LiVSが2024年8月25日(日)、持ち時間60分ずつのツーマンライブ〈Chemistry LiVE with SW〉を東京都・下北沢MOSAiCにて開催する。異色な組み合わせで化学反応を起こすべく、これまでMAPA、NARLOW、にっぽんワチャチャを迎え化学反応を生み出してきた同ツーマン。
今回ゲストに迎えるのは、元WAgg愛の新プロジェクト、THE TRAINTRAINS。WACK退所後1年半の沈黙を破って今年5月に活動をスタートし、1stアルバム『REBELLION GIRL』のリリースに加え、完全セルフプロデュースでMVを制作するなどDIYで活動をしている。
そんな2組が30分ずつ交互に2セットのライブを展開していく〈Chemistry LiVE with SW〉。果たしてどのような化学反応が起こるのか? イベントを目前にLiVSのスズカス・テラとミニマルコ、そして愛の対談を敢行。この日しか生まれない化学反応。見逃さないでほしい。
取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希
全身から音楽を感じました(愛)
──もともと、愛さんはLiVSのライブを観に行ったことがあるそうですね?
愛:実は一度だけこっそり観に行かせていただいたことがあって。そのときは、THE TRAINTRAINSの活動を始める前だったので、特典会のやり方やライブの雰囲気を勉強したいと思っていたのと、ライブのやり方に興味があって観に行かせていただいたんです。
──視察も入っていたんですね(笑)。
愛:はい、そうです(笑)。
──LiVSのライブを見て、どんな印象を持ちましたか?
愛:観にいったのが、MAPAさんとの対バンライブ(※4月14日、東京・下北沢MOSAiCで開催された「Chemistry LiVE with LiVS」)だったんですけど、LiVSさんのターンが始まった瞬間、一気にLiVSさんの世界観に引き込まれて。心の柔らかい部分をめっちゃくすぐられて、ずっとワクワクしっぱなしで見ていました。
スズカス:ありがとうございます! めっちゃうれしいです……。
──LiVSの2人は、愛さんが来ていたのは知っていたんですか?
スズカス:特典会で私の列に来てくれて。めちゃくちゃびっくりしました。後日こっそり「愛さんが来てくれてたの!」ってメンバーに言いました(笑)。
──なんでこっそりだったんですか(笑)?
スズカス:愛さんから「言わないで」って言われていたので(笑)。めちゃくちゃ我慢してました(笑)。
愛:まじですみません(笑)。めちゃめちゃこっそり行ったので。
──ちなみに特典会でスズカスさんを選んだ理由は?
愛:なんて言うんだろう……。惹かれるって言葉に近いんですけど……。
──シンパシー?
愛:そう! シンパシーを感じる部分があったんです!
スズカス:ずっと一方的に見ていた存在だったので、突然目の前に現れて、自己紹介していただいて、その日は頭の中がパニックでした。すごく自信をもらえてうれしかったです。
──愛さんは、スズカスさんと似ていたり近しいと思う部分はありますか?
愛:似ているとかじゃないかもしれないんですけど、ステージで歌って踊っている姿を見て、全身で楽しんでいるのを感じて。すごく心惹かれて、お話をしに行ってみようと思ったんです。それはLiVSの全員に感じたんですけど、スズカスさんは安心感があるというか(笑)。私はこんな性格で、しゃべれないので勇気が必要だったんですけど、大丈夫かもと思って特典会に行かせてもらいました。
──マルコさんはLiVSで一番新しいメンバーですけど、どんな印象を持ちました?
愛:本当に、全身から音楽を感じました。
マルコ:えー! うれしい。
愛:リズム感がすごく気持ちよくて。ライブで直接見ても気持ちいいし、YouTubeとかにあがっているライブ動画を見てもすごく気持ちいい。声もめちゃめちゃ素晴らしいし、歌もめっちゃ上手くて。音にどんどんハマってくるのがすごいなと思いました。パフォーマンスをしているだけで目がいく存在です。
──逆にマルコさんは愛さんにどんな印象を持ちました?
マルコ:THE TRAINTRAINSさんの音楽を聴かせていただいて、めちゃくちゃ音楽が好きな想いを内面から表現していると感じて。MVも見させてもらったんですけど、ガチでハマるくらい好きで。シャングリラのLiVSの1周年ライブの朝も聴いていました。全身で音楽が好きなんだなって感じがしたので、今日会えてうれしいです。
愛:ありがとうございます! 私もうれしい!
──スズカスさんはTHE TRAINTRAINSの音楽を聴いてどんなことを感じましたか?
スズカス:私もめっちゃ好きで。今日も朝MVを観てきたので、余計に緊張しています(笑)。愛さんはパフォーマンス中の笑顔がめっちゃ素敵で、LiVSになってからずっとWAggさん時代のライブをめっちゃ見ていて参考にさせていただいています。堂々としていて歌もダンスもかっこよくて笑顔も素敵で、ステージで輝くってこういうことなんだなと思って。
少数が多数に立ち向かっていけるようなところから進んでいきたい(愛)
──愛さんはWAggを辞めた後、しばらくの充電期間があって、いろいろ準備をしてデビューをしたと思うんですけど、THE TRAINTRAINSにはどんなテーマがあるんでしょう?
愛:THE TRAINTRAINSを始めたとき、テーマとして掲げていたものはアルバム・タイトルにある『REBELLIONGIRL』のREBELLIONという部分で。反逆という意味なんですけど、小さいもの、少数が多数に立ち向かっていけるようなところから進んでいきたいなと思って。反逆とは言っているんですけど、いつかは反乱を起こしたいなと思ってやっています。
──それは準備期間で自分の中に生まれたテーマだったんですか?
愛:最初からあったかもしれないです。WAggが望んでいない結果で終わってしまい、やりたかったことをやれずに終わってしまったので、最初からそういう気持ちはありました。
──音楽性がロックなのは、反逆とかを表現しやすい音楽だったからですか?
愛:自分が好きというのもあるんですけど、今まで応援してくれていたお客さんが好きな音楽は、きっとロックだろうなというのがあって。まずはお客さんたちに応援していただけるように、音楽を好きになってもらえることが第一段階と思っていました。
──そういう意味で言うと、LiVSの2ndアルバム『Don’t Look Back』は、よりロック色が強くなりましたよね。
マルコ:私はロックがやりたくてLiVSに入ったので、こうやってLiVSの音楽を届けられるというのはすごくうれしいなと思います。LiVSを見てくれる人たちもロックとか音楽が好きな人が多いので。
スズカス:今回のアルバムは、今まで以上にロック感が強まっていて。歌っていて楽しいし、今まで以上にめっちゃいいねって言っていただける機会が増えて。LiVS=ロックというわけではないんですけど、いろいろな楽曲と側面があるので、ロックを歌うのは楽しいです。
──さっき愛さんが言った反逆は、LiVSにもあると思いますか?
スズカス:LiVSって、学校に行っていない子の方が多くて。そういう少数派の子の集まりだなって思うんです。外で生きるのが苦手で、生きづらいとか少数派な人たちの集まりだなというのはずっと感じていますね。
マルコ:私はたぶんお2人よりは行ってたと思うんですけど、あまり学校が好きじゃなくて。登校はするんですけど、行くのが嫌で、途中で帰ったりも結構ありました。そういう人たちが集まって、1つのグループでみんなに見てもらっているのがLiVSで。1人ではできないことをみんなで集まってやっている感じがして、すごく楽しいです。好きって言ってもらえるのは、私たちの力にもなりますし、誰かの力になったらいいなと思います。
見ていただけるチャンスを絶対にものにしないといけない(スズカス)
──LiVSは先日、結成1周年を迎えて、目標にしていたシャングリラでライブを成功させました。そんなLiVSの現状をどう捉えていますか?
マルコ:LiVSの直近の目標がシャングリラを満員にすることだったんですけど、結果、満員にはできなくて。ただ、私がLiVSに入ったときから比べると、見てくれる方が増えたなという実感はあって。もっと遠くまで届けるためにはもっと熱が必要だと思うので、この前立ったシャングリラでもZepp Shinjukuでも、もっと後ろの方まで気持ちや熱を届けていくにはどういうパフォーマンスをしたらいいかを突き詰める段階かなと思っています。
スズカス:お客さんの前で、シャングリラを埋めたいとずっと話していたので、埋められなくて悔しい思いもあるんですけど、昨日MONSTERIDOLさんとBiSさんとご一緒する機会があって、初めてちゃんとWACKの方と対バンしたんです。いまLiVSを見てもらえる機会が今すごく増えている時期だし、LiVSのことをまったく知らない人にも届けられる時期が来たなと思っていて。絶対にそのチャンスを逃しちゃいけないとメンバーみんな感じています。だからこそ、「人間最高」というコンセプトを、それぞれがむしゃらに、死ぬ気で届けなきゃと思っています。見ていただけるチャンスを絶対にものにしないといけないし、今回の愛さんとの対バンも、見ていただけるチャンスだと思っています。
──LiVSの2人からは、ここから掴み取っていくんだという思いがすごく伝わってきましたが、愛さんはどんな気持ちでステージに立たれていますか?
愛:THE TRAINTRAINSは、まだ4回しかライブ自体できていないんですけど、WAgg解散から期間が経ってもライブに来てくれる方がいるのを目の前にして、本当にありがたいなと思っていて。感謝とともに、今までを知ってくださっていたお客さんだけではなく、THE TRAINTRAINSとして広がっていかなくてはいけない。来てくれたお客さんは大切な時間やお金を使ってライブを見に来てくださるので、感謝をしっかり届けるということは絶対なんですけど、そこから広げていくためにどうしていくか踏ん張りどころだなと思っています。
──より広めていきたいという気持ちは2組とも共通で強い部分なんですね。
愛:今回のツーマンは、WAggの愛という存在を知っていた方以外にも見ていただけるチャンスだと思うので、LiVSさんのお客さんにもこんな曲を歌っている人がいるんだと知っていただいて、THE TRAINTRAINSの音楽を聴いていただけるきっかけを作れればうれしいなと思っています。私も緊張しているんですけど、今回誘っていただけたことがとてもありがたくて。このシーンにいてもいいんだよって仲間に入れていただけるような気がしてすごくうれしいです。
──お互いリスペクトを持ちながら、絶対に勝ちにいくぞという気合いが伝わってきます。
スズカス:リスペクトしているからこそ、頑張らなきゃという気持ちです。
愛:本当にありがたいです。ケミストリーなので。この2組でやったことで生まれる何かが生み出せるようになりたいです。
いつまでもWACKのところのグループねって言われるのは悔しい(マルコ)
──ちなみに2組ともWACKの遺伝子を受け継いでいるグループだと思います。WACK代表の渡辺(淳之介)さんもイギリスへ移住するなど新しい場所へ向かい合っている状況の中、2組はどんな想いを持って活動をしていますか?
スズカス:LiVSのコンセプトは「人間最高」なんですけど、最近目撃者の方から手紙をいただいて。「20歳までに死にたいと思っていたけど、LiVSと出会って生きようと思って」って書いてくれていて、すごくうれしいことだなと思ったんです。LiVSのパフォーマンスを見て、人生しんどいなとか、生きづらいなと思っている人に、ちょっとでも生きたいなとか、生きるのも悪くないなって、勇気とか愛を与えられたらと思ってライブを届けています。
マルコ:WACKの渡辺さんから出資していただいてできた会社ということもあって私はオーディションを受けたところもあるんですけど、いつまでもWACKのところのグループねって言われるのは悔しくて。もっとLiVSらしく輪を広げていきたい。もちろんWACKが好きな人にも、ロックが好きな人にも、LiVSを見てもらいたいし、もっと外に広げていかないといけないと思っています。さっきスズカスが手紙の話とかをしたように、私もファンの方から「諦めた夢とかがあったけど、LiVSの音楽を聴いてもう1回やってみようと思う」って伝えてもらって。そういう人にもっともっと音楽を届けたいし、LiVSを応援してよかったと思ってもらえる存在になっていかないといけないと思っています。
──愛さんはWACKでの活動を経て、今自分の足で立ち活動しているわけですが、どんな想いを持って今活動をしていますか?
愛:THE TRAINTRAINSが始まって、WACKに所属させていただいていたことがありがたかったなと身にしみて感じています。現実的なことで言うと、搬入搬出とか、ライブに向けての準備もこんなに大変だったんだというのを知って。事務所という存在、マネージャーさんがいてくださることのありがたさを感じていて。挨拶するときも「WAggです」って言うと、すごくウェルカムな感じだったんですけど、それがなくなると、こんなにも違うんだって。WACK時代がなければ今の私はないので、感謝の気持ちを持ちつつ、学ばせていただいたことを芯に持って、WAggで応援してくれていたお客さん以外の遠くのところにTHE TRAINTRAINSを飛ばしていけるように精進いたします。
──最後に2マン、どんなライブにしたいか聞かせてください。
マルコ:音楽が好きな人たちが集まる場になると思うので、さっきも愛さんが言った通り、今年一のケミストリーを起こしたいです!
スズカス:これまでの〈Chemistry LiVE〉は、大人数のアイドルさんとご一緒することが多かったんですけど、今回は愛さんは1人で臨まれるじゃないですか? その時点でレアというか、今までにない試みで。リスペクトしているからこそ全力でぶつかっていきたいし、めちゃくちゃ最高な化学反応を起こせる1日にしたいなって思っています。
愛:LiVSさんの、最初のオーディション(「THE LAST CHANCE PROJECT」)の応募資格が「このオーディションにラストチャンスをかけられる覚悟のある人」だったり、ライブ量を見て、メンバーさんも運営の方々、スタッフさんも相当な覚悟と熱がないとできないことをされているというのを感じていて。私もそうありたいなとすごく思っています、そういう熱気を肌で感じさせていただいて、LiVSさんから学ばせていただきつつ、ケミストリーということで、ライブハウスの扉を開けたらバックブラストが起きるような、熱いライブが一緒にできたらいいなと思っております。お願いします!
スズカス&マルコ:お願いします!
■ライブ情報
Chemistry LiVE with SW
2024年8月25日(日)@東京都 下北沢MOSAiC
出演者:
LiVS / THE TRAINTRAINS
LiVE Pocket
https://t.livepocket.jp/e/chemistry_sw1