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【LIVE REPORT】WAgg、月ノウサギと駆け抜けた半年間「何ひとつ諦めたくないし、何ひとつ諦めません」

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WAggが2021年6月27日(日)、ワンマン公演〈WAggs〉を東京・duo MUSIC EXCHANGEにて3部制で開催した。

BiSHや豆柴の大群などが所属する事務所WACKの研修生グループ、WAgg。基本的に同事務所所属の先輩グループたちの楽曲をライヴで披露して実力をつけ、WACKグループへの昇格を目指す。実際、これまでナルハワールドがGANG PARADEへ、ハナエモンスターが豆柴の大群へ昇格するなど、WACKグループへの昇格者も何人も輩出してきている。

この日の公演をもってレンタル移籍していた月ノウサギがWAggとしての活動を終え、PARADISESに復帰。また4月よりライヴ活動を休止していたア・アンズピアの復帰がアナウンスされており、これまで以上に特別な1日となった。チケットは3部とも完売、多くの新米(※WAggファンの総称)たちが会場を埋め尽くした。また、3部全てがニコニコ生放送でも中継された。

ア・アンズピア復帰ライヴ&月ノウサギラストライヴ

定刻の5分前、メンバー自ら(第1部はア・アンズピア、第2部は愛、第3部は月ノウサギ)が会場での注意事項を影アナで読み上げると、たどたどしくも可愛らしい読み方に会場が和らいだ。

ステージ脇から6人の気合いを入れる掛け声が聞こえ、客席から拍手が沸き起こると、月ノウサギ、ア・アンズピア、ベル・ナルド、サアヤイト、愛、YUiNA EMPiREの6人(※アイナスターは学業専念のため活動休止中)がステージに登場。

「はじめまして、私たちWAggです。よろしくおねがいします!」と元気いっぱい挨拶をし、「新米〜! 今日1日よろしく〜!」とアンズピアが叫ぶと、WAgg唯一のオリジナルソング「WAggの素晴らしき世界」でライヴがスタート。のっけから疾走感あふれるフレッシュな楽曲をステージいっぱいに歌い踊る。続く第3期BiSはじまりの楽曲「STUPiD」では、愛、月ノ、ベル・ナルドとともにアンズピアが組体操を行い、頂上に登ったアンズピアが復活の姿を晴れやかに見せつけた。

第2期BiSはじまりの楽曲「BiSBiS」を歌い終えると自己紹介へ。アンズピアが復帰の挨拶をすると大きな拍手が起こり、鳴り止まない拍手が彼女の復帰を祝った(第1部)。続けてそれぞれのメンバーが意気込みを述べる中、愛の肺年齢が95歳だったことを明かす(第2部)など、リラックスした雰囲気の中で挨拶をした。

アンズピアの「みんなでいっぱいいっぱい楽しんでいきましょう!」という掛け声とともに、初期BiS楽曲で2010年代を代表するアイドルアンセム「nerve」、2021年の合宿オーディションでドラマを生んだGANG PARADEの楽曲「pretty pretty good」と海老反り2連発をキメると、WAggメンバーがPARADISES昇格を目指したオーディション課題曲「PLEASE LISTEN TO MY」、GO TO THE BEDSの「現状間違いなくGO TO THE BEDS」と駆け抜けた。

MCのコーナーでは、1部でアンズピアが、2部でベル・ナルドが、3部でYUiNAが気持ちを伝えた。

ア・アンズピア「やっとまたステージに戻ってくることができました。新米のみんなとライヴできる日が来てくれて本当に嬉しいです。約3ヶ月間、長い間お待たせしました。ただいま〜!! 今日みんなと一緒にライヴできる日を想像してソワソワ楽しみにしながらも、実感のない日を過ごしていました。でもいまみんなと目と目を合わせて、ステージに戻ってきたんだと実感しています。しばらく1人で練習していたんですけど、みんなと練習していたほうが100倍楽しかったし、こうして目と目を合わせて汗をかけているこの空間が幸せだと思っています。今日まで諦めずに生きてきてよかったです。おやすみさせていただいていた時間は新米のみんなから毎日励ましてもらいました。新米のみんなと出会えて幸せものだと再確認しています。この期間、新米からもらった愛をWAggで終わらせるわけにはいかないので、WACKの一員に昇格して、これからもっともっと進んでいきたいと思います。本当に出会えてよかったです。これからもよろしくおねがいします」

ベル・ナルド「今日は待ちに待ったアンちゃんの復帰と、ウサギちゃんのラストライヴです。加入してから今日までで、ずっとウサギちゃんを側で見てきました。そうやってずっと見ている分、自分とウサギちゃんを比べることも多くなっていて。やっぱりまだベルには足りないものがすごく多くて、まだウサギちゃんを追いかけるのに必死です。でもこの短い2ヶ月というウサギちゃんとの時間で誰より吸収するために見てきたし、この時間を絶対に無駄にしないために必死に食らいついてきました。ウサギちゃんがいなくなってから5人体制になって気づくことや学ぶことはいっぱいあると思っていて。でも今見ているものとか、見せてくれたものとか、感じたものをすべて思い出して、それが何なのかとか全部含めて、みなさんに届くまで届けます。WAggの新メンバーとか、そういう小さい中じゃなくて、絶対に抜け出して、絶対に昇格したいです。自分と向き合ってずっと上を目指し続けます。新たなベル・ナルドを、WAggを、観てください」

YUiNA「私は月ちゃんと同じタイミングでWAggに加入しました。そのときは私も月ちゃんがレンタル移籍を告げられることは知らなかったんですけど、今じゃ1人で加入していることは考えられないくらいです。私は今までいろいろなことを人に任せて生きてきてしまって、情けない自分が悔しいまま今に至ってしまっています。こうやってWAggに一緒に加入して同じメンバーとして1番そばで刺激をもらえる、私にとっても心強い存在でした。この半年間はたくさん頼らせてもらったんですけど、これからは大丈夫だって、月ちゃんにも周りの人にも新米のみんなにも思ってもらえるWAggにしていきます。一度も諦めないで向き合い続けてくれた月ちゃんとの半年間を、それぞれがこの先の結果に繋げられるよう戦っていきますので、WAggをこの先もよろしくお願いします。常に進化を目指して新しいWAggを見せていきます」

続けて、BiSHの壮大でオルタナティブな楽曲「NON TiE-UP」、2021年の合宿課題曲にもなったEMPiREの「Have it my way」、豆柴の大群の始まりの楽曲「りスタート」、YUiNAも所属していたCARRY LOOSEの「When we wish upon a star」、GANG PARADEの「LAST」と感情を込めて5曲をパフォーマンスした。そして再びMCへ。1部でYUiNAが、2部でサアヤイトが、3部で愛が気持ちを伝えた。

YUiNA「今日は月ちゃんと一緒に歌える最後のライヴです。1月に一緒にWAggに加入してからの約半年間はあまりにもあっという間でした。今日が近づくたびに、月ちゃんと新米のみなさんと一緒に作るこの時間がすごく特別なものなんだなと感じていて。まだまだ終わってほしくないなと思うんですけど、その続きはこれからのお互いの道で続けられるように今日は思い出の時間を過ごせたらいいなと思います」

サアヤイト「自分は、PARADISESでもWAggでもGANG PARADEでも自分の与えられた環境で成長を続けているウサギちゃんが羨ましかったし、憧れだし、すごいし、負けたくないなと思いました。負けたくないです。だから、自分は絶対もうすぐに昇格して、追いかけていきたいし、今までこの半年間ウサギちゃんがWAggに送ってくれたやさしさやまっすぐさ、強さとか、全部自分と向き合う姿、仕事と人と向かい合う姿…… ああ…… 自分は絶対すぐに昇格して追いかけます。全部吸い込んで噛み締めて排出して、みなさんの目にわかるように伝えて届けていたいし、追い越したいです。だから追い越す日まで、いつか追い越したとしても、ずっとサアヤイトを見ていてください。今日は本当にありがとうございました。進み続けます」

「今日でWAggでウサギちゃんと最後の日です。半年間一緒に活動できて本当にありがとうの気持ちでいっぱいです。この半年間、自分の中になかった感情がたくさん出てきました。すっごく悔しい想いをしたから、今まで以上にがんばろうっていうたくさんの気持ちが湧いてきました。今までも昇格したい気持ちは持っていたんですけど、今考えると、どこか自信が持てなくて、胸を張って言うことができませんでした。半年間の経験をした今は絶対に昇格したいし、もっともっと大きな場所に行きたいという強い意志を持てるようになりました。今なら胸を張って言えます。愛は絶対昇格して、ウサギちゃんがWAggにきてくれた半年間を絶対無駄にしません。感謝の気持ちを忘れず、新米のみなさんと素敵な景色を見に行きたいです。キラキラした場所に新米のみなさんを連れて行けるように精一杯がんばります」

そしてGANG PARADEのインディ時代最後のシングル曲「CAN’T STOP」、プラニメ〜POP〜GANG PARADEと歌い継がれてきた「Plastic 2 Mercy」を6人で全力でパフォーマンスし本編は幕を閉じた。

鳴り止まないアンコールの拍手に応え、再びステージに登場した6人。1部ではBiSの「primal.」、2部ではCARRY LOOSEの「にんげん」、3部ではPARADISESの「PARADISES RETURN」を披露した。

そして、月ノウサギが3部すべてでMCを行った。

月ノウサギ(1部)「まずは、ア・アンズピアの復帰公演で〜す! おめでとう! それと同時に、私のレンタル移籍期間最後のライヴなんですけど、最後のステージをアンちゃんと一緒に歌えて、すごくよかったなと思っています。アンちゃんは去年の合宿とかPARADISESのオーディションでトレーナーをやっていたり、深く関わらせてもらう特別な機会が多かったなと思っていて。切っても切れない縁を感じますね。愛ちゃんとサアヤイトは、この半年間欠けることなく一緒に活動してきて、半年でこんなに人っていろんな見えないところがあるんだってくらい秘めたるものを持っている人たちなんですよ。半年とは思えないくらい濃い想い出をたくさん作れましたね。YUiNAちゃんとは偶然にも同じタイミングでWAggに入ることになって、一緒に歌えてよかったと思う曲があるんですよ。私なんかが言うのもおこがましいんですけど、本当にWACKに残ってくれてありがとうと思っています。オベベさん。べべとは表立った活動は1ヶ月くらいしかやっていないので、正直もっと一緒にステージに立ってみたかったなと、この期間ですごく思わせてくれた子なんですよ。あと、笑顔がとっても素敵。本当にキラキラしているんですよ。そんなべべの笑顔に短い期間なんですけど、たくさん救われてきて一緒に活動できてよかったなと思っています。そして最後に。新米のみなさん。こんな半年でいなくなるような複雑な事情を抱えたメンバーを本当暖かく迎え入れてくれて本当にありがとうございました。WACKのいろんな曲をやらせていただく中で、すごいキラキラした目で楽しんできれる新米の姿、めちゃくちゃ私の目にも心にも焼き付いています。だから、そんな大好きな新米のみんなと一緒に最後1曲めちゃめちゃ楽しんでいきたいです」

月ノウサギ(2部)「WAggに私が加入して一発目のO-WESTのライヴで、MCでWACKの音楽にたくさん救われてきたと話したのをふと思い出しました。半年間を振り返っても、それはずっと変わらずにずっとずっと支え続けられてきたなと思います。いま歌わせていただいた「にんげん」って曲も、ここに来なかったらきっと歌うことのなかった曲で、「何回もできる」って言葉に私自身が何回救われたかわかりません。WACKの音楽に、WAggとして触れること、正直すごい緊張したし、私なんかが歌っていいのかなと怖くなったときもあったんですけど、その曲に込められた人たちの想いとか、それぞれに積み重ねられてきた歴史に少しでも触れられたこの時間は、あまりにも幸せな時間でした。ここに来てWACKの音楽を歌って、みなさんとこうやって時間を共有することができて本当によかったです。宝物みたいな経験でした。本当にありがとうございました。本当に新米のみなさんは暖かいですね。ありがとうございます。この宝物みたいな経験と景色を旨にまだまだ届け続けます。最後の1曲大好きな曲です」

月ノウサギ(3部)「半年が過ぎました。本当に気が遠くなるほど長いと感じることもあったけど、今思うと夢見たいに一瞬だったなと思います。今まで生きてきて、「諦めるな」ってたくさん言われてきました。たぶん、みなさんも言われたことがあると思うし、自分もその言葉を何度も使ったことがあります。でも、その言葉にどうしても苦しくなって、疲れてしまうこともあるんですよ、人間だから。何もかも捨てずに諦めずにいれたらどんなにいいだろうと何度も思います。何度も思ったんですけど、人間は心も体もそれぞれだから、何もかも諦めないなんてきっとできないんですよね。壊れちゃうし、苦しくなっちゃうし。生きているうちに諦めなきゃいけない瞬間があって、でも、やっぱりそれと同じくらい諦めちゃいけない瞬間がくるってことを、この期間が私に教えてくれました。本当の意味で人に教えるということ、目と目を合わせて音楽を届けるということ、このステージにまだまだ立ち続けること、もっともっと大きな景色を見ること、何ひとつ諦めたくないし、何ひとつ諦めません。この半年間、ここに来れてよかったです。みなさんに出会えてよかったです。本当にありがとうございました。WAggとしての活動は終わるんですけど、本当の始まりはここからです。これからもよろしくお願いします」

これまで以上に長く大きな拍手が続く中、月ノが「次が本当に最後の曲です。みんなで笑って終わりましょう!」と叫び、最後は、1曲目に披露したWAgg唯一のオリジナル楽曲「WAggの素晴らしき世界」を現6人体制で元気いっぱいに披露した。

歌い終えると、新米たちの大きな拍手が鳴り止むのを待って、全員で「私たちWAggでした」とWAggのポーズをしながら挨拶し、大きなお辞儀をしてステージを後にした。

月ノは7月1日にPARADISESに復帰。既存曲を月ノ、新メンバーのキャ・ノンを含む6人体制で再録したデジタルアルバム『PARADISES(FREE ver.)』を同日に配信リリースする。WAggは月ノなき体制で再び昇格を目指して活動を続けていく。それぞれの道を歩む彼女たちのこれからに注目が集まる。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

WAgg定期公演「WAggs」
2021年6月27日(日)@東京・duo MUSIC EXCHANGE
セットリスト
1. WAggの素晴らしき世界
2. STUPiD
3. BiSBiS
4. nerve
5. pretty pretty good
6. PLEASE LISTEN TO MY
7. 現状間違いなくGO TO THE BEDS
8. NON TiE-UP
9. Have it my way
10. りスタート
11. When we wish upon a star
12. LAST
13. CAN’T STOP
14. Plastic 2 Mercy
EN1. primal.(1部)、にんげん(2部)、PARADISES RETURN(3部)
EN2. WAggの素晴らしき世界

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