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WACKに所属する10人組アイドルグループ、GANG PARADE(以下、ギャンパレ)。2020年1月29日に前山田健一と松隈ケンタが強力タッグを組んだ配信限定ダブルA面シングル『涙のステージ/FiX YOUR TEETH』をリリース、4月からは初のホールツアー〈MY FIRST HALL TOUR〉も決定している彼女たちのソロ・インタビュー・シリーズ、第2周目がスタート。

第6回目は、ヤママチミキと同じくギャンパレの前身グループであるPOP時代から活動を続けるユメノユア。2016年7月18日に渋谷WWWで開催したワンマンライヴ〈WE ARE the IDOL〉で、グループの目標として日本武道館に立つことを宣言したユメノは、カミヤサキの脱退が決まった現在、何を想い活動しているのか。彼女の好きなロックや音楽の話とともに話を訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:宇佐美亮


1つの種を振り撒いて音楽業界に還元したい

──ギャンパレは2019年からメジャーで活動していたり、所属事務所WACKの知名度や注目度も高くなっていると思いますが、ユアさん自身、人から見られているという意識は強くなったんじゃないですか?

ユメノユア(以下、ユア): ギャンパレを知っている人はまだまだ少ないけど、お茶の間レベルでもWACKを知っている人たちが増えてきているなと感じることは多いです。街中を歩くにしても見られているかもしれないという意識を持つようになってきたと思います。

──それこそ、Twitterのつぶやきに「いいね」が千単位でつくことも珍しくなくなってきている状況は嬉しいことですよね。

ユア:嬉しいことなんですけど、他のメンバーに比べると私は自撮りをあげてもいいねの数が少なくて。一時期それを気にしてめっちゃへこんでいたんですけど、違うところで自分の良さをアピールしないとと思うようになりました。

──ユアさんとしては自分のどういうところを1番押し出していきたい?

ユア:私はライヴへの想いだったり、音楽が好きな気持ちは誰にも負けないでいたい。それは自分の強みだから自信を持って言えるようにしたいし、それに見合うように成長していかないといけないなって思います。

──ユアさんはラジオ番組でのパーソナリティ(TRill MUsic)や、Skream! でのロックに関する連載を行なっていますが、自分の好きな音楽が仕事に繋がっていることへの喜びは強くあるんじゃないですか。

ユア:それはとてもあります。私はバンドが好きで音楽を好きになって今ここにいるから、バンドの文化は枯れてほしくないなとすごく思っていて。音楽業界も変わってきていて、打ち込みで作った音とかヒップホップが流行ってきたりしているじゃないですか? 周りのバンドの友だちが苦戦している状況を見ていると、そういう音楽を広める1つの種を自分が振り撒いて、自分がもらった感動や想いを違う形で音楽業界に還元できたらいいなと思っています。

──それこそ、BiSHのセントチヒロ・チッチさんもロックが好きで、イベント〈THAT is YOUTH!!!!FES〉を主催していますよね。

>>BiSHチッチ主催イベントで突然少年と激突「純粋な気持ちでむき出しになれた気持ちがしました」

ユア:めっちゃ羨ましいなって思いますね。バンドを呼んだり実現するまで、すごく大変だろうなとは思うけれど、自分の好きな人たちを呼んでイベントをするのはすごく素敵なことだし、自分のファンの人たちが、その人たちを好きになるという連鎖が生まれる1つのきっかけになっていると思うから、いつか自分もそういうイベントをやってみたいなとは思います。

終わりって気持ちを持って活動をしないでほしい

──2019年は、ギャンパレがもがいている1年でもありました。年末にかけてメンバー全員での話し合いの場が増えたと聞きました。ユアさんは、メンバーに対してどんなことを伝えたんでしょう。

ユア:サキちゃんの脱退の話になった時、サキちゃんに対して「5月22日が最後って気持ちでいるだろうけど、グループは続いていくし、うちらはそこで終わりだと思っていないから、終わりって気持ちを持って活動をしないでほしい」ということは言いました。1人でもそういう気持ちの子がいると、グループの伸びしろも抑制されちゃうんじゃないかと思って。終わりを意識するのを0にすることは無理だと思うけど、それを乗り越える努力をしてほしいというか、ギャンパレが続くという気持ちをどうか忘れないでほしいなという意味で伝えました。

──そこまではっきりサキさんに対して、言える関係になれたんですね。

ユア:サキちゃんに対してそんなにはっきり言おうと思ったことがあまりなかったんです。それがたぶん良くなかったんだろうなって。サキちゃんの言うことは絶対みたいな雰囲気がトレードから帰ってきてからあって。それで良かった部分ももちろんあるし、助けられた部分もあったけど、メンバーが違う考え方をしていた時も絶対あったと思うんです。でも、みんなそれを100%鵜呑みにして信じちゃっていたし、それはちゃんとギャンパレのことを考えられてなかったのかなとか思います。具体的にそれがどういう事案だったかというところまで覚えてないぐらいの感覚の話ではあるんですけど。

──このタイミングで、そこまではっきり意思を表明しておかないと、その後のギャンパレが上がっていけないという危機意識があった?

ユア:直感でそう感じたんです。ちょっと前の話し合いでも「サキちゃん最後のツアー」みたいな感覚にメンバーがなっていて。それがすごく引っかかっちゃった。そういう目線で見てくれるお客さんはいっぱいいるし、いろいろな感情を抱くのは当たり前だと思うんですけど、私たちはお金を払ってもらってライヴをしているわけで、楽しみに来てもらっているわけだから、それ以上のものを見せないといけない。もちろんサキちゃん推しの人とかにとっては悲しいことだと思うし、受け止めかねる大きな問題ではあるけど、それを私たちが全面に出すのは違うんじゃないかなみたいな疑問があって言いました。

──サキさんが脱退を発表したMCで「自分のグループから、メンバーみんなのグループになった」ということを言っていました。ユアさんとしても、そういう感覚はある?

ユア:うーん…… 微妙なところだなとは思うんです。みんなのグループになったのかなと思ってはいたんですけど、「サキちゃんがいなくなったギャンパレの未来が見えない」みたいな考えの人もいたし、創始者のサキちゃんが抜けるなんて…… みたいな反応もあって。それって当たり前の感情だとは思うけど、やっぱりサキちゃんのものだったのかなってグループにいる身としては考えちゃう時もありました。

──だからこそ、サキさんが脱退したあとのことを考えての明確な発言でもあったわけですね。

ユア:変な話、めちゃくちゃ最悪なライヴをしてしまったら、辞めようってなる子が他にも出てくるかもしれないし、それで一気にお客さんが5人になることだってあると思う。そういう意味では慢心することは絶対にあってはならないから、ライヴ1本1本、1分1秒を大事に、ステージがあることが当たり前と思っては絶対にいけないよねって。それメンバーそれぞれが考えて、大事に生きていかなきゃいけないよねっていうことも言いました。

誰のためにライヴをしているのか、改めて考えなきゃいけない

──2020年の初ライヴが1月3日の〈WACKなりの甲子園〉で、サキさんの脱退発表も行われました。ユアさんはどんな気持ちで臨んだんでしょう?

ユア:〈WACKなりの甲子園〉はWACKグループ総出のライヴで、1年の始まりでもある歴史あるイベントだから、どこにも負けないという気合いがすごい入っていたなと思いますね。でも、ちょっと内向きになってしまったとも感じていて。誰のためにライヴをしているのか、改めて考えなきゃいけない時だなと思っていて。負けたくないとか絶対に優勝みたいな気持ちって、結局自分たちのことだよなと思うし、音楽に勝ち負けはなくない? ライヴ中にそんなこと考えてないよなって。確かにメラメラしたものがそこにはやっぱりあって。それは別に間違ったことではないんだけど、それが1番になってしまっているのは良くないのかなって。

──誰のためにライヴをやっているのかを見つめ直していると。

ユア:ギャンパレは他のグループと比べられていた時期が長かったので、負けたくないって意識が自分たちの中にもあって。もちろんそこも大事なんですけど、来てくれている人はそれを求めてないしと思ったり、そこが今、うちらの問題なのかなと考えていて。みんなそれぞれ何のためにライヴをしているのかとか、なんでステージに立っているのかをもうちょっと深く掘り下げて考えないと、グループ自体が変わらないのかなと思ったりしています。

──ギャンパレはメンバーも10人と多いですからね。

ユア:みんなで話し合うというよりも、それぞれが考えてステージに立つべきだと思うんです。そういうことすらも10人で意思統一していたら、ちょっと気持ち悪いのかなって。それもメンバーに言おうかなと思っているところです。

──例えば、BiSHや豆柴の大群からWACKを知った人に対して、ギャンパレの魅力をプレゼンするとしたら?

ユア:えー! 一体感かな。楽しさとお客さんとの一体感はWACKの中でも自分たちの武器だし、もっと強めていかないとなって。ただ、そこに関しては、昔のギャンパレの方ができていたのかなと思う瞬間もあって。振り付けを間違えないようにとか、決めたことをやらなきゃとか、褒められたいだったりとかが今、個人個人の優先順位の上位に入っちゃっているから、一体感も生まれにくいのかなって。そこを取り戻したいんです。

──振り付けの上手さや完璧であることが必ずしも一体感につながるわけでもないですからね。

ユア:「CAN’T STOP」が出たときは「多幸感がある」ってファンの人の中で伝染していっていたけど、今そういうものがないなと思って。BiSだったら「ワクワクする」、EMPiREだったら「ダンスがすごい」みたいなグループを表すワードがあると思うんですよ。でも、今のギャンパレはそれがないのかなと思って。それは本来あったはずのものだし、できていたはずのものだから。全く同じものを取り戻す必要はないと思うけど、近いものは絶対にあるはずだから、それも見出したいなって思いますね。

私はまだギャンパレで何もやり遂げていない

──配信シングル『涙のステージ/FiX YOUR TEETH』は、前山田(健一)さんと松隈ケンタさんがタッグを組んだ作品で、ギャンパレにとってのアクセントになるリリースだと思います。前山田さんとのレコーディングで印象に残ったこととか、いつもと違ったこととかはありますか?

ユア:レコーディングはめちゃくちゃサクサク進みました。前山田さんが、メンバーそれぞれの良いところを1回歌っただけで見つけ出してくださって、そこを重点的に録ったし、その場で歌割りも決めてくれたんです。すごい斬新でした。私がレコーディングしているときにモニタールームで、「すごい変だ」って言ってくれて前山田さんが1番笑っていたよってメンバーが後から教えてくれて。私はその「変」をポジティブにとらえているんです。前の子がレコーディングしているときに前山田さんが言っていたアドバイスを全部メモって、わりとちゃんと歌おうと思って行ったんです。それを一発で見抜かれて、「何も気にしなくていいから、自由に歌って」って言ってもらって。型にはまっているとつまらないんだろうなっていうのは改めて思いましたね。

──アドバイスを受けて歌おうとしていたけど、そうじゃなかったんですね。

ユア:「涙のステージ」に関しては型にはまった歌い方よりは、自由に歌った方が私の声と、たぶんあのパートはマッチしていたんだろうなって。一方で、「FiX YOUR TEETH」は松隈さんがレコーディングしてくださったんです。ライヴでも披露させてもらっているんですけど、サキちゃんがおもしろい振り付けを作ってくれて。ライヴでまた盛り上がる1曲ができたなという印象がありますね。曲のテンポも速くて、情報量が多い曲です(笑)。

──ユアさんがふがふが言うところがすごく印象的です。

ユア:印象に残るパートをいただけたので、ありがたいです(笑)。

──「涙のステージ」は松隈さんの作詞曲です。ギャンパレにとって完全な松隈さん作詞曲は初めてですが、曲を受け取ってどんなことを感じましたか。

ユア:ギャンパレの抱えているものを代弁してくれたじゃないですけど、素直に嬉しかったですね。いつも仮歌の段階で松隈さんはギャンパレを思って歌詞を書いてくださっているんですけど、今回はそれをメンバーが作詞するわけでなく、松隈さんの言葉だけで書いてくれているから、これだけ思ってくれているんだと思って嬉しかったです。

──3月にはWACK合宿オーディションがあります。ギャンパレは毎年、メンバー加入やトレードなど大きな発表が続いています。今年ももしかしたら何かが起こるかもしれないということに対しては、どんな気持ちでいますか?

ユア:ギャンパレが続くなら、受け止める気持ちでいます。なにが起こるか分からないですからね(笑)。5月に1人辞めるから、メンバーが増える可能性だって去年に比べたらあるだろうし。

──ユアさんの中では、自分がどうこうというより、ギャンパレというグループが続くということがすごく重要なことなんですね。ギャンパレを残していきたいという思いが強い?

ユア:私はまだギャンパレで何もやり遂げていないから、終わる未来を想像するのはちょっとダサいなと思って。これは自分の問題だけど、渡辺さんにも恩返しをしたい。それが1番大きいかもしれないです。

有言実行しないとダサい

──4月からは初めてのホールツアー〈MY FIRST HALL TOUR〉が始まります。どんなツアーにしていきたいですか?

ユア:初めての中野サンプラザ(2019年11月4日〈PARADE GOES ON TOUR〉ファイナル)はあっという間に終わってしまって。自分のことでいっぱいいっぱいでした。音の環境が違うし、久しぶりに広いところでやるワンマンだったんですけど、ステージ立った瞬間、お客さんみんなが喜んで号泣していた。そういう熱量に助けられたワンマンだったんです。次のツアーは、自分たちがお客さんに楽しんでもらえるようにステージに立たなきゃいけないなと思って。お客さんもすごい熱量で来てくれるかもしれないけど、最初から自分たちの熱量も高めていって、どんどんお互いで超え合うというか。熱いものをぶつけ合えるライヴをしたいなと思っています。

──ギャンパレで何もしてないとユアさんは言っていましたけど、どうなったら自分は何かを残せたと思えるんでしょう。

ユア:武道館に立たないと始まらないなと思っています。渋谷WWW(2016年7月18日〈WE ARE the IDOL〉)でギャンパレとしての目標を初めて掲げたのは自分だから。その責任を取るじゃないけど、言ったからには実現しないことには終わりも考えられないというか。自分から投げ出すことは一切考えられないです。別に武道館に立ったから終わりとも今は考えてないし、もっといろいろなところに立ちたい。横浜アリーナにも立ちたい。その先も見ているけど、第一段階としての関門をさえもまだ抜けていないんです。

──WWWのワンマンで、ユアさんがMCで宣言しましたからね。

ユア:あれがギャンパレで言った初めての大きい目標だから。それは有言実行しないとダサいなって。もちろんアイドルだから、周りの人の助けがあっての仕事だって分かっているけど、自分からは絶対にそれは成し遂げないと辞めようとも思わないし、ギャンパレの終わりも考えられないというか。最低限の恩返しじゃないけど、絶対にギャンパレでやることだなと自分は思っています。

──その一歩となるホールツアーに向けての意気込みを教えてください。

ユア:ホールツアーはまだ先ではあるんですけど、関東以外のチケットはまだ残っています。これを売りきらないとギャンパレとしても先に進めないし、私たちの目標はもっともっと大きいところに立つこと。このツアーは日本武道館に立つための第一歩でもあるので、もしまだ悩んでいる人がいたら、周りの友だちとかを誘って一緒に来てほしいし、一緒に夢を叶えていってほしい。絶対に楽しいライヴをするので、遊びに来てください!


GANG PARADE PROFILE

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、ナルハワールドの9人からなるアイドルグループ。 2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て、 2019年4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル『ブランニューパレード』でメジャーデビュー。 5月19日に大阪城野外音楽堂、5月26日に東京・日比谷野外音楽堂で野外ワンマンライブ『CHALLENGE the LIMIT TOUR』を開催。ソールドアウトし、大盛況に終わった。 今年春から全国6箇所7公演を巡る初のワンマン・ホールツアー〈MY FIRST HALL TOUR〉を開催予定。ツアーファイナルは、2020年5月22日・5月23日に中野サンプラザ2DAYS。 ヒャダイン×松隈ケンタが強力タッグを組んだ配信限定シングル『涙のステージ/FiX YOUR TEETH』が現在配信中。

■ツアー情報

〈MY FIRST HALL TOUR〉

2020年4月12日(日)埼玉 三郷市文化会館
時間:Open 15:00 / Start 16:00 [問]KM MUSIC 045-201-9999

2020年4月26日(日)愛知 名古屋市公会堂
時間:Open 17:00 / Start 18:00 [問]ジェイルハウス 052-936-6041

2020年5月2日(土)兵庫 あましんアルカイックホール
時間:Open 17:00 / Start 18:00 [問]サウンドクリエーター 06-6357-4400

2020年5月5日(火・祝)北海道 道新ホール
時間:Open 17:00 / Start 18:00 [問]WESS 011-614-9999

2020年5月16日(土)宮城 仙台銀行ホール イズミティ21
時間:Open 17:00 / Start 18:00 [問]G/I/P 022-222-9999

2020年5月22日(金)東京 中野サンプラザ
時間:Open 18:00 / Start 19:00 [問]SOGO TOKYO 03-3405-9999

2020年5月23日(土)東京 中野サンプラザ
時間:Open 16:00 / Start 17:00 [問]SOGO TOKYO 03-3405-9999

チケット料金(税込)
NORMAL TICKET 5,800円(税込)
CHEAP TICKET 3,800円(税込)
年齢制限 / 未就学児童入場不可

◆チケット一般発売日
2020年1月18日(土)AM10:00〜

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