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【完全密着レポート】BLUEGOATS・チャンチー、満身創痍で挑んだフルマラソンリベンジ、「無理しないでね」という言葉への回答

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:すずき大すけ

青春パンクアイドル・BLUEGOATSのメンバー・チャンチーが2026年5月24日(日)、フルマラソン企画『BOYS ON THE RUN ~REVENGE~』に挑んだ。

同企画の背景には、今年1月に実施された「100kmマラソン企画」での大きな挫折がある。当時チャンチーは懸命に走るも、膝の激しい痛みにより、35km地点で無念のリタイア。メンバーに支えられ、最後は4人で走りゴールテープを切ったものの、彼女の心には「一人のメンバーとして走りきれなかった」という強い負い目と、モヤモヤとした感情がずっと残り続けていたという。

誰に頼るでもなく、運営への自らの一志願によって決定した今回のリベンジ。1ヶ月以上毎日3〜7km、時にはそれ以上を走るフィジカルの補強を重ね、プレッシャーを背負いながらも、「絶対に走り切る」という強い意志を胸に、再びスタートラインへと立った。

企画を終えたばかりのチャンチーのインタビューと共に、完全密着レポートをお届けする。


なぜ、チャンチーは42.195kmを走るのか?

「無理しないでね」

私たちが日常で、誰かが挫折したときに、ごく当たり前に使うこの言葉。一見すると、相手を思いやる最上級の「優しさ」のように思える。しかし、それは本当に優しさなのだろうか?

見方を変えれば、この言葉は「そこで対話を終了させてしまう、一番楽な逃げ道」でもある。相手の限界をそれ以上詮索せず、痛みに踏み込まず、綺麗に話を終わらせることができる言葉ともいえる。

答えのないエンターテインメントの世界において、本気でメンバーとともに大きなステージを目指すのであれば、対話をすること、お互いを泥臭く理解し合うことは必要不可欠だ。無理をしなければいけない瞬間は必ず訪れる。

だからこそ、今回のチャンチーのリベンジマラソンは、彼女自身の試練であると同時に、残されたメンバー3人にとっても過酷な「覚悟」を突きつけるものとなった。

チャンチーが「やりたい」と決めた意思を尊重し、信じて、一人で最後までやり切らせること。途中で手を差し伸べたくなる衝動を抑え、仲間としてその闘いを見届けること──それは、言葉で言うほど容易なことではない。「無理しないで」という逃げ道を塞ぐことは、待つ側の3人にとっても、チャンチーの痛みを一緒に背負うだけの覚悟が問われていた。

そうしてチャンチーが挑んだフルマラソン企画「BOYS ON THE RUN ~REVENGE~」は、まさにそんな4人の覚悟の対話の機会だった。


フルマラソン「BOYS ON THE RUN ~REVENGE~」春日部〜渋谷

8:00 スタートは春日部駅、ゴールは渋谷スターラウンジ。多くのファンが応援に駆けつけた

軽快に走り出したチャンチー。そのまま18時からのライブに臨む

8:45 約5.5km地点 スタートからハイペースで走り出すも、10分ほどで、いきなり転んでしまう。手を消毒し、休む間もなく走り続ける

9:35 約10.5km地点 ハイペースだが、これでもペースを抑えて走っているというチャンチー

10:27 約13.5km地点 順調に歩みを進めるチャンチー。ここで、スタートから並走してきたスタッフがチェンジ。別れを惜しみつつ、さらに歩みを進める

11:00 約20.6km地点 マネージャーありさが急遽並走。チャンチーのペースは落ちず快走に見えるが、確実に疲労は蓄積している。残りあと約半分

足のケアをしながら走っていく

11:35 約22.3km地点 ふともも内側の痛みを訴えるチャンチー。交代したばかりのアスリート並走者によるマッサージで驚異の回復! 笑顔で再スタート

12:35 約27.8km地点 春日部から走りはじめたチャンチー、東京に突入!笑顔は絶やさないが、足の痛みは激しくなってきている模様。再びマッサージして走り出す

13:50 約30.2km地点 マネ友人並走者が明るく声がけをしながらポジティブに走り続けるチャンチー。しかし右膝の痛みが激しく、約30分休み痛み止めを飲んで走り出す

14:57 約33.5km地点 池袋到着。痛む右足に加え、左足にも痛みが出てきてしまうが決して止まらない。前回リタイアした距離を更新し、ゴールの渋谷に向けて走り続ける

一緒に応援し続けるファンに笑顔で応える

決して歩みは止めない

40km近く走っても元気に手を降るチャンチー

渋谷に突入、ゴールはもうすぐ

ゴールのチェルシーホテルへ

チャンチー、42.195kmを完走!

チャンチーが孤独な闘いを続ける一方、ゴールの地である渋谷スターラウンジでは、メンバー3人がその動向を見守っていた。

開場時間の17時を過ぎると、3人はステージに立ち、集まったNOMADS(※ファンの総称)の前でトークを展開しながら、ともに生配信の画面を見つめてチャンチーのゴールを待った。あえて途中で迎えにいかない。それは、彼女たちの「厳しい優しさ」であり、1人で走り切ると決めたチャンチーの覚悟に対する最大限の尊敬と尊重の形だった。

開演時間の18時を20分過ぎ、ついにその瞬間が訪れる。大きな拍手に包まれながら、会場へと飛び込んできたチャンチー。メンバー3人と観客たちからの「リベンジ達成、おめでとう!」という大歓声に、彼女は安堵した顔とともに、言葉にならない想いをなんとか掴み取んで伝えようとしていた。息を整え、チャンチーが絞り出したのは、自らの弱さを受け入れた上での決意の言葉だった。

「私は、前まではちょっと汗かけない病気とか持っていたりして、こういうマラソンとかも任せてもらうことが全然できない人でした。すごく悔しい思いもあったし、期待してもらうこともすごい怖くて。いつも空回りばっかりしちゃうから、期待に応えることができないなって思っていたんですけど、今日1個自分で乗り越えられたことができました。これからはもっと期待してもらえるかっこいい人間になりたいし、どんなに惨めでも、こうやって一つ何かやりきることとか、できることをちゃんとやっていける人間にもなりたい。ここにいてくれるメンバーも、あなた1人1人も、大切な人をちゃんと大切だよって胸張って言って、私が守れる人になりたい。今日ちゃんと走り切れたので、これからは自分を少しずつ受け入れつつ、自信を持っていけるようにこれからも精一杯頑張ります。よろしくお願いします」

自らの足で42.195kmを走り切ったからこそ、彼女の言葉には絶対的な説得力があった。

「どんなに惨めだと思っても、あなたの、あなたの味方だー!」という咆哮とともに、チャンチー作詞曲「ガムシャラ」でライブは幕を開けた。「私はあなたに今日歌うためにここまで走ってきたよ、一緒に歌おう」という彼女の呼びかけにフロアからは大合唱が巻き起こる。

ライブ中盤、マイクを持ったメンバーたちから、チャンチーに向けて、それぞれの想いが次々と伝えられていった。

まず口を開いたのは、前回のマラソンでチャンチーの隣を走っていたマリンだった。

マリン「チャンチーは前回私とずっと隣で走っていたけど、足を痛めて走れなくなった時に、『無理しないでね』と優しい言葉をかけたのがずっと心残りで。私がアイドル活動をしていて、『無理しないでね』と言われる自分がすごく嫌だったから。BLUEGOATSは途方もない夢を追いかけていて。だからこそ無理をしなきゃいけない瞬間がこれからもたくさんあると思う。でも、これからはこの4人のこと誰一人心配しないで、私たちにでっかい期待だけを持って見ていてほしい。その代わり私たちがでっかい愛で返していきます」

続いて、後輩のソナがチャンチーへと向き合う。思い返されたのは、かつて自分が救われた記憶だった。

ソナ「今日こうやって思い出を振り返って改めて思い出したことが、私が加入して泣き虫でよく泣いていた時、一番最後までずっと側に一緒にいてくれたのがチャンチーでした。今日も体をボロボロにして、それでも誰にも真似できない笑顔で走ってきた姿を見て、伝えたいです。今は自分を好きになれないと言っているけど、私にとっては変わらずチャンチーは自慢のメンバーだし、一番かっこいいお姉ちゃんです」

そして、この日の主役であるチャンチーが、3人の愛を受け取って言葉を紡ぐ。グループで最も長いキャリアを持ちながらも、ずっと自信を持てずにいた彼女が、42.195kmの果てに見つけた景色がそこにはあった。

チャンチー「自分に誇りを持てない時間が多かったんですけど、走っていて今一番早く会いたいと思ったのがこの3人でした。この3人とこれからもずっとBLUEGOATSとして生きていきたいから、どんなに情けないと思っても、かっこ悪いと思っても、絶対に最後は、この4人と、あなたでクソみたいに光ってやる!」

その叫びから始まった「あたしの人生クソすぎる」のアカペラは、彼女の剥き出しの感情そのものだった。彼女の歌唱パートの多さは、単に今日の主役だからではない。一人でやり切った彼女に対する、メンバーからの絶対的な「信頼」の証だ。

ライブは「解散」を経て、クライマックスへ。最後に語ったかいなの言葉は、このグループが「仲良しグループ」ではなく「命がけの表現者集団」であることを決定づけるものだった。

かいな「さっきマリンも言っていたけど、BLUEGOATSは無理をしなきゃいけない時の方がたくさんあって。無理をしなきゃいけない夢を私たちは持ってるから、絶対にこれからも無理すると思う。もし私は頑張れないメンバーとかがいたら、『頑張らなくていいよ』じゃなくて、絶対『お前何してんだよ』って言うと思います。それは私たちが友達じゃなくて、一緒に夢を追う仲間だから。もし友達だったら、もっとみんなに優しくしてあげられたかなって思うことが本当にたくさんあって、厳しいことを言してしまう。本当はもっと優しくしてあげたいなって思うこともたくさんあるけど、それは私たちが横アリに行ってから。そうやって横アリに行ったら私たちは友達になるので、その友達になる日まで私の優しい言葉はまだ未来で取っておきます。今日はあなたじゃなくて、私の未来の友達3人に向けて」

この直後に始まった「友よ」のアカペラで、肩を組みながら歌う中、かいなは涙を流し、歌詞を変えたことで一瞬飛ばしてしまうハプニングが起きた。頭では「横アリに行くまでは友達じゃない、厳しくあろう」と決めていても、42.195kmをボロボロになりながら完走し、今目の前で命を削って歌うチャンチーの姿を前に、感情が理屈を完全に追い越してしまったように見えた。

スマートであること、完璧にこなすことだけが正解ではない。ボロボロになりながらも、やりきること、がむしゃらになることは、人の心をどうしようもなく動かしてしまう。ライブの中では、普段涙を流さないというマリンの目にも涙が光っていた。まさにチャンチーの生き様がメンバーの心を激しく揺さぶり、化学反応を起こした決定的な瞬間だった。

そして最後のショートチューン「TOMORROW」でライブを駆け抜けると、フロア中には「チャンチー、ありがとう!」の声がいつまでも鳴り響いていた。

フルマラソンを走り切り、殻を破ったライブを終え、満身創痍な状態の中、チャンチーがインタビューに答えてくれた。その顔はとても堂々と、やわらかく輝いていた。


INTERVIEW:チャンチー

──フルマラソン、本当にお疲れさまでした。ライブを終えた今の心境を聞かせてください。

チャンチー:とにかく安心しました。「やったぞ!」というより「本当に良かった……」という安心感のほうが大きくて。その後のライブで、「やっぱりBLUEGOATSっていいな」と改めて思えたんです。BLUEGOATSにいられることが嬉しくなったし、こんなに素敵なメンバーに出会えたんだって、感謝の気持ちでいっぱいでした。実は走っている時から感謝で泣きそうになっていて。一緒に走りながらカメラを回してくれるスタッフさんや、ライブハウスで配信を繋いで待ってくれているお客さんやメンバー……たくさんの人の愛と感謝に包まれた一日でした。

──今回、チャンチーさん自身から「リベンジをやりたい」と直訴したそうですね。なぜそこまでして、もう一度マラソンに挑戦したいと思ったのでしょう。

チャンチー:一番大きかったのは、これまでの人生で「何かを一つやり遂げた」という経験があまりなかったことで。以前は汗をかけない病気を持っていたこともあって、体力的にもこういう役目を任せてもらえるようなメンバーじゃなかったんです。それがすごく悔しくて。前回の100kmマラソンも結局(35km地点で)リタイアしてしまって。「目の前の人の期待にすら応えられない人間が、横アリに行けるわけがない」と強く思ったんです。BLUEGOATSとして自分に誇りを持てるようになりたかった。マリンちゃんやかいなちゃんがグループのために言いたいことを言ったり、ソナが自分のなりたいアイドル像へ進んでいったりしている時に、私もちゃんとみんなの隣に立ちたくて。私がメンバーにいることをみんなが誇れるような人になりたかったんです。普段は自分に自信がないんですけど、その自信を持てるようになることが今一番なりたい姿で。そのためにも、一度リタイアした過去を自分の足で払拭したかった。それが本当に大きかったですね。

──その悔しさを超えないと次に進めなかったと。とはいえ、「また失敗したらどうしよう」という不安はありませんでしたか?

チャンチー:めっちゃありました。今だから言えますけど、内心は不安しかなくて。「100km走ったメンバーはみんな怪物だろ……よくこれ走れたな」って思いながら走っていました(笑)。練習中も結構足が痛くなって。本当は安静にしなきゃいけないのに、どうしても焦っちゃうから、とりあえず外に出て走ったり長く歩いたり、何かしら動くようにしていました。食事もタンパク質をめちゃくちゃ摂って、当日の流れや1週間前からの食べ方を調べて、糖質をしっかり摂るようにしたり。

──この一日に全てを懸けていたんですね。

チャンチー:本当にこの日のために。この1ヶ月はマラソンのこと以外何も考えられなくて。動画の編集も全然終わらなくて、他のことに気持ちが手につかない状態でした。それだけ準備しても、当日の自信は正直ついていなかったんです。今こうやって42.195kmをやりきって、やっと「やりきれたんだ」という自信がつきました。

──今朝スタートして、実は最初3km地点で転んでしまいましたよね。

チャンチー:前回の100kmマラソンでも途中で3回くらい転んでから一気に足が動かなくなった記憶があったので、今回は絶対に転ばないようにしようと決めていたんです。それなのに最初の3kmで転んじゃって……「幸先悪すぎる」と焦りました。大怪我にはならず大丈夫だったんですけど、本当にヒヤヒヤしましたね。

──序盤はかなりハイペースでした。自分では「いいペースでいけている」という感覚だったのでしょうか。

チャンチー:20kmくらいまでは普段から練習していたので大丈夫だろうという感覚もありました。ただ一番は、夕方のライブに間に合わないのがとにかく怖くて。練習の時から「早く辿り着かなきゃ」と焦って速く走る癖がついていて、本番でもその焦りがそのまま出ちゃいました。

──そのペースで走るうちに痛みが来てしまった。前回痛めた左足ではなく、右膝でしたね。

チャンチー:右膝は練習の時から少し痛めていたので「いつか来るだろうな」とは予想していたんです。でも走っている途中で関節がボコッと腫れてきて……。まだ20kmなのに、残り半分どうしようって、そこからはずっと自分との戦いでした。しかも右膝をかばっていたら、今度は逆の足首とか、もう足の全部が痛くなってきて。

──今回は並走してサポートしてくれたメンバーの存在も大きかったのでは。

チャンチー:本当にその通りで。最初に15kmを一緒に走ってくれた方は、前回の100kmマラソンでかいなちゃんやソナが走った時にも伴走してくださった、マネージャーの友達なんです。明るくて一緒にいると元気が出るので「私がお願いしたいです」と来ていただきました。そのあと残りの20km以上を走ってくれた方も、ずっと私を支え続けてくれて。途中で太ももが痛くなって絶望しかけた時も、ストレッチでケアして直してくれて。本当に魔法かと思いました(笑)。心の支えでしたね。横で「誰もあなたを笑わない」を歌ってくれたり、ずっと励まし続けてくれたんです。

──今日のマラソンの中で、心が折れそうになった瞬間はありましたか?

チャンチー:やっぱり20kmのところですね。「肉離れなのかな……?」というくらいの激痛で、自分の体のすべてが終わっていくような感覚になって。残り7〜8kmで足首もやってしまった時も、本当にやばいかもと思いました。でも、精神的に一番きつかったのは25km地点です。まだ半分近く残っていて、ゴールの東京にも入っていなくて……あそこが一番苦しかった。

──その苦しさは、肉体的な痛みだけではなかった。

チャンチー:痛みからくる「情けなさ」みたいな感情でした。「まだ25kmなのに……」って。他のメンバーは前回みんな40kmも50kmもそれ以上も走っていたから、比べて「やっぱり自分は弱いんだ」って、自分の弱さがどんどん浮き彫りになっていく感覚があって。痛みに加えて、その精神的な悔しさで涙が出そうになっちゃいました。隠したくても全部が出ちゃう場所でしたね。

──ライブのMCで、マリンさんが「前回のマラソンで『無理しないでね』と優しい言葉をかけてしまったのがずっと心残りだった」と話していました。それを踏まえ、今回、3人はあえて助けにいかず一人でやり切らせることが、チャンチーさんへの尊重であり信頼だと信じて見守っていた。そんなメンバーの姿勢をどう感じましたか?

チャンチー:私は普段から体調を崩しやすくて、メンバーに迷惑をかけることが多いんです。それに他の3人って、普段あまりお互いのことや自分のことを深く話すタイプじゃなくて。メンバーの中では私が一番自分のことを話すので、「3人が本当はどう思っているのか」を普段あまり知らなかったりするんです。だから、いつも側にはいてくれるけど、まさかそんなに深く思ってくれているなんて想像もしていなくて。ライブでの言葉を聞いて、めちゃくちゃ嬉しかったです。いい意味で、本当に「横一列」の仲間として見てくれているんだなって。これだけ迷惑をかけているのに、下に見ないで、対等なメンバーとして信じて待っていてくれたことが本当に嬉しかったです。

──ライブ会場が見え、ゴールが近づくにつれてどんな気持ちが込み上げてきましたか?

チャンチー:会場に到着する前から、ずっと泣きそうだったんです。それは、嬉しさだけじゃなくて、それまでの道のりで自分の情けない部分をたくさん見てしまったので、そんな自分が嫌になったりもして。色んな感情が混ざり合っていました。直前は自分の弱さにいつも負けそうになる自分に、すごくムカついてきちゃって。その一方で、こんなに多くの人が支えてくれているんだという感謝でも泣きそうになっていて。色んな感情が溢れて気が緩んで、ずっと涙が出そうでした。

──会場に飛び込んできたチャンチーさんを、メンバー3人と客席いっぱいのファンが大歓声と拍手で迎え入れました。あの光景を見た時は?

チャンチー:もう本当に「みんなに会えて嬉しい!」というのが一番でした。それと同時に、自分を待っていてくれる人がこんなにいるなんて、私は幸せ者だなと心から思いました。ファンの方にあとから「愛されてるね」と言ってもらえたんですけど、今日という日は本当に「自分はこんなに愛されているんだな」って、真っ直ぐに受け止めることができました。みんなに会えて、走り切れて、本当に良かったです。

──その直後に始まったライブは凄まじい熱量でした。ステージに立っているチャンチーさん自身も、何かが吹っ切れたような。ご自身ではどんな感覚だったのでしょう。

チャンチー:最近のライブでは「頑張らなきゃ、こうしなきゃ」というプレッシャーが強くて、「自分がどうステージにいるべきか」を頭で考えすぎてしまう部分が多かったんです。「今のパフォーマンスはよくなかったな」とか「これをやったらライブの空気を壊しちゃうかな」とか。ライブに対して難しさを感じている時期でもありました。でも今日は本当に久しぶりに、ただただ自分らしくライブができたんです。言いたいことも包み隠さず自信を持って言えた。こんなに何も考えず心の底から楽しめたのは久しぶりで、めちゃくちゃ楽しくて。この4人でライブができることが嬉しくて、体の疲れも全部忘れちゃっていました。

──それは42.195kmを自分の足で走りきったという事実が大きかったのでしょうか。

チャンチー:そうですね。もし今日走りきれなかったら、私は4人でライブに出ちゃいけないと本気で思っていました。「リベンジできなかったら、もう私はBLUEGOATSにいられないんじゃないか」って、ずっと不安があったんです。だからちゃんと走りきって、BLUEGOATSのメンバーとしてみんなとライブができて、本当に良かったです。

──かいなさんとマリンさんが涙を流して歌っているシーンもありました。

チャンチー:マリンちゃんがライブで泣いている姿って、私の記憶の中では見たことがなくて。だからすごく嬉しかったです。「ああ、私、頑張って本当によかったな」と心から思えました。自分の行動で大好きなメンバーの心を動かせる人間になれたんだって、勝手に嬉しくなっちゃって。「いいメンバーに出会えたな。この人たちとまだまだずっと一緒にいたいな」と、改めて思わせてもらいました。

──今日のステージは、チャンチーさんがメインで歌うパートや前に出るシーン、アカペラや煽りもいつも以上に多かったように見えました。

チャンチー:あれ、メンバーからの無茶振りだったんです(笑)。本当に知らなくて! 途中の休憩地点でセットリストは確認していたんですけど、頭が回っていなくて全然入ってこなくて。だから何も知らないまま必死で。普段の私だったら臆病だから絶対にやらないし、怖くてできなかったと思います。でも今日は、それも全部ひっくるめて楽しむことができました。今日という日だったからこそ、あの無茶振りにも全力で応えられたのかもしれないです。

──42.195kmを走りきり、ライブを全力で楽しめたことで、「自信がなかった自分」から変われた感触はありますか?

チャンチー:今すぐ「ものすごい自信が持てた!」とは言えないんです。だけど、いつもより力強く、目の前で聞いてくれている人や一緒に歌ってくれる人に歌詞を届けられた感覚があって、それは自分の中でめちゃくちゃ大きかった。私は歌が苦手で、最近のライブでは不安になることが多かったんです。でも今日は本当に自信を持って、皆さんの目を見てたくさんのことを伝えられたと思う。BLUEGOATSの歌詞をちゃんと自分自身のものにして届けられたという確信は、今すごくあります。

──チャンチーさんが作詞された「ガムシャラ」が1曲目でした。作詞した当時と、今日歌ったのとでは、気持ちにどんな違いがありますか?

チャンチー:「ガムシャラ」は当時も今も、すごく自分自身に向けて歌っている曲なんです。自分がガムシャラになれない時が多いからこそ、まず自分に向けて歌って、それをファンの方に伝える、という感覚で。でも今日は違いました。自分が1つ大きなことをやり切ったからこそ、次は「目の前にいる“あなた”にこのメッセージを届けたい」という気持ちがすごく強かった。そこが今まで歌ってきた「ガムシャラ」と一番違った部分ですね。

──今回のリベンジを果たし、少し自信が持てたり、大きな変化があった一日だったと思います。それを踏まえて、チャンチーさんがこの先に思い描く「未来」を聞かせてください。

チャンチー:私はまだ「こういうアイドルになるぞ」という明確な未来像が強くあるわけではないんです。これまでは、ただ自分を保つために精一杯で、必死にアイドルとして生きてきた。これからはそうじゃなくて、ちゃんと自分自身を好きになってステージに立ちたい。そして、その姿を見てくれた人が「明日もちょっと頑張ってみようかな」と思ってくれたり、自分のことを少しでも信じられるようになってくれたらいいなって。今はまだうまく言葉にまとめられなくて申し訳ないんですけど、今日という日は、これから先の未来へまた1歩進むための決定的なきっかけに絶対なったと思います。これからも、またたくさん「無理」をして頑張っていきたい。このメンバーと一緒に、全力で無理をしていきたいです。


■ライブ情報

BLUEGOATS東名阪ツアー”DAMN” TOUR FINAL
2026年6月22日(月)東京・代官山UNIT(バンドセット)
https://ticketdive.com/event/BLUEGOATS_DAMN

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