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天津飯放浪記第44回 ぎょうざの満洲「天津飯の卵の部分の名称、あなたは知っていますか?」

StoryWriter

おいっす。

先日StoryWriter編集部に「ぎょうざの満洲でまた天津飯出してますよ! 1月末の期間限定です!」とのタレコミが届いた。

「ぎょうざの満洲」は、今年10月にも期間限定で天津飯をメニュー化していたものの、今はもう年の瀬の冬。四季折々の味わいを出す日本で期間限定メニューを出すには、それなりの特色がなくてはならないはず。どんな差異があるのか?

千円札一枚を握り締めて、僕は早速ぎょうざの満洲へ入店した。

早速座席に立て掛けられたタブレット端末で注文をば。なんということだろう、僕の目に飛び込んできたのは、前回と変わらぬメニュー写真の「甘酢天津飯」だったのである。

「これ2回目やん……。経費で落ちるだろうか?」

椅子に座っているのに、膝の震えが止まらず、じんわりと汗が滲んできた。いや、でも待って。前回より30円値上がりしてます? ただの価格競争なのか、はたまた何か新しい要素が加わったのか? 訝しげな顔を見つめながら、僕はダイエット中であることを理由に玄米小盛に変更、早速注文してみた。

注文後もなんの気なしにタブレットでメニューを見つめていると、僕の天津飯常識を超えるものが目に飛び込んでくる。

お分かりいただけただろうか? 天津飯の米要素を抜いた、一品料理として謎の料理「甘酢天津」が新たに追加されていたのだ。なぜなのだ。

日本生まれの天津飯ですが、天津飯の卵の部分は広東料理の「芙蓉蟹(フーヨーハイ)」に相当すると考えられています。 芙蓉蟹はいわゆるカニ玉で、中国ではこれをご飯にのせて食べることはあまりありませんが、日本の天津飯の元であるといわれています。
引用元:https://www.ko-cho.com/blog/contents/1608-01/

つまり、天津飯の上にある卵の部分は芙蓉蟹。間違ってもあの卵は”天津”という、中国のone of 大都市と同じ名称ではない。そしてなぜ、甘酢天津飯都餃子セットが760円(税別)で、ご飯と芙蓉蟹を別個にした甘酢天津セットが840円(税別)なのか? 僕はひとしきり考えた後、頭を抱え、震えながら「甘酢天津の方が記事のネタになるじゃん……」とも思った。

\オマタセシマシター/

店員さんから僕にかけられた言葉はあまりに無情。すでに完成された天津飯が届けられた。しかも、この一品料理「甘酢天津」に動揺した僕は、自分でも気づかないうちに、頼んでもいない餃子のタレを、いつも通りベストな配分で完成させていたことにも驚いた(画像右上)。僕は動揺しやすいのだ。

そこには10月と変わらず、2ヶ月の時間をおいても尚、光沢がかった茶色が僕の食欲を刺激する。高校生の頃に付き合っていた彼女と大学生の時に再会した時に「嗚呼、君は変わらず綺麗だな」と感じたことをなんとなく思い出した。やはりこの子を食べてしまいたい。扇情的で妖しい光に僕は食指を動かされてしまった。

玄米。僕は玄米が好きだ、もちもちとした食感がとてもエッチな気がするし、毎晩お世話になってます(ダイエット的な意味で)。

!!!! 玄米と芙蓉蟹、もとい! 天津ってめちゃ合うやん! 白米のようにお米の粒立ちやあんとの絡みとは違う文脈で、攻めてくる。誇張して言えば、餅入りお好み焼きでお餅が気にならないどころか、しっかりお好み焼きの味や生地に馴染んでいるような感じ!(伝わる?)そして、あんそのものもちょっと進化しているように感じた。10月モノがちょっと酸味が目立っていたのに比べて、今回は甘さと酸味のバランスが程よくなっていて、米に合いやすくなっている!

具材では、にんじん、玉ねぎ、たけのこ、しいたけ、そして前回意表を突かれた豚肉もあったが、今回は前回なかった(はず)のキクラゲが目立った! コリっとした食感は唯一無二の存在感。彼らが芙蓉蟹、もとい! 天津の具材オールスターズ! 30円値上がりしたものの、500円台の天津飯としては相変わらず驚きのコストパフォーマンス。飯を食わせるタイプの具沢山天津飯である。付け合わせは、ザーサイからキムチに変更されていた。しかし、キムチの食感や辛さも同時に食べることで、箸休めどころか味変も可能。東アジアの理想が530円で、この器の中に体現されている! んまい!

ぺろっといただきました。

前回の10月限定、そして今回は1月末までの限定。こんな短期スパンで繰り出すなら、なぜレギュラーメニューにしないのか? 不思議に思い、ぎょうざの満洲公式HPを開くと……。

関西いきてええええええええええええええ。皆さんよいお年を。

今日の天津飯あるある:

なんやかんや関東の人も関西風あんのほうが好きになりがち。


⭐︎今日のお店⭐︎

「ぎょうざの満洲」つつじヶ丘店

住所:〒182-0006 東京都調布市西つつじケ丘3丁目34−1
営業時間:11時00分~21時30分
電話番号: 042-426-9977

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