あけましておめでとうございます。株式会社SWインターンのヨコザワカイトです。2020年もよろしくお願い申し上げます。
さて、年始の恒例行事といえば“福袋”ですよね。皆さん今年は、何の福袋を買いましたか?
Digる男の僕は、ブレイクコアの国内レーベル「MURDER CHANNEL」が運営するMxCx Online Storeで「ブレイクコア福袋」を購入しましたので、その豪華な中身をご紹介いたします。ブレイクコアを知らないという方にも、その第1歩となれるように中身を1枚1枚紹介していますので、是非読んでいってください!
MxCx Online Store福袋(6CD+4レコード+1Tシャツ)
今年のMxCx Online Store福袋はCD+レコード+Tシャツの超超超豪華セット!
Murder ChannelのCD+海外レーベルのCDを6枚と、MP3/WAVが入手出来るダウンロード・コード付きのレコードを4枚、そしてTシャツを1着封入! さらに、非売品グッズも封入! ブレイクコア~ジャングル~ベースミュージックなどをバランスよく纏めました! (MxCx Online Store 商品ページより)
ブレイクコアとは
まず、ブレイクコアとはなんぞや。ニコニコ大百科曰く、「ブレイクビーツを主体に、サンプリングした音声素材を細かく切断、並び替えなどをし、構成した音楽を指す。」とのことです。何でも詰め込んで進化する定義が難しいジャンルでもあります。
僕は日本のハードコアテクノやJ-COREの重要人物DJ TECHNORCHを高校生の頃に聴いて衝撃を受け、そこから知識を広げていき知りました。ハードコアテクノやガバをさらに過激にしたものという印象を持っていますが、歴史的には正しい認識ではないかもです。アンビエントで実験要素が強いものから、ものすごく頭の悪いものまで扱う幅広いジャンルとなっています。
頭の悪いブレイクコアの例
そんなブレイクコアの国内主要レーベルの1つ「MURDER CHANNEL」を主宰する梅ヶ谷雄太さんの書いたブレイクコア・ガイドブックも出ているので、今度是非読んでみたいです。それでは前置きはこの辺にして、早速福袋を開封していきたいと思います!
T-SHIRTS
フランス出身のブレイクコア・アーティストStazma The JunglechristのTシャツが入っていました。『Itch Ep』のグッズらしいです。Itchの意味は痒みとのことで、書いてある感じは掻痒(そうよう)。(写真はbandcampより)
CD 7枚
1. 『DJ TECHNORCH vs FutonDisco -split mix CD-』
2013年発売。1枚目から僕の大好きなDJ TECHNORCHの名前が! 名前の通り2人の30分ほどのmix『EXTREME BLACK SET』、『BADEND HAPPY SET』が収録されています。ブレイクコアのmix cdということで、DJ TECHNORCHはオリジナル楽曲で魅せる不協和音は抑えカッコ良くまとめ上げています。いきなり、素晴らしい1枚でした。
2. HIMURO YOSHITERU『WHERE DOES SOUND COME FROM?』
2010年発売。様々なジャンルが溢れ出てくるようなカロリー過多な要素が、ブレイクビーツの上でアグレッシヴに展開していく1枚。聴いていて様々な発見に満ちていました。どこかメルヘンなジャケットも中身を聴けばなるほどと納得させられます。
3. The Travel『Nyctophobia』
2015年発売。オランダ・ジャングル・ミュージックを牽引してきたラッパー/トラックメイカー/フィルムメイカーであるMike Redman(DEFORMER)の「The Travel」名義でのアルバムです。1本のゴシック・ホラーを追体験するような物語構成になっており、そこにブレイクビーツが下品になりすぎない程度にアクセントとして使われています。インスパイアドにギタリストVernon Reidの名前が挙げられていたりとゴシックアンビエントに寄りすぎない雑多性を楽しめました。
4. Bong-Ra『EXPERIMENTS IN NIHILISM』
2015年発売。25年以上の音楽キャリアを持つブレイクコアの重鎮Bong-Raが、アグレッシブな楽曲のみを集めたコンピレーションCDです。1曲目の「Reef Teef」からロッテルダムさをさらにぶち壊していくスタイルが全開。寝れなくなるほど脳汁ドバドバ。
5. FFF『20.000 hardcore members can’t be wrong』
2011年発売。Murder Channelを代表するラガコア/ジャングル・アーティストFFFのオリジナルアルバムとリミックスアルバムの豪華2枚組です。ラガ=レゲエとブレイクコアを融合させたのがラガコア。個人的には、ブレイクコアが首を振る感覚で、ラガコアは腰も降って音楽に乗る感覚。本作もアーメンブレイク(The Winstonsの「Amen, Brother」という曲の間奏から取られた最も有名なブレイクビーツ)が常に流れるオールドスタイルな良曲が集結しています。
6. GHz『JUNGLISM』
国内外を問わず「極端な音楽しか扱わないCDショップ」をコンセプトとしてスタートした「GHz music store」(2018年10月よりMHzSHOPと合流)のジャングル・コンピレーション。ジャングルとは、先ほどのラガコアの祖先にあたるジャンル。H Jungle with t(小室哲哉と浜田雅功)の「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」が有名ですね。先ほど名前が出てきたStazma The Junglechrist やFFFも収録されています。
7. V.A. 『OWR001-005』
2014年発売。Omega Warfare Recordsのサディスティックな吐き気のするようなノイズとブレイクコアの融合。恐怖の波が全身を襲うような残虐なメタル〜スピードコアのような楽曲群。精神が不安定な時は聴かないほうが良いです。それほど危険な音楽だと思います。
レコード4枚
1. Mü & Mike Redman『Mental Morphosis』
2018年発売。先程のThe TravelことMike RedmanとJulien ChastagnolのプロジェクトMü 共作のEP。タコの足が生えた女の子のジャケットを見てValentino Khan『Deep Down Low』を思い出しましたが、こちらはその気持ち悪さを踏まえつつMike Redmanのラップが素直にカッコ良いです。
2. DEFORMER『THE LIVING DEAD DEFORMED』
2018年発売。またもやMike RedmanことDEFORMERの12inchシングル。『エルム街の悪夢』や『死霊のはらわた』など数々のホラー映画のアートワークを手掛けてきたGraham Humphreysがジャケットデザインを担当しています。内容も映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の世界観をサンプリングした力作。続けて聴くことで名義ごとに作風をガラッと変えるMike Redmanの凄さを実感しました。
3. DEAD FADER『Sun Copter』
2015年発売。UKの若手アーティストDEAD FADERの12inchシングル。カテゴライズが難しい彼の音楽ですが、本作もビートを排除したドラッギーなエクスペリメンタル。ジャケットのような無機と有機の間のようなフラクタルさが頭を駆け巡ります。カロリー高めですがリピートしてしまうような癖になる曲です。
4. Shitwife『BIG LAD』
ブレイクコア/スピードコア・アーティストLadyscraperと、ノイズロック・バンドShield Your EyesのドラマーHenri Grimesの2人による人力ブレイクコア/エレクトロニック・デュオShitwifeのデビューLPです。ギターリフもありバンドサウンドの勢いも感じる今作。最後に良作に巡り合ってしまいました。300枚生産限定のLPは180グラムヘビーウェイト&カラーヴァイナル仕様!
https://youtu.be/Mp-gPlGr4tE
盛り沢山の内容でお腹が一杯です。福袋は限定6セットのみの生産で、現在(2020年1月6日11時)残りの在庫があるようなので、気になった方は是非チェックしてみてください!
MxCx online store:http://mxcxshop.cart.fc2.com/
※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら就職活動中、そして迷走中。ガガガSPが大好き。