watch more

【連載】本と生活と。vol.4 ウィリアム・スタイグ『ドミニック』

StoryWriter

こんにちは! GW中に引っ越しを控えているのに、まだ何もしてなくてそろそろやばいなと思い始めた、たまざわです!

引っ越しと言っても、今住んでいるマンションから徒歩5分ほどのところで、最寄り駅も変わらないのですが、やはりダンボールに荷物を詰めるという作業に対して、腰が重すぎる……。 先延ばし癖があるので、なおさらつらい状況です(笑)。

はい! ということで、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第4回目に紹介するのは、ウィリアム・スタイグ『ドミニック』です。

vol.4 ウィリアム・スタイグ『ドミニック』

『ドミニック』
著者:ウィリアム・スタイグ / 訳:金子メロン
発売:1977年
出版社:評論社
https://www.ehonnavi.net/ehon/29309/%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF/

作品情報: すてきな運をさがしに、未知の世界へ旅にでたイヌのドミニック。
ワニの魔女やキツネたちの“この世の終わり団”など、個性豊かな動物たちと出あう。
そして最後に、この旅は愛するエベリンとめぐり会うためだったことがわかる。
勇敢で心やさしいドミニックの冒険物語。

 

児童書ですが、おとなでも読み応えのある作品です。おおまかなあらすじは、とにかく何かしたくてうずうずそわそわしてた犬のドミニックが、すてきな運を探しに未知の世界に冒険に出る物語で、人間は出てきません。

冒険途中で多種多様な動物と出会いながら、ドミニックも思考していくと言いますか、自分ってなんだろうと悩んだりしながらも成長していきます。そのドミニックがすごい無欲でやさしさに溢れた犬なんです。序盤でもう物語完結か!? というぐらいの宝物を手にしたりするんですけど、本犬は全然どうでもいい感じで、他の困っている動物たちに分け与えたり。主人公のドミニックが自分のやりたいこと、出会った先々の動物たちの気持ちに寄り添うこと、人生の目的を模索することを優先して進んでいく物語です。

ところどころにある挿絵もゆるかわいくて癒やされます。

また、本書でグッとくる点はドミニックの犬らしさです。動物のファンタジー系の物語って結構擬人化されがちだと思うのですが、ドミニックは犬ならではの特技(嗅覚)を使って迫りくる敵に立ち向かったり、おちゃめな仕草をしたりと、とても愛くるしいんです。うれしくて遠吠えしたくなっちゃって、遠吠えしたら敵に見つかっちゃうとか、骨に目がなくて、見つけると飛びついて夢中になって食べてしまうところとか。個人的にドミニックの犬ならではの仕草にも注目してほしい作品になっています。

動物好きな人はもちろん、自分ってなんだろう? やさしさってなんだろう? って最近ふと考えることが増えた方にもおすすめです。気になった方はぜひ読んでみてください!

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします!

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

PICK UP