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【LIVE REPORT】東京初期衝動、渋谷クアトロ公演で魅せた4人の圧倒的グルーヴ

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東京初期衝動が、2ndアルバム『えんど・おぶ・ざ・わーるど』のレコ発全国ツアー〈東京初期衝動と大気汚染ツアー〉の東京公演を、2022年6月17日(金)、渋谷CLUB QUATTROにて開催した。

19時8分頃、レーベルオーナーでロックエージェント・ATフィールド代表の青木勉がステージに登場。マスク着用などライヴのガイドラインを述べた後、メンバーの代わりにグッズ紹介をすると、「東京初期衝動、渋谷CLUB QUATTRO、初のワンマンとなります。ツアーいろいろ回ってきて、いい形で、どんどんライヴもよくなっています。今日もそうなるでしょう。最後までよろしくおねがいします!」と挨拶をし、ステージを後にした。

19時13分。Tommy feburuary6のSEに合わせて観客が大きな手拍子をする中、ドラムのなお、ベースのあさか、ギターのまれ、ヴォーカル・ギターのしーなちゃんがステージに登場。まれとあさかがお立ち台に立ち楽器をかき鳴らした後、一瞬の静寂を挟むと、「Because あいらぶゆー」の歌い出しでライヴがはじまった。サビ前で、しーなちゃんが「こんばんは! こんばんは! 東京初期衝動です!! みなさん、ご自由にお楽しみください!」とがなり立てると、観客の拳が突き上がり会場の熱が上がった。続けて、『えんど・おぶ・ざ・わーるど』冒頭を飾る「腐革命前夜」、「高円寺ブス集合」と疾走感溢れる3曲を立て続けに披露した。

しーなちゃんのギターとソロで歌い始めたのは、サビがキュートなポップロック「マァルイツキ」。サビでは観客も丸い月を手でつくり拳をあげて応えた。まれのギターバッキングで始まったのは、しーなちゃんがまれのことを想って作った「ベイビー・ドント・クライ」。メロディアスなまれのアルペジオ、厚みと安定感のあるあさかのベース、タイトにリズムを刻むなおのドラム。しーなちゃんのヴォーカル、4人の演奏スキルとアンサンブルが厚みを増して、楽曲のよさがこれまで以上に引き立っていた。一転、「BAKAちんぽ」で明るく盛り上がると、「空気少女」、まれのギターから始まる初期楽曲「流星」、しーなちゃんの手拍子の扇動で観客も大きく手を叩きながら「春」と立て続けに演奏し、熱をさらにあげていった。

ノイジーままれのギターバッキングで始まった新曲は、これまでの東京初期衝動にはなかったようなミドルテンポで骨太なUSオルタナを感じるロックソング。それまでで一番デカいサウンドで観客を圧倒した。一転、しーなちゃんの弾き語りから始まりアンサンブルが爆発する「中央線」、〈ここでつまづくなよ東京初期衝動!〉とライヴで歌う「STAND BY ME」、あさかのヘヴィなベースから始まる「山田!恐ろしい男」では、しーなちゃんが拡声器で歌い観客をアジテーションした。あさかのベースソロに、まれのギターソロ、しーなちゃんのノイジーなギターバッキングが組み合わさり始まるオルタナ楽曲「愛のむきだし」と、1曲ごと雰囲気の違うバラエティに富んだセットリストでグルーヴを生み出した。

なおのカウントから始まるバラード的楽曲「東京」をしーなちゃんが抒情的に歌い、じっくりと聴かせると、「不純喫茶にてまた会いましょう」ではしーなちゃんが頭にタンバリンを載せてギターを弾いたり、途中でタンバリンを手に持ち叩いて演奏するなど、型にとらわれない演奏スタイルを見せた。続けて、なおのバスドラに、あさかのベースが加わり、リズム隊のタイトなボトムが一層際立つ「パンチザウルス」。しーなちゃんのハンドマイクとタンバリンで観客たちと一体感を生み出し、手を左右に振りながら盛り上がった。

ナンバーガールを想起するような、まれの細かく激しいギターバッキングから始まる「世界の終わりと夜明け前」でさらに勢いを増すと、「残り3曲、残り3曲、よろしくおねがいします!」というしーなちゃんの叫びとともに、再び拡声器を手に「トラブルメイカーガール」へ。東京初期衝動の名を最初に世に轟かせた代表曲「再生ボタン」、勢いそのままに4人のアンサンブル全開の「ロックン・ロール」をエネルギー全開で演奏し、MCらしいMCは一切ないまま本編は幕を閉じた。

観客たちの止まないアンコールの拍手に応えて登場した4人。しーなちゃんが「このたび、映画の主題歌が決まりました。その新曲をやろうと思います」と語ると、まれのギターのギター伴奏の上でしーなちゃんが歌い始め、メロディアスで可愛らしいサビが印象的な新曲を披露。そして、なおのリズミカルなドラムに、あさかのベース、まれのノイジーなギターバッキングとともにダンサンブルな「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」でハッピーな空気感に包まれると、初期から歌い続けてきた「兆楽」でしーなちゃんがステージを縦横無尽に駆け巡り歌い、最後は「高円寺ブス集合 爆速ver.」で高速なテンポの中で音の洪水で会場を埋め尽くした。「なおちゃん、帰りたくない」という、予定にはなかったしーなちゃんの言葉とともに、まれもあさかも思わず笑顔がこぼれる中、再び「再生ボタン」を演奏し、ワンマンライヴは大団円を迎えた。

4人の生み出すアンサンブルが圧倒的なグルーヴを生み出し、観客たちを熱狂させていった。パフォーマンスの勢いだけでなく、彼女たちの演奏が一番の熱狂を生み出す。そんなフェーズに東京初期衝動は足を踏み入れている。そのことがダイレクトに伝わる、バンドの未来に繋がっていくワンマンライヴだった。

取材&文:西澤裕郎
写真:横山マサト

東京初期衝動 「えんど・おぶ・ざ・わーるど 」レコ発全国ツアー
「東京初期衝動と大気汚染ツアー」
2022年6月17日(金)@渋谷CLUB QUATTRO

セットリスト
1. Because あいらぶゆー
2. 腐革命前夜
3. 高円寺ブス集合
4. マァルイツキ
5. ベイビー・ドント・クライ
6. BAKAちんぽ
7. 空気少女
8. 流星
9. 春
10. 新曲
11. 中央線
12. STAND BY ME
13. 山田!恐ろしい男
14. 愛のむきだし
15. 東京
16. 不純喫茶にてまた会いましょう
17. パンチザウルス
18. 世界の終わりと夜明け前
19. トラブルメイカーガール
20. 再生ボタン
21. ロックン・ロール

EN.1. 新曲
EN.2. 黒ギャルのケツは煮卵に似てる
EN.3. 兆楽
EN.4. 高円寺ブス集合 爆速ver.
EN.5. 再生ボタン

オフィシャルサイト https://tokyosyokisyodo.jp

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