2018年6月23日(土)、下北沢Lagunaにてイベント「Comfort in Sound 6」が開催。片山さゆ里 、文月悠光 、結城綾香といった出演者が登場し、ライヴ・パフォーマンスが繰り広げられる予定です。
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本イベントの開催に先駆けて、主催者の宅井義晴氏がイベント開催の想い、この3名のラインナップにした気持ちを寄稿してくれました。
その想いをお読みいただき、足を運んでみてはいかがでしょう?
■イベントへの想い・“Comfort in Sound”の由来
弾き語りの歌・マイク録りの楽器演奏を、お客さんがゆったりと観られるような会場配置を作る。弾き語りの次に詩の朗読、その次にヴァイオリンやピアノのインストルメンタル… 違うジャンルを同じステージで楽しむなかで、気持ちのやすらぎ、楽しさ、前を見て生きる気概を、お客さんや出演者、そして自分自身が持って帰れるイベントにしよう ー 本当にいろいろのライブが、日夜行われていますが、この心持ちを裡に持って、イベントを続けています。特にライブハウスで働いているとか、音楽の興行やマネジメントを行う企業にいるわけではありませんが、小さなイベントをアマチュアの趣味で続けていく中で、どう洗練させていこうか、というのが、最近の課題です。
「Comfort in Sound」というイベントのタイトルは、10代の頃に最も大きな影響を受けたアルバム、フィーダーの『コンフォート・イン・サウンド』から取りました。表題曲の「音がやすらぎになる、やすらぎの音がある」という言葉が好きで、20代前半の頃から、弾き語り・アコースティック編成のライヴによく行くなかで、もし自分でイベントをやるなら、必ずこのタイトルにしよう、と温めていたものでした。
■結城綾香、文月悠光、片山さゆ里ーーこの3人のラインナップについて
4回目のイベントに出演頂いた片山さゆ里さんに、Twitterで「私、あなたと音楽してみたいです」という言葉をかけられたのが、結城綾香さんでした。ツイートを読んで、心を打たれ「この二人が音楽できる場所を、自分のイベントで作ろう!」と思ったのが、はじまりです。
文月悠光さんは、2014年秋、【Comfort in Sound】の初回に出演してくれた大原由衣子さんと、渋谷パルコで行われた「シブカル祭・ミスiDイベント」で共演するまで、その名を全く知りませんでした。自身の詩を、ナマの音楽にのせて朗読する声、佇まいに大きな感銘を受けてから、2回目・4回目と出演を重ねて、6月で3度目を迎えます。今回は、過去2回とも違う演奏で、詩の朗読を聴けるように、準備中です。
文月さんとお会いしてから、ポエトリー・リーディングのパフォーマンスにも興味を持ち、下北沢ERAで観たイベントに出演されていたのが、片山さゆ里さんでした。「普通の人がなかなか歌にしない曲」を歌い、自身の日記をギターと共に読んで、破り捨てるパフォーマンス・・・驚きを感じて以来、媚びのない、芯が通った強さに惹かれて、ライブを観ています。
この3人のラインナップは、自分自身の声を楽器の一部として、豊かに使う表現をもった魅力があると思っています。それは、この企画をやるなかでずっと大事にしたい魅力で、僕にとっての指標である音楽家、平原綾香さんにも重なってきます。
TOKYO FMで、毎週日曜日の夕方6時から放送している『森永乳業presents 平原綾香のヒーリング・ヴィーナス』という番組があります。「カラオケでもっとうまく歌いたいです。どうしたら表現力がつきますか?」というリスナーからの質問に、平原さんが「歌をうまく歌おうとか、表現しようと思って表現するのは、表現力じゃないの、技だと思うのね」と答えていたことを、ラジオから聴いていて、自分のイベントにも言えることだと感じています。
6月23日の【Comfort in Sound 6】では、3人のライブパフォーマンスを録音して、後日に数量限定のCD-Rとしての販売や、ライブ特典としての無料配布を考えています。弾き語り・アコースティック編成なので、マイクの数も最小限で進めていくことになりますが、この形が、2017年に縁あって購入したライブ・アルバムと重なり、自分のイベントに活かせる空気感を得るために、よく聴いています。
そのアルバムが、『ハイカラークラブ・サンデイ・ジャズ・コンサート』です。1956年(昭和31年)4月15日、東京・産経ホールで録音された、最初のジャズ、ポピュラー音楽の日本製LPレコードです。あまりにも古い時代で、当時のLP盤で入手できず、CD化されたものを、ようやく探し出しました。
江利チエミ(演奏:渡辺弘とスターダスターズ・オーケストラ)「スターダスト」、渡辺晋とシックス・ジョーズ「フー・パークス・ザ・カー」、原信夫とシャープス・アンド・フラッツ「フロア・ショウ」・・・江利チエミさんをはじめ、クラシック以外のすべての洋楽・ポピュラー音楽を「ジャズ」と一括りに呼んでいた時代のスター、超一流の名手たちが、会場のお客さんを巻き込んで、親しみやすくて気取りのない演奏を繰り広げる楽しさ!ステレオ以前のモノーラル録音、少ないマイクロホンでありながら、会場の響きを豊かに取り込んで、当時の言葉でいえば「まことに水ぎわ立った音」で録られた生々しさ!楽しく聴くなかで、そのことに驚き、名手たちに学びつつ、イベントの構想を考えています。
2018年6月23日(土)@下北沢Laguna
出演:片山さゆ里 、文月悠光 、結城綾香
時間:開場 12:00 開演12:30
料金:前売 2,000円 当日 2,500円(ドリンク代別)
プレイガイド予約:http://s-laguna.jp/events/event/on/2018/06/#tar23
出演者最新ライヴ:無題-18/03/17@新宿marble/片山さゆ里