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【Road to リキッドルーム】Vol.4 LiVS×Finger Runs――ライブハウス叩き上げの2組が真っ向勝負した下北沢の夜

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:伊藤洸太

“人間最高”をコンセプトに活動を続けるアイドルグループ、LiVS。元WACK代表・渡辺淳之介から出資を受けたALL INc.主催によるアイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」を経て、2023年8月13日にデビュー。2024年には下北沢シャングリラ、SHIBUYA WWWXでのワンマンライブを成功させ、現在はコンニチハクリニック、スズカス・テラ、ミニ・マルコ、ユニセックス、ランルウの5人体制での活動を行なっている。

2025年8月18日、LiVSはグループ史上最大規模となる東京・恵比寿リキッドルームでのワンマンライブに挑む。StoryWriterでは、恵比寿リキッドルーム公演という大きな挑戦に向けてスタートを切ったLiVSの軌跡を、さまざまな角度から記録していく。

第4弾は、2025年6月8日(日)に東京・下北沢MOSAICにて開催された、SW presents「House of Jealous Lovers」Vol.2のレポートを掲載する。


「House of Jealous Lovers」Vol.2――ロックとダンスが交差した熱狂の夜

LiVSは、ライブハウスで叩き上げられてきたアイドルグループだ。

2023年のデビュー以来、彼女たちは月に10本近いペースでライブを重ねてきた。ロック調のサウンドに乗せて魂を込めた歌声を叫ぶだけでなく、ファンである「目撃者」とともにヘッドバンキングをしたり、時にはメンバーがフロアに降りてパフォーマンスを繰り広げることもある。

そんなLiVSにとって、本質ともいえる“ライブ”という場で新たな化学反応を生み出すべく企画されたのが、2マンイベント「House of Jealous Lovers」Vol.2だ。

今回のライブは、持ち時間50分ずつというボリュームのある2マン。LiVSはロックを軸としたサウンドを展開する一方、共演のFinger Runsは90年代ビッグビートをベースにしたダンスミュージックが持ち味だ。異なる個性を持つ2組が、それぞれの色をどう発揮するのか。期待と高揚を胸に開演を待った。

自分たちの魅力を余すことなく表現したLiVS

LiVS©伊藤洸太

先攻はLiVS。コンニチハクリニック、スズカス・テラ、ミニ・マルコ、ユニセックス、ランルウの5人が登場し、井口イチロウプロデュースによる「Reverse」でライブがスタート。「おーおー!」という掛け声と手拍子が会場に響き、目撃者たちの手が一斉に上がる。

コンニチハクリニック©伊藤洸太

ユニセックス©伊藤洸太

ランルウ©伊藤洸太

この日のセットリストは、前半に疾走感あふれるロックナンバー、中盤にミドルテンポの初期楽曲、後半にはトップシークレットマンしのだによる「僕の声、跳ね返る」や、THE DO DO DO’sのクハラによる「He meets」など、オルタナティブな楽曲を配置した構成。

5月7日の〈Revenge Shangri-La〉ファイナルでは、前半にバラエティ豊かな楽曲、後半にロック曲という流れだったが、この日はその構成を逆転させた印象だ。

スズカス・テラ©伊藤洸太

ミニ・マルコ©伊藤洸太

前半でLiVSらしさを明確に打ち出し、中盤で楽曲の幅広さを示し、後半ではそれまでのイメージを良い意味で裏切るような衝動的なパフォーマンスを展開。まさに初見の観客に向けたプレゼンでもあり、自分たちの魅力を余すことなく表現し切ろうとする意志が感じられた。

©伊藤洸太

クライマックスは、活動初期からの代表曲「ONE」、そして近年ライブの締めを飾ることが多い「ZOMBiES→」。汗だくになりながら全力で歌い踊る5人と、それに応える観客たちの一体感が会場を包み込み、ステージを後にした。

すべての観客を“サムズ”にしてしまうような気迫を見せた、Finger Runs

Finger Runs©伊藤洸太

約10分の転換を経て、後攻のFinger Runsが登場。小笠原唯、鹿目あき、兎月こむぎ、中谷美月の4人編成での出演となった(メンバーの朝倉みずほは現在リハビリ中のため不在)。

「今日は、目撃者をサムズ(=Finger Runsファン)にしにきました」と小笠原が宣言すると、1曲目「Bluelight Knight」がスタート。エスニックな上モノが重なるタフなビートに、じわじわと身体が引き込まれていく。観客も自然とそのグルーヴに身を任せる。

小笠原唯©伊藤洸太

兎月こむぎ©伊藤洸太

「Butterfly」のイントロ中には、メンバーが1人ずつ自己紹介。力強い歌声とキレのあるダンスで楽曲を鮮やかに表現する。ライブハウスで場数を踏んできた彼女たちの佇まいは、実に堂々としていた。MCでは兎月が「ランルウ可愛すぎじゃない?」とフロアに投げかけ、腕には彼女の名前が。対バン相手へのリスペクトを交え、観客との距離を縮めていく。

鹿目あき©伊藤洸太

中谷美月©伊藤洸太

太いベースが唸る「√G」、攻撃的なキラーチューン「Storm Rider」で会場の熱はさらに加速。小笠原が「今日、みんなはFinger Runsの目撃者になった?」と呼びかけると、「Red Sprite」へ。中盤から後半にかけては、ジャンルを横断するようなダンスチューンがシームレスに展開され、観客たちは一心不乱に踊り続けた。

©伊藤洸太

最後は、ドラムンベース調のトラックとラップが交錯する「SPICE」へ。音に没入するうちに、気づけば50分が経過していた。朝倉の不在を感じさせないほど、4人は楽曲を完璧に表現しきり、すべての観客を“サムズ”にしてしまうような気迫を見せていた。

©伊藤洸太

LiVSの5人が再登場すると、両グループと観客が一体となって記念撮影を行い、「House of Jealous Lovers」Vol.2は大団円を迎えた。

ライブハウスで鍛え抜かれてきた2組が、それぞれ異なるアプローチで観客を魅了した一夜。LiVSにとっても、得るものの多いライブになったはずだ。

Finger Runsは2025年8月9日(土)に横浜・1000 CLUBで、LiVSは同年8月18日(月)に恵比寿リキッドルームでワンマンライブを開催予定。それぞれの場所でさらに進化を遂げ、いつか再び同じステージで邂逅するその日には、きっと今回以上の化学反応が起こるだろう――そんな未来を想起させる、熱量あふれる2マンだった。

©伊藤洸太


■イベント詳細

SW presents「LiVS Road to LIQUIDROOM 決起集会」
2025年6月16日(月)@LOFT9
時間:開場 18:00 / 開演 19:00
料金:前売 2,500円 / 当日 3,000円
※全席自由席でご入場は前売券の整理番号順になります。
※配信チケットあり 1,500円
出演:LiVS
LOFT9スケジュールページ https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/318214
会場チケット販売ページ https://t.livepocket.jp/e/ya1mr (5月16日20時より販売スタート)
配信チケット販売ページ https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/375503 (5月16日20時より販売スタート)

<LiVS夏の全国ツアー>
7月5日(土)@仙台BIRD-LAND
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

7月12日(土)@千葉LOOK
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

7月13日(日)@浦和ナルシス
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

7月19日(土)@大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

7月20日(日)@新栄DAYTRIVE
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

7月27日(日)@F.A.D YOKOHAMA
時間:OPEN 17:00 / START 17:30

8月10日(日)@下北沢SHELTER
時間:OPEN 11:00 / START 11:30

https://t.livepocket.jp/t/ojw48

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