACKさんの映像を観るようになって。格好いいなと思って好きになりました。中でも、2期BiSさんが好きでした。ステージに生き様を全部賭けているのが格好よくて。曲も好きだし、メンバーさんもかわいいし、全部が好きでした。

 

──それがきっかけで、毎回WACKのオーディションには応募していたと。

WACKさんのオーディションって、候補生たちが1週間で変わっていくじゃないですか?それが格好いいし、私も変わりたい!と思って。今のままじゃダメだなと思っていたし、候補生たちが変わっていく姿がめっちゃ好きで。中でもムロ・パナコさんが好きで。2期BiSでも推しだったんですけど、映画『世界でいちばん悲しいオーディション』を観ても、変化だったり、全部が格好よくて憧れでした。ムロさんみたいになりたいと思ってオーディションを受けてました。

ここなら最後を賭けてもいいなと思ったんです

──LiVS結成のオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」は、合格者はALL INc.に所属してアイドルとしてデビューできる権利が与えられる一方、落選者は「アイドルの夢をあきらめること」が条件となっていました。どのような気持ちで参加したんでしょう?

最初は、とりあえず書類が通ってみないとわからないなと思って応募しました。絶対先に応募した方が有利だなと思って、募集が始まって数時間で何も考えずに応募して。書類が通ったあとは迷いながら面接に行ったんですけど、Suzukiさんと笹川さんと話したとき、ここなら最後を賭けてもいいなと思ったんです。私も21歳だし、このままうだうだ続けていてもと思って、最後のチャンスに賭けようと思って参加しました。

 

──3泊4日の合宿オーディションで、自分を変えたい想いはあった?

ありました。でも変えたくて行ったけど、毎日ダメダメで。めっちゃもがいてました。

──アイドルになりたい女の子たちとの共同生活、どのようなことを感じていました?

私が人見知りすぎて。周りの子たちは最初のバス移動で仲良くなっていたので、めっちゃ焦っていました。2日目ぐらいからは話せるようになったけど、1日目は何も話せないし、みんな怖いしって感じでした。

──2日目にはちょっと打ち解けた?

コチャ(コチャキンTV)と同じチームで、ちょっとだけ打ち解けられた気がしました。チームで数時間を一緒に過ごして、やっと喋れるようになった感じでした。

──キャンプファイヤーで、炎の中に過去の自分を投げる場面もありました。あのときにスズカスさんが投げ入れていた写真はどういうものなんでしょう?

中1の頃の写真です。楽しかった日々を思い出して、あのときはよかったなってずっと考えてウジウジしていて。そういう過去にすがる自分が嫌だなと思って投げたんです。

──合宿3泊4日の中でつらかったこと、大変だったことはどんなことですか?

人間関係が一番苦労しました。3日目に、振りとかのことでチーム内で揉めたときがあって。それが一番しんどかったです。自分ができなさすぎて、振りどうしようみたいな感じでチーム内でちょっと揉めちゃって。チームの子がまとめてくれて、支えてくれて、やりきれたのでよかったですが、一番大変でした。

──逆に、合宿の中で楽しかったことは?

ずっと合宿所に拘束されていたんですけど、1時間くらいだけ候補生の子とコンビニに行っていいよみたいな時間があって。私はランルウとコンビニに行ったんですけど、いろいろなことを話して楽しかったです。

──ランルウさんと仲良くなった?

自分的には仲良くなったと思っていたけど、本人は思ってなかったらしいです(笑)。仲良かったよね?って訊いたら、え、そんなじゃない?って言われました(笑)。

──(笑)。スズカスさんは途中で怪我をして、座ってダンス審査に臨むくらい必死でしたよね。

ランルウとボール取りで戦ったときに転んで怪我をしてしまって。2日目だったので、どうしようってなっていたんですけど、アイドルになりたい一心だけで練習して。歌詞を考えて、3泊4日、どうやったらアイドルなれるかなとかだけを考えていました。

──最後、合格発表のときは、どんな気持ちで発表を待っていたんでしょう。

最後のパフォーマンス審査で歌詞を飛ばしちゃって。その時点で終わった……と思っていたので、呼ばれることはないだろうなと思いながら合格者発表を聞いていました。

──最後7人目の合格者として名前が呼ばれました。呼ばれた瞬間、どんな気持ちでした?

びっくりしたけど、うれしかったです。発表を待っている間、アイドルになれないんだと思ってたから、なれるんだ!ってうれしくて。

──合宿を経て自分の中で変わったなと思う部分ってどんなところですか?

合宿後に生活が一新しました。長野から上京して、身の回りのことを全部一人でやるようになって、初めてちゃんとやりたいことができたなと思えています。それも、LiVSっていう、初めて大切にしたい居場所ができたからだと思っています。

ライブに全てを賭けている

──LiVSのメンバーとの雰囲気はいかがですか?

1つの方向を向けているなって思っています。メンバー間でご飯に行っても、こういう感じにしたいねとか、とにかく売れたい!って話をしていて。昨日も、コンニチハクリニックと1時間くらい電話でそういう話をしてました。頑張らないと!って。

──スズカスさんにとって売れたなと思えるポイントってどういうものですか?

武道館。それ以上大きいステージなのかなと思っています。

──LiVSの魅力を挙げるとしたらどんな部分でしょう?

ライブに全てを賭けていると自分では思っていて。まだまだパフォーマンスや技術は未熟ですけど、想いはどこのグループにも負けてないと思うし、見てくれるみなさんに届けたい、楽しませたいって気持ちは負けてないんじゃないかなと思ってます。

 

──個人的に好きな曲はどの曲でしょう?

「Preserved」が好きです。最初の合宿で落ちてしまったジシュタイガクが作詞を書いていたり、年末の新メンバー合宿でブレイキングダウン方式で戦った曲だったり、いろいろな想いが詰まっています。曲調も好きだし、とにかくめっちゃ歌詞が好きです。

──2023年の年末に開催された新メンバーオーディション。現役メンバーとしてスズカスさんも参加していましたが、映像越しにも気合いが伝わってきました。どんな気持ちで臨んでいたんでしょう?

自分をどこかで変えなきゃLiVSじゃいられなくなると思って過ごしていました。笹川さんから「LiVSに入ったことに満足してる」って言われて。それを否定できない自分がいたので、そうした意識を含め全部変わらなきゃなって。候補生の子に負けていたらLiVSとしてもいられなくなるなと思って必死でした。

──途中でスイッチが変わったように気合いが入りましたよね。それはどういうきっかけがあったんでしょう。

ブレイキングダウン方式で対決をしたとき、アイドルになりたい気持ちだけで頑張っていた前回の合宿オーディションのこととか全部思い出したんです。今回の合宿に行くまでその気持ちがわからなくなっちゃっていたんですけど、初期の頃の気持ちを思い出せました。

──LiVSの活動が始まって約5ヶ月。新メンバーのミニ・マルコさんの加入が決定しました。それに関しては、どのように感じていますか?

オーディションをするって聞いたとき、ちょっとだけ今のLiVSじゃダメなのかなと思ってしまったんですけど、すぐに前向きに捉えるようになりました。新メンバーが入ることで飛躍できるかもしれないし、ドンっていけるかもしれないなと思って、この先が楽しみです。

──ミニ・マルコさんと練習したり、コミュニケーションを取ってみて、どんなことを感じますか?

マルコは歌もダンスもすごくて。絶対に負けたくないなって思うのと同時に、7人になったことでメンバーとしてもっと頑張らなきゃって気合いが入っています。初期メンバーは4ヶ月以上活動をしてきてるから負けたくないなと思うし、もっと頑張らなきゃって思います。

──かなりいい刺激になっているんですね。

めちゃくちゃ、いい刺激です!

──2024年のLiVSとしての目標、抱負を訊かせてもらえますか?

今年のグループの目標として、下北沢シャングリラに立ちたい。立つだけじゃなく、埋めたいです。あと、もっと大きいステージに立てるぐらいのグループになりたいです。

──スズカスさん個人としての2024年の抱負は?

パフォーマンスをもっと向上したい。売れていくためにはパフォーマンスで魅せていかないとという気持ちもあるので、歌もダンスも苦手なので頑張りたいなと思っています。

──自分のこういうところを一番見てほしいなというポイントはありますか?

ライブでパフォーマンスしてる姿を見てほしいです。私はライブに全部を賭けていて。絶対に楽しませると思っているのでぜひライブを見てほしいなって思っています。あと、バズりたいです! それが結果的にLiVSのことになるって思っているので、グループの発信だけじゃなく、個人の発信も頑張っていきたいです。


■ライブ情報

〈Pizza LiVS Tokyo Tour〉️
2024年2月24日(土)@下北沢MOSAiC
️チケット代金
・最高チケット 10,000円
・人間チケット 3,000円
https://t.livepocket.jp/t/pizza_livs_tokyo_tour

『THE LiVS』
2月21日(水)
2月28日(水)
3月7日(木)
3月14日(木)
3月21日(木)
3月28日(木)
︎場所:渋谷CLUB CRAWL
open/start 18:30/19:00
・人間チケット(先着):3,000円
・ペアチケット(先着):0円
→新規の方を連れて入場すると入場無料+全員集合チェキ1枚撮影
※ただし、入場時に手錠をつけさせていただきます。
・新規無料チケット(先着):0円
→LiVSのライブに足を運んだことがない方が対象となります
・学生無料チケット(先着):0円
→18歳以下の学生(高校生まで)が対象となります。
https://t.livepocket.jp/t/the_livs

LiVS X(Twitter) https://twitter.com/LiVS_idol

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