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【LIVE REPORT】SOMOSOMO、過去を7人で塗り替えたリキッドルームワンマン 物語はZepp Shinjukuへ

StoryWriter

7人組アイドルグループ・SOMOSOMOが2025年2月26日(水)、恵比寿LIQUIDROOMにて、ワンマンライブ<ヱビス大号令>を開催した。

SOMOSOMO は、2019年5月に結成、同年7月1日にデビューしたアイドルグループ。「全身全霊ではしゃぎ倒す」をコンセプトに掲げ、ロックを軸とした楽曲でエネルギッシュなライブパフォーマンスを行なっている。

SOMOSOMOにとって特別な意味を持つリキッドルーム

彼女たちにとって、リキッドルームという会場は、大きな意味を持つ会場だ。

SOMOSOMOは2022年7月、3周年記念ワンマンとして一度リキッドルームでワンマンを行っている。当時グループは活動休止を発表しており、未来があるのかわからない状態だったという。実際、直後の9月に活動休止期間に入り、12月に事務所を退所、プロデューサーのサカイとともに4人のメンバー(アルティメット ミキ、ゴゴノ コトコ、ツクヨミ ケイコ、コモレビ ヒヨリ)は独立し、12月25日クリスマス当日に活動再開を果たすこととなる。

当時を振り返るYouTubeのインタビューで、コモレビ ヒヨリは、「先があるのかわからないのにライブをしているのがつらかった。ハッピーにしたいのに嘘になっちゃう。嬉しいだけじゃなく、悔しい涙も混ざっていたんじゃないか」と赤裸々に語った。また、ツクヨミ ケイコは「お客さんがあのときの景色で止まっている。あれを超えるのってどうなるんだろう」と心情を語っている。

 

前回のリキッドワンマン以降に新加入したメンバーが、アオイ アオネ、トマラナイ チヒロ、シャンシャン マイの3人だ。新メンバー3人もまた、リキッドへの特別な想いを語っている。当時の4人での印象がファンの人にも強く残っており、「4人にとってのターニングポイントだったのかな」とアオイ アオネは語る。

 

7人で立つ今回のリキッドルームについて、プロデューサーのサカイは、「新メンバーの不安を断ち切るためのワンマン」であり、「今後のSOMOSOMOがこうなるという意思表明の会」という言葉を口にした。つまり、今回のリキッドルームワンマンは、7人でのSOMOSOMOが過去を塗り替え、未来に向かっていくための重要なワンマンであるということだ。

7人で塗り替えるために立った2度目のリキッドルーム

そして迎えた当日。会場には、SOMOSOMO史上最大となる観客が集まった。驚くべきは、関係者の多さだ。対バンで切磋琢磨してきたアイドルや関わってきた人たちの姿が多く見られた。SOMOSOMOの未来へ繋げるためのワンマンにこれだけ多くの関係者が集まるというところに、いかに彼女たちがライブやさまざまなチャンスで全力を尽くしてきたのかがわかる。

開演時間直前。サカイがステージに登場すると、「サカイコール」が起こった。その様子を見て、「もう泣きそうや。2年半前と全然違うな!来てくれてありがとうございます!」と感慨にふけるサカイ。「2年半前、ここでやったんですけど、今回は7人体制で、前回4人でやったリキッドを絶対塗り替えるんで、みんな楽しんでください!」と挨拶をすると、そももん(※SOMOSOMOファンの呼称)たちから、大きな声援が起こった。

SOMOSOMOの歴史を辿る劇画チックな映像が流れると、メンバー7人が1人ずつステージに登場。オープニングナンバー「SOMO START」から、そももんたちは「おいおい」コールで熱く盛り上がる。アルティメット ミキは「ここにいる1人1人全員と最高の時間作りたいです!」と熱い想いを伝えた。

「ミーチューグッモー!」「無課金ヘイト」「TAnGlers」とのっけからアッパーな楽曲を全力で披露すると、自己紹介MCで、アルティメット ミキが「前回のリキッドで大泣きしたけど、今回は泣かないくらい人が多いです。発表されてからの約半年間、全力でかけてきたから、今日初めての人や関係者……いや、全員そももんだよ! 全員でこの<ヱビス大号令>、作り上げていきたいと思います。いけますか? そのテンションのまま今日ブチ上げていきましょう!」と力強く宣言した。

アルティメット ミキ

トマラナイ チヒロが、「次の曲は私が作詞しました。当たり前だけど、人生1度きり。やりきれなかったら嫌だなと思って、私はこのアイドルを始めました。そんなふうに、ここにいる誰かの背中を押せればなと思ってます」と語り「Life」を披露すると、「シャムニマーチ」「TEPPEN⭐︎」と続け、「ノンフィクションガールズ」では観客の熱気がより一層高まった。「DANCING DANCING!」では、ヘッドバンキングで会場全体が一体となった。

トマラナイ チヒロ

「次の曲は去年の2月、Zepp横浜で初披露した曲です。あれから1年。この7人でいろんなこと乗り越えて、いろんなこと挑戦して、今日7人でこの景色を見てます。1年前より最高な状態でこの曲届けます」とトマラナイ チヒロが語り、「無色透明」へ。続く「必然性ユートピア」では、ミドルテンポのディスコファンクロックで観客を踊らせた。

アオイ アオネ

そして、アルティメット ミキが作詞した新曲「大怪獣」を初披露。「最近SOMOSOMOお客さん増えたねとか言われるし、今日だってこんなにリキッドルームに人がいっぱい来てくれました。だけどね、まだまだ世界には見つかってないし、うちらのこと知らない人ばっかりなの。ただそういう気持ちを書いた曲になっています。そして、自分が生きてる証としてSOMOSOMOやっている、それぐらい人生かけてるなって思いもあります。これから、どんどんいっぱい聞き込んでください」と想いを語った。

 

ゴゴノ コトコが拡声器を持つと、「私たちはこの時間を守っていくからついてこい、以上!」と簡潔に言葉を紡ぎ、ツクヨミ ケイコも「こんなんじゃ満足しないぞ! ただの地下アイドルじゃ終わらないぞ!」と決意を述べるなど、1人ずつ拡声器で想いを吐き出した。

ゴゴノ コトコ

ツクヨミ ケイコ

Zepp Shinjukuでのワンマン開催を発表

7人が想いを伝えると、プロデューサーのサカイが「告知おじさん」として登場。1年振りの全国ツアー 「Wonderful TOUR」の開催を発表した。タイトルのワンダフルの″ワン(1)″にかけて料金は″1000円″、新規は″100円、ツアー初日3月27日(木)東京公演から新衣装になることを明らかにすると会場は湧き立った。

「ちょっと心残りがありまして……」とサカイが話しはじめると、「去年、Zeppを2回やったんですけど、心残りだらけなんで……もう1回Zeppやります!」と、2026年2月6日にZepp Shinjukuでワンマンを開催することを宣言。大きな歓声が起こるなか、メンバーは客席に降たり、ステージ上からばら撒く形で、そももんたちに号外を配布した。

「4人で以前やったリキッドを、7人で、その記憶と記録を塗り替えるぞ!って言って今日臨んでるんですけど、確実に今日のリキッドが最高すぎて……もう最高です!」と、アルティメット ミキが心からの気持ちを口にすると、「後から入ってきた3人はその時は知らないからこそ超えたいみたいなことも言ってたじゃん? やっぱこれがSOMOSOMOだよね! いつになっても最高を更新できるようにこれからも私たち頑張りたいと思います!」と7人でこの先の未来も更新していくことを宣言した。

そして、2年半前のリキッドルームにて4人で初披露した「クレマチス」へ。この曲に対して、事前のインタビューでトマラナイ チヒロは、「この曲は新メンバー3人が入る前の曲で、当時4人で肩を組み合っていた印象深い曲である」ことを語っていた。シャンシャン マイは「(活動当初)自分たちの曲と胸を張って言える状態ではなかった」「7人の曲にはできていない」と語った。そんな意味が刻まれた楽曲を、7人は全員が誰ひとり気後れすることなく堂々と披露。7人の気持ちを代弁するかのように、アルティメット ミキが「これが、いまのSOMOSOMOだ!!」と叫んだ。

シャンシャン マイ

コモレビ ヒヨリ

バラードからロックへと展開する「史オリ」では、観客がサークルになり肩を組んで回る光景が広がり、「七変花」ではガチ恋口上が響き渡る。メロディアスなロック曲「コンパス」で会場の熱がさらに高まると、最後は「売れたいマジで!」を披露。シャンシャン マイが「絶対みんなで売れような!」と叫び、最後はアルティメット ミキが「私たちは今日で止まりません。これからも、どこまでも行きたいです。その通過点としてのツアーやZeppです。これからもSOMOSOMOについてきてください。また最高の思い出作っていきましょう。それでは以上、私たちがSOMOSOMOでした。ありがとうございました!」と力強く叫び、7人体制でのリキッドルームワンマンは大団円を迎えた。

この日のステージには、事前のインタビューで不安を語っていたあの頃のメンバーたちの姿はどこにも見えなかった。堂々と自信を持って、この7人がSOMOSOMOだ!という強い信念が見えた。間違いなく、初めてのリキッドルームワンマンを乗り越えたと言っていいだろう。7人は、新たな目標であり通過点であるZepp Shinjukuワンマンに向かって、新たなストーリーを歩み出した。

取材&文:西澤裕郎
写真:白石達也

<ヱビス大号令>
2025年2月26日(水)@恵比寿LIQUIDROOM
セットリスト
1. SOMO START
2. ミーチューグッモー!
3. 無課金ヘイト
4. TAnGlers
5. Life
6. シャムニマーチ
7. TEPPEN⭐︎
8. ノンフィクションガールズ
9. DANCING DANCING!
10. bullet through!!!!!!!
11. Go my 人生!
12. never-ever
13. 無色透明
14. 必然性ユートピア
15. 大怪獣
16. クレマチス
17. 史オリ
18. 七変花
19. コンパス
20. 売れたいマジで!

<ライブ情報>

Wonderful TOUR
2025年3月27日(木)東京・渋谷スターラウンジ
2025年3月30日(日)名古屋・X-HALL -ZEN-
2025年4月19日(土)福岡・The Voodoo Lounge
2025年4月29日(祝火)仙台・space ZERO
2025年5月6日(祝火)東京・下北沢シャグリラ

2026年2月6日(金)Zepp Shinjuku

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