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【現地レポート】カミヤサキ脱退、ギャンパレの魂を受け継ぐ2つのグループへ受け継がれたバトン

StoryWriter

「サキさんのおかげで自分のことを肯定することができました」
「いつも幸せにしてくれてありがとう」
「彼氏よりも好きです」
「サキちゃんに出会えてよかった」

2020年5月20日(水)~22日(金)にかけて、GANG PARADE(以下、ギャンパレ)メンバーたちのオンライン特典会が行われた。

コロナ禍ということもあり、メンバーと遊び人(※ギャンパレファンの総称)たちは、LINEのビデオ通話を通して特典会を行なった。スマホやパソコンを介したコミュニケーション……。文面だけみると無機質なやりとりにも感じるが、短い時間ながらも自分の思いの丈を熱っぽく語るファンや、手紙を読んで思いを伝えるファン、涙を流しながら「ありがとう」と言葉を紡ぐファンなど、自分の気持ちをそれぞれの方法で伝えようとする姿は、リアルと比べても全然衰えるものではなかった。

本来であれば、5月22日、初のホールツアー〈MY FIRST HALL TOUR〉セミファイナル公演を中野サンプラザで行い、カミヤはギャンパレから脱退する予定だった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって公演は中止。スタッフ及びメンバー間で再三にわたる協議の結果、当初の予定通り、カミヤは5月22日をもって脱退することになった。

そんなカミヤに対して、たくさんの感謝の言葉と応援のコメントが届き続けた3日間。

5月20日には、カミヤのラストライヴを賭けたクラウドファンディングが、目標の2,000万円を達成。コロナ禍が落ち着いた後、「GANG PARADEカミヤサキのラストライヴ」の開催が中野サンプラザ或いは同規模の会場で決定した。

ギャンパレファンだけでなく、所属事務所WACKのメンバーやそのファン、ファンの想いに共鳴してくれた人たちなど、合計5,575人が支援を行い、その額は21,166,000円に上った。カミヤサキが辿ってきた7年間の活動がこれだけ多くの人たちに支持されたことの証明だったといえる。

そんなたくさんの想いを受けながら、同日18時より「GANG PARADEカミヤサキ脱退&PARADISESキラ・メイ加入特番」がニコニコ生放送にて行われた。

本ページでは、その様子を現地よりソーシャルディスタンスを保ちながらレポートする。

ニコ生中継レポート前半 カミヤサキの歩みを辿る

カミヤサキ

18時。カミヤサキと、WACKの研修グループWAggからPARADISESに昇格したキラ・メイがカメラの前に登場。グループを脱加入する2人によるタイトルコールとともに番組はスタートした。

司会にヤママチミキ、月ノウサギを迎え、Zoomを通してメンバーも全員登場。それぞれ別の場所にいながらも、ギャンパレらしい賑やかさで画面上を賑やかした。

ギャンパレは、2020年4月1日をもって2つに分裂。GO TO THE BEDSとPARADISESの新グループとしてスタートを切っている。

GO TO THE BEDSは、ギャンパレでキャリアの長い、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソンの5人で構成。

ヤママチミキ

PARADISESは、テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイの4人で構成。キラ・メイがギャンパレに昇格後、すぐ2つのグループに分裂した形となる。

月ノウサギ

ニコ生中継は、スタジオとオンラインを組み合わせ、「カミヤサキ年表」を元に、「人間・カミヤサキ」の歴史と生き様を一緒に振り返った。Twitterで募集した「#カミヤサキヒストリー」の思い出や写真、エピソードなども盛り込み、カミヤの人生を誕生、小学生時代、中学生時代、学生時代、BiS時代、POP時代、GANG PARADE時代と時系列に一つ一つ振り返っていった。カミヤが坊主にしたとき、最初の頃はウィッグをかぶっていたなど、裏話も語られ盛り上がりを見せた。

その後、「Message for カミヤサキ」というテーマで関係者コメント動画が流された。豆柴の大群のミユキエンジェル、BiSのトギー、CARRY LOOSEのパン・ルナリーフィ、EMPiREのMAYU EMPiRE、BiSHのアイナ・ジ・エンド、初期BiSで同期のメンバーでもあるファーストサマーウイカ、BiSの創設者でもあるプー・ルイがコメント。さらに、ライヴ制作のKMミュージック佐藤、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ、WACK代表の渡辺淳之介といったスタッフたちもビデオコメントを寄せた。

続いて、メンバー1人1人からカミヤへの手紙が読まれた。

ナルハワールド「もっと一緒にライヴをしたかったです。どんなときでも逞しく頼れる存在だったサキさん。素敵なグループを作ってくれてありがとうございます。これからもずっとサキさんのことが大好きです」

月ノウサギ「2年を一緒に過ごさせてもらって言葉に表せないほどお世話になりました。必死にサキさんの背中を追いかけていました。大きな背中で、付き添ってくれてありがとうございました。サキさんの作ったギャンパレに入れてよかったです」

テラシマユウカ「「CAN’T STOP」でサキちゃんと手を繋ぐ瞬間が1番好きでした。喜怒哀楽とかライヴを通しての感情が伝わっていた気がして。隣にサキちゃんがいない「CAN’T STOP」は想像がつかなくて変な感じです。教えてくれたことを絶やさずに活動していきたいと思います。一瞬一瞬で想いが変わっていってしまうので、私は手紙ではなく、この瞬間に出た言葉を伝えました。なので私の手紙は真っ白です(※真っ白な手紙を画面に見せる)」

ユイ・ガ・ドクソン「サキちゃんの7年間の活動の中から、もらったものは計り知れないです。数えきれない悔しさと、数えきれない喜びを共にした今までを思い返して、どんなにボロボロでも、何度崖っぷちに立っても進み続けたサキちゃんに支えられた人は多く、私もその1人です。サキちゃんに教えてもらったことは私が引き継ぎます。私はカミヤサキという人間が大好きです。いってらっしゃい」

ココ・パーティン・ココ「横アリで観ていたBiSのカミヤサキと同じグループで活動することになったときの私のドキドキは忘れられません。努力する大切さ、続ける大切さなどたくさんのことを教えてくれました。戦争を体験したおじいちゃんおばあちゃんがいなくなるような気持ちです。ラストライヴが終わったあと、サキちゃんのことを(愛情も込めて)思い切り殴りたいと思っています。いままで本当にありがとう」

キャン・GP・マイカ「ギャンパレ=カミヤサキという壁は越えられませんでした。一緒に振り付けした曲は宝物です。悩んだときも、たくさん話を聞いてくれて嬉しかったです。サキちゃんが、辞めたことを悔しくなるくらい頑張ろうと思います。私がギャンパレのオーディションを受けた後、合格の連絡が来るまでにサキちゃんから「マイカがいい」って秘密の電話をくれたのが嬉しかったです。ありがとう。これからも見守っていてください」

ユメノユア「5年前の今頃、サキちゃんと出会いました。POPが始まって本当にいろいろなことがありました。サキちゃんに頼ってばかりの日でしたが、私は少しは成長できましたか?サキちゃんと会う最後の日、たくさんの感謝を伝えたかったけど、涙が溢れて、恥ずかしくて、最後までちゃんと伝えられませんでした。本当は抱きつきたいくらい大好きでした。ラストライヴでは愛を伝えられるくらい強くなっています。最後の別れはラストライヴのときに言います。そのときまで元気でいてください」

ヤママチミキ「旧BiSのときに出会って、惚れて、同じグループで活動できるとは夢にも思っていませんでした。一緒に活動してきた時間はありえないくらい濃い時間で、今ではいい思い出になっています。サキちゃんから脱退の話を聞いたとき、頭が真っ白になって、受け止められなかったです。サキちゃんが作ってくれたこのグループを辞めたいと思ったことは一度もなくて、私は続ける道を選びました。サキちゃんを超えることがひとつの目標でした。ギャンパレにいる間に成し遂げられなかったけど、この先も目標を変えずに活動していきたいと思います。一緒に活動ができてすごく幸せでした。これからはお互いの道で精一杯生きていきましょう」

メンバーたちからの手紙を受けて、カミヤサキが感謝と、これからの道について語った。

カミヤサキ「脱退という選択肢をしたにもかかわらず、こんなに素晴らしい送り出しをしてもらっていいのかと思っていました。それぞれみなさんが大変な中にもかかわらず、こうした日を設けてくれたり、クラウドファンディングで背中を押していただけたこと、本当に本当に感謝しています。人生の中で1番記憶に残るものをみなさんのおかげで体験させていただきました。私は今日ライヴと同じ気持ちで今日のニコ生放送に臨みました。

メンバーは私にとって戦友です。7年間で出会ったすべてのみなさんが戦友です。そんな素晴らしい出会いを作ってこれたのは、自分一人ではできなかったことなので、全ての出会いに感謝しています。今後、私は振り付け師として活動していきます。みなさんに自分の作品を通して勇気を与えられるよう、心は表現者として振り付けを極めていけたらと思います。

これからもGANG PARADE、GO TO THE BEDS、PARADISES、WACK、すべてのグループをよろしくおねがいします!」

ニコ生中継レポート後半 PARADISESのキラ・メイの誕生

キラ・メイ

番組後半は、新メンバーとしてWAggより昇格したキラ・メイにスポットライトをあてた内容が中継された。

キラ・メイが所属していたWAggメンバーがZoomを通して登場し、オンラインを通して一緒に番組に参加。WAggメンバーがキラ・メイが「やさしい」「やさしすぎる」といった印象や、それぞれの思い出などを語り合った。今年3月に開催されたWACKオーディション2020でのことを振り返り、マラソンが1番きつかったこと、合格発表で名前が呼ばれたとき、理解できなくてびっくりしたことなどを赤裸々に語った。

そしてキラ・メイがコメントを述べた。

キラ・メイ「WAggではあまりたくさんの時間を過ごすことができなかったけど、ライヴ一回一回が私の糧になっています。全然振りを覚えられず、夜全然眠れなかったり、うまくできないことがあって、その中でも支えてくれる人、応援してくれる人たちがいたからこそ、がんばれました。まだWAggでやりたかったことも、いっぱい練習したのに披露できなかった曲もあって、ちょっとだけど心残りはあります。だからこそ、WAggのメンバーと一緒に過ごした時間が尊かった。メンバーのことが大好きで、一緒に活動できてよかったと思っています。これからも精一杯がんばって、今より絶対がんばるので、PARADISESのキラ・メイのこともよろしくおねがいします!」

それに対して、テラシマユウカは、「自分をこんなに体現できる子と一緒に活動できると考えたらすごく心強いし、すごく嬉しいです。今しか出せない煌きというのはあると思うので、のびのびと煌めいて行ってください。売れましょう! これからよろしくおねがいします!」とコメントを返した。

そして、PARADISES加入にあたり、キラ・メイの「衣装袖通しの儀」が行われた。PARADISESでの新衣装を初披露し、この瞬間をもって「PARADISESのキラ・メイ」が誕生した。

続けて、両グループの初解禁情報が発表された。

2020年7月22日(水)、GO TO THE BEDSとPARADISES、初のフルアルバムをリリース。そして、リード曲が5月23日(土)より先行配信開始されることも発表された。さらに、PARADISESは、WACKグループ初のInstagram開設されることも発表した。

最後に、カミヤが「ギャンパレのみんなと本当の意味でグループになるという意味では、もっとできることがあるのかなと思っていました。クラファンでもう一度ライヴをやらせていただけることになり、みんなが見たことのないギャンパレの姿を見せられるようしたいし、必ずまた成長してステージに立ちたいと思っています。GO TO THE BEDSもPARADISESも応援しています。お互い大きくなって、ギャンパレのライヴをします!」と語った。

続けてコメントを求められたキラ・メイは、「PARADISESのエースになります!」と力強く堂々と宣言した。

最後に、Twitterで募集して集まった写真をスライドにして編集した動画とともに、カミヤサキのソロ楽曲「FALL」が流れてニコ生中継は幕を閉じた。そして、niconicoのプレミアム会員限定放送として、クラウドファンディングの支援者に向けてカミヤがZoomでお礼のコメントを伝えるコーナーが放送された。

GO TO THE BEDSとPARADISESの物語がはじまる

ニコ生中継が終わった直後の、ヤママチミキ、キラ・メイ、月ノウサギの3人のコメントをお届けする。

ヤママチミキ コメント

(番組を終えて)思ったよりもスッキリというか。手紙を読むコーナーでは今までのことを思い出して泣いちゃったんですけど、サキちゃんが辞めちゃったことに対して、今もあまり実感はないかもしれないです。

カミヤサキは、私の人生にいなきゃいけなかった存在。ファンだった時は憧れの存在で、一緒に活動している時はすごい尊敬できるところばかり。これからはアイドルだったカミヤサキを越えることが一つの個人的な目標で、人生の中で、どんな話をするにも欠かせない人かなって思います。

GO TO THE BEDSは、GANG PARADEを超えないといけない存在の新グループなんですけど、私たちにはそれほど残された時間もないので、スピード感を持って駆け上がっていきたいです。1stアルバムは、GO TO THE BEDSがこういうグループなんだって分かりやすく曲にも出ていて、歌詞もそれぞれのメンバーが書いていたりします。今振り付けも作っているんですけど、GO TO THE BEDSというグループを説明してくれるアルバムになっていると思います。

(ファンのみんなに)心配しないでと言っても心配しちゃう人もいるし、不安だっていう人もたくさんいると思うんですけど、私たちはそういうものを全部ひっくるめて今という期間を過ごしていて。スタッフさんたちも私たちの手助けをたくさんしてくれて、この状況でもやれることをたくさん考えているから心配しないで欲しいです。メンバーも、クセが強くて楽しい人たちばかりだし、常に楽しいものを考えているので、心配せずに直接会える時を楽しみに待っていて欲しいなって思います。

今日の番組のお手紙でも言ったんですけど、私はカミヤサキを超えたかった。ラストライヴの時はカミヤサキよりもかっこいい存在になって、今までにないくらい最高の遊び場を作りたい。たった1回ですけど大きな楽しみが一個できたので、お客さんもそこを糧に一緒に頑張ってほしいなって思います。

月ノウサギ コメント

やっと実感が湧いてきたという感じですね。ニコ生さんのご協力でこういう機会を設けていただいて、サキさんとGANG PARADEがなくなる実感がズッシリ来ている感じです。

皆さんの力のおかげで、クラウドファンディングを達成できて。果たさないといけないステージがあることを想いながらスタートを切れると思っています。PARADAISESは、自分自身が死ぬほど楽しんで活動できるグループにしていきたい。自然とお客さんも巻き込んでみんなでめちゃ楽しいことができるグループになっていけたらいいなって。以前、インタビューで若さは有限だっていう話をしたんですけど、有限の時に生み出せるエネルギーって無限だなと思うんです。そういうものを見せていきたいです。新しい風を持ってきてくれるメイちゃんが入ってきてくれたので、私たち4人は死ぬほどワクワクしながら皆と進んで行けたらと思っています。ライヴができる日を信じて、ずっとワクワクさせられるようなグループを作っていこうと思っています。

私たちが1番表現しているものは音楽。PARADAISESの1stアルバムは、その指針が出来上がった作品になっていると思います。ライヴへの期待感とかワクワクさせられる作品になっているんじゃないかなって。そこからみんなの世界をどんどん広げていく一枚になっていると思います。

GANG PARADEのラストライヴはとんでもないお金と、5,575人という、たくさんの方の気持ちをいただいた上でできるライヴなので、最高にするしかないよなっていう気持ちでいっぱいですね。いつライヴが決まってもいいように、PARADAISESで爪を研ぎ続けたいし、GO TO THE BEDSとPARADAISES、カミヤサキで合流した時に、みんながすげえな! と思えるような関係で会えるよう進んでいきたいです。

キラ・メイ コメント

WAggのみんなにも送り出してもらって、今急に感情がこみ上げてきました。たくさんの気持ちを受け取って、なおのこと頑張ろうという気持ちになったので、最後に言ったエースになることを目標に頑張ります。

PARADISESは新しいことをやっていくってグループで、そういう新しい要素として私が新メンバーとしているので、サキさんが作ってきてくれたものを引き継ぎつつ、両方いいとこ取りできたらいいなと思います。

1stアルバムは、全部曲の雰囲気は一個一個違うんですけど、聴いて元気になれる曲とか、PARADISESのフレッシュさが出ている作品になっているんじゃないかと思います。さっきふと思ったことなんですけど、バンジージャンプとか体を張るようなこともやっていきたいなと思うし、ナルハちゃんもやってみたいって言っていたんですけど、演技の仕事もやってみたいなと思っています。やりたいことがいっぱいあります(笑)。ギャンパレが2つに分かれて、PARADISESにはフレッシュなメンバーが集まっているので、そういう部分をアピールして出していきたいなと思います。

私にとってのエースは、グループの入り口になる人。その人をきっかけにグループを知ってもらったり、そのグループといえばと言われたるような存在。いろいろな人に知ってもらえるように、入り口になれるような人になりたいです。

会えない期間が長くて、いつ会えるかもわからない状況で、ファンの人はテンションがさがったり、自分の生活も不安な中だったりすると思うんです。その中でアイドルを追いかけるってエネルギーがいるじゃないですか? だからもう一度ライヴができるようになったときに、フラストレーションがたまった部分も全部出せるように、こっちが全力で言葉や想いが伝えられたらいいなと思います。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

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