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【連載】ヨコザワカイト「digる男。」Vol.5「60年代K-POPから聴いてみる」

StoryWriter

お世話になっております、株式会社SWインターンのヨコザワカイトです。

皆さんは、K-POPを聴きますでしょうか。次々に、新たなアイドルグループが出てくるK-POP業界。K-POPファンの方は、ヒットチャートを追いかけ続けることに、お疲れかと思います。新しいものを追い続けるだけではなく、過去を振り返って素晴らしい音楽を再発掘することで、さらにK-POPというジャンルを味わい深いものにしていこうではありませんか。そこで、今回の「digる男。」では、高円寺のCDショップ“los apson”で見つけた、60年代K-POPを再解釈したこちらのCDをご紹介します。

BAESHI BANG『BAESHI BANG (VINTAGE K-POP REVISITED)』

BAESHI BANG『BAESHI BANG (VINTAGE K-POP REVISITED)』

久々に店頭でかけてたりオススメしたりすると売れちゃって、なかなかオンラインショップに登録できなかった隠し玉(?)アイテム、BAESHI BANG(ベシ・バン)を遂にアップ!! ベシ・バンは、エチオジャズ・バンドAKALE WUBEのリーダーでサックス奏者のエチエンヌ・ド・ラ・サイエットとその仲間たちによる、60年代韓国の人気男性歌手ベ・ホ(BAE HO/1942-1971)へのユニークなオマージュ・プロジェクト(2016年リリース)なのですが、アジアの旋律の原曲の良さを、エチオジャズを通過した風通しの良い演奏で仕上げた、2019年の耳がピンピンに反応しちゃうオモシロ内容なのではないでしょうかっ!? ちょっとしたオルタナ風味も加味した、ヨーロッパ勢のエキゾチック・アジア解釈の一つのメモリアル作だと思います!! こりゃ要チェックで、逃せませんよ!(los apson HPより)

=楽曲リスト=

1.  Taeyange Jeopyon – 태양의 저편
2. Goodbye 굿바이
3. Ilchul 일출
4. Tahyangsari 타향살이
5. Hwangpodotdae 황포돛대
6. Cheotgil 첫길
7. Imei Mogsori 임의 목소리
8. Pi naerineun pamgil 비 내리는 밤길
9. Dangshin 당신
10. Seogok 서곡

 

本作品で、取り上げられているのは「誰か泣いて 」、「戻る三角地 」、「霧の奨忠壇公園 」などがヒットした60年代韓国の人気男性歌手ベ・ホ。60年代の韓国といえば、5・16軍事クーデターが起きるなど、まだ国内が不安定な時代でした。そんな中、センチメンタルな言葉が乗せられた、trotという社交ダンス音楽のようなジャンルが、不安定な時代の中の希望のように流行。世界でも、ラウンジ・ミュージックが流行った時代とリンクするかもしれません。そんな中、“Elvis of Korean trot(韓国トロットのエルヴィス・プレスリー)”と呼ばれ、人気を博したのがベ・ホでした。そんな彼が残した音楽のスタイルや、ノスタルジックな世界観をエチオジャズを通して、再解釈したのが本作品です。

エチオジャズとは、エチオピアの伝統音楽とジャズが融合した音楽ジャンル。どこか歌謡曲のような“こぶし”が効いていて感情豊かな表現が心地良く全体をまとめ上げるといった特徴を持っています。そんなエチオジャズでベ・ホリスペクトの曲を作り出したのは、まさにアイデアの勝利と言わざるを得ません。心地よいサックスやエレクトロピアノが、エチオジャズの雰囲気を残しつつ、どこか不安定な響きがベ・ホへの再解釈として一つの作品をまとめあげています。

los apsonの店内

気になった方は、是非los apsonへ。Online storeでも買うことができます。los apsonは、高円寺にある知る人ぞ知るワールドミュージックの名店。店内には、所狭しとcd、雑貨、服、人形など、店長が世界中から集めたありとあらゆるお宝が、まるで自分の部屋かのように丁寧にかつカオスに飾られています。CDに関しては、ワールドミュージックやサイケデリックを始めとした、ここでしか手に入らないような、いや、los apsonに来たからこそ買おうという気持ちにしてくれるお宝が大量に待っています。

新たな扉を開けたくなったら、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。

ヨコザワカイト(よこざわ・かいと)
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら就職活動中、そして迷走中。ガガガSPが大好き。

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