長崎発の3人組ウルトラスーパーポップバンドSundae May Clubが、2 MAN Live Tour「ラッキー・チャーミー・ツアー」を東京と大阪で開催する。5月10日(金)に開催される東京編ではTEAM SHACHIが、6月16日(日)の大阪編では後藤まりこアコースティックviolence POPが出演し熱い2マンを繰り広げる。
サンデメ2マンツアーを目前に、Sundae May Club から浦小雪(Vo&Gt.)、TEAM SHACHIから秋本帆華と咲良菜緒、そして後藤まりこを迎え、座談会を敢行。この奇跡的な座談会は、浦がTEAM SHACHIの「だれかのために生きる今日を」をプロデュースした縁、そして浦が後藤まりこを長年リスペクトしてきた縁から実現することとなった。
司会・進行は、大須生まれ、大須育ち、TEAM SHACHIと多数共演するなど名古屋を中心に精力的に活動するピン芸人・酒井直斗が担当し、和やかな中行われた。それぞれ信念を持って活動している3組の座談会を読んで、ぜひ会場に足を運んでみてほしい。
司会・進行:酒井直斗
編集:西澤裕郎
写真:樋口隆宏
浦さんが作ってくれた曲がシャチにとっても新しい一面を見せてくれた(咲良)
――今テーブルを4者4様のメンバーが囲んでいます。浦さんの横に、憧れている後藤さんがいらっしゃいますけど、いかがですか?
浦:幸せです……。
――なんか優勝した後みたいですね(笑)。浦さんはTEAM SHACHIに「だれかのために生きる今日を」をという楽曲を提供されていますが、後藤さんとはどういう接点があるんでしょう?
浦:事務所の先輩のアダムくんのライブにご出演されていたときに遊びに行っていたんですけど、めちゃくちゃ心を掴まれてしまって。
後藤:浦さんのことは、アダム(ズットユース、ex.SUNNY CAR WASH)くんのTwitterでなんとなくは知っていました。初めて 会ったとき、声の通り、透き通った感じの人やなぁと思って。ソロを聴いたことがあるだけやったんですけど、そのあとSundae May Clubも聴くようになりました。
浦:酔っぱらってお願いして写真を撮ってもらったとき、後藤さんが頭を撫でてくれて……。
後藤:酔っ払ったら、全部動物みたいに見えるから(笑)。
一同:(笑)
浦:それでキューンってなっちゃって……。
――シャチのライブは2年ぐらい前に見に行ってたんでしたっけ?
浦:中野サンプラザのツアー・ファイナル(2022年4月23日「TOUR 2022 ~猪突!猛進!猛進!猛進!猛進!~」ファイナル)を見に行かせていただきました。すごく楽しい!と思って。だから、まさか楽曲提供のお話が来るとは思わなかったし、素敵なお話をいただけて、めちゃめちゃうれしかったです。
秋本:こちらこそ、素敵な曲を本当にありがとうございます。私たちがファンの方を想う気持ちを歌詞にしてくださって。実際に私たちのライブを見てくださったからこそ感じたものもたくさんあったと思うし、歌詞の内容も私たちにすごく刺さる言葉がたくさんあって。
咲良:今回私たちが出したアルバム(『笑う門には服着る』)が全然統一性がない、おもちゃ箱みたいなアルバムになっているので、ファンの方も結構好きな曲がバラけるんですよ。だけど、浦さんが作ってくれた曲がシャチにとっても新しい一面を見せてくれて。ああいう雰囲気の楽曲がなかったので、みんなすごく気に入ってくれていてうれしかったよね。
秋本:ツアーの全会場でやらせていただいて、ファンの方も大好きな曲になりました。あの曲があるからこそ、ツアーの奥行きが見せられたなと思います。あの曲がなかったら、作れなかった空間になっています!
咲良:私たちは、ハッピーとかポジティブとか、どちらかと言うと夢を追いかけようぜ!ってキラキラ、ギラギラしている曲が多いんですけど、「だれかのために生きる今日を」は等身大の自分たちの言葉をシャチとしても伝えているし、秋本帆華と咲良菜緒の個人としても伝えられる歌だなと思って。それが奥行きだよね。
――今、菜緒さんが言った通り、「だれかのために生きる今日を」は、のほほんとほんわかとしているけど、ちゃんと寄り添っているというところが色濃くある曲だと思ったのですが、最初どういうところから取り掛かったんですか?
浦:私は、まず歌詞から作るんです。この曲は、今までの歩んできた道を振り返りつつ、これからも頑張っていこうと未来に向けた曲を作ろうと思って。ちょっと昔を振り返っているみたいな雰囲気で書き進めていきました。私も最近、今の自分たちがあるのはファンの方の支えがあってのことだと思うことが増えてきて。ファンの方々を大事にされているTEAM SHACHIのみなさんはなおさらそうだなと思って、ちょっと自分のことを重ねた部分もありつつ書けたなと思います。
――シャチは、チームしゃちほこ時代から数えると活動13年目で、後藤さんは2001年から活動されていますよね?
後藤:バンドを組んだのが2001年で。メジャー・デビューをしたのが2007年です。
――歴が長くなっていけば長くなっていくほど、何のために音楽をやっているのか、誰のためにやっているのか明確に見えてくる人と、見えてこなくなっちゃって人もいると思うんですけど、長く続けるために必要なこと大事なことって、後藤さんはなんだと思いますか。
後藤:なんでしょうね? 教えてください(笑)。
――僕は普段お笑い芸人とラジオのパーソナリティで、おおよそ15年ぐらいやっていて。
後藤:それって、好きやからやり始めたんですか?
――僕自身は、お笑いという仕事を総合職みたいな感じで選んだんですよ。ラジオはもちろん、結婚式の司会もやるし、イベントの司会もやるし、人が楽しいと思う場所にいる仕事として、お笑い芸人はなんでもできると思って。
後藤:辞めたいと思ったことあります?
――あります。でも、他にやりたいことがない、ってなったときに一旦続けてみるかと思ったら、何か見えてきて。やれることが増えてきたのはあるかもしれないです。
後藤:他にやりたいことがあったら、そっちに行くんですか?
――うーん。いかないかも。もう1回天秤にかけるかもしれないですね。
後藤:何回か辞めてるんですよ。逃げ出したときもあったけど、いまは、またのんびり 続けていて……⻑く続けるってどうやるんでしょうね(笑)。
ポップなものは全体的に好きやけど、violenceな部分が僕全体的にある(後藤)
――浦さんは、5月10日、新代田駅FEVERでTEAM SHACHIを迎えて2マンを行いますが、シャチのライブの印象はどうですか?
浦:元気で、見てると明るくなるし、盛り上げ方がすごい。私、普段そんなうおー!みたいにならないんですけど、なっちゃうんですよね。
咲良:うれしい!
秋本:浦さんがうおー!ってなってるんですか!?
一同:(笑)
――TEAM SHACHIは、ご本人が見ている前での「だれかのために生きる今日を」は絶対失敗できないですね。
咲良:対バン、絶対緊張する(笑)。バンドさんと対バンするのが、久しぶりで。
秋本:いつ振りだっけ?
咲良:もう数年振り。でも、シャチもバンド・サウンドの楽曲が多いし、自分たちもいろいろなアーティストさんのライブを見るのが好きなので、純粋に楽しむ気持ちが大きいです。あと、ファン同士仲良くなってくれたらうれしいなと思っていて。
――シャチのファンは「タフ民」って言うじゃないですか、どんな人たちですか?
咲良:タフ民は、基本ポジティブなので、単純です、きっと(笑)。
――たぶん、読みながら、俺ら別に単純じゃねえけどな!と思ってますよ(笑)。
秋本:シンプルに楽しむことに貪欲なので、どんなことも楽しんでもらえるかなって思います。あと、体力があります(笑)。
咲良:声も出ます(笑)。
――サンデメのファンの方はどういった方が多い印象ですか?
浦:部活で言ったら、文化系の人たちが多くて。シャイな人も多いんですけど、楽しいことは絶対好きなので、シャチのライブも楽しんでくれると思います。
秋本:一緒に盛り上がってもらえたらうれしいなと思います!
――浦さんとしては、サンデメとしてシャチとの対バンでの戦略はありますか?
浦:全体的に楽しいライブにしたくて。ちょっと暗い曲とかもあったりするんですけど、楽しいを全開に出すライブにしたいなと思っています。
――そして後藤まりこさんとの対バンが6月16日、大阪のシャングリラで開催されます。今回はアコースティック violence POPの編成でご出演だと思うんですけど、サンデメとのライブ、どういうふうに臨みますか?
後藤:話を聴いていて、歌詞から曲を書くって言ってたのが、すごく納得できます。僕は「水色」って曲が好きなんですけど、歌詞で「一番じゃないと無理」みたいにって歌ってるじゃないですか。あれがすごく好きで。浦さんには、ヒリヒリしている部分もあるってニヤニヤしちゃった。「春」とかも好きなんですけど、「水色」が一番好きです。
浦:ありがとうございます……。
咲良:すごい笑顔(笑)。
――浦さんは、後藤まりこさんのファンのみなさんに向けて、どういうライブをしたいですか?
浦:後藤さんのライブって、エネルギーと愛が爆発する感じがあると思っていて。なので、それに負けない強さ、エネルギーを爆破させたいなと思います。
後藤:うん、楽しみ。
――後藤さんのファンの方としてはどういった方が多いですか?
後藤:僕の活動歴が長いから、昔から追いかけてくれている人、僕がバンドのときは高校生やった子が未だに来てくれてたりもして。最近知った人でも年上の方とかも来てくれてます。まじでバラバラ。一概にこういう人っていうのは結構言えないかな。好きな音楽のジャンルもみんなバラバラやし。
――今回の出演形態、「後藤まりこ アコースティック violence POP」っていう名前もすごいなと思ったんです。
後藤:長いですよねー(笑)。
――violence POPというのは、ご自身でこれだと思って、つけられたわけですよね。
後藤:そうですね。僕はポップなものは僕は好きやし、ポップなものを嫌いな人はおれへんと思うし。でも、violence な部分が、僕自体にあるんで。
DIYで活動する、それぞれの哲学と目標
――今回の3組は、実はインディペンデントで活動している部分で共通していますよね。
咲良:実は、私たちも自主レーベルになったんですよ。
後藤:あ、そうなんですね。
咲良:プライベート・レーベルになって。自主になって初めてのアルバムの中の1つの楽曲を浦さんに作っていただいて。私たちもフットワークがすごく軽くなったので、こういう場がすごくうれしいです。いろいろなものを自分たち自身が吸収していかなきゃいけないし、それこそ自分たちの意見がいい意味で通りやすくなってきている。言ったことを成功させるのも自分たち次第になってきているから、今日の場もうれしくて。
――ちなみに、プライベート・レーベルの名前はなんでしたっけ?
秋本:ワクワクレコーズ。
後藤:いい名前!
――メンバーの坂本遥奈さんがつけたんですよね。シャチとして自分たちでここから歩んでいくんだというふうになって、今決めている一番の先の目標はなんですか?
咲良:今の一番大きい目標は、武道館を満員でワンマンライブをすることです。見えやすい目標じゃないですか? ファンの方からしても、達成できたかどうか。それを今の一番大きい目標にはしているんですけど、アイドルシーンもこの10何年ですごくコロコロ変わっていて。自分たちが強みだと思っていたものが、今の時代に求められてないかもと思ったり、今のアイドル・ファンの人たちってアイドルってイメージがまた違っていたり、求めているアイドルが違っていたりしているなって。そういう部分で迷ったりもするんですけど、自分たちの良さがブレちゃうのが一番しんどくなっちゃうというか。自分たちの良さを、より多くの人に伝えて、武道館でやりたい。だから、いろいろなことに挑戦はしたいし、楽曲も含め、いろいろな面を見せたいけど、軸はブレずやっていきたいです。自分たちが舵を切るからブレやすいけど、そこはブレちゃいけないところなのかなって最近思います。
――シャチって絶対にブレていない部分があって。TikTokで大バズリした「待ち合わせに、飽きもと。」っていうアカウントがあって。名古屋駅の金時計の前で、待ち合わせ場所がわからない相手にわかるようにソーラン節を全力で踊るんですよ。
後藤:引きで撮ってるから、周りの人からしたら何やってはるねんやろって?
――そうです。それがいくつかバズって、とある日の待ち合わせが、ライブ会場で。
秋本:横アリですね。
後藤:それまでは全く言わないでやっていたん?
秋本:はい。それが上手くはまって。今はこういうバズり方があるんだなって。それこそ曲でバズったら、それが一番いいんでしょうけど、それだけだとシャチらしくないねっていうのでおもしろいことをやってみようと思って。そしたらそれがバズって、ソーラン節の動画が1000万回再生までいって。こういう楽しいことをしているグループなんだよというのが伝わっているんじゃないかと思います。
――一緒に番組をやってる僕ですら教えてもらえなかったんです。ニュースサイトかなんかでシャチ大バズリって見て知りました(笑)。
咲良:あの形にたどり着くまで、1年くらいはかかっていて。ファンの方には伝えずに外側にどれだけ知ってもらえるかSNSでやりたかったので、すっごい難しいダンスも覚えました。夜景がきれいなところに行ってみたりもしたんですけど、ソーラン節が一番バズりました(笑)。でも、自分たちが楽しんで撮影できる形だったし、続けたいなって思える形態でみんなに評価してもらえたので、自分たちが楽しむことは、すごく大事なのかなって思いました。
後藤:すごい! 自分らで考えてってことですもんね。
咲良:もちろんスタッフさんもですけど、全員で考えました。
後藤:スタッフさんも13年間一緒の人なんですか?
秋本:入れ替わったりはしたんですけど、今のチーフ・マネージャーは私たちが中学生のときから一緒です。
後藤:すごい、家族や!
――後藤さん的には、ご自身の活動の中で、こういうことをやりたいなと思っていることはどんなことでしょう?
後藤:どこどこでやりたい!とか、誰とやりたい!とか全くなくて。その後のことを考えち ゃうんですよね。それを達成してしまったら、僕はどうなってしまうんやろうとか、次はも っと大きいことをやらなあかんとか。高く飛んだら、落ちることしか考えられない人間なの で。ずっと低空飛行していこう……じゃないけど、自分のペースで続けていけたらいいなと思いますね。 僕はもともと裏方思考なんですけど、それがさらにって強くなってる感じです。
――いろいろなやり方がありますもんね。浦さんとしては、サンデメもそうだし、浦小雪としての活動もそうですけど、今見てる未来はどんなものなんでしょう?
浦:友だち同士でやっているバンドなので、無理せずにというのはありつつ、いけるところまでいきたい。同じ夢を見続けているけど、メンバー2人は働いているので、私が引っ張っていけたらと思っていて。できることは全部やって、Sundae May Clubってバンドをいろいろな人に知ってもらいたい気持ちがずっとあります。
――夢を語っている人たちを目の前で見ると、自分もちゃんとしなきゃなって思います。
後藤:夢とかないんですか?
――今年、愛知のホールで1人で喋るライブをやるんです。30歳になったタイミングでやっておきたいなって。自分が喋る場所がここにあるんだよって知ってもらえる場所を、毎年続けていくための一歩を今年やりたいんですよね。今年親にもなるので。
後藤:おめでとうございます! 女子、男子?
――男子です。
咲良:つなぎ着せたいね(笑)。
秋本:いーねー(笑)。
――11月が産まれて最初に見せるライブになるんです。ライブが終わってから、抱いて客席を見せるのが一番の目標です。いつか大きくなったときに、こんなところでやっとったよって思うのが今の目標。6月が楽しみですね。最後に、浦さんからそれぞれにメッセージもいただいていいですか。まずはシャチに。
浦:東京公演、両者のファンの異文化交流じゃないですけど、どっちも好きになってもらえるライブになると思います、絶対。なので、楽しみにしています。ありがとうございます。
秋本:お願いします!
咲良:よろしくお願いします!
――逆にシャチからもぜひ。
秋本:楽曲を作っていただいた方に実際に対バンとして見ていただき、聴いていただくのは緊張するんですけど、浦さんたちのパフォーマンスからもいろいろ吸収したいなと思います。レコーディングのときも浦さんにディレクションをしていただいたんですけど、メンバーそれぞれ個性を出して歌わせてくださって。浦さんたちの表現もいろいろ勉強したいなって思います。よろしくお願いします!
――では、浦さん、後藤さんの方を向いていただいて。
浦:大阪、やり合う気持ちでやりたいと思っています。めちゃくちゃ好きです! サンデメのファンは結構平和な人が多いと思うんですけど、その平和な人を滾らせるライブが見たいです。よろしくお願いします。
後藤:僕もサンデメのライブを見るのは初めてなのですごい楽しみにしていています。生でエレキをギャーってやってるのとかも見るの楽しみやし、4人のバンド体制で見るの楽しみ。浦さんはお客さんがどうってすごい気にしてはるけど、僕はあまり気にしてなくて。自分らが楽しくやっていればお客さんも絶対楽しいし、だから楽しもうって思ってる。浦さんも楽しみましょう!
■ライブ情報
Sundae May Club「2MAN LIVE TOUR『ラッキー・チャーミー・ツアー』」
東京編
2024年5月10日(金)@新代田FEVER
ゲスト:TEAM SHACHI
大阪編
2024年6月16日(日)@梅田シャングリラ
ゲスト:後藤まりこ アコースティックviolencePOP
チケット発売中!
https://eplus.jp/sf/detail/3960630001?P6=001&P1=0402&P59=1
TEAM SHACHI「SHACHI SUMMER 2024」
DAY1 〜サマースプラッシュ!やんちゃで⾃由な真夏の祭典〜
2024 年8 ⽉10 ⽇(⼟)@埼⽟県・東武動物公園HOLA!
open15:00 / start 16:00 ※⾬天決⾏・荒天中⽌
DAY2 〜沸騰!リアルサウナHOLA!〜
2024 年8 ⽉10 ⽇(⼟)@埼⽟県・東武動物公園HOLA!
open16:00 / start 17:00 ※⾬天決⾏・荒天中⽌