みなさんこんにちは。
実は僕は大学4年生でして、残り1ヶ月半足らずで学生生活が終了するのですが、この1ヶ月半をどうやって過ごすべきかというのを最近ずっと考えています。
社会人になってからはなかなか出来ないことを順番にこなしていきたいなと思っているのですが、例えば世界一周旅行をするにしても何をするにしても先ずはお金が必要だなあと痛感していて。でも田舎から上京してきて1人暮らしをしている僕のような学生は先ずバイトで生活費も捻出しないといけないし、それによって時間も奪われていくわけですよね。
仕方のないことだとは思っていますが、こういった止むを得ないことで若いうちに色々な体験をする機会が少なくなってしまうのって凄い悔しいなと思います。若いうちにもっと色々なものを見聞きした方が何かと役立つ仕事をするのになあ…… 無理矢理に睡眠時間を削ってみたりするのですが、それはそれで日常のパフォーマンスにも支障が出るし。今のうちにしか見えない、感じられないものがたくさんあるはずなのでそれを1つでも逃さないように意識していきたいです。
さて、今回僕がお話したいのは今Netflixで話題のオリジナルドキュメンタリー映画『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』です。
最近若いクリエイターの方やスタートアップを目指している人々のツイッターをよく見るのですが、彼ら彼女らのツイッターでよく紹介されていました。紹介する人は皆、自身の反面教師にしようと思っていらして、そんなコメントを見ているうちに「どんな悲惨な失敗があるのだろう?」と思って観てみた次第です。
あらすじはというと、実業家であるビリーは一般人でもお金を払って芸能人を呼んでイベントにブッキングできるというアプリを開発した人物です。その仕事の関係で知り合ったジャ・ルールというラッパーと会社のプロモーションも兼ねて音楽フェスを企画するのですが、このフェスの内容が無人島を貸し切って、お金持ちのVIPをターゲットにして異常に高額なチケットで食事から宿泊施設など何から何まで派手にキメようぜ!! というノリノリな企画を打ち出します。
しかし、有名インフルエンサーの投稿や豪華モデル、参加アーティストは勿論、豪華宿泊施設の建設などについても費用が膨れ上がりそれらを準備する経路も確保するのが難しく「あれ? これ実行するの無理じゃない?」とイケイケドンドンのスタッフチームも流石に気づき始めます。ビリーに相談してみるのですが、もっとお金を掛けろだのと現実を見ない指示や苦言を呈したスタッフをクビにするなど暴走していきます。ガタガタな枠組みで理想通りの準備も整わないまま、とうとう本番当日がやってきて……。というお話。
正に虚像の夢に魅せられて足元を疎かにしてしまった人々の崩壊の一部始終、という作品です。元々はパリピな人々が打ち出した企画、序盤でモデルやインフルエンサーを多く用いたフェスの広告を打ち出すシーンでは「呼ばれた理由もわかっていない芸能人と遊ぶだけ、でもそれでよかったんだ。負け犬達に夢を売るんだよ、中間層のフツーの人達に皆が欲しがるイメージを売る」という言葉が出てきました。
この言葉が上から目線のように感じられるかどうかはさておき、エンターテイメントってこういう事なんだよなあとも思ったりして。他人に夢を見させる事が何より大事だよなって。
でも、他人に夢を見させるような作品を世の中に打ち出すにはただデッカいことを言うだけじゃなくて、その下には何よりも地味で緻密な作業があるんです。企画者がいて、その人が打ち出す企画を実現する為に、多くの人々が綿密に何度も確認作業を進めていて失敗のないようにする。世の中に出した後に欠陥やガサツなものが見つかると、本来は夢を見させるものである為にその分の落差が大きすぎる。その為にスタッフ、ましてリーダーは一番冷静である必要があるし、何より楽観視してはいけない。
そして僕が1番この作品で印象に残った一言があります。あるビリーのスタッフの言葉ですが、
「どんな状況でも彼は楽天的だった、最後の最後にようやく状況を理解したのさ」
エンタメを作り上げる人間に1番あってはならない事だったのかもしれません。
人に夢を見させる仕事ってものすごく素敵なことですが、それを実行する人はちゃんと現実や足元を見据えていられる人間じゃないといけないんですね。夢を持つ情熱だけでなく冷静な状況判断能力や解決策を提示できるクレバーな能力が必要なのです。そして、それはこの業界に求められている特殊な能力じゃなくて、1人の仕事をする人間として当たり前に必要な資質なんだと思いました。
そしてその能力は根明ではない僕でも頑張れば身に付けられるかもしれないなと思って。
業界に必要とされてる能力とか考えずにまずは1人の仕事をする人間としての能力を蓄えていけたらいいなあ。
今週はこの辺で。
また来週、よしなに。
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。