2019年5月に解散した第2期BiSのメンバーであるパン・ルナリーフィとYUiNA EMPiRE、WACKが運営する育成ユニットWAggを卒業したウルウ・ル、オーディションに合格したユメカ・ナウカナ? の4名で構成されたアイドルユニット、CARRY LOOSE。松隈ケンタ率いる音楽クリエイターチーム・SCRAMBLES所属のT.S.Iサウンドによるプロデュースの元、CARRY LOOSEメンバー自ら作詞した楽曲を含む全13曲収録のセルフタイトルアルバムで10月22日にデビューを果たした。
11月2日、3日には、第3期BiSとのグループ対抗200km駅伝〈BiS vs CARRY LOOSE対抗駅伝〉を行い、11月4日には初ワンマン・ライヴ〈ゆるくはこんでください〉を渋谷GARRET udagawaで開催。歩みを始めたばかりの彼女たちのソロ・インタビュー連載がスタート。第3回は、研修生グループWAggから、CARRY LOOSEの初期メンバーへの昇格したウルウ・ルへのロング・インタビューをお届けする。
取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希
衝撃の映像みたいな感じでめっちゃ驚いた
──WAggから新グループに昇格することを訊いたとき、純粋にどんな気持ちでしたか?
ウルウ・ル:今年6月くらいに、話があると呼ばれたんです。渡辺(淳之介/WACK代表)さんや古木(智志/T-Palette Records)さんをはじめ、大人の方がずらっといらっしゃって。何が起きているのかよくわからなかったんですけど、徐々に実感が出てきて素直に嬉しかったです。
──3月には、長崎県壱岐の島で行われたWACK合宿オーディションに参加しました。常にニコ生で放送されていたり脱落者が出る厳しい環境に身をおいてみていかがでしたか?
ウルウ・ル:毎日早朝マラソンがあったり、WAggメンバーが脱落しちゃったり、スタッフが一緒に働きたくない票を入れる制度があったり…… 壮絶というか、感情がぐちゃぐちゃになりました。
──今振り返ってみて、WAgg時代はどんな日々だったと思います?
ウルウ・ル:毎日4時間以上メンバーと一緒にいたり、いろいろなことがあって、本当にたくさんのことを学びました。最初、私は自信がなかったんです。練習が立て込んでいたり、メンバー全員で集まれる時間が少なくて、ライヴ前に不安になって泣いちゃったときがあったんですけど、そのとき愛ちゃんが「大丈夫だから」ってめっちゃ励ましてくれて、一緒に踊りの確認をしてくれたんです。本当に助け合いが大事なんだなって学びました。
──WAggの活動を通して、どんな部分で成長したと思いますか?
ウルウ・ル:WAggに入ったときは礼儀とかよく分かっていなくて。ある日、私たちがいない間に、(セントチヒロ・)チッチさんが「感謝を忘れずに」って言葉をホワイトボードに書いてくださったんです。本当にそうだなと思ったし、感謝を感じてやるということが大事だとすごく学びました。今考えたら、WAggでの活動期間は、ずっと何かを学び続けていて、少しずつ変わっていた感じがします。ヴォイトレとかもして、常にいつ昇格しても戦力になれるように準備をしていた日々でした。
──第2期BiSのメンバーだったパン・ルナリーフィさんとYUiNA EMPiREさんと同じグループで活動することに関しては、最初どんな思いでしたか?
ウルウ・ル:今までずっと見てきた格好いい先輩たちだったので嬉しかったです。女川町の〈ONAGAWACKのフェス。〉で、WACKメンバーとかくれんぼをやったとき、パンちゃんと一緒のグループになったんです。最初は口数が少なくてちょっと怖かったんですけど、一緒のグループになって、パンちゃんは最初人見知りするタイプだったんだと知って。打ち解けてからはすごく優しかったし、しっかりしていたり、冷静な部分もあるんだなってことも少しずつ知っていきました。
──4人で初めて顔合わせしたときは、どんな雰囲気だったんでしょう?
ウルウ・ル:最初、私とYUiNAちゃんとユメカちゃんが着いてて。ユメカちゃんがすごく明るいなと思っていたら、パンちゃんが泣きながら来たんですよ。そのときは知らなかったんですけど、パンちゃんはたまにメンタルブレイクする時期があって。そのとき、YUiNAちゃんが当たり前のことのように慰めていて、私とユメカちゃんは衝撃の映像みたいな感じでめっちゃ驚いて。おかしな空間でしたね。泣いている人もいれば、さっきまですごくうるさかった人もいて、当たり前のように慰めている人もいる。何を見ているのか分からなくなりました(笑)。
──WAgg時代は、WACKの先輩グループの楽曲を歌って踊っていました。新グループに昇格したことで、作詞をしたり、ダンスを考えたり、自分たち自身のオリジナル曲があるというのは喜びもひとしおなんじゃないですか。
ウルウ・ル:作詞ができたことが、すごく嬉しかったです。オーディションで作詞がしたいということを言っていたので。でも、作詞をしている期間は、本当に迷って、頭おかしくなるような日々だったんですよ。難しい言葉を使わないといけないのかなと思って、いろいろな曲を聴いたんですけど、よく分からなくて。仮歌を録るのにすごく時間がかかっちゃって、何回も録り直しているうちに、歌詞を考える時間がどんどん削られていって。結局、いっぱい考えた歌詞はあまり採用されなくて、出てきた言葉をそのまま当てはめた曲が最終的に採用されました。
──それはどんな内容の歌詞だったんでしょう?
ウルウ・ル:日頃の不満みたいな感じといいますか。自分のことを書いたり話すことが得意じゃないので、人のための歌詞みたいな方が得意なのかもしれないなと思いました。
──その時期、不満があった(笑)?
ウルウ・ル:性根が曲がっているんですよ。WAggに入る前まで、友達や美容院の人からも「本当に毒舌だね」って言われていて。そういう人間として生きていたんですけど、WAggで活動を始めてからは、そういうのはあまりよくないなと思うようになりました。
本当に三途の川が見えた
──BiSとの200km対抗駅伝の開催を聞いたときは、どんな気持ちでしたか?
ウルウ・ル:頭が真っ白になったというか、絶望というか……。私は運動神経が悪くて、合宿前は500mくらいしか走れなかったんです。合宿前の練習も本当に大変だったから、本当にやばいと思って。練習をとにかくたくさんしようと思ったとき、お父さんから「お前は筋肉がつきにくいからプロテインを飲め」って言われて。走った後にプロテインを飲んでいたら、めっちゃ太りました(笑)。
──筋肉じゃないんですか?
ウルウ・ル:どうなんですかね。でも、足が太くなっちゃって。
──(笑)。それくらい長距離を走れるかという不安があったと。
ウルウ・ル:最初は不安だったんですけど、練習をしていたら走れるようにはなって。マラソンってメンタル面もめっちゃ重要じゃないですか。この距離を練習で走れたという事実がないと、私は絶対走れないと思っていたんですよ。本当にメンタルが弱すぎて、すっごい心配性なんですよね。メンタルがすごく関わってくるので、練習で走れたからという自信をつけてから本番に臨みました。
──200km駅伝のウルウ・ルさん、めちゃめちゃ速かったですよね。
ウルウ・ル:いや! そんなことないんですよ。最後は本当にプレッシャーがやばくて。私のせいで負けたらどうしよう、僅差じゃダメだからちゃんと勝たないとと思ったり、背後が恐ろしかったですね。走っているとき、私はすごく息が切れても表情が変わらないんですよ。だから、映像とか写真を見たら、全然余裕そうな顔をしているように見えるんですけど、本当は息が切れまくって死ぬかなとか思いながら走っていました。
──確かに表情を見るだけだと、ケロっと走っているのかと思っていました。
ウルウ・ル:いやいや、もう心臓が出そうでしたよ。マインド・コントロールみたいに、「自分はできる人だ!」って頭の中で何回も言いまくっていて。
──メンバーやスタッフさんとも並走しましたが、特に印象的だった区間はある?
ウルウ・ル:1日目の夜にユメカちゃんと走ったとき、道に迷っちゃって。暗いし、坂道で2回転んじゃって。1回頭をゴーンって地面に打っちゃったとき、本当に三途の川が見えて。日常で転んだくらいじゃ何も思わないんですけど、そのときは暗いし、道は草と根っこばかりだったので朦朧としていて、頭がもう大混乱でした。
──他の区間はどうでしたか?
ウルウ・ル:古木さんと走った区間があるんですけど、私が無理やり早く走らせてしまったので、古木さんの今後に関わったらどうしようと思って(笑)。こんなに古木さんが頑張ってくれている熱をニコ生を観ている人たちにどうやったら伝えられるんだろうと思って、その頑張りを映して状況を伝えられるように頑張りました。
──他は誰と走ったんでしたっけ?
ウルウ・ル:他もユメカちゃんです。ユメカちゃんはすごく明るい子で元気なんですけど、意外と静かなときもあるんですよ。1日目の夜、本当にやばくなっちゃっていて、見たことのない顔をしていましたね。青ざめて顔色も悪くて。
──ウルウ・ルさんも、ユメカもそうですけど、表情から内面を読み取りづらいメンバーが多いような印象がありますね。
ウルウ・ル:そうなんですよ。私とユメカちゃんはめっちゃ似ているんですよ。思っていることも、話し合うと全部一緒だったりすることが多い。
──200km走ったことによって、メンバー間の距離は縮まった感触がありますか?
ウルウ・ル:それはあります。1つのことに向かって一緒に頑張ったことで愛情が芽生えました。あと、マラソン前日に、WAggメンバー全員が「頑張れー!」って話している動画を送ってくれて。しかも、みんなLINEもくれて。1個の走りが終わる度にLINEをくれるんですよ。本当に優しい人たちだと思ったし、本当に心強かったです。
──ちなみに、活動が始まった時期も近かったり、200km駅伝もしている、第3期BiSに対してライバル心はありますか?
ウルウ・ル:曲も方向性も全然違うから、ライバル心かあ…… うーん。どちらも違うものだって証明していきたいと思います。
ねじ曲がったタイプで
──11月4日開催の初ワンマン・ライヴ〈ゆるくはこんでください〉において、「WAggの時のように喧嘩をしても言い合ったりしても、そうして仲間っていうのはなっていくものだと思うので、3人と日々そうやって切磋琢磨して強い仲間になっていきます」とMCをしていました。どのような想いで話した言葉なんでしょう。
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ウルウ・ル:昨日も話し合いをしたんですけど、パンちゃんとYUiNAちゃんはすごく優しくて、あまり怒っているところとか見ないので、本当に思っていることを私とユメカちゃんに伝えられているのかなと思って。話し合いの前日、ユメカちゃんとも長いことそれについて話し合っていて。思っていて言わないのもダメだし、話し合って伝えてみようと思って言ったら、2人もすごくいっぱい喋ってくれて。私も本音を話したので、気に障ることも言ってしまったかもしれないんですけど、それもめっちゃ真面目に聞いてくれて。昨日の話し合いみたいなことを繰り返していきたい。そんな想いでMCを言いました。
──昨日の話し合いで、ウルウ・ルさんは、どんなことを伝えたんですか?
ウルウ・ル:2人がどう思っているのか知りたいってことや、喧嘩してもいいから言い合いたいってことを伝えました。私は憧れているグループがいるんですけど、その人たちは完璧な振りでも直前まで練習するし、礼儀もすごくちゃんとしていて。私もそうなれたらいいなと思って、そういう自分の理想の話もしました。この前、スタッフさんも含めて話し合いをしたとき、パンちゃんが「こういうものに憧れている」みたいな具体的な話をしていて、あーそうなんだと思ったことがあったので、自分もそれを伝えることで他のメンバーにも伝わるんじゃないかと思って話しました。
──ウルウ・ルさんは、どんな人になりたいと思いますか?
ウルウ・ル:WAgg初期の頃、頼りない人というイメージがついていたと思うんですよ。でもマラソンをして、格好いいねって言われることがあって。なんて言うんだろうな。格好よくて、立派な人になりたいです。
──ウルウ・ルさん作詞曲は「やさしい世界」ですけど、やさしいって言葉は活動していく上でキーワードになっていると思いますか?
ウルウ・ル:私は性格が子どもっぽいので、WAggに入る前までは、やさしくしてくれる人にはやさしくしたいという、ねじ曲がったタイプで。でも、自分がこうされたいって不満に思うなら、先にそうしないといけないんだなと考えるようになりました。
──これからCARRY LOOSEをどんなグループにしていきたいと思いますか?
ウルウ・ル:格好よくなりたいというのはメンバー共通の目標です。最近、振り付けを変えることになったんです。全部の曲を同じテンションでやっていたら絶対ダメだなと思って。メンバーごとにいろいろなストーリーがある分、1曲1曲バシバシ切り替えていかないといけないと思って。それができたら、CARRY LOOSEはめっちゃおもしろいグループになると思う。いろいろな表現が格好よくできるグループになりたいです。
CARRY LOOSE PROFILE
2019年結成。パン・ルナリーフィ、YUiNA EMPiRE、ウルウ・ル、ユメカ・ナウカナ? の4人からなるアイドルグループ。 2019年10月22日にアルバム『CARRY LOOSE』でデビュー。
■ツアー情報
〈ルーズに場所はずしてみましたツアー〉
2019年12月1日(日)@京都VOX hall ※SOLD OUT
OPEN/START 16:00 / 17:00
[問] 京都VOX hall 075-255-1596
2019年12月15日(日)@長崎DRUM Be-7
OPEN/START 13:00 / 14:00
[問] 長崎DRUM Be-7 095-827-7020
2019年12月22日(日)@岩手Club Change ※SOLD OUT
OPEN/START 13:00 / 14:00
[問] 岩手Club Change 019-652-7182
2020年1月5日(日)@静岡・浜松Force ※SOLD OUT
OPEN/START 16:00 / 17:00
[問] 浜松Force 053-415-9988
2020年1月25日(土)@埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 ※SOLD OUT
OPEN/START 17:00 / 18:00
[問] HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 048-858-7251
※ダイブ・リフト・サーフ禁止
■チケット料金/(税込)
通常チケット スタンディング 3,800円(税込)※別途ドリンク代