【現地ルポ】ASP初のイギリスツアー開幕、ブリストル・The Fleeceで見せた渾身のステージ

取材＆文：西澤裕郎

ASPが2025年9月22日（月）、英国全3都市を巡る初のイギリスツアー＜ASP in the UK Tour＞を、ブリストルのライブハウス・The Fleeceでスタートさせた。

このツアーをもってオリジナルメンバーのユメカ・ナウカナ？とモグ・ライアンの脱退が決まっており、ブリストル、マンチェスター（23日）、ロンドン（25日）の3都市を巡るステージは、グループにとって大きな節目となる。

初日の舞台となったブリストルは、マッシブ・アタックやポーティスヘッドといった世界的アーティストを生み出し、トリップホップを世界へと発信した港湾都市。重厚で実験的な音楽文化を育んできた街で、ASPがどんな第一歩を刻むのか。その瞬間を確かめようと各国から観客たちが集まった。

会場のThe Fleeceは約450人を収容できるライブハウス。昼過ぎにはVIPチケット購入者を対象に、メンバーと軽食をつまみながら語らう時間やチェキ撮影などの特典会が行われ、和やかな空気に包まれた。

初のブリストル公演ということもありチケットは完売には至らなかったものの、フロアには現地のオーディエンスに加え、日本から駆けつけた“ならず者”（※ASPファンの総称）の姿も多く見られた。

開演前には、WACKの元代表で、イギリスの大学院進学のため代表を退任し、現在はイギリス在住で大学院に通っている渡辺淳之介が登場。前説をしフロアを盛り上げた。そして定刻になると、オープニングSEが流れ、メンバー8人がステージに登場した。

ライブはThe Prodigyのマキシムが原曲を提供したデジタルチューン「TOXiC iNVASiON」で幕を開けた。鋭いビートが会場を切り裂き、続けてAge FactoryとラッパーJUBEEによるユニット“AFJB”がプロデュースした「Black Nails」を披露。立て続けの展開にフロアの熱気は一気に高まり、MCではメンバーが一人ずつ英語で自己紹介。観客からは熱烈な拍手が送られた。

続く「TOTSUGEKI!!!!!」はライブ用にリミックスされたダンスチューンとして披露され、フロアの体が自然と弾んでいく。そこからロンドンのロックデュオ・WARGASMが手がけた「MAKE A MOVE」へ。さらに「I won’t let you go」「darma」「ジャ・パ・ニーズガール」「SEXUAL CONVERSATiON」「Tokyo Sky Blues」と畳みかけるように楽曲を重ね、熱気は一層高まっていった。スマホを片手に踊っているならず者もいれば、大きな声でコールを行うもの、その場で飛び跳ねたりするならず者まで、自由に音楽を楽しんでいる様子が見て取れた。

MCで、ナ前ナ以は映画『ボヘミアン・ラプソディ』を引き合いに出し、独特な発声法のトレーニングをパフォーマンス。そのユーモラスな歌声にメンバーも観客も声を重ね、会場は大きな一体感に包まれた。そこから「NO COLOR S」「I HATE U」「Blueberry Gum」「Heaven’s Seven」と続き、熱狂はピークへと押し上げられる。

本編ラストを飾ったのは、メジャーデビュー曲「Hyper Cracker」。サビでは大きなコールがフロアを揺らし、メンバーは歓声に包まれながらステージを後にした。

しばらくして、アンコールの声に応えてメンバーが再登場。Yohji Igarashiがプロデュースとサウンドメイクを手がけ、Pecoriが作詞・作曲を担当した「BA-BY」でフロアを再び盛り上げ、最後にAge Factoryプロデュースによる「Get New ミライ」へ。疾走感とエモーションに満ちた楽曲に合わせ、ガチ恋口上とともに観客は全力で声をあげ、ツアー初日はフィナーレを迎えた。

ASPは23日、マンチェスターのThe Kings Armsにてツアー2日目を迎える。

＜ASP in the UK Tour＞

2025年9月22日（月）イギリス・ブリストル The Fleece
セットリスト
1. TOXiC iNVASiON
2. Black Nails
3. TOTSUGEKI!!!!!
4. MAKE A MOVE
5. I won’t let you go
6. darma
7. ジャ・パ・ニーズガール
8. SEXUAL CONVERSATiON
9. Tokyo Sky Blues
10. NO COLOR S
11. I HATE U
12. Blueberry Gum
13. Heaven’s Seven
14. Hyper Cracker
EN1. BA-BY
EN2. Get New ミライ