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【LIVE REPORT】LiVS、二度目の下北沢シャングリラで見せた“決意の現在地”──届かなかった満員の先に掲げた未来へのスタートライン

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:伊藤洸太

LiVSが2025年5月7日(水)、ワンマンライブ<Revenge Shanglira>を東京・下北沢シャングリラにて開催した。

“人間最高”をコンセプトに活動を続けるアイドルグループ、LiVS。元WACK代表・渡辺淳之介から出資を受けたALL INc.主催によるアイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」を経て、2023年8月13日にデビュー。2024年には下北沢シャングリラ、SHIBUYA WWWXでのワンマンライブを成功させ、現在はコンニチハクリニック、スズカス・テラ、ミニ・マルコ、ユニセックス、ランルウの5人体制での活動を行なっている。

LiVSは、4月26日に初の全国流通盤となる2nd EP『WARMiNG』をリリース。同EPのリリースツアーとなる〈Revenge Shangrila〉で全国4大都市を回り、5月7日(水)にツアーファイナルとなる下北沢シャングリラでのワンマン公演を迎えた。同会場は、LiVSがデビュー1周年ライブを行った会場。LiVSの楽曲「僕の声、跳ね返る」をプロデュースした、しのだくん(トップシークレットマン)がDJを行い、その後に登場したLiVSのライブをレポートする。


LiVS、二度目の下北沢シャングリラワンマン

下北沢シャングリラ。この場所は、LiVSにとって特別な意味を持つライブハウスだ。

2024年8月13日。結成1周年を迎えた彼女たちは、この場所で記念ライブを開催した。確かな成長を見せながらも、約600人のキャパを埋めることはできず、悔しさを胸に刻んだ日でもあった。

あれから1年弱。彼女たちは次なる目標を“満員のシャングリラ”に定め、ツアータイトルに<Revenge Shanglira>と掲げ、東名阪仙を巡ることとなった。

しかしツアー直前の3月21日。メンバーのコチャキンTVがグループからの脱退を発表。直後に5人体制でのツアー突入が決まり、フォーメーションや歌割りの再編を余儀なくされた。2nd EP『WARMiNG』のリリースを間近に控える中、グループとして大きな試練を乗り越える必要があった。

そして迎えたツアーファイナル。しのだくん(トップシークレットマン)による30分間のDJでフロアが熱くなった後、彼女たちは再び、下北沢シャングリラのステージに立った。

しのだくん(トップシークレットマン)©伊藤洸太

オープニングSEが鳴り響くなか、ステージに登場した5人。緩やかなギターリフに導かれるように「Believe」でライブがスタートする。マルコが叫んだ。「はじめまして、LiVSです。下北沢シャングリラ、最高の夜を、最高の瞬間を共有していきましょう!」。その声はまっすぐで、どこまでもフレッシュだ。5人体制になったばかりの頃は、どこか緊張が顔を覆っていたが、この日の彼女たちは明らかに違った。ユニセックスの赤髪とランルウの黒髪への変化、スズカス・テラの屈託のない笑顔、コンニチハクリニックの元気いっぱいな表情、ミニ・マルコの無邪気な笑顔。新衣装に身を包み、堂々とステージに立つ5人の姿が眩しい。

ユニセックス©伊藤洸太

ランルウ©伊藤洸太

真紅の照明がフロアを染め、「RとC」でヘッドバンギングが炸裂。目撃者たちも応えるように一斉に頭を振り、2サビ前にはコンニチハクリニックが客席へダイブ。2曲目にして会場はすでにフルスロットルだ。疾走感あふれる「CONNECT」では目撃者たちのミックスが響き渡り、サビではフロアが飛び跳ねる熱狂に包まれた。

その空気を切り裂くように始まったのは、「僕の声、跳ね返る」。トップシークレットマンしのだ提供によるハイパーポップをも内包したミクスチャーロックだ。初披露時こそ戸惑いが見えたが、今では完全に自分たちの武器として昇華している。この時点で、LiVSが音楽的な挑戦を厭わないグループであることが伝わってきた。

コンニチハクリニック©伊藤洸太

「ついにやってきました、シャングリラ! やばい! めっちゃ楽しいわ!」とコンニチハクリニックが笑顔を弾けさせると、異国情緒を感じさせる「脱Masquerade」へ。そこからLiVSの世界観をさらに深く掘り下げていく。<どこまでも続く地獄に 果てない欲望歌うんだ>というラインから始まる「業 TO HEAVEN」では、コンニチハクリニックの独唱がひときわ響く。マルコの感情を震わせるようなサビが心に残る「Don’t Look Back」、コンニチハクリニックとスズカス・テラの掛け合いで幕を開ける「Shooting Star」、初期楽曲「Colorful」、ソウルフルなミドルテンポの「MUSiC」へと続く。とりわけ「MUSiC」での5人の歌声の重なりは、グループとしての結束を感じさせ、胸を熱くさせるものだった。

ミニ・マルコ©伊藤洸太

スズカス・テラ©伊藤洸太

「この日の輝きを残しておきたい」というコンニチハクリニックの提案で、目撃者との記念撮影を挟み、次に披露されたのはクハラショウタロウ(THE DO DO DO’s)プロデュースの「He meets」。振り付けを目撃者と一緒に練習するくだりもあり、一体感がよりいっそう深まっていく。この楽曲は、これまでのLiVSにはなかったガレージ寄りのインディロック調。まるで青春映画の一幕のような、きらめきがフロアに溢れた。

そしてLiVS随一のエモーショナル・ロック「JUST ONCE」、新EP収録曲「Reverse」ではユニセックスの「拳あげろ!」の一言で火がつき、「BACKLiGHT」へ。ラストに披露されたのは、合宿審査を経て脱落した候補生がメンバーへ送った手紙をもとに生まれた「ONE」。ランルウが担う落ちサビ前のソロパートは、まさにこの楽曲の核であり、その歌声は鋭く、優しく、強かった。

アンコールに応えて5人が再登場すると、「Preserved」を力強くパフォーマンス。フロアの熱気が再び立ち上がったあと、マルコがマイクを持った。そして、涙とともに胸の内を語った。

©伊藤洸太

「こうして、みんなの前で歌えることが、直接気持ちを伝えられることが、私にとってどれだけ幸せなことか、言葉では表しきれません。1人1人の笑顔とか声が、その場にいてくれるだけで伝わってくる暖かさが、いつも私たちの背中を押してくれます。本当にありがとう。

ここ下北沢シャングリラは、私たちにとって意味がある場所です。去年8月に行われた1周年のライブの日に、このステージに立ちました。まだ未熟な私たちがあなたたちと一緒に新しい景色を見たくて、一歩踏み出したあの日の思いはいまでも胸に残っています。そして悔しさも同時に感じていました。

でも、今日、下北沢シャングリラを満員にすることはできませんでした。今日ここで何を話せばいいか考えた時に、みんなの1人1人の目撃者の顔が頭に浮かんで涙が出そうになって、今日を迎えるのが少し怖いなと思っちゃう自分が嫌でした。あの日から持ち続けてきた私たち自身の想いに、応援してくれる、力を貸してくれる目撃者の想いに応えることができなくて、ほんとうに申し訳なくて、悔しいです。ごめんなさい。

でも今日このステージに立つからには絶対楽しいと思って帰ってほしいし、楽しいって想いで帰りたいと思ってこのステージになっています。だから私たちは立ち止まれないです。立ち止まりたくないです。何度も言ってしまうけど、この悔しさとか全部無駄にしたくないって思っています。

こうしてあなたの前で歌えることがどれだけ大切か、どれだけ私の支えになっているのか、改めて強く感じました。ここに集まってくれているみんながいまの私のすべてです。だからこそ、もっと多くの人に音楽を届けたいし、もっといろんな景色をここにいるみんなと一緒に見たいって思っています」

そして、ここでマルコの口から重大な発表がなされた。

「2025年8月18日、LiVSの2周年ライブを恵比寿LIQUIDROOMにて開催することが決定しました」

歓声と拍手が一斉に湧き上がるなか、マルコは続けた。

「リキッドは、1年前からずっと目標にしていたステージであり、ずっと立ちたいステージです。簡単な挑戦ではないことはわかっているし、今までよりずっと大きな、困難な壁を超えないといけないと思っています。でも私たちは、私たち自身を信じたいし、こうして応援してくれるみんな、これから出会うみんなと一緒にずっといたいと思っています。だから、どうか8月18日、恵比寿リキッドルームに来て欲しいです。最高の瞬間を一緒に作りたいです。2周年という大切な節目をみんなと一緒に迎えたいです。よろしくおねがいします」

想いを込めたMCを終えると、「これからもあなたの人生のそばにいられるように、この悔しさも今日のありがとうも全部ひっくるめて次に進む力に変えていきたいと思っています。あなたと作る未来が、私にとって、あなたにとって、幸せな日々でありますように」と語り、ピアノの旋律、マルコの歌唱からはじまる「Letter」へ。そして最後は、LiVSがファンへの感謝の気持ちを素直に表現した楽曲「ZOMBiES→」を笑顔いっぱいで会場いっぱい使って披露。「またここからリキッドルームまで一緒に走っていこうね!」というランルウの言葉通り、すでに彼女たちは次を見据えているようだった。

©伊藤洸太

目標に届かなかった夜だった。けれど、その痛みと真摯に向き合い、それを次への力に変えると宣言する姿は美しかった。悔し涙を抱きながら、それでも前を向くこと。それこそがLiVSがここまで歩んできた道のりであり、これからも進むための姿勢そのものだ。

ここから約3カ月後には、約900人キャパのリキッドルームでのワンマンが待っている。「ZOMBiES→」の歌詞が示唆するような物語が、ここからLiVSと目撃者たちで生み出されていく。とっておきの物語を期待したくなる夜だった。

見てて とっておきの物語
君と とっておきの物語   (「ZOMBiES→」)

 

©伊藤洸太

セットリスト
1. Believe
2. RとC
3. CONNECT
4. 僕の声、跳ね返る
5. 脱マス
6. 業 TO HEAVEN
7. Don’t Look Back
8. Shooting Star
9. Colorful
10. MUSiC
11. He meets
12. JUST ONCE
13. Reverse
14. BACKLiGHT
15. ONE

EC.1 Preserved
EC.2 Letter
EC.3 ZOMBiES→


■ライブ情報

<LiVS 2nd Anniversary LiVE>

2025年8月18日(月)恵比寿LIQUID ROOM
開場:18:00 / 開演:19:00
チケット種類:
️VIPチケット¥100,000(税込)D別
◎最前列確約 ◎チェキ会終了後、ロビーでデコチェキ会
・全員集合チェキ・感謝の10秒動画(特典会時に撮影します)・感謝の手紙
・サイン&コメント入りチェキ券・サイン&コメント入りチェキ券
・VIPチケット購入者限定グッズをプレゼント
△ 8月24日(日) 夕方 に開催予定の打ち上げオフ会にご招待
️超最高チケット¥31,500 (税込) D別
◎前方エリアでの観覧 ◎ 最優先入場 ◎終演後特典会終了後、ロビーでデコチェキ会
・私物サイン券・感謝の10秒動画(特典会時に撮影します)・感謝の手紙
・サイン&コメント入りチェキ券
️最高チケット¥10,000(税込)D別
◎前方エリアでの観覧 ◎優先入場・私物サイン券・サイン&コメント入りチェキ券
人間チケット¥3,000(税込)D別
新規チケット¥1,000(税込)D別

最速先行受付(抽選)5/7(水)21:00- 5/18(日)23:59
受付URL: https://w.pia.jp/t/livs/

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