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StoryWriter

音楽、アート、ファッション、文学、世の中には人々の生活を彩る様々なカルチャーがある。そ して、どのカルチャーにも新しい風を吹き込む若者たちが存在する。

この度スタートする新連載『Times O’ Youth』は、株式会社SWインターン生の北村蒼生(22) が、同世代の中で気になる若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく企画。今回は第0回と称して、東京・宮城を拠点に活動をする若手ガレージロックバンド、Killer Beachを取り上げる。


Vol.0 Killer Beach

Killer Beachは高校時代の同級生であるYama shit a Naoki(Vo)と Konno Kanta(Gt)の2人組からなるバンドで、ライヴなどではベースとドラムをサポートに入れて活動を行っている。私自身Killer Beachのサポートベースを務めていることから、宣伝もかねて彼らの音楽を紹介したい。

簡単に言うと彼らの音楽性は、00年代ガレージロック・リバイバルと90年代ブリットポップをか け合わせたようなものだ。ただそれ以外にも、メッセージ性の強い歌詞やエネルギッシュで荒々 しいサウンドからはパンク・スピリットが溢れていたり、胸がキュンとなる甘酸っぱさを感じる パワー・ポップ要素があったりと、一つのジャンルには絞れない幅広いルーツを感じさせる。乾いたシンプルなギターリフ、全編英詞のキャッチーなメロディー、日本人が好きな洋楽ロックのど真ん中!という感じの印象だ。

2022年6月18日にKiller Beachの1stアルバムとなる『THE FIRST』がリリースされた。本アルバムは収録曲に全パート宅録の曲やiPhone一発録りの曲があったりと、ローファイなDIY感が漂う作品になっている。今回はそんな新作アルバムの歌詞について、作詞を担当するYama shit a Naokiのコメントを基に深掘り解説をしていこうと思う。

 

1曲目「Superstition」

みんなの心の中にある確固たる意志を大切にしろというメッセージが込められている。それに嘘 をつかれる時もあるが、最後には自分の意志を突き通せと言っている。サビにある〈What I’m gonna do is not to fade away〉はまさに、自分が消えないようにという意味だ。

2曲目「Furies of the love」
戦争や貧富の差など、すっかり変わってしまった世界に対して歌ってる。誰かの幸せを守るため に誰かが犠牲になっている、そんな歪な愛の形を憂うという内容の歌詞だ。

3曲目「Life of cliché」
夢みたいな時間が過ぎて、落ちぶれてしまった人を歌った曲だ。でもクオーターライフ・クライ シスに陥るみたいなことは誰にでもあることで、人生なんて結果的には上下があってそれの繰り返し、それがまさにLife of cliché。人生が輪廻する感じを歌詞で表現している。

4曲目「Love song」
タイトルの通り失恋の歌。歌詞にある〈soldiers of the ocean tide〉とは、愛する人が去ってい く様子を指した比喩になっている。潮の満ち引きが兵隊のように押し寄せてきた後にすぐいなく なっちゃう、足跡だけ残して。文学的で重々しい歌詞とキュートでポップなメロディーがコントラストをなしている。

5曲目「In denial」
人生に思い悩み、全てが分からなくなってしまった人について歌っている。切ない秋のクライシ スに陥った人の歌だ。

6曲目「Soon」
美しさの裏面にある醜さを歌った曲だ。遠くからだと綺麗で透き通って見えるあの子も、近くで見ると濁った嫌な部分が見えてくる。それと同じように世間で美学とされている物事は、実は上っ面な存在で、どうしようもない醜さを抱えている。

7曲目「Falling down」
虚勢を張っている自分自身に気づいてしまった人についての歌。〈The morning light upon us makes me feel sorry for the words〉。太陽を前に言葉を無くしてしまう虚しさを描いたこの 歌詞から、何か大きな存在に自分の弱さを見透かされているという感覚が伝わる。

 

8曲目「Eldorado」
今の世相をとらえた反戦がテーマの曲。歌詞では、前にしてはいけないと学んだはずの事を再び繰り返してしまう人間の愚かさを風刺的に表現している。〈We only know the way we go with sooty face〉(僕らはすすけた顔で歩く道しか知らない)という歌詞では、戦争を繰り返す愚かさをアイロニカルに言い表している。

ここまで読んで頂いた方には、是非改めて『THE FIRST』を聴いてもらい、Killer Beachがもつ独特な詩世界を曲とともに感じて頂きたい。

 

※「Times O’ Youth」は毎週月曜日更新予定です。


■リリース情報

Killer Beach 1stアルバム『THE FIRST』
発売日 : 2022年6月18日(土)
価格 : 1,100円(税込)
収録曲:
1. Superstition
2. Furies of the love
3. Life of cliché
4. Love song
5. In denial
6. Soon
7. Falling down
8. Eldorado
9. Life of cliché ~studio live~

https://www.tunecore.co.jp/artists/Killer-Beach

https://holiday2014.thebase.in/items/63458613

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

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