こんにちは! みなさんは犬派ですか? 猫派ですか? 私はどっちも大好きというか、動物全般好きなたまざわです。
現在はイングリッシュ・モルモットのごまちゃんと暮らしていますが、実家にいた頃は黒柴犬のこころと幼少期から大学時代までずっと一緒に暮らしていました。6年前に亡くなりましたが、今でも実家に帰ると、思い出話が話題に上がるほど、家族の一員だったんです。
生活に寄り添う本を紹介するこの連載。9回目となる今回はそんな犬にまつわる本『作家の犬』です。
vol.9『作家の犬』
『作家の犬』
著:黒澤和子 / 壇ふみ / 吉田顕子ほか
編:コロナ・ブックス編集部
発売:2017年
出版社:平凡社
https://www.heibonsha.co.jp/book/b159662.html
作品情報: 犬好き作家25人のワンチャン拝見! 文壇2大犬派─志賀直哉vs川端康成をはじめ、江藤淳、檀一雄、白洲正子、井上靖、吉田健一、中野孝次、いわさきちひろ、黒澤明まで。エピソード満載。
本書は遠藤周作、川端康成、坂口安吾。さらにはいわさきちひろなど、有名作家たちの愛犬家ぶりに焦点を当てた平凡社のコロナ・ブックスシリーズの本です。写真も多く、特集作家ごとにその妻や子どもたちが犬にまつわるエピソードを寄稿しているページもあります。
特に私が好きな特集ページは「遠藤周作とクロ、シロ、クウ」のです。
私は親にもうち明けられぬ心の傷を(子供だって心の傷があるのだ)、クロにだけうち明けた。そんな時、クロはじっとぬれた眼で私を見るのだった。犬が人間の心を理解しえないと私は絶対に思わない。(遠藤周作『犬を飼えない不幸』より)
妻の遠藤順子によると、遠藤周作は幼少時代に両親が不仲な状態が続き、家に居場所がなく、よく柴犬のクロに自分の胸の内を話していたそうです。私も学生時代、学校で嫌なことがあって家族にも打ち明けられなかったとき、愛犬に泣きながら話したことがあります。言葉は通じているか分からなかったけど、その後一緒に寄り添って寝てくれて、つらい心が和らいだのが今でも忘れられません。
私は遠藤周作が書く純文学とひょうきんなエッセイのギャップに魅了されたファンですが、動物にまつわるエッセイを読んだことがないので、これを機に古書店で探してみようと思ったのでした。犬好きな方はもちろん、本書で特集されている作家が好きな方も意外な一面が見られるのでおすすめです。いつもかしこまったイメージがある作家も愛犬と触れ合っている写真ではクシャクシャな笑顔を見せていて、THEギャップ萌えを感じる一冊でもあります。やっぱり心を許した愛犬にしか見せない顔ってあるんですよね。
それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします!
※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。
1993年生まれ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。