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【連載】ヨコザワカイト「digる男。」Vol.26「このアルバムのこの1音目が好きだ」

StoryWriter

お世話になっております、株式会社SWインターンのヨコザワカイトです。

CD屋さんの試聴機って、不思議とワクワクしますよね。ヘッドホンをかける時、横の人の視線とかをチラッと気にしながら。再生ボタンを押してから1~2秒の空白があって、予想もしない音が耳に流れ込んでくる。だから音量はちょっと驚くくらい大きい方がちょうど良いんです。何にせよアルバムの1曲目の1音目というのは、とても大事な音だと僕は思います。

今回は、タワレコの試聴機で1音目がなった瞬間に購入を決めた、あるバンドをご紹介します。

メレ『愛能う限り』、『才能能う限り』

 

東京を拠点に活動している二人組バンド“メレ”。会場限定版2作を経て、今冬バンド初となる全国流通盤を発売中。

中村伊織(Gt/Vo)
1999年7月14日 誕生
メレの作詞作曲を担当。奥田民生さんと共演するまで死ねない

白石はるか(Ba/Cho)
1998年4月28日 誕生
石崎ひゅーいさんの後ろでベースを弾くまで死ねない

公式HPより)

 

『愛能う限り』の1曲目「音が出せない部屋」。この1音目が良いんです。空気を多分に含んだギターの音が切り裂くと、そこから始まっていく歌詞の世界。鬱々とした感情から解放されたような自由さと、それでいて死を覚悟しているような危うさのバランス。〈このまま轢かれてもまあいっか〉という歌詞を聴きながら、かつて漫画「ソラニン」でそんなシーンがあったなぁなどと思い出しました。MV、サブスク共に未だ出ていないので、その衝撃は是非CDで。

 

アルバムを通して、シューゲイザーのように浮遊感のあるギターから生まれる音の洪水がサビで展開され、聴いていて変な幼さや逆に尖った難しさのないちょうど良いリアルさが、耳に残るメロディに乗っています。曲調はボーカルの声質もあって明るく感じますが、よくよく歌詞を聴いてみると怖いことを言ってるし、日常を歌う歌ばかりかと思えば「空へおいでよ」など誰目線なのかよく分からない曲まで揃えています。結構恐ろしいバンドだと思うんですが、皆さんはどうでしょう。

現在、サブスクは1曲だけの公開、MV5本と公開情報が少ないので、まずはタワレコで2枚を手にとってみてはいかがでしょうか。さらに、“能う限り”シリーズとして第3弾『夢能う限り』が2020年1月22日(水)に発売されるとのことです。

メレ オフィシャルHP:https://mele-official.jimdofree.com/

Twitter:https://twitter.com/mele___official

タワーレコード:https://tower.jp/artist/2783102/%E3%83%A1%E3%83%AC

※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。

ヨコザワカイト(よこざわ・かいと)
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら就職活動中、そして迷走中。ガガガSPが大好き。

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