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StoryWriter

お世話になっております。CDJでCDを聴いているdigる男・ヨコザワカイトです。

先週の記事でジャンクLDプレーヤーを買った僕は、今まで再生できないからと避けていたLDを買い漁っています。そんなLD digをしていると、説明のない謎の1枚を発見しました。

「一瞬、忘れかけたような夢のように、風が通り抜けた……。」

 

『君の名は』かな? 表にも裏にも波の写真しかないので内容が本当にわかりません。気になったので持ち帰り、再生。

波。そして、波。日が暮れるまで、波。

なんだこれは… 確かにジャケットの通りですが。 最後まで見ても何がなんだかさっぱりだったので、ネットで調べてみると、「環境映像」というジャンルだと言うことが分かりました。

環境映像とは

環境映像(かんきょうえいぞう)は、地球上の自然を描写・描画した映像である。(wikiより)

 

「環境音楽」と言うジャンルがあります。近年のアンビエント〜City Pop再評価の流れを組んで、去年リリースされた日本の環境音楽コンピレーション『Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990』が米グラミー賞にノミネートされたことも記憶に新しいですね。

そんな環境音楽は「とある環境で流れることを想定した音楽」であるのに対して、環境映像は「とある環境で流れることを想定した映像」です。「とある環境を写した映像」ではないんです。

本作『A DAY IN THE WAVE』は、1984年にCBS・ソニー(現・ソニー・ミュージックレコーズ)から発売した環境映像LD。ブライアン・イーノが、空港という場所とその機能のために制作したアルバム『Ambient 1: Music for Airports』にてアンビエント音楽を提唱したのが1978年ですから、こちらも当時の最新の流行として制作されたようです。

そんな環境映像に興味が湧いたので、他のLDも探してきました。それがこちら、

『WATER’S PATH WINDHAM HILL』

邦題は『もう一つのアメリカ』。確かにアメリカの映像だけど…… 1980年代は環境保護運動が盛んな時代でしたので、そのような思想もあるのかもしれません。

先ほどの『A DAY IN THE WAVE』の音は映像とリンクした波の音でしたが、こちらはBGMがついています。

音楽は豪華です。ニューエイジ系の中では最も有名なジョージ・ウィンストン、超絶アコギ奏者マイケル・ヘッジス、そして彼らをプロデュースしたウィリアム・アッカーマンなど。

ライナーノーツには、環境映像(もしくはBGV)自身への言及がありました。

「音楽の持つリズムにかかわりなく映像が映し出すシーンに留まって、そこに起こり来るドラマとその感動を描くことに努めた」

 

うーん、なるほど。確かに、BGMと映像はそこまでリンクしていないかもしれません。だからこそ集中することもなく壮大な自然をボーっと見ているだけで、心が癒されるような気になりますね。

環境映像、あなたの部屋にも取り入れてみては?

※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。

ヨコザワカイト(よこざわ・かいと)
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。StoryWriterで連載を担当しながら就職活動中、そして迷走中。最近は、密かに音源も制作している。

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