2021年結成の4人組青春ロックアイドルBLUEGOATSが、グループ初となる1stフルアルバム『さらば青春の光』を2026年4月28日にリリースする
ほんま・かいな、ダイナマイト・マリン、チャンチー、ソンソナの4名で横浜アリーナ満員を目標に活動している彼女たち。楽曲は2000年代初頭の青春ロック楽曲を中心に構成され、THE BACK HORN菅波栄純らが楽曲提供。また、ギャンブルやバラエティに富んだYouTubeも精力的に更新しており、登録者は8万人超え。2026年の1月28日には恵比寿LIQUIDROOMにて6thワンマンライブ＜さらば青春の光＞の開催も決定している。
ここから一気に駆け上がっていくであろうBLUEGOATSへのメンバーソロインタビューをStoryWriterでは毎週1人ずつ掲載。最終回となる第4回は、グループのほとんどの作詞を担う、ほんま・かいなへのインタビューをお送りする。歌詞が「書けない」という初めての挫折、ギャンブルへの想い、そして「青春」という言葉に込めた自身の美学。生きづらさを抱えながらも、泥臭く言葉を紡ぎ続ける彼女のリアルな胸の内を語ってもらった。
取材＆文：西澤裕郎
写真：Jumpei Yamada
詰められた状態で書いた、初の作詞曲「死にたい夜」
――メンバー全員、毎日ここ（事務所）に集まって作業しているそうですね。
かいな：そうですね。私たちは「出社」って呼んでます（笑）。
――家族よりも一緒にいる時間が長いんじゃないですか？
かいな：確かに。でも、毎日ずっと一緒にいるから、あえてどういう存在か考えることもなくて。いて当たり前の存在ですね。
――それだけ毎日一緒にいられるのは、音楽制作やライブだけでなく、YouTube動画の制作など、それぞれに役割があるからなんですよね。
かいな：全員が同じ作業をしているわけじゃなくて、チャンチーは編集をしたり、メンバーそれぞれ担当があるんですよ。自分にできないことを他のメンバーがやってくれているから、自然とリスペクトが生まれるというか。編集のことは私は全然わからないので、パソコンに向かっている姿を見て「すごいな」って思うし、逆に私が作詞していることは、他のメンバーから「すごいな」と思ってもらえているんじゃないかな、と思います。
――1stフルアルバム『さらば青春の光』もそうですが、かいなさんの作詞曲がめちゃくちゃ多いですよね。アイドルでこれほど作詞している人はなかなかいないと思います。
かいな：気づいたら、かなり積み上がっていました。
――作詞の手応えは、最初からありましたか？
かいな：いや、最初は本当にゼロでした。1曲目を書いたとき、思った以上に書けなくて。もともと文章を書くのは好きだったんです。ブログをずっとやっていたので「書けるだろ」と思っていたんですけど、いざ書いてみたら全然納得いかなくて。「あれ、私って才能ないのかも……」と心が折れかけました。でも、必死に続けてきたことが積み重なって、周りからも評価をいただけるようになって、自分でも「これは良い」と思えるものが書けるようになってきて。今はもう「任せてください！ 私が書きます」という気持ちです。
――最初に書いたのは、どの曲なんでしょう。
かいな：「死にたい夜」っていう、めちゃくちゃ暗い曲です（笑）。
――活動初期のBLUEGOATSは、今の青春パンクとは違う、シックで暗めな方向性だったそうですね。
かいな：ちょっと恥ずかしいんですけど、「死にたい夜」がまさにそうで。YouTubeを始めたばかりの頃、私は“ジャイアン役”みたいな立ち位置だったんですよ。メンバーにドッキリを仕掛けたり、家の物を勝手に売る企画をやったり……。私が考えたわけではないんですけど、そういうキャラとして前に立っていた結果、ファンの方からも「お前何してるの」「推すのやめます」と言われることが多くて。コメント欄も荒れていたし、DMでも「邪魔」「死ね」といったメッセージが毎日のように届いて、本当に心が折れてしまったんです。でも、撮影は毎日あるから逃げられない。その追い詰められた状態で書いたのが「死にたい夜」でした。
――リアルな心情がそのまま反映されているんですね。
かいな：そうですね。当時は本当に「死にたい」と思っていました。
――最初の頃、うまく歌詞が書けなかったというのはどういう部分なんですか？
かいな：コンセプトを自分の中でまだ咀嚼しきれていなかったし、とにかく暗くて。「絶望したままの気持ちを歌う」と言われても、そこに希望がひとつもないから自分の中で落としどころが見つけられなかったんです。いい言葉も全然出てこないし、正直ライブもまったく楽しくなくて。心が乗っていないと歌っていても苦しいだけで……。作詞自体、当時は本当にしんどかったですね。
――最近のかいなさん作詞の楽曲を聴くと、希望が芽生えている感じがします。
かいな：そうですね。ただ、当時は「希望のないまま終わる曲も、逆に新しいんじゃないか」と思っていたんですよ。曲って最後は希望で終わることが多いじゃないですか？ でも私はそういうのがあまり好きじゃなくて。実際に作ってみて「自分はこういう絶望だけの曲が好きなわけじゃない」と気づいたんです。ライブで歌っても乗れないし、手が止まってしまうというか。そこでやっと気づけました。一度やってみて良かったなと思います。
「これ、自分の歌だ」と人生で初めて思った銀杏BOYZの「東京」
――ご両親が文章のお仕事をされているそうですが、その影響はありますか。
かいな：父が新聞の編集、母も校閲や構成をしていて、小さい頃から文章を書く環境にいたのは大きいと思います。なぜか毎日「詩を3つ書きなさい」という謎の教育を受けていて（笑）。強制的にポエムを書く日々だったんですけど、唯一そこで褒められたんですよね。勉強も運動も得意じゃなかったけど、「文章だけはいいね」って。その自信がずっとあって、中学生でブログを始めたら、知らない人が読んでくれて、また自信になって。だから作詞も「まぁ書けるでしょ」と思っていたんですけど……思ったより書けなかった（笑）。
――それは「自分の中で納得のいく形にできなかった」ということですよね。
かいな：そうです。外からの評価というより、自分の基準に達していない感覚でした。
――「思ったように書けるようになった」と感じた転機や曲はありますか？
かいな：明確な瞬間はないんですけど、「ちょっといけるかも」と思えたのは「交差点」ですね。ちょうどTikTokで「15秒でバズる曲を作ろう」みたいな時期で、「言葉遊びの面白さで勝負する曲を作ろう」という企画があって。それがめちゃくちゃ伸びたんです。書き上がったとき、自分でも「これ、けっこう良いな」と思えて。
――「交差点」はどんなテーマで書いたんですか。
かいな：ファンの方からお題をもらって書く企画で、「自分に自信が持てない僕に向けて書いてほしい」というメッセージをもとに作りました。当時はそんなに実感がなかったんですけど、しばらく経って聴き返したとき、「あ、自分けっこう書けてるな」って。そこから、昔よりは確実に成長できている自覚が芽生えていきました。
――かいなさんにとって「青春パンク」はどんなイメージですか？
かいな：もともと私は嵐などを聴いて育ってきたので、青春パンクには全然馴染みがなくて。青春パンクをやるって決まったときは「大丈夫かな、私知らないけど……」と不安でした。でも銀杏BOYZのライブ映像を観たらすごすぎて。ただ、最初は歌詞にあまり共感できなかったんです。恋愛もしてこなかったし「刺さらないかも、やばい」って。でも色々ディグる中で銀杏BOYZの「東京」に出会って。私は東京生まれなんですけど、歌詞に〈新幹線に乗って郡山へ帰った 車窓から眺めた空は何色だっただろう 君の心の色は何色だったろう〉というフレーズがあって。それを聴いたとき、「私に歌われているみたいだ」と思ったんです。全然知らない人の人生なのに、こんなに重なる瞬間があるんだって。音楽で「これ、自分の歌だ」と思ったのは初めてで、心がスパークしたような感覚でした。
――メロディより、歌詞に惹かれた部分が大きい？
かいな：私は昔から歌詞重視なので、まず歌詞を見たくなるんですよね。
――チャンチーさんがインタビューで、「BABY BABY」の映像を観たとき「みんなのやりたいことが一致した」と話してくれました。同楽曲は、BLUEGOATSのオープニングSEとして使われているだけでなく、冒頭部分まで歌っていますよね。
かいな：私も大好きな曲なんですけど、〈永遠に生きられるだろうか〉なんて、私じゃ一生思いつかない歌詞で。好きな人がそばにいてほしいという単純な恋愛感情とも違って、すごく想像をかき立てられるんです。「峯田（和伸）さんはどんな気持ちでこれを書いたんだろう」って。あのフレーズ、本当に好きですね。
――「東京タワー」という曲もありますが、東京出身のかいなさんが「東京タワー」を書いたときはどんな心境だったんですか？
かいな：母の実家が東京タワーのすぐ近くにあって、よく行っていたんですけど、近すぎて窓からタワーが見えないんですよ。「こんなに近いのに見えないんだ」って。そのとき、人生も同じだなと思って。近くにいる存在ほど、その気持ちが見えなくなったり、わからなくなったりする。その「近いものほど見えなくなる」という感覚と、人との距離感をリンクさせて書きました。
――明確な気づきがあって生まれた曲なんですね。
かいな：実は書く前、ちょっと迷いがあったんです。私たち自身もまだ青春パンクを掴みきれていなくて、「これからどういう方向へ行けばいいんだろう」と悩んでいた時期で。でも「東京タワー」を書き終えた瞬間に、「あ、私たちはこの方向だ」って初めて思えたんです。だから、すごく大きなターニングポイントになった思い出深い曲です。
――ダイナマイト・マリンさんがチャンチーさんのことを書いた歌もありますよね。普通、自分の体験は自分で書くイメージがあるので、そこもおもしろいところです。
かいな：自分で自分の体験を語るのって、ちょっと気恥ずかしいというか、キモいと思っちゃうんです（笑）。もちろん自分の曲も書いてはいるんですけど、「私から見えるメンバー」って、他の誰にも見えないじゃないですか？ 私しか知らない一面とか、私にしか書けない視点がある。あと……チャンチーはたまに文章がめちゃくちゃな時があるので（笑）、任せるより私が書いたほうが早いという事情も正直あります。うちはスピード感が大事なので。「私が見てきたメンバー像を書く」というのが、自然な形になりました。
――今年11月に下北沢シャングリラで開催された4周年ワンマンライブ＜青春を、もう一度＞では、かいなさんがダイブして、客席側からステージを見ながら、チャンチーさんを応援するように「ガムシャラ」を歌っていましたね。
かいな：「ガムシャラ」は、もともとチャンチーが作曲家のMr.Sさんと共作した曲なんです。チャンチーがお客さんに向かって歌うのはいつものことですけど、私の目から見ると、本人のキャラクターと歌っている内容に少し違和感があったんです。ずっと「これ、チャンチーが歌う曲じゃなくて、チャンチーが応援歌として“歌われる”曲なんじゃない？」と思っていて。4周年の節目だったので、フロアから彼女に向けて歌う形にしたら最高だろうなと思って実行しました。
――客席から見るメンバーの顔はどうでしたか？
かいな：めっちゃ良かったです。「あ、こんなに笑ってるんだ！」って。普段は横からしか見ないので新鮮でした。すごくいい光景でしたね。
ギャンブルとお金の話
――僕がBLUEGOATSを知ったきっかけは、今年3月に行われたかいなさんのギャンブル観戦イベントでした。ギャンブル企画はどういう流れで生まれたんですか？
かいな：もともとギャンブルは全然やっていなかったんですけど、YouTubeの企画で一度やってみたら、めちゃめちゃ再生回数が伸びて。しかも意外と自分も嫌じゃなかった（笑）。もちろんエンタメとしてやっている部分はありますけど、メンバーからお金を借りたり、お客さんからお金を集めるくだりが面白がられたりして。そこから「これはいける」と続けていくうちに、どんどんスケールアップしていきました。
――今は活動の一部になっていますが、かいなさんにとってギャンブルはどういうものですか？
かいな：いや、もう普通に辛いですよ。お金がなくなるんで（笑）。でも、本当に楽しい。増えるときは「働かなくてこんなに増えるの？」って思うし、動画にもなる。さらに、ギャンブル企画をきっかけにライブに来てくれる人がすごく増えたんです。一石五鳥くらいあるので、やるしかない。負けてもネタになるので、プラマイゼロです（笑）。
――その経験が「これが人生だ」のような曲にも活きているわけですね。
かいな：そう、だから今のところ良いことばっかりなんです。お金は減りますけど（笑）。
――かいなさん作詞曲の中で「クズアイドル」や「社会不適合」といった言葉も出てきますが、あれは自分自身を投影しているんですか？
かいな：全部、自分です。「クズアイドル」は「好きに書いていいよ」と言われて5分くらいで書きました。自分のことだからスラスラ出てきて。「社会不適合」も完全に私ですね。
――自分のことを、社会不適合だと思っている？
かいな：思いますね。お風呂になかなか入れなかったり、支払いを滞納しまくったり。家に届く封筒がだんだんカラフルになっていって、「今回はこの色なんだ……」みたいな（笑）。支払い期日がヤバくなると封筒の色のトーンが変わってくるんですよ。
――青と黄色のしましまの封筒とか、めっちゃ目立つようにいなっていくんですよね。
かいな：そうそう。「この配色……あ、終わりだ」って（笑）。お金がなさすぎて借金していた時期もあって。携帯も解約されてWi-Fiのある場所でしか連絡がとれない生活をしていました。そのときに「なんでこんなに生きづらいんだ」と思って。働かなきゃいけないけど働きたくない、私は一体なんなんだ……という気持ちで書いた曲です。
――全部自分のせいなんだけど、働く気にもならない、という。
かいな：そうなんです！ わかりますか？
――めちゃくちゃわかります。そんな中でこれだけ歌詞を書いているのはすごいですよ。
かいな：怒りをぶつけられる場所があるので、本当に助かっています。
――アルバムに収録される「印税558円」も体験談なんでしょうか？
かいな：自分の作詞印税の収益画面を見たら、「558円」って表示されていたんですよ。「これ、これまで書いた全部の作詞の収益じゃないよね？」って。そしたら、そうで。こんなに必死に曲を絞り出しているのに558円？ ふざけんなよ！ という怒りのまま書きました。
――絶望を描くのではなく、怒りが突き抜けている感じですね。
かいな：青春パンクになってから、塞ぎ込むより「は？ 金ねぇんだけど！」っていうモードになったので（笑）、すごく書きやすかったです。お金がないと普通にイラつくし。
――不安にもなりますよね。
かいな：めっちゃなります。家に帰って涙が止まらないこともあります。でも朝起きて「出社しなきゃ」って事務所にいって、みんなと喋っていると忘れていくんですよね。ふとした瞬間に借金のことを思い出して「あ、終わった」ってなりますけど（笑）。
――そんなことを考えながら活動しているとは……。
かいな：相当、情緒不安定ですよ（笑）。でも今はまだマシです。昔は3日間水しか飲めないこともありました。給料は少ないけど生きられます。昔よりは余裕がありますね。
ダイナマイト・マリンとの初の共作詞曲「青春初期衝動」
――活動4周年にして、初めてアルバムを出すのは、どういう理由なんでしょう。
かいな：ようやく「青春パンクでいくぞ」という地盤が固まってきた。だからこそ、もっと自由に動いてもいいんじゃないかと思えたんです。BLUEGOATSは青春パンクだけじゃなく、YouTubeもライブもある。表現したいことが増えていく中で、今の私たちならどんな曲でも「BLUEGOATSの形」にできる。自由にやりたいことを散りばめつつ、「これがBLUEGOATSです」と打ち出せることができるというタイミングが今なんです。
――しかも収録曲が全曲新曲ということで、作詞の量もすごかったのでは？
かいな：全部がド級で……。今回はほぼショートチューンなしの長編ばかりだったので、ガチで出し切りました。家でもノートを顔に乗せたまま寝落ちするような生活が1ヶ月続いて、本当に空っぽになるまで書きましたね。
――「Remember you」のように英語詞が入るバラード曲調の新しい挑戦もありますね。
かいな：「こういうのもやってみよう」という流れで、英語のニュアンスを入れてみました。歌うのも難しかったんですけど、これを乗り越えたらもっとカッコよくなれるよねって話しています。挑戦ではあるけれど、ちゃんと「私たちの音」になっていると思います。
――アルバムには「アイドル」という言葉が使われている曲が3曲収録されています。かいなさんは、アイドルという存在をどう捉えていますか。
かいな：今は本当に色んなアイドルがいるので、「自分がアイドルと言えばアイドルになれる」くらい枠がなくなっていると思うんです。だからこそ「なんでアイドルなの？」と言われたとき、別にアイドルじゃなくてもいいかも、と思う瞬間もあって。
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――そこに強いこだわりがあるわけではない？
かいな：もともとアイドルは好きでしたけど、1人で何かをやるのが本当に嫌いで。アイドルは、全員横並びで何かをやるじゃないですか？ それがすごく好きなんです。
――横並びで一緒に作る、その空気感がいいんですね。
かいな：1人が苦手で、怖いんです。1人でいたら気が狂いそうになる瞬間がある。だから毎日出社して、みんなが横にいてくれることが本当にありがたい。誰かがそこにいてくれるだけで、全然違うんです。
――「青春初期衝動」はマリンさんとの共作ですね。
かいな：嘘をつくのもあれなので正直に言うんですけど、途中でどうしても書けなくなっちゃったんですよ。立て続けに曲を書いているうちに、自分が何を言いたいのか本当にわからなくなっちゃって。頭がぐちゃぐちゃになっちゃった。途中までは書いたんですけど、「もう無理！」ってなって、マリンに助けてもらいました。
――書けない、という経験は今までもあったんですか？
かいな：一度もなかったです。これが初の挫折というか。本当は自分で書き切りたかったから、最初はめちゃくちゃ悔しくてふてくされてました（笑）。
――具体的にはどう分担したのでしょう。
かいな：サビは私、Bメロがマリンで。私がサビに入れた「衝動」という言葉をマリンが拾って、世界観を広げてくれました。
――完成した詞を見て、どう感じますか？
かいな：マジでいいですね。私からは出ない言葉がたくさんあるのに、曲全体としてちゃんと混ざり合っている。＜でかいすごいやばい所まで飛び出していこう＞というフレーズがすごく気に入っていて。私だとうまく言おうとしすぎて書けない。マリンの素直さと抽象的な表現の上手さが出ていて、「やっぱりすごいな」って。
――その前の＜狭い暗い暗いとこから＞という表現も独特ですね。
かいな：そこはライブハウスを描いていると思っていて。私たちはまだ目標としている横浜アリーナのような大きな会場に立ったことがないからこそ、「どれくらい大きいんだろう」というマリンのキラキラした目がそのまま歌詞になっている気がする。具体的な経験と、抽象的な夢が並んでいるのがすごくいいし、同じ曲の中で2人の歌詞が入っているのがいいなって。
――そして、アルバムの最後は「さらば青春の光」が飾ります。
かいな：これは“卒業式”をテーマに書きました。何かが終わったあとも、その時間が心に与えた光は宝物として残り続ける。それを伝えたくて、このタイトルにしました。以前、（菅波）栄純（THE BACK HORN）さんに書いていただいた「解散」という曲とも想いが繋がっていて。心の中に残り続ける歌であってほしいという気持ちを込めました。
かいなにとっての「青春」とは
――BLUEGOATSは、2026年1月にリキッドルームでワンマンを開催します。初めてのバンドセットということでどのような気持ちでいますか？
かいな：楽しみ3割、ビビり7割です（笑）。色んな人に「自分の声が全然聞こえなくなるよ」って脅されて、どんどん怖くなってます……。
――すでにBLUEGOATSのライブはバンド的であるというか。MC中にギターのストローク音を流したり、アカペラから楽器音が加わったり、アイドルというフォーマットの上で、どう表現するかを見つけたと思っていて。あれは発明だと思います。
かいな：本当ですか？
――最近はアイドルでも生バンドとライブをすることが増えていますが、BLUEGOATSは“録音物を効果的に流す”という形で、バンドの空気を生んでる。それがめちゃくちゃ良い。
かいな：そう言ってもらえると安心します。メンバー内では不安だったんですよ。でもやってみたら意外と馴染んでくれて。
――BLUEGOATSは「青春」という言葉をよく使いますよね。かいなさんにとって「青春」って何だと思いますか。
かいな：青春って、実際は過ぎ去った時間にしか使わない言葉だよなと、ずっと思っていて。「今が青春だ！」と思いながら生きている瞬間ってあまりないじゃないですか？ 気づいたら終わっていて、あとから「あれが青春だったな」って名前がつくというか。多分いま自分たちは青春の中にいるんだろうけど、その渦中にいる間は気づけない気がしていて。逆に、言葉にした瞬間“終わる”感じがして、自分ではあまり軽々しく言わないようにしようと思っています。歌詞では使っちゃっているんですけど……（笑）。これからは、「過去にならないために」あまり使わないようにしようかなって。私にとっての青春は、そういう言葉です。
■リリース情報
BLUEGOATS
1stアルバム『さらば青春の光』
発売日：2026年4月28日（火）
価格：¥2,250（税込）
品番：QARF-60368
収録曲：
1. いざサラバ
2. 流星
3. きっと輝ける
4. 印税558円
5. 新生かわいいアイドル
6. アイドルなんて可愛いだけで良いのに
7. 私が一番カワイイアイドル
8. Remember you
9. 青春初期衝動
10. くだらない日々
11. 友よ
12. さらば青春の光
■ライブ情報
BLUEGOATS 6thワンマンライブ『さらば青春の光』
2026年1月28日（水）@東京・恵比寿LIQUIDROOM
OPEN/START 18:00/19:00
【バンドセットメンバー一覧】（敬称略）
Bass ISAKICK（175R）
Guitar 勝田欣也（ex.STANCE PUNKS）
Guitar キタムラチカラ
Drum 吉岡紘希
Keyboard 砂塚恵
チケット 超VIP30,000円/VIP20,000円/一般3,500円/当日4,000円/各+1D
https://t-dv.com/BLUEGOATS_TOUR_FINAL
