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StoryWriter

こんにちは! で始まる連載ってどうなんだろう、変えようかなと思ってきたたまざわです。

新しい良いフレーズ募集中なので、思いついた方いらっしゃったら、tamazawa@storywriter.co.jpまでぜひご連絡ください。文章って書き始めにいつも困って、定型文に頼りがちになってしまいます。言い換えのボキャブラリーを増やしたい今日この頃です。

さて、生活に寄り添う本を紹介するこの連載。第19回目に紹介するのは、panpanya『動物たち』です。

vol.19 panpanya『動物たち』

『動物たち』
著者:panpanya
発売:2016年
出版社:白泉社
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784592711094

作品情報: あてどない生き様。寄る辺ない生き物。それでも「彼ら」はそこに居る。生き続けてゆく───。panpanya待望の最新刊。日記はもちろんカラーページもたっぷり収録。あなたの目に映るままの森羅万象をご堪能ください。

 

本書は漫画家・panpanyaさんが漫画誌『楽園』に掲載した13篇の作品を中心に同人誌発表作なども加えた漫画作品です。

実のところ、panpanyaさんの存在を本書を手に取るまで知らなくて、本屋さんで装丁を見て一目惚れ購入したものです。その時はまさか漫画だとは思わなくて、哲学的な本なのかなと思っていました。(漫画コーナーにもなかったので。)

以前、藤岡拓太郎さんの『大丈夫マン』を紹介した時に思ったのですが、漫画って連載で紹介するのとてもむずかしいですね(笑)。中身を載せすぎるのも、もちろんダメですし、ストーリーの説明をすると思わぬネタバレになってしまう。そういう面も含めて、あらためて漫画っておもしろい媒体だなと思いました。

それは置いといて、本書『動物たち』はpanpanyaさんの前情報なしに出会えて本当によかったなと思っている作品です。まず、他の漫画作品と違うところは漫画の間に日記が挟まっていること。これによって、ん? これは誰の心象世界なんだろうと不思議な気持ちになるのですが、エッセイのようにも捉えられます。

また、漫画のストーリーでは日常の見落としそうな部分まで掬い上げて描写していて、とても共感する部分が多いのですが、明らかに人間以外のものが登場する時があってびっくりしました。でも、本当に主人公の日常にその不思議が組み込まれていて、まるで自分もその世界にいるかのよう。

最後のページに用語集が収録されているのも驚きました。ことばと絵、それぞれで楽しめる不思議な漫画です。漫画と一言で括れないかもしれない。panpanyaさんの作品に偶然にも出会えてよかったです。他にも何作品か出版されてらっしゃるので、大人買いします。

それでは今週はここまで。来週もよろしくおねがいします!

※「本と生活と。」は毎週水曜日更新予定です。

たまざわかづき
1993年生まれ。SWスタッフ。もともとクラリネットとドラムをやってました。音楽以外の好きなもの:本、映画、動物、ドラマ、Netflix、Hulu、ぬいぐるみ、文房具など諸々たくさん。モルモットのごまちゃんと生活してます。30歳になるまでに本屋さんの開業を目指しています。

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