2017年のWACK合宿オーディションに合格し加入した、BiSのメロメロ担当ことパン・ルナリーフィ。自分が決めたことに対して一直線で取り組むストイックな性格で、〈BiS.LEAGUE〉期間中には全国のタワーレコードに手書きのポップを持って挨拶に行くなど、計り知れない行動力を見せた。これまでのインタビューでは、毎回最新のライヴが人生の中で1番を更新していかなければならないと語っていたパンだが、その考え方にも少し変化があったようだ。現在のパンの心境を訊いた。
インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希
ももは大きな存在だった
──2018年を振り返ると、メンバーの脱加入や〈BiS.LEAGUE〉など様々な出来事がありました。パンさんにとっては、どんな1年でしたか?
パン・ルナリーフィ(以下、パン):私が入ってから1年が経った年なんですけど、やっとBiSのメンバーの1人になれたなって。常に全力でやってきたつもりなんですけど、振り返るとあまり深く考えられていないところもあった。〈BiS.LEAGUE〉が始まり、私とゴ・ジーラ、(トリアエズ・)ハナとネル(・ネール)の4人がBiS1stになったことで、強制的に私とゴ・ジーラが新メンバーを支えなければいけない状況が生まれて。もともと考えていることは沢山あったと思うけど、あまり表に言わなかったゴ・ジーラに「ゴ・ジーラ革命」が起きたんです。そこからゴ・ジーラがとても支えになったし、私も引っ張ってもらいながら、めちゃめちゃ成長ができた1年だったと思っています。
──同期のももらんどさんの脱退もありました。同じ合宿を受けて入ってきたメンバーだっただけに、パンさんも精神的にかなり堪えたんじゃないですか?
パン:相談もされていたんですけど、6人の体制が始まってすぐのタイミングだったのと、めちゃめちゃ練習しなくちゃいけない時期だったので、ゆっくり話を訊いてあげられなくて。辞めて欲しくないってことは伝えていたけれど、〈BiS.LEAGUE〉に対していろいろな思いがあった中で、突然いなくなってしまった。その日はライヴもあったので、さみしさよりも5人のステージをやらなくちゃって気持ちで必死になりすぎていて。思い返すとめちゃめちゃさみしい。昨日も楽屋でペリとキカと〈WACKのフェス。〉の7人時代のBiSや「WHOLE LOTTA LOVE」のMVをたまたま観ていたんですけど、やっぱり、ももは大きな存在だったなと実感しました。やりたいことをやって幸せに過ごしていて欲しいなって思います。
戦う気持ちが芽生えました
──BiSを2つのグループに分けるという前代未聞の取り組み〈BiS.LEAGUE〉は、やってみてどうでしたか。
パン:BiSにとってすごく大事な取り組みでした。それまでは、戦う心だったり、外と戦っていかなければいけない気持ちが足りていなくて、自分たちのことばかりに必死になっていた。メンバーの間でも、いい意味での競い合いもなくて。お互いに思っていることは明かさず、モヤモヤしていた感じがあった。〈BiS.LEAGUE〉が始まってからは、順位が付くから常に戦わなきゃいけない心が芽生えたし、WACKの他のグループと戦う気持ちも生まれた。それ以外の場所でも戦う気持ちが芽生えました。
──BiSのメンバー間での関係性も変わったんじゃないですか?
パン:途中まではBiS1stとBiS2ndを全く別のグループというか、ギャンパレとBiSみたいな関係値だと思っていたんです。それでBiS2ndとの関係があまり上手くいかなくて……。お互い別れて活動しているけど1つのグループだ、という考えをそれまで以上に持つようになってからは、自分たちのライヴと同じ気持ちでBiS2ndのライヴを観るようになれた。BiS2ndも私だし、BiS1stもBiS2ndだからみたいな感じで、BiSのことを客観的に観ることができた。そういうことがすごく大事だなって思いました。ただ、もっとバチバチにもなれただろうし、BiS1st、BiS2ndどっちも一生観ていきたいってところにもっと持って行きたかったなって思います。
──〈BiS.LEAGUE〉2回目のパンさんの結果は5位でした。その結果に対してはどういう気持ちなんでしょう?
パン:中間発表で何回か連続で1位だったんですけど、私はネガティブ人間なので絶対に順位が下がるだろうなと思っていて。5位という順位に対して悔いはないというか。行動に移そうって決めたことはやったので。ただ単に自分の力不足だなと思ったし、数字に出ることによって、もっと頑張らなきゃって逆に火が付いた、めらめらって感じです。
──2018年はBiSのメンバーとして合宿に参加しましたが、1位を取るために戦略を考えて戦っていましたもんね。
パン:良くないと思うんですけど、私は数字にとらわれる人なんです。そういうわかりやすい目標がないとやった気がしないから。自分の評価だと甘くなっちゃうし、数字があればどこまででも上限がないというか。
いつまでもBiSがあると思っちゃっていた
──写真集『IDOL』限定版のインタビュー集で「10年後何をやっていると思いますか?」という質問に対し、パンさんは「BiSがなくなったら私は死ぬしかないんです」って答えていました。逆に心配になったんですけど、そこに関しての気持ちの変化はありますか?
パン:そんなに変わっていないんですけど、あの時は先のことを見れていなかったんです。写真集の渡辺さんとそってぃ(外林健太)さんのインタビューで、「先を見ていないんだなと思った」って書いてあったじゃないですか。たしかにと思って。いつまでもBiSがあると思っちゃっていたんですよ。私はステージにずっと立ち続けていたい。自分の居場所というか、それ以外のやりたいことを見つけられたらいいんですけど、もっともっとここにいたいし、ステージに立ち続けたいですね。
──パンさんにとってのBiSってどんなものなんでしょう。
パン:私がBiSを意識した最初のきっかけはWACKオーディションなんですけど、BiSに入ってからの思い入れがすごくあって。プーちゃんとサキちゃんが抜けてから、BiSというものが変わってきていた。それまであったBiSらしさを残したいっていう気持ちもあるし、新メンバーが入ってきてからの新しいBiSも、今の9人で作らなければいけない。そうなったときに、BiSらしさってなんだろうって考えるようになって。私の中での1番思い入れのあるBiSは7人時代なので、それは絶対に壊したくないって気持ちがあって。新しいBiISは9人で作っていきたいけど、あのときのBiSを完全にぶち壊したくない。
常に最高を更新していかないといけない
──Zepp Tokyoの発表で〈BiS.LEAGUE〉が廃止になった直後に、ネルさんの脱退がありました。ネルさんの脱退に関してはどんなことを思いましたか?
パン:正直、脱退に関しては、ももの脱退や、サキちゃんのレンタルトレード終了、プーちゃんの卒業とかがあったので、泣いていても仕方ないし、3日後にライヴだしみたいな感じで、お披露目までは目の前のBiSをやらなきゃと思っていて。ただ、2018年に入った新メンバーにとっては同期がいなくなることが初めてだったから、もうちょっと寄り添えられたらよかったなって。正直、時が経ってからめちゃめちゃさみしくなってきて。ネルとは一緒に1stでやっていたし、ネルのBiS1stが私はめちゃめちゃ好きだった。私がライヴをしていて1番生きている感じがしたのがネルのいたBiS1stでの徳島のライヴなんです。〈BiS.LEAGUE〉が廃止になって、やっと一緒のグループとしてやれるわくわくがあったんですよ。だからそれがすごくさみしかったです。
──以前、パンさんは最新のライヴが1番最高だってことを言っていたので、徳島のライヴが一番生きてる感じがしたというのは、そこの考え方に変化があったということなんでしょうか。
パン:こう言ったら語弊があるかもしれないですけど、その時のBiS1st は「BiS2ndをぶっ潰す」、「他のグループをぶっ潰すだけ」ってところで4人の気持ちが団結していて。人数が少なかった分、気持ちが合わさりやすかったのもあると思うんですけど、気持ちが1つになっていたからなのかなって。
──9人体制で迎えた1月3日の〈WACKなりの甲子園〉はいかがでしたか?
パン:めちゃめちゃわくわくしました。私は〈BiS.LEAGUE〉の1回目と2回目ともBiS1stだったので、廃止にしたいと思う気持ちがそんなになかったというか。それこそ私は数字が付いた方が意欲や頑張る気持ちが生まれるので、そんなに嫌ではなかったんです。でも、廃止後のライヴは10人でやりますって言われた時はわくわくした。やっぱり4人ってさみしかった部分もあったので。その日は〈WACKなりの甲子園〉を成功させるってところで、ステージ上での9人の気持ちは繋がっていたし、とてもわくわくしていました。
──今は、その気持ちは変わってきてしまった?
パン:その日はそのライヴを成功させることだけしか考えていなかったから1つになれていたけど、ミュー、ムロ、YUiNAとは一緒にライヴをしたことがなかったので、ほとんど新メンバーみたいな感じもあって。完全に心はまとまっていないというか、その後ライヴをしていても「なんだろうこの空気感」と思うことがあって。渡辺さんからも「BiSを好きになって9人でまとまる方法を考えろ」って言われていて。私たちもまとまっていいライヴをするために、9人でたくさん話すようになったんですけど、難しいですね。BiS1stのときは、性格もそうだし、パフォーマンスも全員が主人公みたいな感じでやってきたからバランスをとるのがとても難しくて。渡辺さんは「WACK解体」って言葉を話していたり、戦力外通告のメンバーもいるから、1ヶ月で常に最高を更新していかないといけない。9人でのBiSを絶対に作り上げたいです。
この9人でしかBiSはできないぞってところを見せたい
──9人体制初のシングル「Are you ready?」は、11分24秒という長尺曲です。「アゲンストザペイン」は気持ちを入れて歌いやすい曲だったと思うんですけど、この曲はどんな感情で歌っているんでしょう?
パン:感情は特にないというか(笑)。まず、9人が全員目立てる曲だなと思って。5分くらいだとサビを歌える人も限られるんですけど、BiSの自己紹介みたいに1人1人がそれぞれのセクションを歌っている。最後に大集結して歌うんですけど、ここから9人のBiSを始めるぞっていう曲だなと思っています。
──WACK合宿オーディション最終日に開催される〈WACK EXHiBiTiON〉では、毎年思いもよらない発表があります。今年も何があるのか楽しみも不安もあると思いますが、そこに向けてはどういう気持ちでしょう。
パン:自信を持ってこの9人がBiSだというものをまだ作り上げられてないので、今の状況だといくらでも動かされてしまう可能性がある。69時間イベント含めBiSの気持ちを一つにして、この9人でしかBiSはできないぞってところを見せたいです。今までも体制が変わることはあったし、刺激的な感じを持っているのがBiSだと思うので、何かが起こることに関しては結構わくわくしています。何が起きるか分からないけど、頑張っていきたいなって思います。
WACKのオーディション合宿を今年もニコ生で独占生中継
24時間、WACKオーディションに密着! 布団監視も実施! 6泊7日全て見せます!
最終日に行われるWACK EXiBiTiONも生中継!
3月24日(日)12時~「前半」はこちらから:https://live.nicovideo.jp/watch/lv318959031
3月27日(水)12時~「後半」はこちらから:https://live.nicovideo.jp/watch/lv318959045
■【連載】BiSソロ・インタビュー
>>Vol.1──ゴ・ジーラ「BiSの曲を聴いて生きてくれたらいいなって」
>>Vol.2──ペリ・ウブ「みんながBiSに必要で唯一無二な存在になれたら」
>>Vol.3──キカ・フロント・フロンタール「誰でも受け入れる存在にしたい」
>>Vol.4──アヤ・エイトプリンス「誰でも受け入れる存在にしたい」
BiS PROFILE
2010年に結成し、2014年に解散、2016年9月に再始動したWACK所属グループの原点的アイドル・グループ。全裸PVや水着ライヴなど過激なプロモーションが話題となり、インディ・ロックの要素を取り入れた楽曲や非常階段とのコラボなどが評価を得た。2018年3月、「Jリーグ方式」を取り入れBiS 1stと2ndに分裂したが、12月にZepp Tokyoで行われた47都道府県ツアーのファイナルにて1つに統合。現在のメンバーは、ゴ・ジーラ、アヤ・エイトプリンス、キカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、パン・ルナリーフィ、ミュークラブ、YUiNA EMPiRE、ムロパナコ、トリアエズ・ハナの9名。
■リリース情報
BiS 『Are you ready?』
2019年3月20日(水)発売
・完全生産限定盤(豪華BOX仕様)
CD+Blu-ray+PHOTOBOOK (100P)+T-Shirts
CRZP-39 / ¥10,000+税(税込¥10,800)
・初回生産限定盤(スリーブケース仕様)
CD+DVD
・CRCP-10423 / ¥3,000+税(税込¥3,240)
・CRCP-10424 / ¥1,000+税(税込¥1,080)
2019年4月6日(土)沖縄・output OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月14日(日)福岡・DRUM Be-1 OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月21日(日)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月27日(土)神奈川・F.A.D YOKOHAMA OPEN 13:00 / START 14:00
2019年4月28日(日)香川・高松MONSTER OPEN 16:00 / START 17:00
2019年4月29日(月・祝)広島・SECOND CRUTCH OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月1日(水・祝)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO OPEN 14:00 / START 15:00
2019年5月2日(木・祝)宮城・SENDAI CLUB JUNKBOX OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月4日(土)大阪・UMEDA CLUB QUATTRO OPEN 14:00 / START 15:00
2019年5月6日(月・祝)北海道・BESSIE HALL OPEN 16:00 / START 17:00
2019年5月11日(土)東京・マイナビBLITZ赤坂 OPEN 17:00 / START 18:00BiSオフィシャルHP:https://www.brand