BiSが2025年1月12日に日比谷野外大音楽堂で開催するワンマンライブ〈Finale of third BiS〉をもって解散する。
BiSは2010年にプー・ルイを中心に結成されたグループ。現在のBiSは2019年6月に始動した第3期にあたり、現在のメンバーは3期オリジナルメンバーのトギー、途中加入のナノ3、ヒューガー、クレナイ・ワールズエンド、イコ・ムゲンノカナタの5人となっている。2024年4月に活動体制に変更があり、メンバーがマネージメントを兼ねる“自給自足アイドル”として再出発をしたが、8月に「これ以上の活動継続が難しい」との理由から、2025年1月をもって解散することを決めた。
解散ライブ「Finale of third BiS」を間近に控えたメンバーにインタビューを実施した。2回目はクレナイ・ワールズエンドへのラストインタビューを掲載する。
取材＆文：田中和宏
写真：大橋祐希
解散が決まったことに後悔はずっとあって
──2025年1月12日の日比谷野外大音楽堂での解散ライブを控えているBiSですが、解散が決まった頃の思いは？
クレ：最初は「もうみんなに会えないのかな」とか、寂しい気持ちがあったんですけど。今も寂しい気持ちはあるけど、自分たちで決めたことだから、もう前を向いていこうという気持ちになりました。
──解散前にその予兆は感じていましたか？
クレ：解散の話になる前から薄々感づいていて。「もう5人では無理なのかな」って。でも何をしたらいいかわらかなかったし、気付いてない振りをしていました。そして解散が決まったことに後悔はずっとあって、あのとき気付いてたから、助ければよかったなって。研究員（※BiSファンの総称）にもスタッフさんにもメンバーにも全然恩返しができてなかったから。恩返しができないまま解散になるのはすごく申し訳ないという気持ちでしたね。
──解散まで時間がある中で、その気持ちをどう活動に活かすかは考えたんですか？
クレ：解散が決まってから、今できる恩返しをという気持ちは常にあります。「BiSと関われてよかった」「BiSを好きでよかった」とみんなに思ってもらえるようにするのがいいと自分の中で思いました。なので何事も楽しくやろうと。下北沢の〈OVER FEST〉に出演したとき、MCがあったんですけど、すごく楽しめました。ずっと話すことに苦手意識があったから。ずっと避けてきたんですけど、最後だし何事も楽しむようにしました。そうしたほうが楽しんでくれるみんなの輪が広がるかなって。
──10月に福岡・小倉FUSEで〈ALL FOR BiS, ALL FOR YOU LiVE〉があったとき、地元での凱旋MCでボロボロに泣いていたのも印象的でした。楽しむもそうだし、素直な気持ちが言葉になっていたなと。
クレ：そうですね。どの公演も印象に残ってますけど、凱旋ライブということですごく盛り上げていただいて。小倉ではその日の主役みたいな感じになる場面があったし、親とかも来てくれて。そんな中でみんなが応援してくれることがすごくうれしかったんです。私以外を推してる研究員もお祝いしてくれたときは、「自分はここにいてもいいんだな」と思えた瞬間でした。小倉に限らず、研究員が居場所を与えてくれているということを感じることが、解散発表以降のライブでは多いので毎回、本当に特別なものに感じられています。もともとあんまりすごく深く考えるタイプではないんですけど、0か100なのでいろいろ感じられるモードになったときはずっと思いを巡らせることもあります。
──MCを担当するときはずっとそのことを考えてたんじゃないですか？
クレ：ですね。泣きながら考えたこともありますし、マネージャーさんがいた頃は朝まで一緒になって考えたこともあります。そもそも最初は自分の気持ちが自分でわからなくて、何を言ったらいいか本当にわからなくて。マネージャーさんが質問形式で私の言いたいことを掘り下げてくれて、なんとか思いを文章にしていったんですけど、そしたら朝になったという。去年やったツアー〈INCREDIBLE BiS TOUR〉のときですね。
BiSとしても一致団結したように感じた24時間ライブ
──BiSの活動の中で印象に残ってることは？
クレ：24時間ライブですね。練習期間がめちゃくちゃ大変で、みんな鬼のような顔をしてて。全曲覚えなきゃいけないから焦りもするし。言葉を選ばずに言うと、苦痛。そんな練習の日々でした。
──教えるほうも必死だし、覚えるほうも必死で。
クレ：同期で入ったイコ、シオンエピックは深夜の時間帯に出なかったから1人だけ新メンバーだと覚えることが多かったんです。しかも私は覚えるのが遅いこともあって余計大変だったと思います。誰にも相談できないくらい本当に空気が悪かったんですけど、だんだん本番の日が近づいていって、もうやるしかないという状況になって、なんとかがんばって。そしたらこれまでに感じたことのない達成感、大きな感動があって。人生で初めて大きな出来事を乗り越えた感じです。BiSとしても一致団結したように感じたイベントでした。
──24時間イベントは新メンバーにとっては特に過酷だったようで。
クレ：加入して1年経ってないくらいだったこともあったし、そのタイミングでBiSの全曲をパフォーマンスしたというのは自信にもつながりました。なのでその日を境にパフォーマンスにも自信を持てるようになりました。
──解散発表してから一致団結できている感覚はありますか？
クレ：解散が決まって残りの公演日程も決まったので、本当にがんばるぞ！楽しむぞ！という明るい気持ちで前に進んでいけてるとは思います。メンバー同士がギクシャクみたいなのは感じないですね。私だけかもしれないけど。
自分の可能性を広げる力が身に付いた
──クレさんはBiSでどんなことが学びになったと感じますか？
クレ：人より歌もダンスも得意なほうじゃなかったし、こうやって自分の気持ちを言葉にするのもうまくなくて、悩むときはたくさんありました。BiSの曲は歌詞も振りも独特な世界観があって、感情を込めやすかったので、そこに力を入れるようにしたら、けっこう研究員のみんなが気付いてくれて、褒めてくれました。
──自信がなかったんですね。
クレ：自信はずっとなかったんです。「私はここにいていいのかな」とか本当に思っちゃってて。自信がずっとなかったんですけど、BiSの曲とより向き合うようになってから、みんながかけてくれる言葉がすごくうれしかったです。自分の可能性を広げる力が身に付いたような、そんな気がしています。
──日比谷野音での解散ライブをどういうものにしたいですか？
クレ：加入してからは1番大きい場所なので、たくさんの研究員に囲まれて緊張すると思うけど、全力で楽しみたいです。研究員のみんなと一緒にBiSらしく心も身体も熱くなれる最高の空間を作りたいです。
──BiSのお気に入りの曲とその理由は？
クレ：アルバム「NEVER MiND」に収録されている「NO CHOiCE」です！ 私が唯一振り付けをした曲なので、特別な思い入れがあります。また、ライブで一体感を感じられる可愛らしく真似しやすい振り付けと、明るく励ましてくれる歌詞とリズムが優しく寄り添ってくれる感じがして好きだからです。
──最後に共通の質問です。あなたにとってBiSとは？
クレ：BiSはみんなの愛が重なり合って存在できているグループだと感じています。研究員とメンバーは強い絆が生まれていて、熱量もすごく高い。ファンとメンバーの枠を超えて成り立っていると思います。それがBiSならではの関係性。私はこのファンとメンバーの関係って素敵だなと思います。
■ライブ情報
解散ライブ〈Finale of third BiS〉
2025年1月12日（日）＠東京・日比谷公園野外音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00
詳細：https://www.brandnewidolsociety.tokyo
〈third BiS 特典会THE FiNAL〉
2025年1月13日(祝・月) ※9:00 – 22:00 予定
場所：東京都内某所
＜参加方法＞
2025年1月11日(土)「Could you still be WACKiNG TOUR」@日比谷野外音楽堂及び、2025年1月12日(日)第3期BiSラストライブ「Finale of third BiS」@日比谷野外音楽堂での物販会場にて販売している【third BiS特典会THE FiNAL】参加券をご購入いただいた方。又は、同じく物販会場にて、2024年2月28日発売「NEVER MiND」(初回生産限定盤/CRCP-40675・通常盤/CRCP-40676)をご購入いただいた方。
※【third BiS特典会THE FiNAL】参加券、並びにアルバム「NEVER MiND」は、数に限りがございます。予め、ご了承ください。
BiS Official HP：https://www.brandnewidolsociety.tokyo/
【第3期BiS解散前ラストインタビュー】は毎週金曜日更新予定です。
