【INTERVIEW】〈BAYCAMP 2019〉の見どころをラブホでエイティーフィールド青木Pに訊いてみた

2011年に産声をあげた“ドキドキとロックだけを発信するイベント”〈BAYCAMP〉。9年目となる今年は初の2DAYS開催。9月14日(土)、15日(日)、神奈川県川崎市東扇島東公園特設会場にて行われる。

イベントの主宰は、キュウソネコカミ、銀杏BOYZ、忘れらんねえよ、神聖かまってちゃんなど、数多くのアーティストたちのライヴ制作やイベント企画を行う株式会社エイティーフィールド。その代表が青木Pこと青木勉である。

昨年は、青木Pの引越し前の新居でインタビューを行ったこともあり、再び新居で取材を行いたいと伝えたところ、まだ引越し作業が終わっておらず、寝る場所すらないという。ということで、我々は都内でゆっくり寝れる場所でインタビューをすることにした。

インタヴュー&文:西澤裕郎
構成:横澤魁人


彼女ができたら家に呼ぼうと思っていた

──去年のインタビュー(こちらの記事)は、引っ越し中の青木さんの新居で行いました。早く荷物を運んでパーティをやりたいって言っていましたけど、そこから1年が経っても、まだ部屋が片付いていないそうで……。

青木:アーティストTシャツが、とにかくたくさんあるんですよ。ロックの歴史が詰まっているから、博物館的な感じで一応取ってあって。ゴミ袋で言うと20袋分ぐらいある。それを新居に運ぶのが本当に大変で、午前中とかにちょこちょこ車とかで運んでいたら、荷物を持っていくだけで約半年かかっちゃいました。

──コツコツ自分で荷物を運んでいたら、半年かかってしまったと。いま新居は、どんな様子なんですか?

青木:テーブル代わりにダンボールが部屋の真ん中に置いてあって。その周辺で暮らすみたいな感じ。人を招き入れるほどのスペースがまだ確保できていなくて。

──2LDKの広い家に1人なのに……。新しい生活はどうですか?

青木:引っ越してからは三軒茶屋ライフをなんとなく堪能していますよ。

──業界の人も多い街ですしね。

青木:でも、時間帯が合わないんですよ。僕は朝、家に帰ることが多いので、他の人の通勤と逆になっちゃっていて。会社で朝方まで作業をして、朝ドラを観たいから帰って、また会社に戻るという。うちの会社は11時出社なので、家には2時間ぐらいしかいないですね。仮死状態でうずくまったりはしますけど、掛け布団がないから寝られないんですよ。

──引っ越す必要あったんですか…(笑)?

青木:引っ越す必要はあったんですよ! 気持ちを新たにして、彼女ができたら家に呼ぼうと思っていたので。まだ青春していますから。

──本来は女性を家に招き入れたいということで引っ越したんですもんね。

青木:そうなんですよ。まだ誰も来たことがないんですけど(笑)。

──気になっている人はいないんですか?

青木:いないんですよね。ときめく出会いっていうのがないんですよね。仮に、いたとしても、素人じゃなかったり(笑)、あとは若いとかね。

──たしかに歳が離れすぎている可能性はありますよね。

青木:そうそう。この業界は、若い人が多いですからね。最近、自分が関わっているアーティストも、20代前半とかが多いから。そうすると、俺は親世代なんですよ。

「好きになる人を見つけよう」って短冊に書いて

──ちなみに、どんな人が理想の相手なんですか?

青木:なんでも相談できて、信頼できる人。それで合っているか、間違っているかを指し示してくれる人がいいですね。人間として尊敬できる人が好きなんですよ。でも俺より精神年齢が上ということだと、お互いキャリアがいきすぎているかなと。

──青木さんが追い求めているのは青春ですからね。

青木:ドキドキがないと根本が崩れちゃうので。それはずっと変わらないと思うんですよ。

──そういう若い気持ちがあるからこそ、青木さんが担当しているアーティストたちは信頼を寄せている部分もあるんじゃないですか。

青木:若い人たちが新しい音楽を生んだときに、ときめくことが多いと思うんですよ。俺が関わっているアーティストはキテレツな人が半分以上占めていると思うんですけど、彼らを追っていると、本当の自分の生活とかを一瞬忘れちゃうんですよね。気づくと何もしないまま数ヶ月が過ぎていた10年だったんじゃないかな。そう思うとおそろしいですよ。

──10年間、好きな人もできず。

青木:毎年七夕の願いは「幸せになる」なんですけど、今回はそれ以前だなと思って、「好きになる人を見つけよう」って短冊に書いて。

──青木さん今いくつですか?

青木:53です(笑)。

──もはや付き合ってから、相手の好きなところを探していくという方向にシフトした方がいいんじゃないですか?

青木:まずは僕を好きな人を探した方がいいということか。自分が好きじゃなくても、来る者拒まずという精神で。

──青木さんは、恋をしたいだけなんじゃないんですか?

青木:みんなそうじゃない? 買い物に行ったり、映画に行ったり、おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒にお出かけをするとか。買い物に付き合うとかもしたい。待たされるのも嫌いじゃないし、選ぶのも好き。コーディネートとかしたい(笑)。

──青木さんのことを好きな女子はいっぱいいるじゃないですか? ライブ会場とかでもキャッキャ言われているの、見たことありますよ。

青木:たぶんそれはキャラクターとしてで、本気で考えている人は誰もいないですよ。

──去年、前澤社長を見て仕事を頑張れば彼女ができるかもしれないと、仕事へのモチベーションが上がってましたもんね。

青木:そういうのもあってギラギラしていたんですよ、あの瞬間は(笑)。

初めて出る人たちがそこで何を残すかが楽しみ

──2019年は東京初期衝動との出会いも大きかったんじゃないですか? かなり力を入れてプッシュしていますよね。

青木:東京初期衝動は、最初から関わっていたわけではなくて、ある程度バンドが出来上がっているときに声をかけたら、「スタッフは誰もいません」って言っていて。一見、運営じゃないけどプロデューサーがいそうじゃないですか。ギャルだし、一見ゆるい感じもしますけど、実は根性がなかなかある。自分らで本当にやっていて、音楽も自分らで作っている。こういうバンドを自分がやれば本物になるんだろうなと思って。他の人がやるぐらいだったら、俺が関わった方がいいんじゃないかなと。

 

──夢中になれるミュージシャンに出会えるというのは、本望ですよね。

青木:今年は東京初期衝動がいてよかったです。少しずつコミュニケーションが取れるようになっていったのがおもしろかった。ヴォーカルのしーなちゃんは人を信用しなさそうじゃないですか? 最初はそこが難しいなと思いましたけど、気づけば顎で使われる存在に代わり(笑)、相談役みたいなことを僕が始めて。リリースがしたいとか、ライヴをどうしたらいいかみたいなところを相談される、わりと濃いスタッフとして関わるようになった。今年の前半からそうやって駆け抜けてきたので、それのせいだな(笑)。女の子たちの面倒を見ている側になっちゃったから、プライベートで女の子とデートをするという発想にならなかったですね。

──そんな東京初期衝動、今年の〈BAYCAMP〉に出演します。Twitter上では賛否両論起こりましたね。

青木:好き嫌い論がめちゃめちゃありました。すごいよね。出会った時は、ライヴも5回ぐらいしかやっていなかったけど、そこからたかだか半年ぐらいで、ここまで話題になって。Twitterもおもしろいし、結果、〈BAYCAMP〉に出ることになるんですけど、これは自然な流れで。逆に、他のイベントには出ていないんですよ。だけど、今に至るまで、初期衝動の道を僕が思ってた以上に進めたので、これは当然出すべきアーティストだろうと。最終で発表したぐらいいろいろ悩んで、最後の枠で出すことに決めました。ただ僕は、こういうのは1回しかチャンスがないと思っていて。

──今年の〈BAYCAMP〉次第で、来年以降どうするかは大きく変わってくる、と。

青木:はい。〈BAYCAMP〉のお客さんって、音楽好きの人が多いから評価をちゃんとしてくれる人たちというか、いいパフォーマンスをしたら、ちゃんと応えてくれるお客さんが来ているはずなんです。東京初期衝動もそうですけど、初めて出る人たちがそこで何を残すかが楽しみではあります。

気持ちよく音楽が聴ける環境を作ることが僕らの仕事

──今年は2DAYSありますが、どういうところが注目ポイントでしょう?

青木:SHISHAMOに初日のヘッドライナーをやってもらうんですけど、彼女たちは昨年地元・川崎の等々力陸上競技場でのワンマンライヴが、当日台風で中止になってしまって。本当に悲しかったんですよね。川崎の地元で、野外でイベントをやるって場所がなかなかないから今回はどうしてもヘッドライナーで出てほしかった。ずっと出てもらっているので、そういう意味で、今年最大の山場になるのかなと思います。

 

──2日目はいかがでしょう。

青木: 2日目は(石野)卓球さんがヘッドライナーなんですけど、いろいろな人の協力で出演していただけることになりました。2組のヘッドライナーが決まったことで、2日間の中身の違いが見えたなと。ヘッドライナーが決まると急に締まるんですよね。2日やってみた結果、やっぱり1日で頑張ろうよという感じになるかもしれませんし。とにかく2日間全力でやってみようというのが、今年の〈BAYCAMP〉ですね。

──今年は2日間へのこだわりが強いんですね。

青木:〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉をリスペクトしてやっているのが根底にあるんですよ。ライジングは何年も、2日間をいい形でずっとやっている。それに比べるとしょぼいですけど、それに近いものを今回初めてやれる。でも、2日間やるって発表したときは賛否の否しかなかったですね。その気持ちも分かりますけど、2日間やる理由もいろいろあって。ぶっちゃけた話、2日やらないと赤字になっちゃうので。そういう理由も大きいですね。ここ数年は1日でやっていますけど、それだと確実に赤字なんです。人はいっぱい入っているんですけど、絶対に赤字になるという数式がわかったので、これ以上開催し続けるには、自分らで利益を生むしかないというところで、今回は2デイズをやってみようと。

──お金の面で余裕がないと、来年にも繋がっていかないですもんね。

青木:来年がいよいよ10回目の開催になるんです。〈BAYCAMP〉を始めたとき、10回はやりたいと思ったんですけど、もう9回目に来たんだなと思って。来年がゴールではないけど、今回何事もなかったら10回目を迎えられるという話で。毎回そうなんですよ。1回、1回、来年の開催が保証されているイベントではないので。

──今までも、いろいろな問題がありましたもんね。

青木:一昨年で言ったら騒音問題とか、その前だったらトイレが足りない問題とか、毎回何かしらの問題がある。シャトルバスが足りない問題とか。1個1個いろいろなものをクリアしながら、なんとか続けていっている。一昨年の騒音問題があって、去年は音量的にはシビアにやらさせていただいて。体感的なところで言うと、ロックなのにちょっと音が小さいなと思った人は少なくないと思うんですよ。出る側も、観る側も。そこをクリアしつつ、今年は体感的にも満足できるイベントにしたい。そこが1番ですかね。イベントとして気持ちよく音楽が聴ける環境を作ることが僕らの仕事なので。

打ち上げを家でやるぐらいのパワー

──今日の取材は、青木さんの部屋が片付いていないからラブホテルに来ていますけど、このままゆっくりベッド入って寝てほしいと思いつつ、寝る暇もなさそうですね。

青木:そうそう。僕の寝る場所が家にないからということで、インタビューはラブホテルでやらさせていただいているんですけどね。ラブホテルなんて何年ぶりだろうなあ。

──最初、部屋を選ぶボタンを押すとき、お金を入れる場所探していましたよね? 自動販売機的なシステムじゃないですから(笑)。

青木:恥ずかしい(笑)。ラブホテルは15年、いや20年ぶりぐらいですね。

──来年の〈BAYCAMP〉10周年に向けて、いい彼女が見つかるといいですね。

青木:そうなんですよ。ちなみにATフィールドも20周年なんですよ。

──ATフィールド20周年、〈BAYCAMP〉10周年の年に彼女ができたり、結婚もできれば、これまで上手くいかなかったと思っていたことも報われるかもしれないですね。

青木:来年は嫁と来たいね。別に出会って3ヶ月でもいいわけじゃないですか。常にチャンスはあると思うので。クリスマスもあるし。頑張ります!

──毎年インタビューしていますけど、3年ぐらい同じこと言っていますよ(笑)。とにかく、まずは引越し先の部屋の片付けからな気がしますよ。

青木:〈BAYCAMP〉が終わったあと、一瞬、間があくので。本当は旅行に行きたいけど、その期間に部屋を片付けます。それで、今度こそパーティーを開く。もう秋だから、秋パーティーだ! 〈BAYCAMP〉の打ち上げを家でやるぐらいのパワーでやろうと思います。


■イベント概要

〈BAYCAMP 2019〉

DAY1
2019年9月14日(土)
OPEN 11:00/START 12:30/CLOSE 21:00(予定)

DAY2
2019年9月15日(日)
OPEN 12:00/START 13:30/CLOSE 5:00(予定)オールナイト開催
雨天決行

会場:神奈川・川崎市東扇島東公園 特設会場

チケット:
2019年9月14日入場券 前売 8,000円(税込)ドリンク代別
2019年9月15日入場券 前売 9,500円(税込)ドリンク代別
2日通し入場券 前売 16,000円(税込)ドリンク代別
駐車券 後日解禁
テントサイト券 後日発表

タイムテーブル:

DAY1

DAY2

主催:BAYCAMP実行委員会
企画・制作:ATFIELD.inc./CITTA’WORKS

注意事項 :
※会場までの無料シャトルバス利用可
※2019年9月14日保護者1名につき小学生1名入場無料 ※2019年9月15日はオールナイト公演の為18歳未満入場不可
※2019年9月15日は入場券とリストバンド交換時にIDチェックを行います。必ず顔写真付き公的身分証をご持参下さい。

BAYCAMP HP :
http://baycamp.net/2019/

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