写真:まくらあさみ
こんにちは、リカです。
前回のVol.9に引き続き、風俗業界もネット時代になってきていることについてお話していきます。
私が風俗を始めた8、9年前は、ネット上で顔を出す女の子も少なく、写メ日記もまだ始まったばかりくらいのころでした。それがいまは、ネットでの顔出し、写メ日記、SNSなど、もう、なんでもネット上でやらなければならない時代になってきています……。
写メ日記がだんだん普通になり、どの店でも「写メ日記はやろうね」という雰囲気になってきたのが私の体感で6年前くらい。そのころから、ホームページ上の公式の写真で、目を出させるお店が増えてきました。
これもしばらく……3年くらい前までは、目を出している子増えてきたなーというくらいでした。でももう最近は、目だけでなく全顔を出している子も多く、お店も基本は目出し推奨のお店が多いですね。「目は出せるよね?」「目出しできないとお客さんのつきが悪くなるけどいい?」みたいな感じ。
それでもどうしても身バレしたくないとか雰囲気がバレたくないから目も出したくない、という女の子は一定数いるので、隠している子もいるしお店も強制はしないと思います。でもやはり全顔や目を出している子が多いほうがホームページでは見栄えがするので、そういう子を在籍表の上のほうに持ってきたり広告やバナーなどに使われたりしがちです。
そして、お客さんもどうしてもそういう子に目がいきますよね? お顔の雰囲気はある程度わかる子から選びたくなるのは当然でしょう。実際、全顔や目だけでも出している子のほうが基本的には客付きは良いのではないかなと思います。
ただ、例えばすごくブスで顔出してもこれじゃ指名が見込めないな、というくらいの子なら、出さないでおいたほうが良いと思いますが(笑)。さらに言うと、ネットに顔を出してなくても、きちんと仕事をして指名を取れるような子なら、リピーターのお客さんがつくので忙しくなるし、いつも忙しそうなのがお客さんにもわかってくると顔が出てなくてもお客さんも気になって、さらに新規の指名もついて……という好循環が生まれ、売れっ子になれます。
まあそんな子は本当に実力のある一部の子だけですが……。そういう子も中にはいますが、基本的にはやはり目だけでも出すほうがお客さんの目に留まると思います。
そしてこのころから口コミも始まりましたね。これもホームページのコンテンツの充実というか女の子の情報の充実というか……。
これもでも、世の中の口コミと同じで、お店のスタッフがサクラで書いていたり、「いい口コミを書いてくれたら次回○円引き」とかやっていたりするので、どこまで信憑性があるかは微妙なところ。お店がダミーの女の子の写メ日記も書いて口コミも書いてそれの返信も書いて、とか普通にあります。オナニーかよ。
そしてさらに最近になると、写メ日記も、自分をお気に入り登録していないと見られないような機能がついたり、それに合わせて内容もどんどん過激なのを上げるように推奨されたりしています。限定で顔を出せとか、乳首を出せとか。動画も出させるお店も多いですね。動画で、声も出せとか。そこまで出したらおかずにされるだけなのでは……と私は思いますが。
さらに、写メ日記だけでなく、TwitterやインスタやYouTubeなんかもやる子が出てきて、さらにそれも店側も勧めてくるようになってきています……。風俗嬢のSNS、なんかもあります。各風俗情報サイトもコンテンツが充実してきて、そういうSNSや、お客さんと直接やりとりできるような機能なんかも出し始めているんですね。
私の体感では、現状まだ、一般的なSNSやYouTubeまで強制でやらせるようなお店はそこまで多くないとは思いますが、写メ日記は当然で、そういう風俗情報サイトが出している風俗嬢向けのSNSやお客さんとやりとりしたりアプローチしたりできる機能なんかは、強制に近い感じでやらせるお店が多いのではないかと思います。近い将来、もっとやるのが普通になりそう……と思っています。
皆が、やっているから。なんですよ。他のお店がやっているから。
そして、お客さんもわかっていて、そういうところまで調べているんです。
失敗したくないから、というのもあると思うけど、もう、普通なんですよ。
こうやっていろんなコンテンツからお店を見て女の子を見て。それで気に入った子を見つけて、やっと、来客に繋がるんです。一昔前までは、そういうネットの情報-公式はともかく匿名掲示板とかまでしっかり見てくるような人は「乞食客」みたいな認識だったけど、最近は普通なんじゃないかな。掲示板はいまも嫌だけど。それが普通の、そういう時代なのです。
私はこの流れがほんとーーに嫌です。笑
そもそもこっそりやるオシゴトだと思っていたし。そしてなんていうか、仕事内容がそもそも、脱いで触られてちんこを扱う、負担が大きい仕事だから、それ以外の負担は少なくて良い仕事なのだと思っていました。例えばお客さんへの営業なんかも、キャバクラはあるけど風俗はしなくてもいいところとか。まあこれも店にはよっては女の子に営業もさせる店もありますが。とにかく、店が集客をして、女の子は来た仕事をしっかりやる、というシゴトだと思っていました。
それがもう。SNSって。
写メ日記も書かせて顔も出させて写メ日記で乳首も出させてSNSや営業もやらせて、実際にちんこを触るのも女の子。
女の子やりすぎじゃない?
店は何をしてくれてるの……?と思ってしまいますね。
まあでも、時代だから。
仕方ないかなと思います。
お客さんも現代人だから、そういうのも見て来客を決めるから。
よっぽどナニカがなければ、やらなかったらネットの海に埋もれるだけ。
やらないと稼げないのだと思います。
最近風俗を始めた女の子たちって、そういう“当然目出し”“写メ日記強制”みたいなのが普通だと思い込まされているから、結構、抵抗なくネット上に顔を出しちゃうんですね。
大なり小なり加工はしているとしても、女の子が自ら全世界に“風俗をやっているワタシの顔”を出しちゃうんですよ?
すごくない?
SNSネイティブ世代だから?なのもあるのかな。若い子は。
SNSネイティブだから風俗のシゴトでもそういうのやれって言われても嫌とか思わないのかな。
皆やってるから私もやる、って感じなのかな。
身バレとかより、やらないと稼げないならやる、皆やってるし、ちょっと顔出すくらい平気、SNSも好きだし、って感じなのかな。
オバサンにはわかりません……。
でも、この今回の話って。
もちろん時代がネットの時代、というのはありますが、そもそももっと景気が良くてもっと風俗自体が賑わっていれば、こうなっていないのではないかな、とも思うんですよ。
景気が良い→男性たちにもっと経済的余裕がある→風俗を使う男性も多い→経済的に余裕があるから遊び方にも余裕がある→指名しないでフリーで遊んだり少しの情報だけでも気軽に指名して遊んだりしてくれる→お客さんがバンバン入って賑わう、というような流れだと思うんですね。
もちろんお気に入りの女の子に通っているお客さんもいるし、シゴトのできる女の子はそういうお客さんをいっぱい抱えているのだけれど、そういうお客さんだって永遠なわけではないので女の子としては常に新規のお客さんも接客していたいわけです。
でもいまの時代は、そういうフリーや気軽に指名して遊んでくれるお客さんがあまり見込めないから、少しでも指名を得るチャンスを増やすために、顔を出したりSNSを駆使したり……ってことなのかなと。
男性たちも、もっと気軽に風俗利用してほしい(笑)。
こんなにネットを駆使しなくてはならないのは、景気の悪いこの“時代”のせい、というのもあるのかなと思っています。
風俗のネットの時代のお話、終わり。
次はなんの話をしようかな。
考えつつも、今日も出勤してきます。
東京都出身。都内の風俗店で働く現役風俗嬢。小説はミステリーと恋愛ものが好き。ロキノン厨。