【PARADISES 連載】Vol.9 ナルハワールド編「いまの4人体制で最高のグループを作ることが大切」

BiSHや豆柴の大群らが所属するWACKの中でキャリアが最も長かったGANG PARADE（以下、ギャンパレ）が2020年4月、2つに分裂して生まれたアイドルグループ「PARADISES」。テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイの4人でスタートを切った。

2020年10月からは、育成ユニットWAggから新メンバーを追加するオーディション〈PARADISESの素晴らしき未来〉が開催。歌唱審査や合宿審査など数多のオーディション審査を経て、12月26日のサンリオピューロランド公演でウタウウタの加入が発表された。同時に、月ノウサギのWAggへの半年間のレンタル移籍が発表され、ファンを中心に大きな衝撃を与えた。

2021年2月28日（日）には、新体制初のワンマンライヴ〈PARADISES RETURN〉をSHIBUYA WWWにて開催、3月3日には1st EP『PARADISES RETURN』をリリースした。そんな彼女たちに迫る個別インタビュー連載。今回はナルハワールドにロングインタビューを行った。

取材＆文：西澤裕郎
写真：まくらあさみ

ウタちゃんの名前が呼ばれたとき、すぐに納得しました

──ナルハさんは、ABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。卒業編2021』の継続メンバーに山田なるとして2回目の参加をされました。どんな気持ちで臨んだんでしょう？

ナルハ：お話をいただいたとき、どうしようかすごく悩んだんです。でも、前回参加させていただいてから、TikTokやInstagramなど、山田なるとしての活動をいろいろやらせてもらい、たくさんの方に知ってもらうことができて。自分でできることを増やすことが活動につながっていくとも思って臨みました。

──山田なるとナルハワールドでは、ちょっと違う人格という感じ？

ナルハ：違いますね。ナルハワールドの時はアイドルとしてステージ上で歌って踊って、お客さんと一緒にライヴを作る。私がなりたい理想の姿なんです。山田なるは女子高生とか今時の子たちに注目してもらえる存在ということもあって、ナルハワールドとは違った姿を見せれたらいいなと思っています。

──PARADISESは去年の10月からオーディション企画〈PARADISESの素晴らしき未来〉を行い、結果、WAggからウタウウタさんの昇格が決まりました。ウタさんの合格に関しては、どのように思いましたか？

ナルハ：オーディション開始から一番変化があったのはウタちゃんで、最初と比べものにならないぐらい自信が溢れていたんです。最後のパフォーマンスもすごくよかったし、一緒にパフォーマンスをしていてもめちゃくちゃ楽しかったので、ウタちゃんの名前が呼ばれたとき、すぐに納得しました。

──ウタさんとはもともとWAggの同期でしたが、ナルハさんの方が先にGANG PARADEに昇格して活動してきました。再び同じグループでやることになって、接し方に変化はありますか？

ナルハ：私は最初WAggにいた時、あまり自分の素を出せなくて。そんなにしゃべらず、猫をかぶっていたんですよ（笑）。メンバーにも本音で話すことがあまりなくて。でも今はウタちゃんと素で話せています。メンバーが4人しかいないのもあると思うんですけど、話す機会も増えたし、前よりすごく話しやすくなりました。

──月ノさんのWAggへのレンタル移籍の発表もありました。それに関してはどんなことを思いましたか。

ナルハ：頭が真っ白でした。え!? 今何が起こったんだろうって、何も分からなくなっちゃって。気持ちがこんがらがっていたんですけど、月ちゃんが言っているように「これには全部意味があるんだ」と思うようになりました。月ちゃんがWAggで強くなっている以上に私たちももっと成長していかないといけない。

──キャリアが長く中心的な存在であった月ノさんが抜けたことで、今の4人のバランスはどうなっているんでしょう？

ナルハ：正直、最初はどうしていけばいいか悩んだ時期もあったんです。それこそ月ちゃんがいつも仕切ってくれたり、先頭を切って走ってくれている状態だったので。月ちゃんに任せちゃっていた部分が多かったので、そういう部分を1人1人全員ができるようになっていかなくちゃと話して行動しています。

──ナルハさんは、現メンバー4人の中で、キャリア的には2番目なんですよね。

ナルハ：そうなんですよ（笑）。去年まで新メンバーだったのに、いつの間にか私もそういう立場にいるんだなって常々思いますね。

──自分のあり方とか、役割が変わった感じはしますか？

ナルハ：それこそメイちゃんは昇格したけどまだ活動自体1年しか経ってないし、ウタちゃんもPARADISESとしては新メンバーで入ってきてくれたので、そこは一応先輩と言うか。経験していることは多いので、ちゃんと教えたり、いろいろ伝えていけたらいいなと思っています。

「消えないもの」は、不安な気持ちをぶつけた歌詞

──新生PARADISESのお披露目ライヴが、1月30日にKT Zeep Yokohamaの〈WACK TOUR〉で行われました。初ライヴはどうでしたか？

ナルハ：去年、これがPARADISESですという形を作れたので、新たな4人体制でもそういう形を作れたらいいなと思って挑んだんです。意外とすぐに「私たちはこういうパフォーマンスでいけるんだ」って感覚が掴めた気がしていて。ウタちゃんの歌声がすごくいいんです。今までになかった歌声で、PARADISESに新しい風が入った。それで新しいPARADISESの形が見えたなと思えたんです。

──3月3日にリリースされた1st EP『PARADISES RETURN』でもウタさんの作詞曲が6曲中3曲を締めるなど、才能を存分に発揮していますよね。

ナルハ：本当にすごいですよね。私は、ウタちゃんの言葉選びがすごく好きでなんです。私は自分の感情をストレートに書いてしまうけど、ウタちゃんは自分の気持ちを書いていてもすごく共感できるので。

──ナルハさんは「消えないもの」の歌詞を書いています。ストレートかつ、すごい赤裸々な歌詞ですよね。

ナルハ：これは〈PARADISESの素晴らしき未来〉が終わった時に書き始めたんです。月ちゃんがいない4人体制でどうやっていくのか不安な気持ちや、練習も始まったばかりでどうしていこう……みたいな不安な気持ちをぶつけました。

──「ここからはじまりって何回目だろう」ってすごくダイレクトな歌詞ですよね。あまり他の人にはない歌詞だなと思いました。

ナルハ：よく考えたら、私、毎年グループが変わっていて。

──WAgg、GANG PARADE……。

ナルハ：そしてPARADISES。1年丸々同じグループにいることがないんです。だから何回私は始まるんだろうって気持ちを書きました。今度の4月でPARADISESで1年経つので、初めて1年丸々過ごしたグループになるんです。

──やっぱり、1つのグループで長く続けていた方が自分の自信になる？

ナルハ：私だけかもしれないんですけど、長くいた方が、ここに向かっていこうという気持ちを決めていきやすいと思っていて。コロコロ変わってしまうと、こっちかな、こっちかな…… みたいになっちゃう。私の性格もそうなんですけど。

──EPの1曲目「PARADISES RETURN」は、渡辺（淳之介／WACK代表）さんと松隈（ケンタ／サウンドプロデューサー）さんの作詞曲です。渡辺さんの歌詞は、グループに対するメッセージだったり、今の状況を書くことが多いと思いますが、この曲を歌いながらどんなことを思いますか？

ナルハ：最初に歌詞を見た時、すごく心に刺さる言葉ばかりで。いつも渡辺さんが書く歌詞は今の私たちの状況だったりするんですけど、今回は「踏ん張って踏ん張って」とか「金よりも大事なもの」とか印象的なワードが多いなと思いました。今の私たちの状況にも重なるし、この先、踏ん張っていかないときがきっとたくさんあるんだろうなって。いつも噛み締めながら歌っています。

https://www.youtube.com/watch?v=zoUHVY-xm7Y

──WACKグループの歌詞の中で、金って出てくるのも珍しいですよね。

ナルハ：「金より大事なもの」ってすごい歌詞だなと思います。

──「PARADISES RETURN」のMVは、外林健太さんとエリザベス宮地さんの共同監督です。いつも衣装や撮影をしてくれている外林さんが監督したのはどういう経験になりましたか。

ナルハ：不思議な気持ちでしたね。いつもMV撮影って、次はこのシーンだ、このシーンだ、って緊張感の中やるんですけど、すごくまったりしたというか。外林さんも宮地さんも知っている方なので、ワイワイしながら作ることのできたMVになったなと思います。

4人体制で最高のグループを作って月ちゃんを迎えたい

──2月28日には、SHIBUYA WWWにて初ワンマンライヴ〈PARADISES RETURN〉を開催しました。振り返ってみて、ライヴはどうでしたか？

ナルハ：全曲披露したんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。ファンの人と一緒に作り上げる空間で、すごく特別な時間だなと感じました。ステージにバッて出て、みんなの顔が見えた時に、あー、楽しい！と思って幸せでした。マスクをしていても、楽しんでくれているのがわかるし、一緒に踊ってくれたり、ペンライトを光らせてくれたり、楽しんでくれていて嬉しかったです。

──ライヴ中盤で行ったコントは、史上最強の下ネタともいえます（笑）。しかもメンバーで考えたネタとのことですが、どんな気持ちで考えたんでしょう。

ナルハ：もともと別の台本があったんですけど結構難しくて。もう一回最初から考えてみた時に、あ、金玉さんがいるじゃんってなって（笑）。最初の台本もメイちゃんが主役だったので、こっちのネタを使った方がいいんじゃないかということで。金玉キラキラキラメイちゃんを活かすことになったんです。

──そもそも、金玉キラキラキラメイちゃんのルーツはなんなんですか？

PARADISESマネージャー：GO TO THE BEDSとPARADISESの代表1人ずつがCD豪華版の動画を撮影したことがあるんです。そこで、（ユイ・ガ・）ドクソンさんがキラ・メイを操り人形にして言わされたんです（笑）。

──悪い先輩ですね（笑）。

ナルハ：でも、今までで一番生き生きしたコントで、メイちゃんが超楽しそうにやっていたので、それは大成功ですね（笑）。

──ウタさんは、そういうネタをすんなり受け入れたんですか？

ナルハ：ウタちゃんは最初、パンストを被るのが嫌って言っていたんですけど、ある日突然、「別にもう嫌じゃない」みたいな切り替えがあって。受け入れることに慣れたわけじゃないですけど、「あ、これね」ってすぐ受け入れてくれました。もともとコントをやっていることは知っていたので、やる覚悟というか準備ができていたのもあると思うんです。

──コントはPARADISESにとって重要な要素なんでしょうか……？

ナルハ：重要…… なんだろうかな（笑）。みんな楽しんでやっていましたね。コントをやる以上、自分たちが生き生きできる方がいいと思いますし。

──それが金玉というのもすごい話ですね（笑）。改めて、冷静な気持ちでライヴの時どんなことを思ったのかを聞かせてもらえますか？

ナルハ：素直に不安が全部吹き飛んだし、ただただ幸せな時間にしたい気持ちでいっぱいでしたね。お客さんと一緒に、初ワンマンライヴを絶対最高のものにするんだって気持ちで。楽しみにして来てくれている方がいっぱいいるので、私たちもやっていて楽しい！ってなった方がいいよねって。ステージに立った時は、素直にただただ楽しい気持ちで、ライヴをできたと思います。

──現在月ノさんがいない状態ですが、この4人のPARADISESを完成させて、月ノさんが戻ってこられる場所を作る感覚なのか、今は4人のことを必死にやる感覚のほうが強いのか？そこらへんはどんなニュアンスはいかがでしょう。

ナルハ：私たちが「月ちゃんが戻ってくるから」みたいな気持ちでいたら、絶対に今の4人のPARADISESは完成しないと思うんです。1回みんなでそれを話して、この4人のPARADISESをちゃんと見せた方がいいと考えたんです。もちろん月ちゃんには戻ってきてほしい気持ちがあるんですけど、それを考えていたら甘い考えになっちゃうと思うので、4人体制で最高のグループを作って、そこに月ちゃんが戻ってきて、もっと最強なグループになれたらいいなという気持ちです。

──言っても、月ノさんのレンタル移籍から、もう半分が経つわけですもんね。

ナルハ：そうなんですよ。長いのかなと思ったら意外と早い…… と思って。月ちゃんは責任感が強いので、1人で抱え込んでしまわないか心配もあるんですけど、いろいろ学んで、触れて、PARADISESのためにもめちゃくちゃ頑張ってくれていて。なので、私たちが待っているんじゃなくて、それを超えるぐらい強気でいなきゃなって思います。

強い熱量とか情熱的なものがある

──3月21日からはWACK合宿オーディションが開催されます。PARADISESからはテラシマユウカさんが参加されます。どのように過ごしたいですか。

ナルハ：もしかしたらPARADISESに入るかもしれないので、1人1人の候補生をそういう気持ちで見たいなと思っているし、ユユちゃんを応援する気持ちはずっと持っていたいです。なので、東京にいる3人も一緒に参加する気持ちで合宿は観ていたいと思っています。あと、みんなで一緒に走ろうって言っています。

──東京組3人で合宿するような感覚なんですね。

ナルハ：はい。合宿はたくさんの人に観てもらえるチャンスでもあるので、「PARADISES、いいな」と思ってもらいたい。合宿に向けて、ユユちゃんが準備をしっかり頑張っているので、みんなで応援したいと思います。

──合宿後には、全国4都市を巡る〈PARADISES IN WONDERLAND TOUR〉が開催されます。どんなツアーにしたいと思いますか？

ナルハ：全国の各地で、もっとココナッツのみなさんを増やしたい。もちろん今来てくれる人にも楽しんでもらいたいし、もっとPARADISESのことを好きになってもらえるように頑張りたいです。沖縄は初めて行く場所で、きっとはじめましての人もいると思うので、自分たちの魅力、PARADISESのいいところを伝えられたらいいなと思います。

──PARADISESは、キラキラしていてWACKっぽくないグループと見られがちですが、ナルハさんの思うグループの魅力はどこだと思いますか。

ナルハ：今までWACKにいなかったようなグループというのは1つの強みだと思うんですけど、それ以上に、強い熱量があるんです。それを生のライヴでは伝えられると思うので、ぜひ観に来てほしいです。

──実は、幅広い楽曲が揃っているのもPARADISESの特徴ですよね。

ナルハ：そうなんですよ。私、PARADISESの曲が大好きなんです。すごく幅広いので、ぜひライヴを観にきてもらいたいです。

■イベント情報

〈PARADISES IN WONDERLAND TOUR〉
2021年4月29日（木・祝）＠東京・TSUTAYA O-WEST
時間：Open 11:30 / Start 12:00
[問]TSUTAYA O-WEST 03-5784-7088
2021年5月2日（日）＠大阪・LIVE SQUARE 2nd LINE
時間」
1部 Open 12:30 / Start 13:00
2部 Open 15:00 / Start 15:30
3部 Open 17:30 / Start 18:00
[問] LIVE SQUARE 2nd LINE 06-6453-1985
2021年5月3日（月・祝）＠名古屋 DAYTRIVE
時間：
1部Open 12:30 / Start 13:00
2部Open 15:00 / Start 15:30
3部Open 17:30 / Start 18:00
[問] 新栄 DAYTRIVE 052-241-5019
2021年5月8日（土）＠沖縄 Output
時間：
1部 Open 15:00 / Start 15:30
2部 Open 17:30 / Start 18:00
[問]output 098-943-7031
2021年5月9日（日）＠沖縄 Output
時間：Open 12:30 / Start 13:00
[問]output 098-943-7031