【ガチ】渋谷のキャバクラで、謎のTwitter作家「アセロラ4000」に取材した結果……

以前、局所的に話題を読んだ記事、「キャバクラでの悲哀を描く「アセロラ4000」とは何者なのか?」

あらすじはこうだ。

ある日、突然、筆者のツイッターをフォローしてきた謎の人物「アセロラ4000」。つぶやきを見ると、推しのキャバクラ嬢との徒然なる日々が、ウィットに富んだ比喩とともに綴られていた。

好きな嬢に献身的に尽くすも、そっけない嬢の態度に一度はキャバクラ通いを卒業しようと嬢のLINEをブロック。だが寂しさの余り、わずか2日後にはブロックを解除してしまう。

アセロラ4000の行動は滑稽で物悲しいが、他人事と思えないような悲哀に満ちている。もしかしたらこれは現代を切り取り、Twitter上で生まれている文学なのかもしれない。そんなことを思うと、アセロラ4000のことが気になって仕方なくなってしまった。

そこで思い切って、アセロラ4000にTwitterでDMを送ってみた。するとすぐに返信が。取材条件は、顔出しNG、取材場所は行ったことのないキャバクラで、ということのみ。

早速、4月のある晩、渋谷のキャバクラにてアセロラ4000に取材を行った。店の前にいるキャッチのお兄さんにディスカウントしてもらうなど、キャバクラというカルチャーに精通している姿は頼もしかった。そして1時間の間に、ちゃっかり場内指名をしていたアセロラ4000。

そんなちゃっかりした彼に私もあるお願いをしてみた。

インタビュー&文:西澤裕郎


キャバクラ通いって、孤独との戦いなんです

─なぜ私(西澤メロディ)のツイッターをフォローしたのでしょう。

アセロラ4000:Twitterでアカウントを作ったときに、フォローする人を一方的に勧めてきたんです。150人パックみたいな感じで、色んな人のアカウントをまとめてフォローできるようになっていて。たしかジャスティン・ビーバーとかレディ・ガガとかもいたと思うんですけど、その中に入っていたんじゃないですかね? 自分からフォローした覚えはないです。

──そんな人たちの中に私のアカウントが入っているとは思えないのですが…。それは置いておいて、ツイッターで書かれていることは事実なんでしょうか?

アセロラ4000:すべて事実です。創作しようと思ったこともありますが、それだと私が目指す文学じゃなくなってしまうので。すべて事実です。

──アセロラ4000さんは普段から文章を書かれている方なんですか?

アセロラ4000:派遣社員です。仕事の内容はあまり詳しくはお話できないんですけど、主にテレアポですね。いろんな中小企業に電話してサービスを勧めて、営業マンのアポを取るところまでが仕事です。週5でシフトに入っていて、たまに頼まれて残業することもあります。しゃべるのは、嫌いじゃないですね。

──嬢との日々をつぶやこうと思ったきっかけは?

アセロラ4000:キャバクラ通いって、孤独との戦いなんです。嬢に会ってごはんを一緒に食べて、楽しい時間を過ごすのはいい。そこから店に移動して、所謂「同伴」をするわけなんですけど、さっきまでカジュアルな服装でデートしていた嬢が、プロのキャバクラ嬢に変身して出てくるんです。その瞬間に、恋愛気分に浸っていた自分がただのピエロであり、嬢にとってはただの金ヅルだったことに気付かされるわけですよね。お会計を済ませて店を出て、ひとりぼっちでトボトボ家に帰るまでの滑稽さ、さみしさ、むなしさは、本当に耐えがたいものがあります。死にたいな、というくらいに。でもまた嬢に会いたくてその行動を繰り返してしまう。その気持ちをどこかにぶつけたい、誰かにわかってもらいたい。そんな一心からTwitterアカウントを作り、つぶやくようになりました。

──言える範囲で結構なんですけど、どの地域のキャバクラでの出来事なんですか?

アセロラ4000:京王線沿線の小さな街にあるキャバクラでの出来事を綴っています。

「両手に花」っていう感じですね、今

──アセロラ4000というハンドルネームにはどんな意味が込められているんでしょう?

アセロラ4000:メロディさんは、「アセロラよんせん」って呼んでくれていますけど、私としては「アセロラ フォーサウザント」のつもりで書いていました。まあどっちでもいいですけど。「アセロラ4000」の由来は、あるとき嬢に焼酎を「アセロラで割って飲んでもいい?」と言われて、「いくらするの?」って訊いたら「4,000円」って言われたんですよ。ただのアセロラドリンクですよ? コンビニに行ったら100円で買えるじゃないですか。さすがに「そんなバカな」と思って、ボーイさんにメニュー表を持ってきてもらったら、本当の値段は2,000円だったんですよ。まあそれでも高いですけど、嬢は私に2倍の金額をふっかけてきたんです。そのときに、嬢の恐ろしさを知ったというか。その恐ろしさを忘れたらだめだ、と思ってすぐにその場でアセロラのピッチャーの写真を撮っておいたんです。それがプロフィール写真のアセロラです。私の精神的な支えになっている写真であり、言葉ですね。

アセロラ4000さんのTwitterアイコン

──アセロラ4000さんは小説家を目指されているんでしょうか?

アセロラ4000:う~ん、一時期、小説家で新人賞を獲れば少しはお金持ちになれるんじゃないかなって思ったことがあって、とある「ミステリー文学賞」っていう賞に応募したら、一次審査を通過したんですよ。それで自分の中では盛り上がっちゃっていくつか新人賞に応募したんですけど、ダメでしたね。今は、Twitterで限られた文字で書くのが楽しいですし、その中で表現できる文学もあるんじゃないかなって。

──そんなアセロラ4000さんですが、渋谷のキャバクラに来てみた感想をいただけますか?

アセロラ4000:「井の中の蛙大海を知らず」とはことのことか、と思いました。内心、ビクビクしていたんですよ。渋谷ってやっぱりギャルのイメージがあるから。それに私には嬢がいるわけじゃないですか? 裏切れないよなって。でも、店に入ったら店員さんもすごく丁寧で親切だし、値段もかなり良心的だし、最初についた子が色白で細身で綺麗な子で。しかもものすごく話が合うんですよね。慌てて場内指名しちゃいました。その分、メロディさんにはお金の負担をさせてしまったんですけど、無断ですいませんでした。いいですよね、渋谷のキャバクラ。渋谷の嬢とも今後LINEでやりとりしながら交流して行けたらなって。自分の中では、「両手に花」っていう感じですね、今。


以上が、アセロラ4000へのインタビューの全てである。

キャバクラを出ると終電がなくなっていたので、彼の住む街まで徒歩で帰る横でテープレコーダーを回しながら取材をした。お互い酔っ払っていたこともあり、しどろもどろな部分もあったが、謎だったアセロラ4000の一面が垣間見えたのではないかと思っている。

そして、その中で一つのお願いをしてみた。

嬢との出会い、キャバクラに通うことになった理由を書いてもらえないか、と。

すると、アセロラ4000はまっすぐと夜道をみつめながら頷いた。

ということで……

5月9日(水)より

アセロラ4000による連載がスタート!!

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