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遂に出ましたよ、緊急事態宣言。

緊急事態宣言=不要不急の外出は更に控えるべきものとなり、これは天津飯がGW明けまで封印されたと言っても過言ではない。皆は天津飯の為だけに外出するなんてしないでござろう。ムゥ。こうなったらもうアレだね……。

“手作り”

今回はSP版。先月、実家に帰った際に作ってくれた火鍋ママの手作り天津飯(処女作)をお送りするゾ。57年の人生で天津飯を食べたことも作ったこともないお母さんには、レシピは調べずイメージで作ってもらいました。

まず準備していただいた食材から。

ほー。やっぱりあるんだろうね、中華=木耳のイメージ。ネギもだい〜ぶ大きい切り方だけど、家庭感があって良いっすね。火鍋家は僕と兄の二人兄弟でどっちもスポーツもやって食事の量は多かったので、食材もおっきく切ってボリューム感を生み出すためにこういう切り方になったのかな? と、ちょいとほっこり。食材はまあいいでしょう。

ささーっと軽く炒め炒め。

栄養価など考慮しているのか、天津飯の具材にしてはずいぶん色合いが華やかである。が、ここら辺で一つの疑念が湧いてきた。これ、もしかしてうちのおかん、中華丼と勘違いしてへん……? と。面白さ半分・怖さ半分の気持ちで、息子の栄光はキッチンを後にすることにした……。

テーブルで天津飯を待つ間、非常にソワソワしていた。俺の弁当のおかずがクラスメイト間で取り合いになるほど料理が上手なおかんが、こんな凡ミスをするわけがない! しかし準備していたあんも何か中華丼っぽい調味料を加えていた……。うぅ……。なーんてヤキモキしていると、

できたよ\(^o^)/

イヤ! あんかかってへん!

あらあら、と自分で爆笑しながらあんをかける火鍋ママ。母親とはいえ、あん抜き天津飯なんて出されたら流石に禁忌を犯してるで、それ……。

そして気を取り直して出てきたアイツMade by Ms.Hinabeがこちら! ドン!

やっぱ具多いな‼︎ 卵が出しゃばってる中華丼では⁉︎

てかさっき椎茸おらんかったやん!

パクッと割って見てあらびっくり。なるほどね、おかんはあの炒めた具材を卵と一緒に炒ったのね。ネギ、かにかま、卵くらいしか具材に使わないと思っていたけど、やっぱり専業主婦視点で料理を作るにあたって、それは少し寂しいんじゃない? と火鍋ママ。なーる。

それでは、早速一口ぱくっと。

んまいぃぃいぃぃいぃ‼︎ んまいけど中華丼感すごい‼︎ けど美味い‼︎

というか、どうしてお家のおかんは関西風の塩ベースのタレを思いついたのか⁉︎

あんは濃口好きな息子に合わせてやや濃いめの味付けだけど、それが具と絡み合ってやっぱり米をそそるわけよ‼︎

何よりこの卵の中に綴じられたたくさんの具材ね、掘れば掘るほどお宝が出てくるようで面白い‼︎ この感覚は確かにお店の天津飯では味わえなかったかもしれない。スプーンでちょっと掬っただけなのにこの満ち満ちと現れる具材、すげえね! 食感もコリコリの木耳から少しシャキッとした大切りのネギもあって楽しみがある。口を精一杯楽しませにくる天津飯!

いやー、さすがうちのおかんですわ。また実家に帰った時に作ってもらおうと思ったけど、しばらくは東京からは出ない方がいいということで、次はいつ食べられるやら……。とほほ。

ご家庭で天津飯を作るママ方、家族全員が家にいて料理が面倒になったら具沢山天津飯を作ってみてはいかがでしょう? たぶん手軽です。でも、ちゃんとあんはかけてください。

今日の天津飯豆知識:
中国における発祥の由来と思われるものとして、料理人の馬蓮慧が1909年に日本の神戸と飲食文化の交流を行った際に、日本から「味の素」を紹介してもらった代わりに、天津飯を教えたとされている。

火鍋栄光(ひなべ・えいこう)
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。

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