アイドルグループ”LiVS”が2024年9月14日(土)、「絶対に解散しない」宣言をするライブ〈Never Disband〉を東京・渋谷DESEOminiにて開催した。
LiVSは、WACK代表・渡辺淳之介の弟子であるSuzukiが立ち上げたALL INc.が手がけるアイドルグループ。アイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」の合格者6名――コンニチハクリニック、マナツサマー、ランルウ、スズカステラ、コチャキンTV、ユニセックスによって結成され、”人間最高”をコンセプトに活動をスタート。2023年8月13日(日)の中野heavy sick zeroでのワンマンライブをもってデビューを果たした。
そして2023年12月30日(土)より開催された2泊3日の合宿オーディションで合格したエリザベスCVが「ミニ・マルコ」として加入し、2024年より7人体制での活動をスタート。その後、メンバーの脱退を経て現在は6人体制となり、デビューして1周年の8月13日に目標としていた下北沢シャングリラでのワンマンライブを実施した。
そして、活動2年目に突入したLiVSは、グループの解散が相次いでいるアイドル業界に「絶対に解散しないグループ」と宣言するため、本ライブを実施した。2部制に分かれており、1部では自分の推しアイドルや推しバンドのTシャツを着て行くと入場料が無料に、2部ではLiVSのグループロゴが背中に大きく記されたロゴTシャツが来場者全員にプレゼント、入場料も1000円とお得な内容で行われた。本公演のレポートをお届けする。
一部「私たちは絶対に解散しないと宣言するためのライブです」
第一部は、自分の推しアイドルや推しバンドのTシャツを着て行くと入場料が無料になるというライブ。会場には、LiVSをはじめ、ASPやBiS、ELLEGARDEN、「わんだふるぷりきゅあ!」などさまざまな推しのTシャツを身につけた目撃者(※LiVSファンの総称)たちが集った。
定刻の16時30分になり、メンバー6人が登場すると「渋谷で一番熱い夜にしようね!」というランルウの一声から「Don’t Look Back」でライブがスタート。目撃者たちのコールが会場に響き渡る。「Shooting Star」ではサビで人差し指を掲げて一体感を生み、ソウルフルな初期楽曲「EGO」では役席中央にスペースを作りファンたちが盛り上がりを見せた。
「はじめまして、私たちLiVSです。よろしくおねがいします!」と挨拶すると、1人ずつ自己紹介。マルコが「みんなをLiVSのサーカスに連れていきたいと思います」と語ると、「脱Masquerade」へ。ダンサブルでミステリアスなアッパーソングに観客たちは身体を揺らす。メロコア調のロック曲「Believe」では観客たちのコールがさらにこだました。それに飽き足らず、「もっとみんな本気見せてよ! 一緒に頭振ろうぜ!」とマルコが投げかけると、「RとC」ではメンバー同士、そして観客同士も肩を組みヘッドバンキング。サビでは「おー」という掛け声とともに前後に移動しながらフロアは熱があがり、キュートなドラムンベース楽曲「Yummy」、LiVS楽曲の中でアイドル曲「ときとき☆めきめきガガーリン」とフロアの熱は一層に増していく。そして「MUSiC」、グループ屈指の名曲「ONE」と、LiVS始動時から歌い続けてきた楽曲では、より気持ちの入った歌声が響き渡った。
コチャキンTVは、「今日のライブは、最近の音楽業界の中で、アイドルさんやバンドさん、対バンしたことのあるグループも解散が相次ぐ中で、私たちは絶対に解散しないと宣言するためのライブです」と、グループとしての覚悟を語った。そして「普段、みんながどんなグループを推しているのか知りたかった」と、目撃者が身につけている推しアイドル、推しバンドのTシャツに触れると、「みんなが着ているTシャツには、いろんな思いがこもっていて、記憶を蘇らせてくれる大切なものだと思っています。いつかLiVSもかけがえのないものになっていけるようステージに歌っていきたいと思います」と想いを語り、「このライブもそうなっていけるように盛り上がっていけるか! 声枯れちゃってもいいから、全員で叫びまくれ!」と「Preserved」へ。続く「CONNECT」では、「つながりたい!」という楽曲にちなんだコールが起こった。
ミニ・マルコのヴォーカルからはじまるエモーショナルなギターロック曲「JUST ONCE」ではメンバー全員のヴォーカルが繋がっていき、それぞれの歌声がより際立った。そして、ユニセックスの伸びのあるソロヴォーカルではじまる「WITHYOU」、バラード調の歌い出しから始まるUKロックさを感じる「LIVE FOREVER LOVE FOREVER」を披露すると、「LiVSこれが一部最後の曲です」と、「Letter」へ。そして、ランルウが「みんな一緒にいくぞ!」と「Colorful」へ。これまで以上のジャンプで会場がさらに一体感を見せた。
コチャキンTVは、先ほどの自身のMCに触れ、「1曲間違えたの、気づいたかな(笑)? 楽しかったですか?」と目撃者に投げかけると大きな歓声が起こった。そして9月21日から全国ツアー『Don’t Look Back Release Tour』が開催されること、このあと2部が開催されることを伝えると、「以上、私たちLiVSでした。ありがとうございました」と挨拶をし、6人はステージを後にした。
二部「みんなに対する愛情は、どのグループにも負けていないと思っています」
特典会を挟み、19時30分より2部が開催された。目撃者たちの多くは、LiVSのロゴが背中に大きく記されたロゴTシャツを身につけている。2部の入場時にプレゼントされたアイテムで、プロ野球やJリーグなどのスタイルを取り入れた画期的な企画ともいえる。
定刻になり暗転し、SEが流れると、目撃者たちから拍手が湧き起こった。ステージに6人が登場すると、LiVSの代表曲「ONE」でスタート。のっけから最高潮とも思える盛り上がりを見せる目撃者たち。落ちサビでは、ちびっこ目撃者もリフトでメンバーを盛り立てるという盛り上がり。続くロック曲「JUST ONCE」でさらに熱を増すと、「ときとき☆めきめきガガーリン」では「萌え萌えきゅん」というコールが客席でさらに沸き立った。
「はじめまして、私たちLiVSです。よろしくおねがいします!」と挨拶し、1人ずつ自己紹介。一部よりも目撃者たちの盛り上がりも増している。ランルウが「次の曲なにやると思いますか? 私が曲振りしたあと一緒に踊ってね」と投げかけると、「Shall Weeeee Dance???」へ。コンニチハクリニックの無表情の横揺れダンスから始まる楽曲に、目撃者たちも応えて盛り上がる。「目撃者のみなさん、LiVSと一緒に秘密の公園で遊びましょう!」というスズカステラの呼びかけとともに初期楽曲「秘密の公園」へ。「BiRTHDAY」では、「遅くなったけど、LiVS、ハッピーバースデー! LiVS、2年目もよろしく!」とコチャキンTVが曲中に笑顔で語った。
そして、代表曲の1曲「EGO」では、目撃者たちの大きな手拍子とコールの中、メンバーたちは生き生きとダンスと歌唱。6人ともいい顔をしている。グループの充実感を物語っているようだ。そのまま、「CONNECT」「shooting star」とさらに熱を増していくと、ハードなギターサウンドとともに「RとC」へ。ヘッドバンキングで一体感をさらに生み出した。一転ダンサブルな「脱Masquerade」でフロアをグルーヴィな雰囲気に包むと、ランルウが「みんな、最後までよろしく!」と笑顔で語り、ロック曲「Don’t Look Back」でハッピーなバイブスを作り上げた。そして、タイプは違うがキャッチーな初期楽曲「Colorful」「MUSiC」をパフォーマンスし、「WiTH YOU」「Letter」と立て続けに披露した。
そして、コンニチハクリニックがMCを行った。
「今日は、いつもより大きなプレッシャーを感じていました。それは、今日こうやってきてくださっている目撃者のみなさんに、LiVSが解散しないという私たちなりの決意を簡単に伝えることは難しいからです。デビューして以来、お客さん3人からはじまった私たちのライブは、解散という言葉と紙一重の場所にずっといたと思っています。だからこそ今日、こうやって足を運んでくれて、私たちと出会ってくれたことに感謝でいっぱいで。LiVSのライブを、音楽を楽しんでくれている感謝がいっぱいで。みんなに対する愛情は、どのグループにも負けていないと思っています。だからこそ私たちは、少しずつかもしれないですけど、大きなステージに立ちたいと思っていて。そのために1つ1つのライブを大切に歌い続けていきます」と語ると、「12月23日(月)、LiVS、渋谷WWWXにて、ワンマンライブが決定しました!」と突然のワンマンを発表。目撃者たちから大きな拍手が沸き起こった。
「結成1周年の下北沢シャングリラ公演を終えて、LiVSは新たに恵比寿リキッドルーム、Zeppを目標に駆け抜けています。どんないい音楽ができても、聴いてくれる人がいないと成り立たない残酷な世の中で、ステージの上にいるときは輝いていて、こんなにも楽しいんだ!と思える時間が幸せです。私たちメンバーと、スタッフさん、そして目撃者と一緒に夢を見れているこの時間が幸せです。まだまだ駆け出したばかりですけど、これからも精一杯、みなさんの気持ちに届くように歌い続けていきます。LiVSと一緒に夢を見れてよかったと思ってもらえるように最後の曲、歌います」と「BACKLiGHT」のタイトルコールをすると、どよめきが起こった。2ndアルバム『Don’t Look Back』の同楽曲を力強く気持ちいっぱいに披露し、メンバーはステージを後にした。
目撃者たちから湧き起こるアンコール。大きな「アンコール」の声が会場にこだまする。しばらくして、「Believe」のイントロが鳴り響くと、ロゴTシャツを着たメンバー6人がステージに再登場した。「Believe」を元気よくパフォーマンスすると、Tシャツについて触れ、「いつかこのTシャツがタンスから出てきたとき、今日を思い出せるライブになっていますか?」とコチャキンが投げかけると、目撃者たちは歓声で応える。「私たちは、LiVSをみんなと一緒に背負って同じ夢を追いかけたい、戦い続けたいと思っています。だから、これからも応援よろしくおねがいします。リキッドも、Zeppもみんなと一緒に走っていけるように歌い続けます!」
そして、1部と2部合わせて、この日3回目となる「ONE」へ。ラストチャンスプロジェクトで落ちてしまった候補生から合宿の後に送られてきた手紙から誕生した、グループの魂が込められた楽曲を精一杯歌った。最後は、「Preserved」へ。目撃者たちもメンバーも飛び跳ねて、ぐちゃぐちゃになりながらも、ハッピーな感情を全面に押し出してこの日一番の盛り上がりを更新。落ちサビでは、スズカステラがフロアに向けたマイクに向けて、目撃者たちが大合唱をして、より強い団結を見せつけた。
そして、コチャキンが噛みながらも一生懸命に告知をし、「以上、私たち、LiVSでした!」とお辞儀をし、最後はメンバー、目撃者ともに、隣の人たちと手を繋ぎ、「人間最高!」と手を天にあげて、「絶対に解散しない」宣言をするライブは大団円を迎えた。
「絶対に解散しない」という、思い切ったタイトルのライブを実施したLiVS。この世の中に「絶対」という言葉はほとんどない。ましてや、音楽業界や芸能の世界ではなおさらだ。それでも、LiVSがそうしたタイトルをつけ、目撃者たちの前で宣言したのは、彼女たちなりの強い覚悟の現れであり、この先に向けてのLiVSなりの宣戦布告なのだろう。デビューしてまだ1年。されど1年。「人間最高」をテーマにする彼女たちの覚悟。この先もしっかり記録していきたい。そう思うような熱気に溢れた1日だった。
取材&文:西澤裕郎
写真:伊藤洸太
〈Never Disband〉
2024年9月14日(土)@東京・渋谷DESEOmini
セットリスト
1部
1. Don’t Look Back
2. Shooting Star
3. EGO
4. 脱Masquerade
5. Believe
6. RとC
7. Yummy
8. ときとき☆めきめきガガーリン
9. MUSiC
10. ONE
11. Preserved
12. CONNECT
13. JUST ONCE
14. WiTH YOU
15. LIVE FOREVER LOVE FOREVER
16. Letter
17. Colorful
2部
1. ONE
2. JUST ONCE
3. ときとき☆めきめきガガーリン
4. Shall Weeeee Dance???
5. 秘密の公園
6. BiRTHDAY
7. EGO
8. CONNECT
9. shooting star
10. RとC
11. 脱Masquerade
12. Don’t Look Back
13. Colorful
14. MUSiC
15. WiTH YOU
16. Letter
17. BACKLiGHT
EC1. Believe
EC2. ONE
EC3. Preserved
■ライブ情報
『Don’t Look Back Release Tour』
9月21日(土)@名古屋 新栄DAYTRIVE
9月22日(日)@大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
9月28日(土)@東京 下北沢MOSAiC
9月29日(日)@仙台 enn3rd
チケットサイト https://t.livepocket.jp/t/dontlookback
ワンマンライブ
2024年12月23日(月)@渋谷WWWX
・LiVS公式X↓
https://twitter.com/LiVS_idol
・ミニ・マルコ公式X↓
https://twitter.com/MARCO_LiVS
・コンニチハクリニック公式X↓
https://twitter.com/HELLO_LiVS
・コチャキンTV公式X↓
https://twitter.com/KOCHA_LiVS
・スズカス・テラ公式X↓
https://twitter.com/SUZU_LiVS
・ユニセックス公式X↓
https://twitter.com/UNi_LiVS
・ランルウ公式X↓
https://twitter.com/RUNRUU_LiVS