政府のコロナウイルス対応についてああでもない、こうでもないとインターネット上で議論が交わされております。国民の必要としているものをお上の方々は本当に理解していないのか、それとも他のものに無駄遣いしすぎてコロナ対策に回す予算がないのか……。やれマスク2枚だの、やれ和牛券だの、やれ魚介券だの……。
天津飯券だったら前向きに検討させていただきたい! 火鍋栄光です。
外出自粛ムードがムンムンなものでテレワークすると、一気に行動範囲が狭くなりますな。とはいえこの前近所の近所の中華料理屋のあったけえ天津飯はご紹介してしまったし……。現代版二宮金次郎さながらに、パソコンの入ったリュックを背負いながらスマホで調べながら駅にとぼとぼ向かっていると道中にいい感じの町中華を発見。
値段設定はちょっと高いかもしれないけど、こじんまりしていて良い感じ。大体こじんまりしてるところは間違いない。火鍋は早速店内へ。
夕方5時半頃にも関わらず少なめの座席はほぼ満杯。テーブル席が5つ、カウンター3席。
入店すると温かいお茶(たぶんジャスミンティ)かお水か訊いてくれる優しい奥さん。旦那さんが厨房にいて、二人で店を切り盛りしているのかな。ちょっと心にじんわり来るね。兎にも角にも、このお店には天津飯があるのか。これが毎回メニュー開くときのドキドキポイント。さて……。
!?
Oh,my sweetie!!
しかし800円……。六本木の庶民派中華で食べたあいつ(830円)といい勝負だね。てかそれにほぼ近い値段(750円)の五目入りおかゆって何者なんだ…… 気になる。五目入りお粥ひとつ! と威勢よく言いそうになるのを呑み込んで天津飯一つ注文、あっ、やっぱり餃子も一つ。お腹空いてんのよね。
店内を見渡すとこの時間からビールを飲んでいる老夫婦やら子連れのママでほぼ満席、その中で少し形見の狭いお一人さま小生。うーん…… どこか勝手に肩身の狭さを感じるので紛らわそうとネットにアップされていた「お台場から北海道宗谷岬までタクシーで行くと○○円かかる」というトリビアの種を見ながら気長に料理を待つ。岩手県に差し掛かった(この時点で13万5990円)ところで、
\天津飯でーす/
オォ! 提供されて先ず香りを楽しむと、既に酸味のあるちょっと鼻に刺さる香りがふんわり。お皿が黒くて分かりづらいけど醤油ベースかな? 薄茶色のあんがとろり。スープを一口ズズズっと飲むと、麺つゆの味がほんのりする和風なお味。味が濃くなりがちな天津飯とは相性が良さそう。お気遣いが感じられるお味。
ウーーーーーーム。きれいな円形の卵。その形通りお味も刺々しくなさそうで期待が高まるゾ‼︎ このスプーンの添え方も早く食ってくれと言わんばかり。いただきます‼︎‼︎
オホッ‼︎ 純白のお米との対比もあって卵の黄色が映える映える‼︎
うんまい‼︎ 甘酸っぱい醤油ベースだけど、ほんのり何か後味の香る天津飯‼︎ この後味はなんだろう!? 全然分からない…… けど全然くどくないし、最後に残る酸味がまた次の一口を求めさせる。これはどういうカラクリなんだ……?
卵は見た目厚めだけどふわふわで、ちょっと高級なオムライスみたいなお上品な口触り。卵の中には火が通ってしなしなのネギと、写真では分かりづらいけどカニカマ。この2つは天津飯界隈では王道といえば王道の組み合わせ。なんと言うんでしょう、ちょっと酸味がある以外は全体的にどの食材が特に自己主張していると言うわけではないんだよね。な
んというか協調性がある味。”この中でどれが一番だなんて争うこともしないで”という、かの名曲を体現している。上手く溶け合ってふんわりとした旨みを生み出しているっていうのが伝わってくる‼︎ こりゃ美味いわあ……。止まらん…! うおおおおぉぉぉぉぉ……。
っぷはあ。ご馳走様でした。天津飯を食べている時間ってなんでこんなにあっという間なんだろ……。お会計を済ましてお店を出るまで、愛想よくニコニコしている奥さん、とてもグッドでした。非常事態対策の現金が給付されたらまたこの天津飯食べに来させていただきますぞ。
今週はこんなとこで、あばよっ!
今日の天津飯豆知識:
マツコ・デラックス曰く、週5で天津飯を食べている人は婚期を逃す。
⭐︎今日のお店⭐︎
龍盛菜館 渋谷店
〒182-0006 東京都調布市西つつじケ丘3丁目30−16
営業時間:11:00~22:00
定休日:毎週火曜日
電話:042-482-3555
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。