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【連載】Vol.27 WAggメンバーが赤裸々に語る「WACK合宿オーデ2021」にかける想い

StoryWriter

BiSHやBiS、豆柴の大群が所属する音楽プロダクション・WACKの次世代アイドル育成グループ、WAgg。2020年10月から約3ヶ月にわたり、先輩グループであるPARADISESへの昇格をかけたオーディション企画〈PARADISESの素晴らしき未来〉を行い、ウタウウタがPARADISESへの昇格を勝ち取った。

同時に元CARRY LOOSEのメンバーであるYUiNA EMPiREがWAggに新加入、PARADISESメンバーの月ノウサギが半年間WAggへレンタル移籍することを発表。2021年1月3日には、6人体制となったWAggで、TSUTAYA O-WESTにてワンマンライヴ〈WAggs〉を開催し、新たなスタートを切った。

そして、3月21日(日)から1週間に渡り開催される事務所主催の〈WACK合宿オーディション2021〉の2日目から、WAggから5人のメンバーが参加する。合宿を目前に控えた5人はどんな気持ちで合宿に臨むのか? 新体制始動のことから、彼女たちの想いを訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


尊敬する先輩として、WAggの仲間として、関われるようになった

──まずは、新体制WAggのことから訊かせてください。月ノさんとYUiNAさんがWAggに加入したことで、変な話、気を遣い合っていたりしていませんか?

愛:これまでのWAggは全員同期みたいな感じだったので、最初は先輩が入って一緒にやることがどういうものか探っていたんです。でも今は、たくさん教えてもらえるのと同時に自分も学べて成長できる存在として、そんなに気を張りすぎずに活動できています。自分がたくさん吸収しようと意識を強く持てたら大丈夫かなと思えるようになったら、安心して2人と話せるようになりました。

アンズピア:私は気を遣うことはなかったんですけど、お披露目の時は「これを訊いていいのかな…?」みたいなことはありました。その後、本当に思っていることを話し合う機会があって。そこからは尊敬する先輩として、WAggの仲間として、関われるようになりました。最初は上手くいくのかな? と思っていたんですけど、今は本当に入ってくれてよかったと思う毎日を過ごしています。

ア・アンズピア

──アイナスターさんは気を遣ったりしなかったですか?

アイナスター:私は〈PARADISESの素晴らしき未来〉のファイナル・ステージまで進めなかったこともあって、結果発表の日の楽屋裏で初めてYUiNAちゃんと顔合わせをしたんです。私以外の4人はWAggに残るのか昇格かドキドキしていたと思うし、YUiNAちゃんはWAggに加入することをお客さんに伝えることに不安があったと思うんです。私がかしこまった感じで接したら、YUiNAちゃんも上手くいかないんじゃないかと思って、最初の楽屋からたくさん話しかけました。

アイナスター

YUiNA:アイナスちゃんから近づいてきてくれて、手も握ってくれたんです(笑)。気さくに接してくれたおかげで、私も素直に正直に接していいんだなと思えた。それはアイナスちゃんが気を遣ってくれていたんだなと思う。

アイナスター:たしかに気を遣わないことを気遣っていたかもしれない(笑)。

YUiNA:そうそう、結果、気を遣ってくれていたんだけど、すごくありがたかったです。

YUiNA EMPiRE

──月ノさんは〈PARADISESの素晴らしき未来〉では先輩として関わっていましたが、WAggメンバーの一員として関わることになりました。メンバーとの関わり合いで難しいことはなかったですか。

月ノ:最初は、敬語をなくすかどうかで悩んだんです。私の立場はPARADISESのメンバーとしてWAggに入ることでもあるから。でもWAggのライヴを全体で観た時に、1人だけ敬語だと空気が変わりすぎちゃうかなと思って。半年間、自分がメンバーに背中を見せ続けられる存在でいるんだと気持ちを切り替えてからは気持ちが楽になって敬語をなくしました。

月ノウサギ

──とはいえ、他のメンバーは敬語が出てしまったりしませんか?

月ノ:最初は愛ちゃんが結構大変そうだったよね(笑)。

愛:どうしても「月ちゃん」って呼べなくて。お披露目ライヴのMCで「月ノウサギちゃん」って言おうと思ったら「距離感を感じるから今日だけウサギちゃんを許す」って言われて。そこから、ずっとウサギちゃんって呼んでいます(笑)。

月ノ:GANG PARADEの時も、メンバーからもどっちで呼べばいいの? って言われていたんですけど、ウサギちゃんは恥ずかしいから辞めてくれって言い続けてきたんです。でも、それもいいかって気持ちになったんです。というのも、オーディションの時よりメンバーと深く関わりたいと思ったからで。オーディション中は、今後PARADISESとして一緒に仕事をするかもしれない相手として見ていたし、あくまで違うグループのメンバーだと考えている部分があった。でもメンバーになる以上、目をそらしてはいけないことも多いし、自分も心を鬼にしてアドバイスしつつ、深く関わる気持ちになりましたね。

YUiNAがいなかったら「にんげん」を、こんなに表現できていなかった

──WAggは、これまでWACKグループが歌ってきた曲をライヴでパフォーマンスするグループです。YUiNAさんは、これまで所属したことのあるEMPiRE、BiS、CARRY LOOSEの曲を再び歌っているわけですが、どんな想いなんでしょう。

YUiNA:練習中は、素直に楽しめる時と、ちょっと喉に詰まったり歌いづらくなってしまう時があるんです。でも、お客さんを目の前にしてライヴでやってみると、そういった不安はあまりなくなって。純粋にWAggの曲を自分も楽しめているし、素直に届けられているなと思っています。

月ノ:YUiNAちゃんと練習で「にんげん」をやったとき、一緒にやれてよかったなと思ったんです。WACKに残ってくれたから一緒にできる。いなかったら「にんげん」という曲を、こんなにちゃんと表現できていなかったんだろうなと思うし、勝手にありがとうって気持ちになります。

アイナスター:私もライヴでお客さんの顔を見ていて、それをすごく思います。CARRY LOOSEさんやBiSさんの曲をやっている時にお客さんが涙ぐんだ顔を見ると、一緒にできてよかったなってすごく思うんです。

 

──そのグループで歌っていた本人が歌うことと、お客さんの顔を目の当たりにして、より感情が入ったり曲を理解できた感じはある?

愛:はい。これまでとは違う新しい気持ちでした。1月3日のライヴで、もっともっと曲に向き合わないといけないと気づいたんです。ウサギちゃんとYUiNAちゃんがいたグループの曲を一緒にできてよかったと心から思いました。ライヴをやること、曲に対する考えや思いが、自分の中でもっと強くなったんです。

アンズピア:私たちは「にんげん」だったり「primal.」だったり、すごく大切な曲をやらせていただいていて、本当に1つ1つの曲と向き合うことが大切だと感じています。月ちゃんがいてくれてよかったと思ったのは「pretty pretty good」をこのメンバーでやった時のことなんです。もともとWAggでやらせていただいていたし、その時も真剣だったんですけど、こんなに大変な曲なんだと改めて思って。

月ノ:はははははは!

──体力的にも相当大変な曲ということ?

アンズピア:一番大変ですね。

月ノ:最初に練習したとき、私は普通にやっていたんですけど、マネージャーさんから「月ノの動きが1番大きい」とおしゃっていただいて。メンバーに対して、こんぐらいやるんだぞ! と伝えたら、日に日によくなっていくんですよね。これまでは、ライヴでも、きつい一歩手前の楽しいで踏みとどまっていたのかなと思って。そうじゃなくて、きつい! でも! みたいな部分が1番楽しいし、そこまでいった時に初めてお客さんを巻き込んだ、熱量のあるライヴができる。少しずつでも限界を一歩超えられるようになっていく必要があると、WAggに入った時にすごく思ったし、今はそれをやっている最中です。

YUiNA:今まで経験させてもらったグループの曲って勝手にスイッチが入る瞬間があるんです。月ちゃんからは「Plastic 2 Mercy」も圧倒的な熱量を感じて。私たちはそれについていかないといけない。

愛:ウサギちゃんが隣で「Plastic 2 Mercy」の振りをやっているだけでも、自分の腕が想像以上に動くようになってきて。体が自然に乗ってくるんです。「pretty pretty good」も自分自身にこんなに動く!? ってくらい動くようになって。そうやって限界を超えてやっていきたいと、今の話を聴いていてすごく思いました。

「PARADISES RETURN」を歌うことで生まれる悔しさや様々な想い

──PARADISESの新曲「PARADISES RETURN」も早速、WAggのメンバーで披露されたそうですね。月ノさんがレンタル移籍してから生まれた楽曲ですが、どんな気持ちで歌ったんでしょう。

月ノ:正直、今の私が歌っていいのだろうか? とすごく怖かったんです。初めて曲を聴かせていただいた時に、これはPARADISESの曲だけど私たちにも向けられているなと思って。今のWAggでできる精一杯の「PARADISES RETURN」をやろうと思ったんです。でもイントロが流れた瞬間から複雑な気持ちはずっとあって。逆に今しか歌えない「PARADISES RETURN」を歌おうという気持ちでしたね。終わった後にお客さんがすごく温かくて。拍手が鳴り止まなかったのを見て、やれてよかったなとそこでやっと思えました。

──オーディション期間中ずっとPARADISESのことを考えて活動してきたメンバーにとっても、この曲にはまた違った気持ちがあったんじゃないでしょうか。

愛:もしかしたら自分がPARADISESに入って歌えていたかもしれない曲を、今WAggのメンバーで歌っていることで、悔しい気持ちはありました。サビの歌詞を歌いながら、もっとここで頑張り続けないとという気持ちと……なんていったらいいんだろう。

月ノ:頑張りたい気持ちと、PARADISESに行けなかった悔しい気持ちが、両方あったんだよね。

愛:ここからまた頑張るぞ! と思えていたけど、落ちサビを歌わせてもらったときに、うっ…… って息が止まって苦しくなったんです。めっちゃ悔しかった。曲が流れた瞬間に自分も泣きそうになりながら…… そのときはわからなかったけど泣いていたかもしれない。同時に感動の気持ちも溢れました。ウサギちゃんが間奏部分の振りを考えてくれて構成を変えてやったんです。愛は腕を掴んでポーンって投げられるんです。そのときに気合いが入りすぎて、自分的に落ちサビが上手く歌えなくて。絶対どこかのタイミングでこの曲を歌いたいし、その時までにもっと違う「PARADISES RETURN」を見せられるようになりたいと心の底から思いました。

 

──アンズピアさんは「PARADISES RETURN」を歌ったときはどんな気持ちでしたか。

アンズピア:この曲を最初に聴いた時、ウタ(ウウタ)ちゃんが昇格して本当によかったなと思ったのと同時に、もしかしたら自分が歌えていた曲だったかもと思ったら、すごく悔しいというか。自分もうっ…… ってなっていて。でも、そんなことばかり気にしていたらダメだと思ったんです。他の曲もすべてなんですけど、今できる最大限の気持ちを「PARADISES RETURN」に乗せられるように頑張ろうと思って。「PARADISES RETURN」は難しいなと思ったんですけど、今自分にできる最大限を頑張って歌わせていただこうと思ってやりきりました。

──アイナスターさんはどうですか?

アイナスター:最初に「PARADISES RETURN」を聴かせていただいた時に、すごく複雑な気持ちになって。練習の時に月ちゃんが、WAggにも向けられている歌詞だと思う、って言ってくれたんです。私もPARADISESさんの曲なんだけど、自分にも当てはまる曲だなと、同じことを思っていて。すごく悔しい気持ちにもなったし、この曲にはメンバーそれぞれいろいろな感情と気持ちがあると思う。同じ悔しいでも、いろいろな気持ちのこもった悔しいなんです。だから、今のWAggにしか届けられないたくさんの感情も気持ちが詰まった「PARADISES RETURN」ができたのかなと思います。

WACK合宿オーディションにかける5人それぞれの気持ち

──3月21日(日)からは、毎年恒例のWACK合宿オーディションが開催されます。WAggからは、サアヤイトさん以外の全員が2日目から参加を表明しました。愛さんは3月の合宿オーディションは初参加ですが、どんな気持ちで臨みますか?

愛:WAggでやってきたことを全部出したいです。〈PARADISESの素晴らしき未来〉が終わってからも悔しい気持ちが強くあって。たくさん練習したし、気持ちの面でもたくさん考えました。合宿の空気感や緊張感を感じながら、最大限できること探して出したいです。昨年10月に〈PARADISESの素晴らしき未来〉で行った1泊2日の合宿の前は、楽しみって言ってしまったんですけど、そんなこと一言も言えない。ちょっと怖いぐらい緊張して、ドキドキしています。

月ノ:でも、あの合宿があったことで、愛ちゃんがどう頑張れるか自分で知ることができたと思う。

愛:自分的には悔しい面が結構あったんです。あのときの自分を絶対に超えるのが前提で、絶対にもっともっとやろうと思っています。めっちゃ頑張ります。

──アンズピアさんは今回が3回目の合宿参加になります。どんな気持ちで挑みますか。

アンズピア:私は今回3回目ということもあって、みんなより成長過程をガツンと見せることが難しいだろうなとは思っていて。でも、自分で限界を決めつけることは本当によくないと思っているんです。自分の中で思っている以上に焦っているけど、この合宿で絶対に昇格する。それを目標に頑張ろうと思っています。

──これまでの2年間よりも絶対に受かるんだという気持ちが強い?

アンズピア:はい。1年目はどうなるのか自分でも分からず、ただがむしゃらにやっていてたし、2年目も自分が考える以上にがむしゃらになっていたんです。今回は自分を見失わず、格好つけないで、がむしゃらにできたらと思っています。

──アイナスターさんは今年が2回目の合宿参加になります。どんな気持ちで臨みますか?

アイナスター:去年はWAgg加入後1ヶ月で、全然理解できていないまま行ってしまったんです。なので自分が脱落した時も、メイちゃんが昇格した時も、悔しいというより、あまり理解ができていなかった。この1年間、ウタちゃんの昇格を間近で見たり経験もしてきて、どれだけ大切な合宿かは理解していて。WAggにいられる期限が2年と決められている中で、1回の合宿は本当に大事な場所なんです。だから焦りと緊張感もすごくあります。自分の最大限を出さなきゃアイドル人生死ぬんじゃないかぐらい思っています。WAggが新体制になる前はあまり自信がなくて、自分がいることでWAggにいい影響がないと決めつけていたんですけど、新体制になってからはそういう気持ちは少なくなったので、ただ前向きな気持ちで見せてやるぞ! という気持ちで挑みたいなと思っています。

──YUiNAさんは2017年の合宿オーディションに候補生として参加。2019年の合宿オーディションでは2期BiS解散のきっかけになる出来事が起こりました。合宿自体には様々な想いがあると思いますが、どんな気持ちで挑みますか。

YUiNA:今回私がWAggとして合宿に参加する意味は、みんなとは少し違うと思っていて。私の場合、今まで変に隠そうとしたり、未だに殻を破りきれてない。だから、今までの中途半端な自分と戦う期間と思っているんです。それは日頃 からそうではあるんですけど、より逃げられないし逃げちゃいけない1週間。1つ1つに対して一生懸命にまっすぐに向き合っていきたい。私は1回心が折れちゃうと持ち直すのにも時間がかかってしまうので、前向きに最後まで過ごせたらと思っています。

──月ノさんは2018年は候補生として、2020年はGANG PARADEの現役メンバーとして参加、今回が3回目の合宿参加となります。毎回立場が違っていますが、今年はどのような気持ちで臨みますか?

月ノ:WAggは参加自由だったので、最初は行くかどうかすごく迷ったんです。みんなは昇格という明確な目標があるし、候補生は自分の人生をかけて合格を目指してくるけれど、私は何があるんだろう? と。そう考えたときに、みんなほど強い理由がなくて。でも逆に行かない理由もないなと思ったんです。悪い言い方をすると、私の立ち位置って、すごく中途半端なんですよ。でも中途半端ということは、私の存在を透けていろいろなものが見られている。それこそ私が入ってWAggメンバーがどうなったかも、半年後に戻るPARADISESのことも見られている。だからこそ、候補生として参加した合宿のこと、GANG PARADEとして参加した合宿のこと、PARADISESのオーディション中にやった合宿のことすべて絞り出して、伝えられることを伝えたり導いてあげたい。やれることは全部やりに行こうという気持ちですね。ほんと全部頑張るしかない。そんな気持ちです。

──月ノさんの立場は前例がないので、答えは自分で探すしかないですしね。

月ノ:正直、今までで一番怖いですね。合宿の中で、来た意味を見出すのも自分自身だから。でも合宿に行かないと分からない部分もあるので、自分の立場でできることを全力でやりにいきます。

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月21日(日)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779980

■ ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2021完全密着 6泊7日の死闘」
配信日時:2021年3月27日(土)~
配信URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv330779981

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