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【LIVE REPORT】第3期BiSが約5年半の活動に幕、日比谷野音にて感涙のフィナーレ

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第3期BiSが2025年1月12日(日)、解散ライブ〈Finale of third BiS〉を東京・日比谷公園野外音楽堂にて開催した。

BiSは2010年にプー・ルイを中心に結成されたグループ。現在のBiSは2019年6月に始動した第3期にあたり、現在のメンバーは3期オリジナルメンバーのトギー、途中加入のナノ3、ヒューガー、クレナイ・ワールズエンド、イコ・ムゲンノカナタの5人。2024年4月に活動体制に変更があり、メンバーがマネージメントを兼ねる“自給自足アイドル”として再出発をしたが、8月に「これ以上の活動継続が難しい」との理由から、2025年1月をもって解散することを決めていた。

そんなBiSの解散ライブ。17時5分、「LET’S GO どうも」のイントロが流れると、5人が登場し、大歓声の中ライブがスタート。1曲目にして、メンバーたちの気合いも並々ならない。すでに感極まった表情のヒューガーが、「世界一熱くなる準備できてますか? 端から端まで飛べー!!」と「DA DA DA DANCE SONG」をタイトルコールすると、初期楽曲「teacher teacher teacher」とアッパーな楽曲を立て続けに披露。寒空の野音とは正反対の熱気を研究員(※BiSファンの総称)たちが生み出した。

「はじめまして! 日比谷野音にお越しの皆さん、私たち、新生アイドル研究会、BiSです」と挨拶をした後、1人ずつ自己紹介すると、「温まるために声を出しましょう!」とクレが投げかけ、ブロックごとに研究員に声を出し会場は大きな歓声に包み込まれた。「その調子で腹から声出して楽しんでいきましょう!」とクレが伝えると、USロック調の「テレフォン」、「DEAD or A LiME」と続け、fOUL谷口健プロデュースのインディーロック調の「悲しみを纏う男たちの行進」をじっくりと歌い上げた。すると、「thousand crickets」のイントロが。曲に合わせて準備体操をしたあと、メンバーとともに研究員たちもスクワットをする初期楽曲だ。これまでのライブでも体力を削りながらも一体感を生み出してきた楽曲を、野音に集まった大勢の研究員たちとともにパフォーマンス。壮観な光景が広がった。間髪おくことなく、激しいロック曲「FUCKiNG OUT」と駆け抜けた。

MCでは、だんだん研究員が薄着になってきたことに触れ、ヒューガーが「真冬の野音でスクワット、BiSじゃないとできないんじゃないですか? みんなとライブできるのが一番楽しいと実感しています」と語った。「今日が最後のライブになります」と伝えると、客席からは「嫌だ!」という声が飛び、「今日ほど時間が経つのが惜しいなと思う日はありません。だからこそ今日は今日しかないので、今日という日を噛み締めて、研究員と最後までライブを作って生きたいと想います。準備はいいですか?」と語り、「みんなが裸になりたいと思うくらい真冬の野音を真夏にしたいんですよ。世界一熱くなる準備できてますか?」と、代表曲の1つ「BASKET BOX」へ。USメロディックロックをベースにした同楽曲をサビで両手を左右に天にあげながらパフォーマンスした。NATSUMENのギタリスト・AxSxEプロデュース曲「STiLL BE CHiLD」を爽やかに歌うと、可愛らしい振り付けが印象的な「LOVELY LOVELY」、ナカコーこと中村弘二(LAMA、iLL、NYANTORA、ex. スーパーカー)によるプロデュース曲「Olenimorph,Ole」、中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)がプロデューサーを務め、作詞・作曲を中野と小林祐介(THE NOVEMBERS)によるバンド・THE SPELLBOUNDが担当した「イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム」と、BiSらしいバラエティある楽曲を立て続けに披露。そして、中期代表楽曲「I WANT TO DiE!!!!! 」をエモーショナルに歌い上げた。

ナノが「いつか大きな場所で拳をあげてジャンプして、気持ちがひとつになれる曲になったらいいなと思ってやってきました。この曲があれば大丈夫と思える大切な曲になりました。研究員まだまだついてきてくれますか?」と語り、フルカワユタカ(DOPING PANDA)プロデュース曲「なまえをよんで」へ。落ちサビ前にはメンバー同士、研究員同士が肩を組んで一体感を産んだ。その光景を目に、イコは涙を浮かべながら声を振るわせる。初期楽曲「this is not a love song」を力強く続け、エモーショナルなピアノロック曲「つよがりさん」、ヒューガーが「ずっと一緒に走ってきた曲です。終わりなんてわからなくなるくらい遠くまで走ろう」と研究員に投げかけると、Age Factoryがプロデュースした楽曲「R.U.N」を力一杯歌い上げた。そして、初期代表曲「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」へ。冒頭からヒューガーは涙声で歌う。笑顔ながらも目には光るものが見える、トギー、ナノ3、クレ、そして最後には我慢できずに涙を流しながら歌うイコ。最後までメンバー5人は想いいっぱいにパフォーマンスをしきり、ステージを後にした。

間髪おかず、研究員たちはスマホのライトを光らせて、「アンコール」と叫び続ける。日が暮れた野音に光る無数のライト。しばらくしてメンバー5人が再登場し、1人ずつ言葉を紡いだ。

クレ「野音という大きい場所で解散ライブができること本当に感謝しています。歴代を繋いでくださった先輩方や、応援してくれてた研究員がいたからこそ、今のBiSがあるし、今の私がいます。普通に生きてたら得られないような経験だったり、感情だったり、たくさんのものをいただきました。今日ここに立って言えることはBiSになって、BiSを好きになって本当によかったです。すごく幸せでした。少しでも研究員のみんながハッピーになれたなら、私はBiSにいてよかったなって思います。研究員にはこれからも笑顔で毎日過ごしてほしいです。約2年間応援してくれて本当にありがとうございました」

イコ「研究員はいつもそばにいてくれて、受け入れてくれて、たくさん名前を呼んでくれて、イコ・ムゲンノカナタに育ててくれて本当にありがとうございました。このメンバーと研究員と作るこの空間が本当に大好きで、この約2年間BiSとして生きられて、ほんとにほんとに幸せだなって思います。今日が研究員と作る最後の思い出になります。どうかこれからもさしい思いをさせてしまうけど、ずっと笑顔で幸せでいてほしいです。ほんとに今までありがとうございました」

ヒューガー「約2年ちょっとという長くはない期間だったんですけど、楽しいことも幸せなことも悲しいことも苦しいことも、もう数えきれないほどここで経験させてもらいました。研究員がいたから、今の私たちがここにいます。どれだけ離れていても、同じ音楽を愛して、 同じBiSという存在を愛して、今日まで生きてこれて本当に幸せでした。笑った顔も泣いた顔もたくさん見せてくれてありがとう。私たちと出会ってくれて本当にありがとう。今まで本当にありがとうございました」

ナノ「解散を発表してから今日まで、今まで過ごしてきた時間を振り返って、いろんな気持ちを整理しながら今日まで過ごしてきました。BiSで過ごした時間は、楽しいことももちろんたくさんあったし、幸せなこともたくさんあったけど、どうしようもない気持ちになることもありました。でも、普通に生きてたら経験できないBiSに出会って、こうやって研究員に出会わなかったら知らなかった感情をたくさんありました。この先生きていく中で心が折れそうになったとしても、BiSを思い出して、研究員を思い出して、私はこれからも前向きに生きていけるかなって思っています。みんなからもらったものを全部全部大切にして、絶対忘れないでこれからも生きていきます。みんなにとってもBiSを応援していたこと、研究員だったってことが幸せな記憶になっていたら嬉しいし、こうやって出会えたみんなにはいつまでも笑顔で 健康でいてほしいなって思っています。今まで本当にありがとうございました」

トギー「いろんな選択肢があった中で、BiSのライブに来ることを選んでくれて、今日来てくれて本当にありがとうございます。本当はBiSで叶えたかった夢がまだまだたくさんあったんですけど、5年間研究員と一緒に駆け抜けてきた毎日のことを思い出してみたら、 楽しかった思い出でいっぱいでした。今日ここまで続けてきて本当によかったと思います。みんな、今日は楽しかったかですか? (大きな拍手)これからもBiSも研究員も人生は長く続いていくので、 好きなことして楽しく幸せに生きていってほしいです。私たちも幸せに絶対に生きるので、みんなで楽しく生きましょう!今日まで本当にありがとうございました」

そしてトギーが「BiSにとって大切な曲を歌います」と語り「TOUCH ME」へ。落ちサビ前には色とりどりのペンライトが会場を彩る中、Age Factoryプロデュース曲「Sakura」、「CURTAiN CALL」、はじまりの楽曲「STUPiD」と最後まで涙を浮かべながらもいっぱいの笑顔で最後まで5人はBiSとして駆け抜けた。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

セットリスト
1. LET’S GO どうも
2. DA DA DA DANCE SONG
3. teacher teacher teacher
4. テレフォン
5. DEAD or A LiME
6. 悲しみを纏う男たちの行進
7. thousand crickets
8. FUCKiNG OUT
9. BASKET BOX
10. STiLL BE CHiLD
11. LOVELY LOVELY
12. Olenimorph,Ole
13. イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム
14. I WANT TO DiE!!!!!
15. なまえをよんで
16. this is not a love song
17. つよがりさん
18. R.U.N
19. BiS-どうやらゾンビのおでまし-
アンコール
20. TOUCH ME
21. Sakura
22. CURTAiN CALL
23. STUPiD

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