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StoryWriter

おいっす。

ダイエットのためにジョギングを始めて1週間で梅雨入り、火鍋栄光です。

今日も攻めるぜ、京王線のダークホース「八幡山駅」。八幡山は世田谷区の町名なのに、住所は杉並区という白にも黒にもなりきれない場所。それは正に日本生まれの中華料理という冠を与えられた天津飯と通ずるスペクトラムさ。今日も颯爽と町中華界隈にいざ行かん。

■八幡山の町中華界隈にある”ガチ”中国料理「味仙」

駅から徒歩30秒ほどでたどり着いてしまう八幡山の町中華界隈。前回お邪魔した「京八」の二軒隣に構えるこちらの「味仙」。味仙と言われると、名古屋発祥の中華料理屋なのに「台湾ラーメン」という、これまた不可解な名物でお馴染みの有名店がありやすが、こちらは別物。

天津飯ある! 600円もお手頃価格! この店の佇まいからして、おそらく生粋の町中華や! 直後に目に飛び込んできた、看板に大きく書かれた”本場中国料理”の文字に目を背けつつ、我々調査班は店内へズカズカ進軍していったんだゾ。

店内はお客さんも多く、お写真を撮るのも憚られたのでこんなショットでご勘弁くださいまし。席数はテーブル席が2、3、カウンターが7、8席くらい…… という曖昧な記憶力。小さな店内には昭和のポスターも多く、これは町中華で……。

…… してやられた。ここは”ガチ”の中国料理や。町中華には刀削麺なんてコテコテの中華はあらへんのよ。なんなら中国語のメニュー名もあるしな。とはいえ、五星紅旗もないし、店内も質素そのもの。雰囲気はしっかり町中華だけど、おそらく食品衛生管理者は中国人のおやっさんでしょう。

……イイネ! 中国のおじさんが作るもんは大体美味いっていうのは、中国でこの身を以て体験済み! どんな天津飯を作ってくれるのか楽しみじゃないの!

ホネゴキゴキ。

漫画『はじめの一歩』で言うなら、開始のゴングとともに同時に対角線上に飛び込んでくるジミー・シスファー並の突進力で天津飯を一つ注文。ジョルトッ‼︎

ホールは女将さんが一人でまわしていらっしゃる。お客さんは近所の常連さんが多いようだ。タンクトップで新聞を読みながら昼からビールを飲むおじさんも夏の風物詩。ママが常連らしい運動部の大学生とスポーツの話をしている。盗み聞きすると、どうやら彼は我が地元の青森山田高校の出身の学生のようで。中学生の時にバスケ部だった小生の脳裏には、中体連で山田高校中等部のバスケ部に100点ほど差をつけられた過去を思い出し、苦虫を噛む想い。グヌヌ……。よっぽど焼酎のロックでも頼んでやろうかと思ったが、奥歯を噛み締めて必死に耐え忍んでいると……。

\オマタセシマシター/

■天津飯界隈の鷹村守とはこいつのこと

……ほう。出たね、オムライスのハッシュドビーフ掛け風天津飯。今度からこのタイプの天津飯をオムライスと呼んでやろう。

冗談はさておき。味噌汁のようなお椀に入っているの汁物も、一見すると味噌汁のように見えるが、その実かき玉スープ。今のところ一貫して不思議な雰囲気が拭いきれないものの、店内の昭和感が「まあいっか」という気持ちにさせる。何事も食わねば分からん! いざ!

卵キレー! フルテンション! フルテン!

濃い!舌へのアタックが強くて何味か一瞬掴めないほど! どうやら醤油ベースのあんではあるものの、これは白米のために存在するあんですな。しかし、醤油の風味で白米をかき込ませたあとに、同心円状に広がってくる酢の酸味が、後味をそこまで嫌らしくさせない!

以前の食神のような暴力的な味のアタックがあるものの、決してただの力任せではない。テクニックとパワーが備わっている。『はじめの一歩』43巻と44巻のブライアン・ホーク戦では、ホークのトレーナーであるミゲル・ ゼールが、鷹村を野性と科学の融合であるボクサーの理想像と称していた。この天津飯は天津飯界隈の鷹村守なのだ! 具材こそ卵と米とあんという軽装備ではあるが、あんという名の右ストレートの破壊力は計り知れぬ。差し詰め、間柴了のチョッピング・ライトというところか……。

ボッコボコに対戦相手を殴るように丼をかき込んでいく! 止められんぜ!

K.Oタイム:3R 2分32秒というところでしょうか。いやあ、だいぶボディブロー入りましたわ。満腹満腹。

久しぶりに破壊力のあるボクサー、もとい、天津飯に当たったので序盤はたじろいだものの、食べ終わるとなかなかのお味で。

はじめの一歩の話しかしてない気がするけど、ごっそさん! また来ます!

今日の天津飯豆知識:
天津飯と天津麺のルーツの関連性は依然として不明らしい


⭐︎今日のお店⭐︎
中国料理「味仙」

住所:東京都杉並区上高井戸1-1-13
電話番号:03-3329-3100
営業時間:12:00~14:00 18:00~24:00
定休日:日曜日

火鍋栄光(ひなべ・えいこう)
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。

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