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愛すべきポンコツ…… エイティーフィールド代表・青木勉を30組が3時間に渡り祝った夜、オンライン生誕祭〈ポンコツの日2020〉レポート

StoryWriter

2020年6月3日(水) 配信イベント〈P青木pre オンライン生誕祭「ポンコツの日2020」〉が開催され、たくさんのミュージシャン、関係者が3時間に渡ってP青木の生誕を盛大に祝った。

このイベントは、オールナイトフェス〈BAYCAMP〉をはじめとするライヴ、イベントの企画・制作・運営を行う株式会社エイティーフィールドの代表・青木勉氏の主催によるもの。

6月3日の「ポンコツの日」とは、「P青木」の愛称でミュージシャン、ライヴキッズに愛される青木氏の誕生日であり、2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により正式に認定・登録されている記念日。2019年には渋谷TSUTAYA O-EASTにて〈P青木ひとり生誕祭〉が開催されるなど、裏方の粋を越えたP青木の特異な存在が主役となる1日、それが「ポンコツの日」なのだ。

今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、オンラインにて開催。P青木をホストとして、30組に及ぶアーティストが、ライヴ映像とお祝いメッセージなどを各地から届け、フェスさながらの構成で行われた。

20時を過ぎて画面に姿を現したP青木は、今回オンラインで行うことになり、予定を越える30組が参加してくれたことを明らかに。そして、そのために「当初の予定より1時間近く内容が押すことを最初に謝っておきます」といきなり謝罪の言葉。さらにカミカミな開会宣言で、冒頭からポンコツっぷりを存分に発揮しながらオンラインイベントがスタート。P青木自らの熱唱シーンがオープングを飾った。

続いて、練習スタジオらしき場所からHelsinki Lambda Club。「誕生日おめでとうございます!日本の政府を見ているとどっちがポンコツかわかりませんが、青木さんは愛すべきポンコツということで頑張ってください」とエールを送りライヴを披露。続いてガットギターを抱えた玉置周啓(MONO NO AWARE)が「また、打ち上げで膝を突き合わせて笑い合える日が来るまで」と、「明日晴れたら」を弾き語り。夜の本気ダンス、teto、Wiennersのメンバーたちは、映像で次々とP青木への感謝の言葉を伝えた。Wienners玉屋2060%は、「青木~青木~とちくるった人だよね~」とオリジナル曲を捧げた。

「早速、感動しました。なんて贅沢な日なんだろう」(P青木)

続いて、「ポンコツの日ステージ」から東京初期衝動がライヴを披露。「Because あいらぶゆー」でスタートすると、ゆっくりとした序盤から徐々に激しくドライブして椎名ちゃん(Vo.Gt)が叫び出す。観客がいないことなどお構いなしに突っ走るバンドサウンドはラストの「ロックン・ロール」まで一体感を増していった。「東京初期衝動でした!」とひと言残して終了。激しくも切ない孤高のステージを見せた。

お祝いコメントには、続々と個性ある面々が登場した。フテネコでおなじみの芦沢ムネトは、「まったく寝ない」というP青木の素顔を紹介。また、「青木さんと結婚してくれる方、是非よろしくおねがいします」と本人に代わって世の女性たちへ祈りを捧げる。クリトリック・リスことスギムは、「野音の際はありがとうございます」と感謝を述べると、「ポンコツ青木~僕らのイベンター、人間のクズ~」と自身の楽曲の替え歌でお祝い。

リーガルリリーは紙人形になったメンバー3人が紙のP青木を胴上げしながらハッピーバースデー。木下百花は「青木さんがライヴに来てくれたときにこの曲いいじゃないですかと言った曲やります!」と「アイドルに殺される」をスタジオ映像で披露した。

「開始から1時間経ちましたが、その後いかがでしょうか? いや、そうじゃないな……」とP青木がゴニョゴニョ言っていると、画面には『StoryWriter』代表の西澤裕郎が登場。2人は毎週PODCASTもやっている盟友ということで、青木さんにちゃんとお見合いできるようにと、西澤から本格的なお見合い写真をプレゼント。スーツ姿で直立不動のP青木と、カッコよくキックを決める往年の真田広之を思わせるアクションスター的な写真がお披露目された。P青木は、「来年のここで結婚を発表できるように」努力する旨を宣言した。

ナードマグネットはライヴ映像「ぼくたちの失敗」に続き、須田亮太(Vo.Gt)から「長生きしてくださいね」とメッセージ。愛しておくれは、前身バンドのグッバイフジヤマからお世話になっていることを感謝すると同時に、P青木が54歳ということを考えさせない距離感でバンドと接していることに驚いている様子。「年齢でいえば、香川照之、吉川晃司、石黒賢と同じだもんね」と、名優たちの名を挙げて、54歳という年齢の意味がますますわからなくなる持論を展開した。

ステレオガールがBAYCAMPでのライヴ映像で登場すると、嘘とカメレオンも「されど奇術師は賽を振る」で大盛り上がりのライヴハウス映像を提供。新しい学校のリーダーズは、各自の自宅らしき部屋より、リコーダーとリズムパッドでハッピーバースデーを歌ってお祝いしてからライヴハウス映像の「オトナブルー」でインパクトを与える。東京少年倶楽部はメンバー各々からメッセージ。「青木さんの誤字脱字のツイートやらをいつも拝見して元気をもらっています」と、ポンコツぶりに勇気をもらっている様子。

旧知の中であるPOLYSICSのハヤシは、「AT、AT、AT」とコールしつつ画面に現れて「お誕生日おめでTOISU!」と叫ぶと、P青木のお気に入りポンコツエピソードを披露した後、「青木さんのブッキングするイベントはいち出演者として楽しみにしてます。本当に体に気を付けて、寝てください、ちゃんとベッドで寝てください」と、やはり「寝ない男」であることを裏付けるメッセージを送った。

Bakyun the everydayがスタジオライヴとメッセージ「全力で愛しております! 伝わってますか!?」。愛はズボーンは、GIMAの姪っ子が、P青木と同じ6月3日に生まれたそうで、姪っ子もP青木も「どちらもカワイイ」と愛想を崩す。ライヴ映像はなぜか3年前のスタジオでの「ゆ~らめりか」。金城のアコギが印象的な幻想的なバージョンだった。大ベテラン、ニューロティカはライヴハウスから、ソーシャルディスタンスを取ったステージ配置でメンバー全員でハッピーバースデーを合唱。超能力戦士ドリアンは、「誕生日プレゼント代わりに青木さんにボールを上げたいと思います!」と、楽曲「ボールを奪い合う選手全員に1つずつあげたい」に合わせてメンバー3人の部屋から派手にお祝いしてみせた。

ケンモチヒデフミは、2014年の〈BAYCAMP〉に出演したときの水曜日のカンパネラがすごく跳ねて以来、大変お世話になっているという。一度、一緒に台湾まで行くとなって北海道から駆け付けたP青木だが、パスポートが切れていたことで1人だけ東京に帰ったという、これぞポンコツなエピソードで笑わせた。「いつも愛のある厳しいお言葉、ありがとうございます!」と謙虚なxiangyu、〈BAYCAMP〉に出た際にエフェクターを踏んだところ、ブレーカーが落ちたという思い出を語ったTHIS IS JAPANのメンバーたち。まったりとした静かな会話にメンバーから「久々に会ったのでお通夜的なコメントになった」と率直な感想が。自粛期間、バンドマンたちもメンバー同士で直接会う機会があまりないようだ。SPARK!!SOUND!!SHOW!!は、それぞれのオンライン画像の背景にP青木の若き頃の写真を使用して、「合コン行きましょう」と誘いつつ祝福。

時刻は22時をまわり、イベントはいよいよ終盤へ。眉村ちあきが装飾された自室からライヴをお届け。ライヴに先立ち美の秘訣である紅茶を飲んでいたところ、誰かに薬を盛られていたらしく、あっという間に絶命する眉村。魂が白く空に立ち昇ると、「ピッコロ虫」が始まるという、生誕祭にちなんだ(?)手の込んだサスペンスドラマ的な演出でライヴがスタート。「明日朝起きたら青木さんになってますように」と本心とは思えない歌詞に変えて歌うサービスぶりをみせ、「またみんなと一緒に音楽を奏でられますように」と音楽を愛する人たちへの賛歌を贈ると、「DEKI NAI」を歌唱。最後には一命をとりとめると、眉村殺しの犯人を名探偵コナンばりに告発して締めくくった。

ここで、本日の主役・P青木がシャツの胸元を大きく開けたセクシーな姿で「ポンコツの日」ステージに登場。Official髭男dism 「I LOVE…」をかすれそうなファルセットを駆使して歌唱。もはやP青木がステージで歌うことに何の違和感もない。これで、いいんだ。なぜなら今日は「ポンコツの日」なのだから。

前日に急遽出演がアナウンスされた忘れらんねえよの柴田隆浩(Vo.Gt)は、自宅の漫画棚をバックに、タオルを頭に巻いた姿でアコギを抱えてハイテンションで登場。「誕生日を祝うような曲は忘れらんねよにはねえ!」と言いつつ、「Happy birthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない」を熱唱。サビでは「全裸になったー!」と、ご近所に聴かれたら通報ものの歌詞を、P青木へ向けて高らかに夜間飛行させた。

映像が切り替わると、喉を押さえて苦悶した様子のP青木。先ほどの歌で喉を酷使しすぎたようだ。とてもつらそうだが、大丈夫なのだろうか。フィナーレ寸前のところでピンチを迎える54の夜。もう盗んだバイクで走り出せる歳ではないのだ。ガンバレ、P青木。

「最後はみんな、ライブハウスにいる気分でノリノリで行きたいと思います! TENDOUJIです!」(P青木)

死力を振り絞ったP青木の声に誘われ、ヘッドライナーとして威風堂々、ステージに貫禄十分に登場したアサノケンジ(Vo.Gt)、モリタナオヒコ(Vo.Gt)、ヨシダタカマサ(Ba)、オオイナオユキ(Dr)の4人・TENDOUJI。アサノが「アーユーレディ―!?」と目の前に観客がいるかのように煽ってから「COCO」でライヴスタート。「TENDOUJIです!青木さんおめでとうございます!最後までパソコンの前で好きに楽しんでください」と、コーラスも楽しい「Killing Heads」を軽快に聴かせた。「(今日視聴している人には)青木さんのことを知ってる人がたくさんいると思うんですけど、今日はこういう形なんで、また〈BAYCAMP〉で青木さんに会ったらおめでとうを言ってあげてください」と、心あるメッセージ。他のバンドには見られないスケールの大きさと、肩の力が抜けた音楽を楽しむ姿勢を目一杯感じさせるライヴは、「GROUPEEEEE」で豪快にかっ飛ばして終了。「またBAYCAMPでお会いしましょう!誕生日おめでとうー!」とファンへの約束とP青木への祝福を贈ってステージを下りた。

配信イベント〈ポンコツの日2020〉はついにエンディングへ。

「すごく濃いイベントになったと思います。またフェスやイベントで早くみなさんにお会いできたら」(P青木)

ラスト、締めようとしたP青木へ向けて、配信スタッフよりハッピーバースデーの大合唱に乗せて、ケーキが届けられた。「ありがとう!」とローソクの火を噴き消そうとしたその瞬間、配信映像が終了するという見事にポンコツなオチを付けて、約3時間に及んだ配信は終了した。

たくさんのアーティストが参加して、想像以上の大ボリュームで賑やかなオンラインフェスとなったこの日。これだけ多くのアーティストに慕われているなんて、P青木は幸せものだ。きっとコロナ禍が収束した後も大いに日本の音楽シーンを盛り上げてくれるに違いない。P青木さん、54歳おめでとうございます!

取材&文:岡本貴之

※現在、CAMPFIREにてエイティーフィールドの活動継続ご支援プロジェクト実施中!!


■イベント詳細

〈P青木 presents オンライン生誕祭「ポンコツの日 2020」〉

配信日:2020年6月3日(水)20:00~
配信メディア:ZAIKO
配信URL:https://atfield.zaiko.io/e/ponkotsu2020
閲覧チケット:¥1,000 (税込) 配信時に追加投げ銭制度あり
配信URLは購入したZAIKOアカウントのみで閲覧可能。途中から視聴SITA場合はその時点からライブ配信となり、生配信中は巻き戻しでの再生はできません。配信終了後、チケット購入者は72時間(3日間)はアーカイブでご覧いただけます。
チケット発売:2020年6月6日 20:00 まで

ポンコツの日ステージ&リモートライブ映像:
P青木 、TENDOUJI、東京初期衝動、Helsinki Lambda Club、眉村ちあき、MONO NO AWARE(玉置周啓)、超能力戦士ドリアン、木下百花、愛はズボーン、Bakyun the everyday、嘘とカメレオン、ステレオガール、愛しておくれ、忘れらんねえよ柴田、新しい学校のリーダーズ、ナードマグネット、ニューロティカ

ハッピーメッセージ映像:
teto、Wienners、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、THIS IS JAPAN、ハヤシヒロユキ( POLYSICS)、東京少年倶楽部、芦沢ムネト、クリトリック・リス、夜の本気ダンス、リーガルリリー、ケンモチヒデフミ、xiangyu(順不同)

■公演情報


ATFIELD inc. 20th presents 「フォーエヴァーヤング or DIE」
2020年12月22日(火)@TSUTAYA O-EAST
開場 / 開演 : 18:00 / 19:00 (仮)
料金 : 前売 3,900円(税込)+D別
出演者 : 未定 
(プロジェクト始動とともにブッキング開始となります)
チケット発売 :10/31(土) 10:00より各プレイガイドにて発売予定

クラウドファンディングの受付URL https://camp-fire.jp/projects/view/284403

■BAYCAMP公演概要

ATFIELD inc. 20th presents BAYCAMP 2020 10th Anniversary
2020年9月12日(土) オールナイト・雨天決行
神奈川県川崎市東扇島東公園 特設会場
12:00 OPEN 13:00 START 5:00 CLOSE(予定)

出演アーティスト第2弾解禁!!

・フジファブリック
・サニーデイ・サービス
・Czecho No Republic
・ドミコ
・MONO NO AWARE
・Mega Shinnosuke
・キュウソネコカミ
・the telephones
・夜の本気ダンス
・フラワーカンパニーズ
・Awesome City Club
・Wienners
・teto
・TENDOUJI
・Helsinki Lambda Club
・【DJ】FREE THROW (弦先誠人/神啓文/タイラダイスケ)
and more….

チケットに関して
入場券
オフィシャル3次先行割 5/25 (月) 0:00 〜6/21(日)23:59  ¥8,800(税込)
受付URL:https://w.pia.jp/t/baycamp/

オフィシャルサイト:http://baycamp.net

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