WACK所属のアイドルグループGO TO THE BEDSが、新曲「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のMVを、2020年9月5日(土)24時に突如YouTubeにて公開した。
このMVには、WACK、ひいてはその創設者である渡辺淳之介のターニングポイントとなった要素がすべて詰め込まれている。ある意味で豪華すぎるMVという見方もできるが、なりふりかまわずグループをレペゼンしないといけない状況にGO TO THE BEDSがいると示していると見ることもできる。
なにせタイトルは、「現状間違いなくGO TO THE BEDS」。
まさに崖っぷちだ。
同MVは3つのパートで構成されている。
最初は、初期BiSの「My lxxx」。俗に“全裸PV”と呼ばれ、メンバーたちが富士の樹海をほぼ全裸で走る。公開された2011年当時は賛否両論大きな反響が起こり、結果的にBiSというアイドルグループの存在を世の中に深く知らしめる結果を残した。
次に、BiSHの代表曲「BiSH -星が瞬く夜に-」。うんこ色の液体と白い液体を顔面に受けるMVで、これまた強いインパクトを残した。初MVで馬糞や激辛カレーが調合された液体を顔面で受け止める映像は、ただならぬデビュー作品として歴史に刻まれている。
そして最後は、第3期BiSの「CURTAiN CALL」。「101回目のカーテンコール」と題された同楽曲のMVでは、101回連続で同楽曲をパフォーマンスした最後の1回が切り取られている。5時間10分ノンストップで歌い、踊り続けた気迫に満ちた作品となっている。
WACKの歴史を彩る3本のMVすべて取り入れる作品を1日で全て撮影するという計画を聞き、密着レポートを書くことにした。
MV撮影に24時間密着レポート
2020年8月28日(金)、深夜2時からメンバーはメイクをし、朝方4時に渋谷の事務所をロケバスに乗って移動。6時過ぎ、富士の樹海に到着した。山ということもあり雨が降っている中、タイミングを見計って、全裸PVシーンを撮影していった。
今回のMVの監督は、エリザベス宮地。MOROHAやクリープハイプの映像作品を手がける彼は、BiSHのドキュメンタリー作品をはじめ、WACK所属グループのMVも数多く手掛けている。GO TO THE BEDSのメンバーであるココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソンが所属していたグループSiSの解散を追ったドキュメンタリー『WHO KiLLED IDOL-SiS消滅の詩-』の監督でもある。
全裸MVシーンでは、現代のコンプライアンスやYouTube上の規約などを鑑み、肌色の全身タイツを身に纏い、BiSの「My lxxx」を模倣していった。現場の空気は明るく、順調に進んでいき、カラフルな粉を顔や全身に浴びた姿のままバスで次のロケ地へ移動した。
正午過ぎ。気温が34度近くまであがっていく中、うんこ色の液体と白い液体を顔面に受けるシーンの撮影が始まった。カレーなどを混ぜたうんこ風の茶色い液体と、白い液体を豪快に顔に浴びていく。突然の通り雨に打たれたりしながら撮影は進んでいったが、メンバーたちの表情はまだ明るい。
汚れたメンバーたちにスタッフがホースで水を放ち洗い流し、最後の「101回目のカーテンコール」収録パートのスタジオへと移動した。
ここから約6時間かけて「現状間違いなくGO TO THE BEDS」を101回パフォーマンスする。メンバーはそう告げられていたが、実はサプライズで102回行うことが予定されていた。
撮影がスタートする直前、WACK代表の渡辺淳之介がスタジオを訪れ、パフォーマンス直前のメンバーたちに声をかけた。
「ぶっちゃけ、ただ101回やることなら他の人でもできる。やり切ることが目的じゃなくて、この101回を通して何を生み出すことができるか。今回関わってくれているスタッフの心を動かすことができるか。それができなかったら、その先にいるお客さんの気持ちも動かすことはできない」
そうした言葉を受け、撮影ははじまった。
正座をした状態からダンスがはじまるため、数を重ねるたびに余計彼女たちの体力が奪われていく。20回目にしてキャン・GP・マイカの声がでなくなり、ユメノユアも表情が辛そうになっていった。40回目くらいからメンバーたちは汗を一層かきはじめ、さらに体力が奪われていく。半分の50回で1人ずつトイレと水分補給をし、一気に最後まで駆け抜けていった。
90回目からは、前身グループのGANG PARADEが辿ってきたワンマン会場名が書き記されたスケッチブックが提示され、メンバーの気持ちを鼓舞していく。BiSの場合は、これから立とうとしている未来の大きな会場の目標が示されていたが、GO TO THE BEDSはこれまで立ってきた会場名が書かれている。
そして101回目。GANG PARADEもWACKのどのグループも立っていない「日本武道館」の文字が掲げられ、最後の気合いを振り絞ってパフォーマンス、メンバーはその場に倒れ込んだ。しかし、そのまま102回目のイントロが流れ始める。なんともいえぬ表情をしながらも立ち上がったメンバーたちの視線の先には「解散ライブ」の文字が。第3期BiSの101回目と同じ内容ではあるが、「解散」という言葉は重い。
最後の力を振り絞って102回目のパフォーマンスが終わり再び倒れ込んだが、会場スタッフたちから拍手やカットの声は起こらない。
そのまま予定にはなかった「アンコール」の103回目がはじまった。
条件反射のようにメンバーたちは103回目をパフォーマンスし切ると、ようやく拍手と「おつかれさま!」の声があがり、約24時間に渡るMV撮影は幕を閉じた。
筆者は最初から最後まで密着していたが、最後の103回目だけは当初の予定にはなかったものだ。「アンコール」という文字は、急遽スケッチブックの裏紙に書き殴られている。それは渡辺淳之介が指示したものでもなければ、現場の誰かが指示したものでもない。その場の空気がそうさせた1回だった。
果たしてこの1回は、どんな意味を持っているのか。
このレポートとともに改めて「現状間違いなくGO TO THE BEDS」のMVを観て、その意味を探ってみてほしい。
取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太
■イベント情報
PARADISES「初めまして、楽園です。」
配信日時:2020年9月6日(日)
時間:Open 14:00 / Start 14:30
※アーカイブ配信はありません
チケット料金:視聴チケット 3,500円(税込)
チケット販売URL:http://w.pia.jp/t/paradises/
※チケットぴあ「PIA LIVE STREAM」にて販売となります。
・配信に関する注意事項
ご購入前に必ずチケットぴあ「PIA LIVE STREAM」オフィシャルサイトをご確認ください。
https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/
チケット発売日:2020年8月21日(金)18:00~
GO TO THE BEDS「ARE YOU SLEEPER?」
配信日時:2020年9月6日(日)
時間:Open 18:30 / Start 19:00
※アーカイブ配信はありません
チケット料金:視聴チケット 3,500円(税込)
チケット販売URL:http://w.pia.jp/t/gttb/
※チケットぴあ「PIA LIVE STREAM」にて販売となります。
・配信に関する注意事項
ご購入前に必ずチケットぴあ「PIA LIVE STREAM」オフィシャルサイトをご確認ください。
https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/
チケット発売日:2020年8月21日(金)18:00~