4人組ロックバンド・PK shampooのヴォーカリスト、ヤマトパンクスは、取材当日、紹興酒まみれの服でやってきた。チケット即完の東京・恵比寿リキッドルームでのワンマンライヴを終え、朝方まで晩酌をしていたという彼は腫れたどす黒い顔色で現れた。筆者とは初対面。13時、新橋のレンタルスペース、紹興酒まみれの服装のロックヴォーカル、スーツを来たインタビュアー。非日常さを感じる空間で1時間程度の取材を終え、新橋で写真撮影を始めると、街をうろうろ歩いていた細身の老人がヤマトパンクスに怒号をあげながら接近。殴られるのではという一瞬の緊迫感の後、老人は怒りを空中にぶつけながらどこかへ去っていった。
このインタビュー取材は、PK shampooと筆者の共通の知人が、強烈にヤマトパンクスのことが最高だと1年以上話し続けていたことがきっかけで、セッティングしてもらったものだ。その間、PK shampooのライヴも観に行かせてもらったし、音源も聴かせてもらっていたが、正直そこまで自分の琴線には触れなかった。だけど、ここまで好きだと応援している人がいることは、きっと何かおもしろいものを秘めているアーティストだという証左だと思い、話してみたいと思った。わずか1時間程度だったが、ヤマトパンクスの話は強く心に残った。そして、改めて聴いた彼のソロ作は心の琴線に触れまくっている。
取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希
見た目をいかつくしたり変にするのは威嚇みたいなところはあるかも
──今日が初対面ですが、勝手にヤマトさんはシャイな人というイメージを持っています。
ヤマト:ないっすけどね(笑)。シャイかな?
──そのあたり、ざっくばらんにお伺いできたらと思います。ヤマトさんが東京初期衝動のしーなちゃんと仲良いのも意外だなと思うんです。
ヤマト:僕は類似タレントやと思ってます(笑)。
──似ているところがある?
ヤマト:僕が女やったら、しーなちゃんみたいかなって。
──どんなところが似ていると思います?
ヤマト:海が好きなところとか(笑)。しーなちゃんはTHEギャルみたいな感じですけど、それこそ根はシャイというか、無理してギャルって言っているようなところがちょっとあるのかなと思うんです。僕もうえーいとか、朝まで紹興酒を飲むぞーとかってノリは強いんですけど、本当は気の弱いオタクなので、そういうところが似てるかなと。ネット上に限らずですが自分の主張や発言が色んな人とぶつかっちゃったりするところも似ているかなって。もともと僕もしーなちゃんとぶつかって仲良くなったので。
──根が暗いからこそ、自分に発破をかけるような部分もある?
ヤマト:そうですね。見た目をいかつくしたり変にするのは威嚇みたいなところはあるかも分からないです。髪の後ろ側を三つ編みにしてらんまみたいにしているんですけど、これも高校生の時からやっているし、中学の時も変形学生服を着たりしていました。
──別にヤンキーってわけではない?
ヤマト:ヤンキーではないんじゃないですか? かといってオタクでもない。ただの変なやつ。人と違うのが好きなだけだと思います。はっきり言うと、キモいやつなんですよ。ちょっとサイケデリックなものが好きだったりするだけの(笑)。
誰でもできるようなことをやっているやつに苛立ったりする
──大学は関西大学の哲学科に進学されたんですよね。どうして哲学科に入ろうと思ったんですか?
ヤマト:もともと留年する気で大学に入ったんです。留年するなら哲学科が1番かっこいいかなって。留年したというより哲学してたんかなって見てもらえるかなと思って(笑)。
──不純な動機ですが、おもしろいです。どうして留年したかったんですか?
ヤマト:働きたくなかったのもありますし、親が学費を出してくれるって言ったので、だったら留年できるとこまでやったろかと思って(笑)。
──今珍しいですよね。どっちかと言うと、勉強して、バイトして、インターンしてみたいに、信じられないぐらい忙しくしている学生のほうが多いから。
ヤマト:もちろん焦りはありました。同期がどんどん就職していったり、最近だと結婚するやつも出てきて。何してるんやろう自分とか、打ち上げで紹興酒一気飲みしている場合じゃないなと思ったり。
──それに加えて、ネットでもよく炎上していますよね。
ヤマト:炎上とか喧嘩、揉め事、争い、諍いの後、「やっとったなあ、お前」みたいに周りから言われるのは楽しいので悪い気はしないですね。できることなら炎上はしたくないんですけど。
──それでもSNSで発信するのは、炎上してでも他者と関わることに意味や価値を見出しているからなんじゃないかなとも思うんですが。
ヤマト:あーどうですかね。でも確かに、人に対してめっちゃ本気なんですよ。めっちゃ好きやから。気に食わんところとかがあると、友だちとかでも「お前の曲はクソなんじゃ」って言い合いになったり。表に出てないだけで、殴り合いの喧嘩になったりも何回もありました。カッコつけた言い方にはなりますが、ある意味では、他人のことをすごく大事に考えている。だからこそぶつかっちゃうこともあるし、喧嘩はよくありますね。それが炎上までいっちゃうときは大抵自分が酔っ払いすぎているだけなんで、本当に僕のせいなんですけど(笑)。
──喧嘩のきっかけは作品に対する向き合い方とかなんですね。
ヤマト:就職せずにバンドみたいな道をわざわざ選んだからには、僕しかできないことをやろうというのが前提にあるんです。だからこそ誰でもできるようなことをやっているやつに苛立っちゃったりする。「そんなの誰でもできるやんけ!」って言うと相手も「いや俺にはこういう想いがあるねん!」っていう押し売りの応酬になって、最後には殴り合い、っていう(笑)。
──あははは。僕も別のライターと記事への向かい方の言い合いになって、最終的にワインをぶっかけられたことがあります(笑)。留年を前提に大学に入った結果、音楽の道を選んだのはどうしてだったんでしょう。
ヤマト:さっきこんなこと言っておいてあれなんですけど、大学に入った時は落語をやろうと思っていたんです。でも新歓に行ったとき、落研の人たちが暗そうで全然おもしろくなさそうだったんです。逆に、軽音サークルの先輩たちが打ち上げ会場で焼きそばの投げあいをしていて。「やめろよ!」って言っている先輩の胸ポケットに焼きそばが入っていたりして(笑)。そっちの方がおもしろいんちゃうかな?と思って入ったんです。サークルでもそこまで熱心にバンドをやったという感じでもなかったですけど、なんだかんだ意外とやってみたら向いていたという。そこで出会ったやつらと今もバンドをやっていますし。
──こいつらおもしろそうだなっていう直感で入った結果、音楽に対しても興味が増していったと。
ヤマト:音楽をみんなで歌ったり演奏したりするのも楽しくて。意外とバンドも悪くないのかなみたいに思って。昨日のワンマンにも東京で就職してるサークルの先輩後輩がわーって観に来て、楽屋とかにも来てくれて。サークルノリの延長というか、MCとかもそうですけど、仲良い先輩後輩友だちとふざけている感じでしか今のところないんです。
エヴァンゲリオンは唯一の親でもあり、友だちでもあり、全てだった
──大学は結果、7年通ったんですか?
ヤマト:7回生まで行きました。正確には6年半です。
──卒業は?
ヤマト:しました。大卒にはなりたかったんですよね(笑)。
──結果、留年したことに対して後悔はないですか。
ヤマト:親には申し訳ないですけど、全然楽しくやれました。周りにそういうやつばっかりだったんですよ。8回、9回生まで行って中退した先輩とか、そんな人ばかり。PK shampooのギターも今7回生なんですけどまだ学生で。
──それ以外で、大学での学びみたいなものはありました?
ヤマト:留年したり休学したりしてたやつらも、卒業したら普通にちゃんとした企業に入っていったので、人生って意外と道を外れても大丈夫なんだなって。めちゃくちゃだった先輩とか後輩とかも社会に出たら意外と通用しているし、世の中って思っているほど堅苦しくないなって分かったのはありますね。それこそネットで炎上しても別に大丈夫だし。何ならむしろ炎上で知ってくれる人もいるしっていうぐらい適当な感覚でいられるのはそういう経験があったからかなとは思いますね。
──世代的にはデジタルネイティブともいえるわけですよね。
ヤマト:高校の時にみんなスマホを持ち始めて、Twitterとかが流行り始めたので。LINEとかも始まったり、生まれた世代がデジタルネイティブと言えばネイティブですけど、僕はかなり小さい頃から携帯やパソコンを与えられていたので、世代で言うともうちょっと前になるかもしれません。
──パソコンではどんなことをしていたんですか?
ヤマト:大したことはしてないですけどそれこそ小さい時は塗り絵のゲームとかから始めて、動画も自分で作ったりしていました。最近はあまりやってないんですけど、バンドのPVも最初は自分で作ったりしていて。動画編集とかもやりますし、曲も自分で作ったり。なんでもって感じですね。
──別のインタビューを見ると、わりと1人で過ごすことが多かった子ども時代なのかなと思うんですけど、その時にインプットすることも多かった?
ヤマト:そうですね。ネットに上がっているアニメを観たりとか。
──『エヴァンゲリオン』や『涼宮ハルヒの憂鬱』を好んで観ていたそうですが、他にどんな作品を観ていました?
ヤマト:とにかく数を観ていた時期もあるんですけど、他に有名なので言うと『攻殻機動隊』とか。押井守が好きですね。『ビューティフル・ドリーマー』とか高橋留美子作品も好きですね。ちょっと小難しそうなやつ(笑)。
──『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は観ました?
ヤマト:僕、新エヴァは存在そのものを認めてないんですよ。序も観てないです。
──それはなんでですか?
ヤマト:小さい頃に親が離婚してたり、唯一直接血の繋がった肉親である母親も病気で死んでしまったりしていて。そういう時期にエヴァンゲリオンをずっと観ていたんですよ。気持ち悪い言い方になりますけど、僕にとってエヴァンゲリオンって親でもあり、友だちでもあり、自分でもあり、暇つぶしでもあるけど大切なものを学ぶ場所でもある。大げさに言ってしまうと、全てだったんですよ(笑)。それがいきなりフルCGで蘇ったって言われても、拒否反応というかアレルギーみたいなものが出ちゃうというか。いきなり自分のクローンを観せられているみたいな感覚がある。FF7とかのリメイクもいっぱい出てますけど、それも小1ぐらいから親が持っていたやつをずっとやっていたので、今更グラフィックが綺麗になって違う技が使えてみたいなことを言われても微妙かなって感覚があってやっぱり興味は沸きません。たぶん作品としては素晴らしいんだと思うんですが。
──自分の人生と不可分なぐらい当時の作品が結びついているわけですね。
ヤマト:そうですね。親が共働きだったので1人の時間がすごい長かった。親と話す時間よりも長くFF7をやっていたので、染み付いているというか、一体化しているのかも分からないなとは最近思いますね。
物語そのものより、メタの方に興味がある
──その中で音楽はあまりのめり込まなかったんですか?
ヤマト:小学校入るか入らないかくらいの時にピアノを習わされて1日で辞めたことがあるくらいで、あと、小学校の音楽の授業中にみんなで鍵盤ハーモニカか何かを演奏している時に「うるさーーい!」って言って、教室から走って逃げたことがあると同級生に最近言われて。恥ずかしい(笑)。
──どっちかと言うと、音楽は好きというよりも。
ヤマト:むしろ嫌いだった。中学ぐらいになるとみんなでカラオケに行き始めるじゃないですか。付き合いで行っても端っこの方でジュース飲んでるみたいな感じで。人前で歌ったこともなかったですし、音楽好きっていうのは恥ずかしいと思っていた。
──分かります。俺も中学生ぐらいの時、恥ずかしいと思って家族にも言えませんでした。
ヤマト:そうそう、そんな感じでした。でも、高3ぐらいになったとき軽音部の友達が多くて。一緒に遊んでいるのが全員そういう感じだったので、なし崩しに入部してベースを弾くようになり、大学で初めてちゃんと人前で歌ったんですよね。
──いくら仲良い人たちの前でも気恥ずかしさはなかったですか?
ヤマト:僕、緊張を人生であまりしたことないんですよ。人前に出ても緊張しないというか。そこの回路がぶっ壊れているのか分からないんですけど。カラオケも恥ずかしいというより、カラオケで曲を歌うのがダサいと思っていた。別に緊張して声が出ないとかではなかったんです。バンドはコピーバンドから入りましたけど意外とすんなりとできましたね。大学で初めて歌ったのはTHE抱きしめるズのコピーバンドだったと思うんですけど。その時のドラムとギターが今PKで一緒にやってるにしけんとカズキだったような…(笑)。
──ちなみにお笑いは好きでした?
ヤマト:これも親が好きで、ダウンタウンの『ごっつええ感じ』のDVDなんかが家に全部あったんです。何回も巻き戻しながら観て、今のところおもしろいなとか、あ、これ今質問されて思い出したんですけどそれこそガキの使いの『松本人志のフリートーク』をノートに書き写したりしてましたね(笑)。勉強とか研究というよりは単なる写経に近かったんですが。
──本は読んでいましたか?
ヤマト:家の近くに図書館の分室みたいなのがあったんですよ。そんなに大きいところじゃないんですけど、土曜日が来る度に借りられる上限の8冊ぐらいを借りてきて。土日で全部読んで月曜返しに行ってまた借りる。そんなのを小2くらいからずっとやっていました。
──どんな本を読むことが多かったですか?
ヤマト:もう片っ端から全部読んだと思いますよ(笑)。ていうか、あるものを文字通り全部読んでやろうと思って無理やりそういうことをやってたんで。小説から漫画、昆虫図鑑、地図とかも含めて。結局全部読めたのかは覚えていないんですけど、かなり数は読みましたね。
──本をいっぱい読んだ中でも、特に自分の中で印象に残っているものは?
ヤマト:めっちゃ読んだけど、本に関しては強い影響は残らなかったですね。全然残らなかった。それこそハリー・ポッターとかになっちゃいます。だんだん物語ものを読まなくなって、中学生になる頃にはどっちかと言うと新書とかを読むようになった。未だに評論とかは読みますけど、村上春樹とかは全然読めないですね。嘘やんってなるんです(笑)。嘘やっていうか、しょうもなって思っちゃう。
──エヴァとか物語をむさぶるように摂取してきた反動なんでしょうかね。
ヤマト:評論に関しては、物語の評論みたいなものを読むことが多くて。それこそ大塚英志さんとか、東浩紀さんとかからそういう世界にハマっていきました。未だに新しいものが出たりすると買って積んでるんですけど、物語そのものよりは物語の外、メタの方に興味があるんだと思います。大学でもそういうことをずっと勉強していて。
マネージャー:自分で気づいてないんですけど、インプットがめちゃくちゃすごいんですよ。小説を読んでも、1回読んだらほとんど覚えてるって感じ。自分では分かってないかもしれないですけど。
ヤマト:天才かも…(笑)。いや、こういうこと言うと冗談でも叩かれるからやめとくか……(笑)
もっと評価してくれとは思わないです
──ミュージシャンとしてのヤマトさんの話をしていきたいんですけど、今のバンドっぽくない歌い方だなと感じるんです。しっかり歌いあげて、ビブラートとも入れていたり。どうしてこういう歌い方になったんでしょう。
ヤマト:なんででしょうね? 歌ってみたら、こんな感じの声というか歌い方だったというだけで、あまり深く考えたことはないんです。小さい頃は歌モノしかほぼ聴いてこなかったので。それこそマッキーとかサザンとか。大学に入ってからはパンクやオルタナやハードコアとかも結構聴きましたけど、やっぱり一歩間違えたら演歌じゃないかというくらい“歌”を聴く感覚が染み付いているというか。あとは単純に僕の声質がそういう歌い上げる感じに向いているのかもしれません。向き不向きの問題で。尾崎豊がちょっと好きだったので、パロディ風でオマージュしているときもあって。尾崎っぽいねって言われるとうれしかったりしますね。
──尾崎豊さんは若くして時代を背負うスターとなりましたが、一方で野音のスピーカーから飛び降りて骨折したりと世の中とのズレや苦しさがあったのかなと勝手に想像してしまいます。ヤマトさんは、自分の才能と世の中の評価へのズレのようなものを感じたりしますか?
ヤマト:いや、僕は評価してもらっているというか、むしろされすぎと思っていて。昨日もリキッドが即完して。そんな大したこと歌ってないですけどね、とは思うんですけど、そういう意味では逆にズレている感じですね。もっと評価してくれとは思わないです。逆に、もういい、もういいって思います(笑)。最近コンビニでレジに並んでいても、店員さんから「曲聴いてます」って言われるようになってきたんですよ。見た目が分かりやすいからだと思うんですけど、もういい、いい、すみませんって感じで。道で話しかけられたりもするようになってきて、もういい、いいですって感じですね。
──それは喜ばしいことじゃないんですか?
ヤマト:嫌じゃないですか? 何しているかずっと見られていると思うと。そのくせこんな格好しているのでズレているとは思うんですけど(笑)。
──音楽をやること=有名になりたいというわけではない。
ヤマト:むしろ、なりたくないと思っています。下北に自分たちのでっかい看板とかあって。それはもう恥ずかしすぎて逆に看板の下でピースして写真撮ったり自分からネタにしてますけど(笑)。ありがたいですけど、これ以上はいらないって感じですかね。これぐらいがちょうどいいというか。いや、もちろん頑張りますけど(笑)
人に聴いてもらわなくてもいいようなものを作りたかった
──PK shampooと並行して、8月にソロEP『衛星都市計画』をリリースされました。どういう理由でソロ作品を作ろうと思われたんでしょう。
ヤマト:バンド活動が僕の活動にとっての中心、つまり首都だとすると、今回はその周りのベッドタウン、つまり衛星都市みたいな作品を作ろうと思ったんです。さっきの話じゃないですけど、無理に人に聴いてもらわなくてもいいというか、むしろ突き放すようなものを作りたいなと。好き勝手に友だちと音を作って、自分の立ち位置を確保しておきたかったというか。かなりノイズを乗せたりして、最終的にやりすぎって言われて何回も調整したんですけど(笑)。ラップもしているんですけど、普通にラップするんじゃなくて、5連符とか拍子をボコボコに割ったり割らなかったりが交互にくる構成になっています。ラッパーがしないことをやらないとバンドマンがラップをやる意味ないかなと思って。まぁ、俺じゃないとできないことをしているというよりは、単純にそんなウケないから誰もやらない、に近いんですけど。
──ミックスやマスタリングも自分でやっているんですか?
ヤマト:自分と、まぁ友達に手伝ってもらったりです。
──トラックの音が前に出てきている分、逆にメロディの良さが際立ってヤマトさんの本質が伝わる作品だなと感じました。
ヤマト:普通に弾き語りの曲とかも入っているので、結果的にそんなに聴きづらい感じにはならなかったんですけど、当初はもっとめちゃくちゃにしてやろうと思っていて。いかんせん僕が曲を作るのが遅いので、時間がなくなって弾き語りを急遽ぶち込んだ形になったんです。最初はジャズをやろうと思って、ジャズ畑の友達にドラムやベースを頼んで俺はその中でピアノを弾いてやろうと思っていたんですけど、それも間に合わなくて。せめてラップだけは、と決めていたんですけど、それもレコーディング前日に書いた曲なんです。それですら入稿の締め切りをなんと9か月も破ってしまって……(笑)。すみません本当に。
──それこそさっき言っていたみたいに、誰でもできることをやっても仕方ないという想いが詰め込まれた作品なんですね。
ヤマト:みんながやっていることをやるのが苦手というか。協調性がない。かといって締め切りを守るような自律心もない。難しいところですね(笑)。直していかないとなと思っています。
──それがいいところでもあると思うので、作品に昇華していってほしいなと思ってしまいます。今後、やってみたいと考えていることはありますか?
ヤマト:今回はほぼほぼ自分と、友だちの大学生と一緒に作ったんですけど、次は先輩方を客演で呼んでギターを弾いてもらうとか、トラックを作ってもらったりしたいですね。あと、これはここ数日で思いついてみんなに言っているんですけど、盆踊りを主催したくて。神社で盆踊りを主催したい。誰に言ったらできるのかが分からないんですけど(笑)、盆踊りってめっちゃいいじゃないですか。ライヴハウスのそれと違ってモッシュとか叫び声が起きるわけじゃないし、ダンスの温故知新というか。感染対策的にも最強ですし。単純に櫓の上で和太鼓叩きたいんですよ。みんなに輪になってもらって、神社とかで出店を出して、流すのも自分の曲でなくてもいいし。
──神社を会場におさえるというのは確かに誰に言えばいいんでしょうね。
ヤマト:誰だろ。神様かな(笑)? うちの地元の神社がいいよとか、うち神社やってるよってところがあったら連絡してほしいです(笑)。え、せっかくインタビューしてもらったのにこんな終わり方で大丈夫ですか(笑)?
■作品情報
ヤマトパンクス
ソロEP『衛星都市計画』
発売日:8月16日(月)
品番:FWWW-101
価格:1,200円(税別)
レーベル FWWW.(From World Wide Web.)
収録曲:
1.翼もください
2.3D/Biela
3.第三種接近遭遇
4.二条駅
5.衛星都市計画
Official HP:http://pkshampoo.com/
■ライヴ情報
PK shampoo 1st ALBUM『PK shampoo.wav』Release EVENT
”HELLO my name is PK shampoo”
2021年11月14日(日)@大阪・関大前TH-R HALL
時間:OPEN 17:30 START 18:00
2021年11月18日(木)@東京・新木場USEN STUDIO COAST
時間:OPEN 18:00 START 19:00
▼チケット
オフィシャル先行
URL:https://w.pia.jp/t/pkshampoo/
受付期間:2021/09/16(木)21:00~2021/09/26(日)23:59
当落結果発表日時:2021/09/28(火)18:00
支払期限:2021/09/30(木)23:59