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【連載】本と生活と。vol.6 長田弘ほか『本の話をしよう』

StoryWriter

こんにちは! 私としては高額な、うん万円する本棚を購入するか絶賛悩み中のたまざわです。

引越し後、部屋の間取り的にもう1個本棚を置けるスペースがあり、インターネットの海をここ1週間さまよっていたのですが、ついに直感的にピンとくるものに出会えました。でも、値段が予算オーバーすぎて「人生のテンションを上げるためにも買っちゃいなさい」という己と、「どうせまたすぐ本が入りきらなくなって床に積み上げるんだからやめときなさい」という己が脳内でせめぎ合っています……。 どなたかおすすめの本棚がありましたら教えてください。

生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第5回目に紹介するのは、長田弘+江國香織、池田香代子、里中満智子、落合恵子『本の話をしよう』です。

vol.6 長田弘ほか『本の話をしよう』

『本の話をしよう』
著者:長田弘、江国 香織、池田 香代子、落合 恵子、里中 満智子
発売:2002年
出版社:講談社
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794965455

作品情報:
絵本を読もう。童話を読もう。物語を読もう。マンガを読もう。文字を書こう。言葉を読もう。そして、本を贈ろう。-本という不思議に魅せられた詩人が、江国香織、池田香代子、里中満智子、落合恵子の4人の作家とともに語り尽くす本の魅惑。本の秘密。

 

本作は作品情報にもあるように詩人の長田弘さんのインタビューを中心に作家の江國香織さん、池田香代子さん、里中満智子さん、落合恵子さんと本にまつわる対談で構成された1冊です。

個人的に長田弘さんは谷川俊太郎さんと並んで大好きな詩人です。これまた大好きなアーティストharuka nakamuraさんのライヴで演奏にあわせ、長田弘さんの詩がよく朗読されることがきっかけで、より好きになりました。

本作『本の話をしよう』では詩のことはもちろん、言葉にまつわること、幼少の頃の読書の原体験など盛りだくさん。長田弘さんや他登場する作家さんたちが好きな方にもおすすめです。

時間を楽しむ読書とはどんなもので、何をもたらすのかと問われた長田さんは以下のように答えています。

山を登る理由を『そこに山があるから』と答えた登山家のように、なぜ読むのかというと、電話のように他人と話すことがコミュニケーションの全部みたいですが、読書は自分が自分にかける電話のようなもの。自分で自分と話をする方法なのです。ですから、時に自分との闘いだったり、自分で自分を励ますことだったり、本の言葉の向こうに、つねにもう一人の自分を見いだしていくのが読書。本の言葉を読み取っていこうとする自分と、その言葉に自分を突き合わせていこうとする、もう一人の自分との対話です。(長田弘ほか(2002年)『本の話をしよう』11ページより引用)

私は気づいたら小さい頃から本が好きで、読書が習慣づいていましたが、読書とはなんだろう? ということはあまり考えてきませんでした。たしかに小説やエッセイ、とにかく本を読んでいるとき、たしかにその物語や言葉の向こう側に自分を重ねて、対話しているような気持ちになることがあります。それを自分に電話をかけるようなものという例えをされていて、何度も頷きたくなるほど納得です。

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします!

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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