取材&文:西澤裕郎
ASPが英国全3都市を巡る初のイギリスツアー<ASP in the UK Tour>を9月22日よりスタート。2公演目となるマンチェスター公演を、2025年9月23日(火)、The Kings Armsにて開催した。
このツアーをもってオリジナルメンバーのユメカ・ナウカナ?とモグ・ライアンの脱退が決まっており、ブリストル、マンチェスター、そして最終日のロンドン(25日)へと続く3都市でのステージは、グループにとって大きな節目となる。
2日目の舞台となったマンチェスターは、オアシス、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、ザ・スミスといった世界的ミュージシャンを輩出し、80〜90年代には“マッドチェスター”と呼ばれる独自の音楽シーンを生み出した街。世界のロック/ダンスカルチャーに多大な影響を与えてきたこの都市には、いまも音楽とフットボールの熱気が脈打っている。
会場のThe Kings Armsは、歴史あるパブを母体とするライブスペース。木造の壁に囲まれた小さな空間は観客との距離が驚くほど近く、メンバーの息遣いや汗が伝わるほどだ。そんな濃密な環境でASPがどんなステージを見せるのか──開演前からフロアは期待と高揚感に満ち、歓声とざわめきが途切れることはなかった。
開演前には、WACKの元代表で、イギリスの大学院進学のため代表を退任し、現在はイギリス在住で大学院に通っている渡辺淳之介が登場。前説をしフロアを盛り上げた。
開演時間になると低音の効いたSEが流れ、フロアから大きな拍手と歓声が巻き起こる中、メンバー8人が脇の扉から登場。ならず者(※ASPファンの総称)の横を通り抜けステージに立つと、「TOXiC iNVASiON」でライブが幕を開けた。観客との境界はロープ一本のみ。マイクから漏れる息づかいから汗が飛び散る瞬間まで伝わる距離で、観客の拳が突き上がり、ステージとフロアが真正面でぶつかり合う。
メジャーデビュー以降の楽曲を軸にしたセットリストの中でも、ライブ用にリミックスされた「TOTSUGEKI!!!!!」や「MAKE A MOVE」は特に大きな盛り上がりを生んだ。重低音響くビートに合わせて観客が一斉に身体を揺らす光景は、マッドチェスターが誕生した街で響くにふさわしい象徴的なシーンだった。
MCでは、前日のブリストル公演に続いてナ前ナ以がフレディ・マーキュリーの発声法をパフォーマンス。観客が大きな笑い声と拍手で応える中、メンバーとの掛け合いも軽快に進み、場内は一体感に包まれた。
そして、この日はアンコールがないことがメンバーから告げられると「Get New ミライ」を披露。「これが本当に本当に最後の曲です!」という言葉にフロアが大きな歓声で応えると、最後は「BA-BY」を披露し、熱狂の約100分にわたるステージは幕を閉じた。
ASPは25日、ロンドンのThe Underworldでツアーファイナルを迎える。ブリストルからマンチェスターを経て歩んできた旅路の終着点で、8人体制としての最後の夜が幕を開ける。
<ASP in the UK Tour>
2025年9月23日(火)イギリス・マンチェスター The Kings Arms
セットリスト
1. TOXiC iNVASiON
2. Black Nails
3. TOTSUGEKI!!!!!
4. MAKE A MOVE
5. I won’t let you go
6. darma
7. ジャ・パ・ニーズガール
8. SEXUAL CONVERSATiON
9. Tokyo Sky Blues
10. PLEASE!!!
11. Anyway
12. I HATE U
13. Too young to get it, too fast to live.
14. Hyper Cracker
15. Get New ミライ
16. BA-BY
■イベント情報
ASP in the UK Tour
2025年9月22日(月)イギリス・ブリストル The Fleece
2025年9月23日(火)イギリス・マンチェスター The Kings Arms
2025年9月25日(木)イギリス・ロンドン The Underworld
ASP Official HP:https://asp-japan.tokyo/