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現役風俗嬢リカのオトナ的コラム トーキョー・フリーティング Vol.9 風俗業界もネット時代 その1

StoryWriter

写真:まくらあさみ

こんにちは、リカです。

前回まで、“風俗のオシゴトについて”というシリーズとして、性風俗業界がどんな内容なのか紹介してきました。

Vol.9の今回は、私が8年以上という(やや長い)期間この業界に身を置いていてひしひしと感じている、“風俗業界もネット時代”になってきていることについてお話していきます。

Vol.3の業態編その2で、私が受付型が好きな理由についてお話したのですが、そのなかで“受付で顔の出ている写真が出されるため、ネットで顔を出す必要がなく、受付に来た人にしか顔がバレない”というメリットをお話しました。

現代社会はネットが中心で、SNSなんかも広く使われている時代なのは皆さんもご存知の通りで、確かに便利だし楽しいし、当たり前になっているとは私も思います。

その流れは風俗業界にも例外なく来ておりまして……。

そもそもこのオシゴトって、公にしづらく、皆こっそりやっているイメージではないでしょうか? 誰にもバレてはいけない。私はいまでもそのイメージなのですが……。

しかし、いまはもう、ネットでの顔出し、写メ日記、SNSなど、もう、なんでもネット上で行わなければならない時代になってきているのです……!

これには、風営法がナンタラで派遣型が主流になってきたことも関係あると思います。
派遣型のお店の利用や情報収集はネットが基本なので、どのお店もネットの情報を充実させるようになったので……。

私の感じてきた流れを順にお話していきましょう。

私がこの業界に入ったころーー8、9年前くらいは、やはりみんなこっそりやっている雰囲気で、ネット上に顔を出している子は「すごい……」「あの子やばいよね」みたいな感じでした。

どの業態のお店でも基本的にホームページを持っていて女の子の公式の写真もありますが、顔は、首から下しか載せていなかったり顔はモザイクだったり、目元に線が入っていたりと、ほぼ隠されていることが多かったのです。
つまりネットだけでは顔の雰囲気はわからなかった。可愛いかどうかもよくわからないけど、知ってる人に見られてもわからない=身バレしない。

ただ、店舗型や受付型のお店では、受付まで足を運べば、女の子の顔が全て出ている写真を見ることができます。そこで女の子の顔を見て選んで遊ぶことができるのが店舗型や受付型の良さで、それで好んで使うお客さんもいました。女の子としても、全世界(ネット)には顔を晒さずに、店舗や受付に来た人にだけ顔を見られるほうが、プライバシーが守られるし身バレもしにくくていいと思うし。

そして“写メ日記”という、写真つきのブログを女の子に書かせることが始まりました。写真(ちょっとエッチなやつもあり)つきで、女の子が文章を書いてお客さんにアピールするものです。

私のいたお店でも、女の子に対して「こういうのがあるから、もしやれそうならやってみて」程度の雰囲気でやらせているだけでした。実際私のお店の女の子はほとんどやっていなくて、私がちょっと頑張って書いていたら、書いている子が珍しかったせいか指名が増えたりしましたね。

そのあともしばらくは、たまに目立ちたい子が熱心にやっているな、くらいで、やっぱりまだ一部の子しかやっていなかったです。

そして世の中的にも自撮り写真を可愛く加工できるアプリなんかも出始めて、写メ日記にバチバチに加工した自撮りを載せる子が出始めました。

お客さんもプロフィール以上に女の子を知ることができる、エッチな写真が見られる、とわかってきて、写メ日記がだんだんお客さんにウケ始めて、どのお店もなるべく女の子にやらせたがるようになりました。

また、時代がそもそもどんどんネット社会になってきていることと、先程もお話した派遣型が増えてきたこともあり、どの店もホームページを充実させアクセス数を増やしたがるようになります。充実した内容のホームページでお客さんの興味を引き、来店に繋げたいわけです。

写メ日記のようなホームページ上のコンテンツが頻繁に更新されるとアクセス数も上がるため、その意味もあってお店は写メ日記をなるべく書かせたがるようになりました。アクセス数もあがるし、活気のあるお店に見えるので。なんならお店がダミーの女の子のダミーの写メ日記をスタッフがせっせと書いてあげているお店もありますからね。怖いよね……。

そしてだんだん、私の体感としては6年くらい前からは、お店も女の子に対して「写メ日記はやろうね」という雰囲気になっていき、さらにはノルマを課すようなお店も出始めました。写メ日記書かないとその日の給料から○円引き、という店もありましたね。

あと、これはきっともっと前からあるのだろうけど、匿名掲示板とか個人のブログとかもあります。

匿名掲示板はだいたい嘘と悪口で、同じお店の女の子が妬みで書いていたり、本番断られたクソ客が書いていたりします。私も存在は知っていたけど見ないようにしていたのに、お客さんが見せてきて、そこからしばらく見て病んでいた時期もありました。でもあんなの見てるお客さんなんてごく一部で、現実にほとんど影響しません。

個人のブログは風俗狂いの男の人が趣味で書いてるようなものですね。いいことも書いてありますが……。まあそこまで調べ上げるお客さんは少ないので、これもそんなに気にすることはないかなと思います。

話を戻します。これぐらいの頃から、ネットに載せる公式の写真も、目をまず出させるお店が増えてきました。お店の方針なのか女の子が自発的に始めたのかはわかりませんが、ネットに顔を出している子がいない→出せば目立つから指名されるかも?→出しちゃおう、という流れで出したのだと思うんですね。

目や顔の出せる子はバックが上がったり手当がついたりして優遇される店もありましたね。しかし目が出るだけでかなり雰囲気がわかってしまうので、身バレのリスクが一気に上がります。そして目が出ると、可愛いか可愛くないかも、だいたいわかりますよね……。

私はまあ、写メ日記は自分のアピールのために多少はやってもいいかな、それで指名増えるならやろうかな、というぐらいで、ほどほどにやっていました。ただネットへの目出しは、かなり抵抗がありましたね。身バレもそうですが、そもそも自分のことを可愛いと思っていないので、そんなものをあえて出して逆に指名減るのでは……とか、他の女の子にバカにされそうで嫌だな……とか、ずっと思っていました。

でもほんの最近、お店からの圧と、コロナの影響で来客が減っていたことへの打開策の一つとして、ついに目、出しましたね……!

でも、どうか知ってる人にバレませんように……親とか……。

長くなったので続きは次回。

リカ
東京都出身。都内の風俗店で働く現役風俗嬢。小説はミステリーと恋愛ものが好き。ロキノン厨。

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