【連載】「髪の毛より大切なものを探しに」Vol.25メンズ地下アイドル界の2つの源流

本連載は、メンズ・アイドル「others」を運営しているプロデューサー、ゴン・チョクによる連載です。これまで、ゴンチョクを含め全員がメンズ・アイドル未経験者で、0からアイドルを学び、ダンス、歌、特典会などを実際に経験する中で成長していく様子を記録してきました。そんな中、「いまメンズ地下アイドル業界で何が起きているのか」(http://plus14.hateblo.jp/entry/2019/03/16/044428)という記事を書いているめりぴょんさんの存在を知り、対談をオファーし話した内容が下記記事となります。メンズ地下アイドル運営をしているゴン・チョクと、お客さんとしてメンズ地下アイドル現場に通っていためりぴょんさんによるそれぞれの実体験を元にした内容であり、メンズ地下アイドル業界すべてを内包して結論づけることを意図したものではないことをご了承ください。


メンズ地下アイドル界に流れる2つの川

──前回の対談で、一部のメンズ地下アイドル(以下、メン地下)現場で特典会が重視されているという話が出ました。物販でCDやTシャツが売っているわけじゃなくて、基本的にお金を払ってメンバーと接触することがメインになっていると。素朴な質問なんですけど、ホストクラブに通うメンタリティとの違いはあるんでしょうか?

めりぴょん:私が主催している「外道ナイト」っていうトークイベントでホストとメン地下の比較をしたんですけど、メン地下の起源の一説ってホストなんですよ。メン地下の1つの流れを作ったのが元々ホストの経営会社の系列なんですけど、その会社が経営しているバーでメン地下アイドルの子がお店でバイトをしている。だからそこに行ったら会えるみたいなことが過去にあって。初めてメン地下現場に来たお客さんの料金が安くなるシステムとか、オタクにお金を使わせるシステムの根源は、ホストのノウハウをそのまま持ってきているんですよ。

ゴン・チョク:たしかにメン地下は初回のお客さんは金額安く済みますもんね。

めりぴょん:そう。オタクをハマらせるためのノウハウというか、過剰接触をするっていうのもやっぱりホストでのやり方が発祥で。

──メン地下に詳しくない人からすると、インディーズで頑張ってのし上っていった先にメジャーデビューがあってジャニーズとかの世界に行き着く流れなのかと思っていました。

めりぴょん:ジャニーズ系インディーズアイドルと、メン地下アイドルは明確に違う系統だと思っていて。コンテンツの流れというか「川」みたいなものは全然違う。元を辿っていくと全てではないけどメン地下はホストに辿り着くし、ジャニーズ系のアイドルに起源を求めたいんだったら、超特急とかボイメンとか、本当に規模の大きいメンズアイドルがそれに当たるんだと思います。

──ゴン・チョクさんは源流が違うことを知らずに、メン地下業界で一生懸命曲を作ったり、パフォーマンスを磨こうとしていたわけですよね。ゴン・チョクさんが目指す楽曲を届けるためには、早いうちにその川が違うっていう事に気付かなきゃいけなかった……。

ゴン・チョク:気づかなきゃいけなかった……。

めりぴょん:最近、2.5次元の世界にアイドル兼任の子が出演することが増えたんですけど、そこは正統派の川の子が多いですね。例えば、CUBERSとかもそうですし。正しい方向に行って曲をちゃんとやっていて、それが評価されているんだと思います。

ゴン・チョク:起源が絶対違うのを理解して活動を積み重ねてきたわけですね。

めりぴょん:外面だけだと似ているように思えるんですけど、似て非なるものというか。

──メン地下は起源がエンターテイメントじゃないものがある、と。

ゴン・チョク:なるほどねえ…。なるほど。CUBERSも、昔は苦労していましたよね。

──楽曲を丁寧に作って、MVも作って、コツコツと楽曲がいいんだよということを伝えてきた結果がメジャーデビューに繋がっている。

ゴン・チョク:そう、長い目で見なきゃいけなかった。ただ、うちは会社が小っちゃいからそんなことしてる間に会社無くなっちゃうかもしれなくて。その前にまた違う近道を探さないといけないんですけどね。

めりぴょん:それこそ国境を超えるくらいの気持ちで今住んでる川を渡らないといけないですよ。

メン地下で成功するためのスキル

ゴン・チョク:ホスト的なやり方でのお金の稼ぎ方をして、そこから這い上がっていくのか、最初から正統派のままいくのかっていうやり方がある。

めりぴょん:難しいですよね、アイドルって綺麗事だけじゃないから。さっきも仰っていましたけど、お金を稼がないと会社も無くなっちゃうので。

ゴン・チョク:そうなんですよ……。現金を稼ぐことを考えると、結局ライヴイベントという発想になっちゃうので……。でも対バンに出れば出るほど複雑な気持ちになっていく。

めりぴょん:現金を稼ぐためにやればやるほど苦しんでいくっていう。連載の記事を読んでいても、ゴン・チョクさんがどんどん苦しんでいって辛くなっていっている。

ゴン・チョク:自分もうおじさんなんで、自分を変えるつもりもなくて。お客さんのしたい事を全部やってあげることはできない。自分のやりたい事を優先してしまう。

めりぴょん:メンズ地下アイドルが面白いなと思うのって、平気で元ホストがゴロゴロいるところで。逆で考えると、元キャバ嬢の女性地下アイドルとかあまり聞かないんですよね。元ホストのメンズ地下アイドルが上手くやっていけるのは、メンタルの強さも影響しているのかなと思って。ホスト時代に培った、女の子との接し方を経験論的に分かってる人たちが売れているっていう。

ゴン・チョク:女の子のファンたちとの接し方はすごい上手だなと思って。接触も本当にすごくて、メンタルコントロールまでしている。この前、隣で物販やってたグループがいて、1人だけお客さんがいたんですよ。で、その1人の女の子が60分くらいずっとメンバーの膝の上に座ってて。

めりぴょん:見たことある光景ですね。

ゴン・チョク:前を向いたり、向き合ったりで。60分間ずっと向きが変わるんですよ…。

めりぴょん:遠目で見ていると、ほぼほぼセックスなんですよね…。

ゴン・チョク:ホンマにそうなんよ。見えないようにしてるけどやってるやろ! って(笑)。

──本当にそんな現場があるんですか?

めりぴょん:世にも奇妙な話なんですけど、本当にある話なんですよ。

ゴン・チョク:うちのとこのメンバーも「すげぇ! お金もらってあんなこと出来んですか?」って興奮していて。

めりぴょん:言動が童貞丸出しじゃないですか(笑)。そう感じてしまうと、女性の圧に呑まれるんですよ。そこをグッとこらえて、女の子をうまくコントロールするっていうステージに行けないとメン地下で売れる事ができない。メン地下で売れるっていう定義がよく分からないですけど…。

ゴン・チョク:確かによく分からない。でもそこ乗り越えるか、もしくは心が壊れて辞めるかの、どっちかだと思う。

めりぴょん:メン地下のメンバーがオタクと繋がって晒されて解雇になることとかあるんです。童貞的メンタリティで「可愛い子が寄って来た!」みたいに浮かれちゃってLINEで「ピル飲んで」とか言うわけですよ。それをスクショされて晒されて消えるっていうのが月に5、6件とか、すごい勢いで起こる。

ゴン・チョク:確かによく見るなあ。

──そんなの見たことないんですけど……。

めりぴょん:普通の人はよく見ないですよね(笑)。

チンコの暴走

──ぶっちゃけた話、ファンは最終的に好きなメンバーとセックスがしたいんですか?

めりぴょん:私は2種類あると思っていて。アイドルに対して性的な目で見る=ペニスを求めるっていう意味だと思うんですけど。それこそ80、90年代のバンドブームのファック隊みたいな感じ。繋がり厨っていう言葉があるじゃないですか? 自撮りとかツイッターに上げてる可愛い子が色んなアイドルと無茶苦茶繋がっている。それは大槻ケンヂが小説で書いていたグルーピーな世界というか。推しと繋がれるなら繋がりたいっていうのがある。ただ、メンズアイドルのオタクの感情って双極すぎて。繋がるっていうイベントの後に大嫌いに振れるってことが起こる可能性があって、そうなるとそこで晒されちゃうわけですよね。それでアイドルは解雇されて。

──リスクが高い……。

めりぴょん:私はチンコの暴走って呼んでるんですけど(笑)。

ゴン・チョク:しょうがないよね、暴走しちゃうの。

めりぴょん:女の子に寄ってこられるとチンコが暴走しちゃって、何股もかけたりしちゃう。さっきも言った童貞的なメンタリティがあると、急にアイドルになってちやほやされて、チンコが暴走して破滅する。

ゴン・チョク:でも僕はダメとも言ってないんですよ。うちのメンバーに対しても、自分でやれるって思うなら女の子とやれるならやっていい! って。接触で「僕そういうの(過剰接触)できないっす」って言う子はやらないって決めていて、やれる子はやれますって言ってやってもいいみたいな。で、さっき話したほぼ60分ほぼ性行為をね、横で見てて思った疑問が、僕の純粋な疑問が勃起しないの? っていう。

めりぴょん:それこそが童貞のステージから抜けるということ。勃起をしないということ。

一同:(爆笑)

めりぴょん(左)とゴン・チョク(右)

ゴン・チョク:勃起をコントロールできるかどうかが一つ上の男になれるかどうか(笑)。

めりぴょん:そこで勃起する奴は、それこそ IDOL is DEADなワケですよ。

ゴン・チョク:じゃあこれからオーディションなんかで勃起するかしないかの審査もしないとですね(笑)。

めりぴょん:本当に冗談抜きでその要素って大事だと思うなあ。

──話を聞いていたら、いくら良い曲作りましたって言っても届くわけないですよね……。

ゴン・チョク:ですよね……。


さて、皆様にいろいろご意見頂いております対談シリーズ第2弾、如何でしたでしょうか??まさか似て非なる川があったなんて盲点でした。
この半年くらいとてもいい経験をさせて頂きました。まだまだこの世の中には知らない事がいっぱいあるのでしょう。
これからもChallengeとCrashを続けていきたいと思います。

第3弾に続く。。

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※「【連載】ゴン・チョクの「髪の毛より大切なものを探しに」」は毎週金曜日更新予定。

ゴン・チョク


満31歳のおじさん。関西にてプラニメの現場マネージャー、イベント制作などを経て、何でも屋として上京。タレントの送迎、チェキ撮影、音響、ステンレスの溶接などを経験し、このたび株式会社リーディよりメンズ・アイドルをデビューさせることとなった。気になるグループ名は「others」。音無奏翔、山下修、立花類、夢野続輝の4人で構成されており、ゴンチョクを含め全員がメンズ・アイドル未経験者。0からアイドルを学び、ダンス、歌、特典会などを経験する中で成長していくことが期待される。

・ゴン・チョク Twitter
https://twitter.com/yajinokano73
・ROYAL小生 official site
https://others-idol-official.amebaownd.com/
・ROYAL小生 official Twitter
https://twitter.com/others_staff

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めりぴょん
某哲学塾在学中。ライター、ブロガー。山野萌絵としても活動。若手俳優の元オタクであり、現在はマイナー乙女ゲームのショタの夢女子。個人企画PLUS14を立ち上げ、地獄のオタク女オールジャンルトークライブ〈外道ナイト〉の不定期開催を行っている。現在、日刊サイゾーにて記事を執筆中。

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